リリカルの世界に転生?   作:Y's T

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それからの守護騎士達

あの戦いから4日

はやては未だに目覚めていない。

今は、アースラの医療室でその目覚めを待っている。

はやてが寝ている間に諸々の検査を行った。

まず、目覚めない原因については、

 

「魔導士として目覚めたばかりでこんな大魔法をバカスカ放ったら

 そりゃ誰でもぶっ倒れるわよ。」

 

「その通りです。知識はいくらあっても体がついて行きません!

 目が覚めたらお説教と訓練ですね!」

 

こう言い放つのは、かの大魔導士でフェイトとアリシアの母、プレシアとその使い魔のリニスである。

今回の戦闘は、アースラで見ていたのだが次々に出鱈目な魔法を放つ子供たちに呆れていた。

因みになのはとフェイトもアースラの治療室で検査を行いその後リニスにみっっちり絞られ今は、皆で食堂で仲良く談笑している。

そして、守護騎士達は()()()()精密検査を終え今は、はやての傍にいる。

 

「それじゃあ、はやてはもう大丈夫なんだな?」

 

ヴィータがリーンフォースに訪ねる。

 

「あぁ。問題ない。プレシア女史の見立てではもう2,3日したら

 目が覚めるとのことだ。

 それに主を侵食していたナハトヴァールも消えたから動かなかった足も

 じき動かせるようになるだろう。今はお疲れなだけだ。」

 

「そっかぁ。」

 

「良かったぁ。」

 

ヴィータに続いてシャマルが安堵の表情をする。

 

「それであれば、もう大丈夫だな。…心残りは無い。」

 

「ナハトが止まっている今、夜天の書の完全破壊は簡単だ。

 魔導書ごと破壊しちまえば暴走することはもうないしな。

 その代わりあたしらも消滅しちまうけど……。」

 

「ヴィータ…。」

 

「いいよ別に!そうなる可能性ぐらいみんな知ってたじゃんか…。」

 

「いいや違う。お前たちは残る。行くのは私だけだ。」

 

そう言ってリーンフォースは事情を説明しだした。

 

 

  ◇

 

 

一方のなのは達は

 

「夜天の書の破壊…。」

 

フェイトの言葉になのはがたまらず

 

「どうして?防御プログラムはもう破壊した筈じゃぁ…。」

 

「ナハトヴァールは確かに破壊されたが夜天の書、本体が直にプログラムを

 再生してしまうそうだ。」

 

「今度は、はやてや騎士たちも浸食されてしまう可能性が高い。

 夜天の書が存在する限りどうしてもその危険が消えないんだ。」

 

クロノとユーノが立て続けに説明をする。

 

「だから彼女は今のうちに自らを破壊するように申し出た。」

 

クロノの言葉になのはとフェイトは絶句するしかなかった。

 

「そんな…。」

 

「それじゃあ、シグナムや騎士たちも……。」

 

そんなフェイトの言葉にシャマルが

 

「ううん。私たちは残るの。」

 

「ナハトヴァールと共に我ら守護騎士も本体から解放したそうだ。」

 

ザフィーラが続けて言う。

 

「それでリーンフォースからなのはちゃんたちにお願いがあるの。」

 

「「お願い?」」

 

 

  ◇

 

 

海鳴公園展望台

 

「将よ。お前とはもう随分、長い付き合いだがこんな風に話したことはなかったな。」

 

「あぁ。」

 

しばらく沈黙が続く中

 

「すまん。言葉が見つからん。」

 

そう切り出したのはシグナムだった。

 

「謝るな。胸を張ってくれ。

 我らが主の事をよろしく頼む。」

 

リーンフォースは真っすぐシグナムを見ながらそう語る。

 

「…分かった。」

 

シグナムもその眼差しに恥じないように返した。

 

少しすると展望台になのはとフェイトがやってきた。

それを見つけたリーンフォースは

 

「来てくれたか。」

 

「リーンフォース、さん?」

 

「そう呼んでくれるのだな。」

 

「うん。」

 

なのはの言葉に嬉しく思う彼女に

 

「あなたを空に返すの、私達でいいの?」

 

フェイトはやるせない表情で聞く。それに対して

 

「お前たちだから頼みたい。」

 

とても優しい顔で答えるリーンフォース。

 

「はやてちゃんにお別れの挨拶、しなくていいんですか?」

 

