それは、はやてのお見舞いに行く数時間前。
ユーノから闇の書の資料がある程度まとまったと連絡が入った為、その場に居た”なのは・フェイト・アリシア・プレシア・クロノ・エイミィ・リンディ”が聞くことになった。
「今まで調べたことを報告するよ。
まず、闇の書って言うのは正式な名前ではないんだ本当の名前は……。」
要約すると以下の通りだ。
・正式名称 / 夜天の魔導書
・もともとは各地の偉大な魔導士達の魔法を蒐集して研究する為の主と共に旅をする魔導書
・破壊の力を振るうようになったのは歴代の主の誰かが悪意ある改変を行った事
(改変は何代にもわたって行われていた様子)
・改変のせいで旅をする機能と破損したデータを自動修復する機能が暴走
・改変によって付けられた自動防衛運用システム / ナハトヴァール
一定期間の蒐集が行われなかった場合の主への浸食をし魔力の蒐集を行う
集めた魔力を使っての暴走
・メインの融合管制システム、闇の書の意志と呼ばれるユニットが存在する
・闇の書が完成した場合、一定時間でナハトヴァールが優先される
・完成後は溜め込んだ魔力と主の魔力のすべてを使って暴走
そして次の主を求めて転生する
「以上の事が今までで分かった事で、この事で今までの主は皆完成したらすぐに……。」
「停止や、封印の方法の資料は?」
「残念ながら見あたらない…。
引き続き調査を続けるよ。」
「分かった。よろしく頼む。」
こんな情報をつい先程、知ってしまったなのはとフェイトは必死になってシグナム達を止めようとする。
そんなシグナム達も二人が知っている事を知らない訳がない。
だが今回は、今回だけはあの優しい主の為に暴走以外の方法がないか他に手立てはないか……。
そんなことを思いながら剣を振るっている。
「邪魔すんなよ。
あと少しではやてが元気になってあたしたちの所に帰ってくるんだ。
あとちょっとなんだ……。」
涙を流しながら、ヴィータがなのはに近寄る。
「必死に頑張ってきたんだ…、だから、だから
邪魔すんなぁぁぁ」
叫びながらカートリッジロードを行いなのはに襲い掛かる。
なのはもシールド張り、あたり一面爆発と炎に包まれた。
炎の中からバリアジャケットを装着したなのはゆっくり歩いてくる。
それを見たヴィータは
「くっ、この、悪魔め…。」
「……悪魔で…いいよ……。」
悲しい目をしながら、デバイスを展開するなのは。
「…分かってもらえるなら、私は悪魔でもいい!!」
そんな、なのはを見てヴィータは叫びながら突進する。
「うわぁぁぁ!」
そして二人は空中戦に移行する。
一方のフェイトは必死にシグナムを説得しようとしていた。
「闇の書は悪意ある改変で壊れてしまっています。
今の状態で完成させてしまってははやては…。」
「お前たちがあれをどう決めつけようとどう扱おうと、聞く耳は持てん。」
「そうじゃない。そう言うことじゃ…。」
「聞く耳は無いと言った!
これ以上邪魔をするなら、切り捨てて通るだけだ!」
そう言いながら騎士甲冑を展開する。
それを見たフェイトもバリアジャケットを装着する。
「
フェイトの切り札の一つ”ソニックフォーム”を展開する。
「薄い装甲をさらに薄くしたか。」
その姿を見てシグナムが言う
「その分、早く動けます。」
「緩い攻撃でも当たれば死ぬぞ?」
「…あなたに…勝つためです。」
そう、フェイトは前回の戦闘からいや、なのはと出会ってから試行錯誤を常に続けていた。
それはどうすれば今よりもっと強くなれるか。それは家族が戻ってきてからリニスやアリシアと訓練をしている時に思いつき、構築し、練習を重ね、ようやく形になった物である。
「こんな出会いをしていなければ、おまえと私はよき友になれていただろうな?」
シグナムはそう言いながら俯き鞘を出し、居合の構えをとる。
「まだ間に合います。まだ…。」
「黙れ。我ら守護騎士、主の笑顔の為なら騎士の誇りさえ捨てると決めた。
この身に変えても救うと決めた!こんなとこでは止まれんのだ!!」
涙を流しながら、魔法陣を展開しフェイトを睨みつける。
フェイトもそれに応え魔法陣を展開する。
「止めます。私とバルディッシュが!」
そして二人の戦いが始まった。
一方、なのはとヴィータの戦いは一進一退の攻防を続けている。
この状況を打開しようとヴィータは距離をとった瞬間に巨大な鉄球を召喚。炎を纏わせてなのはに放つ。
