リリカルの世界に転生?   作:Y's T

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マテリアル編
新たな脅威?現る


「それは………。」

 

ブリジットがアーデルハイトとの関係を皆に説明しているころ、ジェイルは一人、地下のラボで今回のデータをまとめていた。

 

「ふむ。今回は実にたくさんの事が起きた。

 新たに貴重なデータを手に入れることもできたし、

 今後の彼女たちの成長は娘たちの成長にも少なからず影響を与えるだろう。

 それに何といってもあの闇の書の、おっと今は夜天の書だったか?

 あれの解析が出来たのは実に素晴らしい!!」

 

ジェイルは不敵な笑みを浮かべながら歓喜に震えている。

その姿は悪の科学者そのものである。

 

「データがあるなら複製してみるか?

 いやいや、いかんいかん。それでは悪の科学者ではないか。

 娘たちの為にもそれはいかん。

 はやて君やリーンフォース君に聞いて複製していいか確認しておくか。

 それにしてもステラ君やアーデルハイト君の今後のデータは欲しいなぁ。」

 

ピッピッピッ

 

「ドクター?夕ご飯が出来ましたよ。リビングに上がってきてください。」

 

「ん?ウーノかい。もうそんな時間か。

 分かった直ぐに向かうとしよう。」

 

「早くしてください。下の子達がお腹がすきすぎて暴れる前に…。」

 

その言葉を聞いたジェイルはすぐさまエレベーターに向かった。

以前、同じような状況があった時に下の娘たち、ノーヴェ・ウェンディ・セッテの3人が大暴れして家の中がメチャクチャになったことがある。それ以降は特別な研究が無い限りは皆で食事をするのがスカリエッティ一家の決まりになっている。

ジェイルがラボを出た後に、解析していたデータが勝手に動き出す。

 

ピピピピピピ

ブンッ

 

ラボの中が強烈な光に包まれるとそこには夜天の書に似た魔導書が浮かび上がっていた。

魔導書のページが開かれると3色の光の玉が現れる。蒼い光と紅い光そして至極色の光。本が閉じると3つの光はクルクルと本の周りをまわり、やがて本と共にその場から姿を消した。

 

 


 

 

ステラ達が月山家に来てから数日。波留の平和は1週間と持たなかった。始めは普通だったがある日、アーデルハイトが

 

「私も学校に通いたいです。」

 

の一言からすべてが始まった。両親がその言葉を聞いて直ぐに聖祥大小の制服を用意したのだ。ステラも行きたいと言ったが、1日中大きくなっていることが出来ない為、却下された。その代わり病弱という設定で放課後の時間だけ、雑貨屋MOONの手伝いをしている。その為、放課後のお店はステラ目当ての子供達で連日盛況である。

そして案の定アーデルハイトは波留たちのクラスに転校してきた。

自己紹介の時

 

「アーデルハイトと申します。皆さんよろしくお願いします。」

 

とあいさつしただけで、

 

「「「「「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」

 

クラスメイトから盛大な歓声が上がった。その中に

 

「な、なんと神々しい…。」

 

「まじ天使…。」

 

「こ、声が、声が……。」

 

「え?どこのお姫様?」

 

「何なりとお申し付けくださいませ。」

 

と、まるでデジャブの様な反応が。更に波留の家に居候していることがばれると、クラス中から嫉妬の眼差しが波留に向けられた。これらに関してはアリサがこれまたデジャブのように皆を収めて遠い親戚だということで、どうにか治まった。クラスはどうにか治まったが校内でも噂が広がり休み時間の度に、教室の入り口は人だかりができてる。更に、お店の方でも問題が発生していた。ただでさえ人気店なうえにステラが店番をしているから噂が広がる。更にさらにそれを見たアーデルハイトも手伝いだしたから更にヒートアップ。

学校でも家でも彼女たちの人気がとてつもない。

そして騒動はそれだけではなかった。

ようやく落ち着いてきたと思ったら今度はとんでもないことが起きた。

ある日の下校途中に波留は商店街で聞き覚えのある声を聞いた気がした。

 