なのはの言葉に彼女は

 

「主はやてを悲しませたくないんだ。」

 

「でも、そんなの、なんだか、悲しいよ……。」

 

「お前たちにもいずれ分かる。

 海よりも深く愛し、その幸福を守りたいと思う者と出会えればな。」

 

笑顔でそう答えるリーンフォースに何も言えない2人だった。

そして他の守護騎士が到着したのを確認して

 

「そろそろ始めようか、夜天の魔導書の終焉を……。」

 

 

  ◇

 

 

その頃の波留はプレシアとリニス、ブリジットを交えて話し合いをしていた。

 

「どうにかできないか?」

 

「私の知識では何とも…。」

 

「私も難しいな。」

 

波留の言葉にリニスとブリジットはお手上げ状態。プレシアはなにやら昔の資料を漁っている。

 

「早くしないとあいつら送還しちまうぞ。」

 

そんな時、

 

「あったわ!これよこれ。」

 

プレシアが探していた資料は

〈管制人格プログラム(管制融合機)の自立と自衛について

    ~これがあれば誰でも融合機といつまでも一緒~〉

 

なんていうふざけた資料である。

だが中身は至って真面目な内容でその中には

・自己防衛プログラムの正しい解除の方法や

・暴走してしまったらこれを行えば安全解除♪等のページがある。

その中に

・融合機と本体の正しい解除の仕方が載っている。

 

「これがあれば大丈夫よ!波留君!」

 

「おう!」

 

と飛び出そうとした時、目の前をふらつきながら車椅子で移動するはやてが見えた。

 

「はやて?」

 

はやてはぶつぶつ言いながら転送ゲートの方に向かっていた。

 

「リーンフォース、リーンフォース、リーンフォース……。」

 

そんなはやてを波留は後ろから一気に押して転送ゲートに突っ込んだ。

 

「えっ、波留君!」

 

「任せろ!はやて。何とかする。

 プレシアさん、あとで合流を!」

 

「えぇ分かっているわ。」

 

「行くぞ。はやて!」

 

「うん!」

 

〈管制人格プログラム(管制融合機)の自立と自衛について

    ~これがあれば誰でも融合機といつまでも一緒~〉

 

                      著 Dr すかりえってぃ

 

 

  ◇

 

 

3つの魔法陣が重なるところにリーンフォースは魔導書と共に立っていた。

 

Ready to set(レディトゥセット)

standby(スタンバイ)

 

レイジングハートとバルディッシュが合図を出す。

 

「あぁ

 短い間だったがお前たちにも世話になった。」

 

Don't worry(気になさらずに)

Have a good journey(良い旅を)

 

「あぁ。ありがとう。」

 

そう言うと、魔法陣の輝きがより一層増す。

固唾をのむ一同の前に遠くから声が聞こえる。

 

「リーンフォース」

 

「リーンフォース!

 

 みんな!」

 

「はやて!」

 

「はやてちゃん!」

 

はやての登場にヴィータが動こうとすると

 

「動くな!」

 

リーンフォースが止めた。

 

「動かないでくれ。儀式が止まる。」

 

「あかん!やめて!リーンフォース。

 こんなんせんでええ。破壊なんてせんでええ。私がちゃんと抑える!

 大丈夫や!そんなんせんでええ!」

 

「主はやて…良いのです。」

 

「いいことない。いい事なんか…なんもあらへん。」

 

涙ながらに止めようとするはやてにリーンフォースは優しく言葉を紡ぐ。

 

「随分と長い時を生きてきましたが、最後の最後で私はあなたに綺麗な名前と心を

 いただきました。ほんのわずかな時間でしたが、あなたと共に空を翔けあなたの力になることが

 出来ました。

 騎士たちもあなたのお傍に残すこともできました。

 心残りはありません。」

 

「心残りとかそんなん…。」

 

「ですから、私は笑って逝けます。」

 

「あかん!わたしがきっと何とかする!暴走なんかさせへんて約束したやんか!」

 

「その約束はもう立派に守っていただけました。

 主の危険を祓い、主を守るのが魔導の器の務め。

 あなたを守る為の最も優れたやり方を私に選ばせて下さい。」

 

「せやけど…、ずっと悲しい思いをしててん。やっと…やっと救われたんやないか!」

 

「私の意志は、貴女の魔導と騎士達に残ります。私はいつもあなたの傍にいます。」

 