その攻撃をシールドで防ぐなのはは受けると同時にヴィータにある細工をする。
そして巨大鉄球と共に地面に落下する。落下直前に脱出をしたなのはは滑りながら体制を整えレイジングハートを射撃モードで構える。同時に
「
レイジングハートが捕獲魔法を起動、ヴィータの両手足に光の輪が付き貼り付け状態になる。
それを確認すると同時になのははカートリッジロードを2発使い次の魔法を発動する。
「
「シューート!!」
桜色の巨大な砲撃がヴィータに向かって放たれる。
大きな爆発が起き辺り一面、煙が立ち込める。そこには無傷のヴィータとヴィータを守ったとされる物が見えてきた。
ヴィータを守ったのは闇の書だった。
「……闇の書?」
ヴィータが目を開けるとそこにはシールドを張った闇の書が浮いており次の瞬間、黒く紫がかった蛇の様なものが無数に現れ闇の書を包み込んだ。
それを見たシグナムは
「ナハトヴァール。なぜ?」
その時、そこから声が聞こえた。
「|automatic defense system,NachtWal activated.《自動防衛運用システム”ナハトヴァール”起動》」
それを聞いたシグナムは慌てて
「待て!違う!我々はまだ戦える!」
ナハトヴァールを見たヴィータは何かを思い出したようだ。
「こいつ…、そうだ、こいつがいたから…。」
するとナハトヴァールは
「
その言葉にヴィータは
「ふざ、けんな?
ふざけんなぁ!」
そして、ナハトヴァールに向かっていく。
ナハトヴァールから一本の蛇が伸びヴィータの攻撃を防ぎ弾き飛ばす。
「
そう告げると蛇の頭が3つほど出てきて口を開け魔力玉を生成する。そしてその場に居た全員に黒いバインドを放つ。捕らえた全員を自身の目の前に浮かせ
「
すると、シャマル・シグナム・ヴィータの3人からリンカーコアが露出し蒐集が開始された。
そこへ人型となったザフィーラが右拳に魔力を溜め飛んできた。
「てぇやぁぁ!」
ナハトヴァールはシールドでザフィーラの拳を止める。
「
そう言うともう一つ蛇の頭が口を開け魔力玉を作り出しザフィーラのリンカーコアを露出させる。
それを見たザフィーラはめげずに再度殴りかかる。
「
ナハトヴァールは再度シールドで防ぎ、爆発が起きる。
その頃
病室では、はやてが一人胸を抑え苦しんでいた。
そして自身では気づかない間に床に魔法陣を発動させ病院の屋上へと短距離転移をしていた。
苦しみながらも顔を上げるはやての前に、無数のツタに絡めとられたシグナム達がいた。
そこへナハトヴァールが近づき
「
そう言うと闇の書をはやての前に落とす。
風でページがめくれ最後まで埋まっているのが確認される。
「
「なんや?
あんた、誰?」
「
「そんなんええねん!
シグナム達になにした?皆を降ろして?返して!」
それを聞いたナハトヴァールは
「…
…
…
それを聞いたはやては顔が青ざめていき
「あかん、ちゃう。
そんなんじゃない!」
するとシグナム達に絡みついているツタの一部が動き出した。
「あかん
…やめて
……やめて
やめてぇーー!!」
「
するとツタが4人を貫きそれぞれがコアの状態となってしまった。
「
はやての足元に魔法陣が浮かび上がると
ドックン
「うわぁぁぁ」
はやての叫び声と共に魔力が溢れ出す。魔力が黒い光の柱となり立ち上る。
その頃、なのはとフェイトはナハトヴァールによって拘束されていた。
どうにかその拘束を解き急ぎはやての下に飛んでいくと巨大な魔力の柱が出来ていてその中に、瞳から光が失われたはやてがいた。そこへ闇の書が現れ
「
…
するとはやての中に新たなコアが入ると魔力の柱は、はじけ飛び辺りに衝撃を飛ばす。
中から現れたのは、六枚の黒翼を背負った銀髪の綺麗な女性が涙を流しながら立っていた。
「また…すべてが終わってしまった。
…我は魔導書……我が力のすべて…」
彼女がそう言いながら右手を掲げると、闇の書が
「
魔力の塊が右手に集まり徐々に大きくなっていく。
「忌まわしき敵を打ち砕くために。
闇よ…沈め。」
それを見たフェイトは
「空間攻撃!」
その瞬間、あたり一面をデアボリックエミッションが包んでいく。
発動の瞬間、なのはがフェイトの前に立ちレイジングハートがシールドを張る。
「
そんな様子を離れたビルの屋上から伺う人影があった。
波留達だ。