「こらー!ウェンディこっちきなさーい!」

 

遠くの方でウーノっぽい声が聞こえた。波留が気のせいかと思ったら視界の外れにジェイルらしき人物が見えた気がした。まさかと思ったが次の日の放課後、トーレっぽい人が、また次の日はドゥーエっぽい人を見かけた。

気になってはやてに聞いてみたら

 

「最近、商店街で似たような人達を見かけるようになってん。」

 

と言っていた。なのは達に聞いてみたら同じようなことを口にしていた。

 

 

~アリサ・すずか談~

 

「この間、手をつなぎながら歩く3人組がいたわね。」

 

「そうそう、すごく仲良さそうな感じだった。後ろにお姉さん?みたいな人が声をかけてたから

 家族じゃないかな?」

 

~フェイト・アリシア談~

海鳴市(ここ)

「神社の傍で、チンクっぽい銀髪の子とディエチっぽい茶髪の子を見たような。」

 

「私は違う日に臨海公園のほうで、クアットロとセッテっぽい人を見たよ。」

 

~なのは談~

 

「最近、翠屋で大量にシュークリームを買っていく人たちがいるって聞いたんだけど、

 特徴を聞いたらウーノさんやドゥーエさんっぽいんだよね。

 それによく小さい子を連れてくるんだけどその中の子で語尾に~っスて言う子が

 いるんだって。」

 

 

 

 

そして次の日の午後、雑貨屋MOONに団体客が訪れた。

この日は日曜日ということもあって波留達も店を手伝っている。

店の入口が開きカランカランと扉についているベルが鳴る。波留は商品の整頓をしながら入口の方を向きながら

 

「いらっしゃいま『ごふっ!』」

 

挨拶をしている途中で何かにタックルをされた。その勢いで後ろに倒れると自分の上に赤っぽい頭が2つあった。

 

「いててて。

 ってなんでおまえらがいるんだ?ノーヴェ、ウェンディ。」

 

「遊びに来たっス。」「フンスッ」

 

すると二人の後ろから腕が伸びてきて二人の襟首をむんずとつかみ取る。二人をつかんでいるのはトーレで説教をしているのはドゥーエだ。その後ろから元凶ともいえる人物、ジェイルが顔を出す。

 

「やぁやぁ、波留君。

 ご無沙汰しているね。」

 

波留は打ち付けたお尻をさすりながら起き上がり、ジェイルに詰め寄った。

 

「最近、商店街で目撃情報が多かったんだ。

 いったい何の用で海鳴市(ここ)にいるんだ?」

 

と言い終わる前にジェイルは波留の前から姿を消し、ステラの所に移動していた。

右手をあごに添えて

 

「ほうほう。

 随分と魔力運用が上達したね。ラボに居た時は15分が限界だったが今はかなりの時間

 その姿でいられるようになったみたいだね?」

 

いきなり目の前にジェイルが現れたステラは驚きつつも質問に答える。

 

「…は、はい。

 頑張って練習しました。調子が良ければ2時間くらいはこの姿でいられますよ♪」

 

「うん、うん。

 実にいい傾向だ。」

 

そんなジェイルに苦笑いを浮かべながら答えるステラの視界に静かな怒りの表情の波留の姿が見えた。

それを見たステラが後ずさりをした。後ずさりに気づいたジェイルがただならぬ気配を感じた時、彼の後方から波留の低い声が聞こえてきた。

 

「おい、おっさん。いい加減にこちらの質問にも答えて貰おうか。」

 

波留は指をポキポキ鳴らしながらジェイルに近づく。

波留の方を振り向いたジェイルが後ずさりをしながら

 

「は、波留君。お、落ち着き給え。」

 

そう言いながらジェイルは尻もちをつき後ずさりをするとある人物に当たった。

ジェイルが振り向き見上げると、先程ノーヴェとウェンディを捕まえたトーレが立っている。

 

「ト、トーレ…。ドゥーエ。」

 

ジェイルが二人に助けを懇願するが当の二人は顔を見合わせてニッコリ笑うとトーレが捕まえていた二人を離す。

解放されたノーヴェとウェンディはトーレとドゥーエを見上げると二人はコクリと頷く。

それを見たノーヴェとウェンディはジェイルの両腕をしっかりと捕まえる。

 

「えっ?