「そんなんちゃう!そんなんちゃうやろ!」

 

「駄々っ子はご友人に嫌われます。

 聞き分けを我が主。」

 

今までで一番優しい笑顔を見せたリーンフォースに、はやてはたまらず近寄るが途中で躓き車いすから落ちてしまう。

 

「リーンフォース、

 なんで、なんでや。これからやっていうのに、これから幸せにしたらなあかんのに…。」

 

泣きながらはやては思いの丈をぶつける。そんなはやてにリーンフォースが近づき

 

「大丈夫です。

 私は、世界で一番幸福な魔導書ですから。」

 

はやてについた雪を払いながらさらに続ける。

 

「我が主。一つお願いが。

 私は消えて小さく無力な欠片へと変わります。

 もしよろしければ私の名はその欠片ではなくあなたが何れ手にするであろう、

 新たな魔導の器に送ってあげて頂けますか?

 祝福の風・リーンフォース。

 私の願いはきっとその子に継がれます。」

 

「リーンフォース…」

 

「はい。我が主。」

 

そう言い彼女は魔法陣の中央へ移動し

 

「主はやて、守護騎士達、そして小さな勇者たち

 

 ありがとう。」

 

 

その瞬間上空から荒々しい声が響く。

 

「そんなんは間違ってるぞ!リーンフォース。

 なにが心残りはありませんだ。

 めちゃくちゃあるじゃねえか!」

 

そこには怒り心頭の波留の姿があった。

 

「他人に託すのは簡単だ。なぜ自らで勝ち取らねぇ!」

 

「だがこれ以上は主はやての負担になる。そうなる前に

 ナハトが復活する前に空に返すのが最善なんだ!」

 

涙ながらに訴えるリーンフォースに波留は

 

「本当か?」

 

「…本当だ。」

 

「本当に、他に手はないか?」

 

「手は…ない!」

 

「本当にそれが最善か?」

 

「それが…最善だ!!」

 

「…そうか。

 

 ……他に手があると言ったらどうする?」

 

「「「え?」」」

 

その言葉に一同は驚く。

 

「あるんだよ、方法が。

 取り敢えずこの儀式止めるぞ。」

 

そう言い波留は守護騎士達となのはとフェイトの足元に魔力弾を撃ち込み儀式を止めた。

儀式を中断した波留は地上に降り立ち、なのは達のもとに向かう。

 

「波留君。今の話は本当なの?」

 

「あぁ。本当だ。」

 

「しかし、今まではそんな事一切できなかったぞ!」

 

なのはの言葉に自信満々に答える波留はリーンフォースは憤りを感じて突っかかる。

 

「それは、今までがこんな状況にならなかったからだろう?

 それにその送還だってお前さんの知識の中のものであって今までの前例はないんだろう?」

 

「それはそうだが……。」

 

波留に正論で突っ込まれてリーンフォースは勢いが落ちてしまった。

その時、リーンフォースはハッとして

 

「我が主!」

 

はやての事を思い出し駆け出した。

はやての傍には2つの人影が見えた。

 

「……母さん!」

「ブリジットさん?」

 

フェイトとなのはが驚いた反応を示す。そして二人に駆け寄り

 

「母さん、どうしてここに?」

 

「うーん。はやてさんの事で色々調べていてね。

 波留君に頼まれて資料を集めていたのよ。」

 

「そう言うことだ。」

 

「それじゃあ、はやてちゃんはお別れしなくっていいってことですか?」

 

「…そう言うことや。」

 

「はやてちゃん?」

「はやて?」

「我が主…?。」

 

なのはとフェイト、リーンフォースそれにその場にいた皆が一様に驚いた。

そこにはさっきまで涙で、くしゃくしゃになっていたはやてがあっけらかんとして車いすに座っていたからである。

 

「どういうことだ?」

 

ヴィータは何が何だかわからい様子で頭を抱えている。そこではやてが事の顛末を話そうとしたが

 

「このままここで話をするのは風邪をひいてしまうわ。特にフェイトが。

 ここは温かいものでも飲みながら落ち着いて話しましょう。

 ちゃんと説明するから、ひと先ずはわが家へいらっしゃい。クロノ君達も来ているから。」

 

プレシアの言葉に皆は分からずも従うしかなく一同はテスタロッサ家に向かうことになった。

 

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