 ちょっと。

 ノーヴェ?ウェンディ?」

 

 

慌てるジェイルに

 

「ドクター、ごめんなさいッス!

 こうしないと3日間おやつ抜きなんッス!」

「ごめんなさい。」

 

ジェイルが他に助けを頼もうと見回すと、皆が手を合わせてジェイルを祈っている。

 

「ちょっと、なんで祈っているんだい?」

 

そんなジェイルに波留が近づく。その手には亜樹から渡されたハリセンが握られていた。

そして波留は持っているハリセンを勢いよく振り下ろした。

 

スパーーーン!!

 

 

  ◇  ◇  ◇

 

ところ変わってここは月山家道場

店では他のお客の迷惑になるので母、奈々の一言で道場に移動してきた。

流石にこの大人数をリビングで、だとギュウギュウすぎるので道場に来てもらった。

移動する際にお店を出たところで丁度お店に来たテスタロッサ家5人を確保。そして道場までの道のりでなのはと八神一家を確保。みんなを巻き込みつつも、本来ここに居る筈もない人たちの事情を聴くことになった。

 

「それで?どうして海鳴市(ここ)にいるんだ?」

 

波留が再び同じ質問をする。

お茶を一口飲んだジェイルがようやく質問に答える。

 

「オホン。

 まずは謝罪を。

 先程は失礼したね。つい興味に惹かれてしまった。」

 

「い、いえ。」

 

その謝罪にステラは苦笑いして答える。

 

「それで?なんであなた達が海鳴に居るのかしら?」

 

今度はプレシアが迷惑そうに聞いてきた。

 

「おっとそうだった。

 大まかな理由は3つある。」

 

「…3つ?」

 

なのはが?を浮かべながら相槌を打つ。

 

「一つ目はアーデルハイト君とステラ君の事だ。」

 

「「私達ですか??」」

 

「そうだ。偶然とはいえ二人が誕生したのは私も関わっているからね。

 老婆心ながら何か起きた時のために近くにいた方がいいと思ったんだよ。」

 

ちょっと嘘っぽい笑顔を浮かべながらもっともらしい事を語るジェイルにプレシアがすかさず聞く

 

「本音は?」

 

「それはもちろん、こんな面白そうなこと、作っておいて、はいおしまいは悲しすぎる!」

 

こぶしを突き上げてつい本音が出てしまったジェイルに皆からのジト目が襲う。特に年長組の娘たちはひどい顔をしている。

 

「…それで2つ目は?」

 

苦笑いしつつもアリシアが聞いてきた。

 

「オホン。

 2つ目は、はやて君達に関わることで許可を貰いたくてね。」

 

「私達ですか?」

 

「うむ。

 先だっての、夜天の書の解析が出来たことでそれの複製を作ってもいいか聞こうと思ってね。」

 

「はぁ。」

 

「もちろん危険な機能なんかは付けずに、本来の数多の魔法を後世に残す魔導書として残せないかと

 思ったんだよ。」

 

「そうゆうことなら構いませんけどリインはどうや?」

 

「主はやてがいいのなら私もかまいません。」

 

「そうか。なら問題ありません。」

 

「ありがとう。」

 

ジェイルがお礼を言うとそのままはやてが

 

「それで理由の3つ目はなんですか?」

 

「あぁ、それは娘たちに関してなんだ。」

 

一同が注目する中、ゆっくりとその胸の内を話し始めた。

 

「この子達は私が作り出した子達だ。

 この子達には、いろんな経験をして欲しいと思っている。

 その為にはいつまでもあんな人里離れたところでは駄目だと思ってね。

 なので街で普通の生活をと思って海鳴市(ここ)に来たのさ。

 まぁアーデルハイト君達やはやて君達の事も気になっていたから一石二鳥かと思ったのも事実だけどね。」

 

それを聞いた一同はみんな笑顔になった。

 

  ◇  ◇  ◇

 

その後は皆で楽しくおしゃべりをしながらお茶を楽しんだ。

ちびっ子たちは道場内を走り回っている。そんな中、なのはがステラがつけているネックレスに気が付いた。

 

「ステラちゃん、そのネックレスきれいだね?」

 

「ありがとう。」

 

「私も気になってたんや。それどごのやつなん?」

 

はやても便乗して聞いてきた。ステラがネックレスを服から取り出し手のひらに乗せた。

それを見たブリジットと波留は驚いた。

 

「これは売り物じゃないの。遠い昔に大切な人が作ってくれた物なんだ。」

 

「へぇー、そうなんだぁ。」

 

「…キレイ。」

 

近くにいたアリシアとフェイトがネックレスを見ながらつぶやく。

 

「それも一緒に構成されていたのか。」

 

ブリジットが驚きながらも懐かしく思いながら言うとアーデルハイトが答えた。

 

「そうなんです。

 私も見た時は驚きました。これはあの時、()()()()()()()()()()()()()()()だから。」

 

それを聞いた波留の横顔を少し傾き始めた夕日が照らす。その横顔は悲しそうだった。

 

とその時、波留を始めとした数人が道場の異変に気付き走り回っている下の子達をそれとなく奥へと誘導した。

すると道場の入口が勢いよく何者かに開けられた。

 

バ~~~ン!!

 

「御用だ~~~!!!」

 

そう言いながら入ってきたのは、いかにも元気が取柄に見える青い髪の毛をツインテールにしている女の子が立っている。

その奥に人影が2つ見える。

一人は赤茶色の髪の毛でショートカットのおとなしそうな女の子。

もう一人は白みがかった銀髪のボブヘアで堂々と仁王立ちしている。

一瞬の沈黙が流れ、ショートカットの女の子が右手で顔を半分、隠しながら

 

「レヴィ、そこは違います。

 ル〇ーシュ・〇・ブリ〇ニアが命じる……。」

 

「たわけ!!」

 

スパン!!!

 

ボブヘアの女の子がどこからかハリセンを取り出しショートカットの女の子の頭をはたいた。

 

「うぅぅっ!

 …痛いです。

 王よ…。」

 

「…シュテルよ…。

 このたわけが!

 お主は亡国の皇子でもなければギ〇ス保有者でもなかろうが!!」

 

「そうだよ、シュテルん。」

 

「レヴィも言ってやれ。」

 

「…シュテルん。

 そんな技があるならボクにも教えて欲しんだけど!!」

 

スパン!!!

 

「あ、痛っー-!!

 ひどいよ。王様!」

 

今度はレヴィと言われた子がハリセンではたかれた。

 

「ひどくはないわ!

 見てみろ!お主たちのせいで、この者たちが茫然としておるわ!」

 

レヴィとシュテルはディアーチェと言われた子にブーブーと文句を言っている。

そこへリインフォースに支えられたはやてが近づき訪ねた。

 

「えーっと、君らはどこの誰でなにしにここへ来たん?」

 

「良かろう。

 特別に教えてやろう!

 

 我の名は、ディアーチェ…

 

 ディアーチェ・K・クローディア。」

 

そう名乗ると右手を前に出し魔導書を呼び出すとバリアジャケットを装着していた。

その姿は、はやての騎士甲冑によく似ていた。

 

「はやてちゃんにそっくり…。」

 

なのはがそう言うと他の二人もそれぞれバリアジャケットを装着していた。

 

「こっちの二人は、なのはちゃんとフェイトちゃんにそっくり…。」

 

はやてがそう言うと二人がそれぞれ

 

「ボクは、レヴィ・ラッセル。」

 

「私は、シュテル・スタークといいます。」

 

2人がそれぞれ自己紹介をする。その手にはデバイスらしきものを持っていた。

その時ジェイルが、ディアーチェの持っている魔導書を見て驚いた。

 

「…き、君が持っている魔導書は

 も、もしかして……。」

 

「ほう…。

 やはり気づいたか?

 そう。お主が考えている通りの魔導書だ!」

 

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