リリカルの世界に転生?   作:Y's T

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交錯する人々

ここ3日程、波留は散歩という名の巡回をしている。

その理由は3日前にリンディと一緒に来た管理局の魔導士が原因だ。

 


 

3日前

「今回、こちらにお伺いをしたのは皆さんに協力をお願いしたいからなんです。」

 

リンディがそう言うと続いてクロノが

 

「数日前、だいたいスカリエッティ博士がこちらに来てくらいの頃、

 海鳴市近辺で違法渡航者のエネルギーを感知したんだ。幸い僕達が、と言っても

 僕と母さんなんだけど、2人がいたから調査を依頼されてね

 少し調べてみたんだけど…。」

 

何とも歯切れが悪い。続きを今度はリンディが

 

「案の定、次元跳躍の痕跡が見つかってね…私達だけじゃ手に余るから

 この手の専門家に頼んだの。それがこちらの……。」

 

「我々と言うことになる。」

 

ゼストが相槌を打つ。

と、ここでフェイトが質問する。

 

「あのー、首都防衛隊ってミッドチルダの……クラナガンを防衛する部隊なんじゃ…。」

 

その質問にはクイントが答えた。

 

「あっ、それはね私達”ゼスト隊”はちょっと他と立ち位置が違うからなの。

 部隊の中でも管轄に縛られずに行動できる隊なのよ。」

 

「それで?そんな隊の人達が来たってことは…。」

 

波留が聞くとクロノが

 

「そう言うことだ。今現在で分かっていることは

 一つ・次元跳躍があったのは確かだが、ミッドチルダの技術ではないということ。

 一つ・相手は少数で行動しているということ。

 今、分かっているのはこんなところだ。後、関係しているかは分からないが、

 最近このあたりでスクラップの車や工業用重機の盗難が頻繁している。

 もしかしたら関係しているのかもな。」

 

その後にメガーヌが答える。

 

「そこで私たちの出番な訳。私達ゼスト隊は違法渡航者の捜索や捕縛、

 ロストロギア関係の捜査なんかも出来る部隊だから声が掛ったの。

 

 それに隊長は航空魔導士でSランクの魔導士だし、私とクイントもそれなりにやるわよ。」

 

そんなこんなで手伝うことになって、波留達は無理をしない範囲で商店街を中心とした市内の巡回をすることになった。

 

  ◇  ◇  ◇

 

そうして今日も散歩という名の巡回を終わらせ帰ると、マテリアル達とスカリエッティ一家、ゼストとクイントのメンバーが来ていた。

今日は先日、破壊された月山道場の修理が終わる日だ。

すべての作業が終わり、孝夫のチェックが入る。

 

「………。」

 

その様子を固唾を飲んで見守る一同。

 

「………いいだろう。」

 

その一言に皆が歓声を上げる。

ディアーチェ達は再度、謝罪をした。

そしてそのタイミングでなのはが差し入れを持ってやってきた。

みんな大好き翠屋のシュークリームを食べながら波留はディアーチェ達に

 

「みんなは今後、どうするんだ?」

 

その質問にディアーチェは

 

「無論、エグザミアを探す。」

 

「手掛かりはあるのか?」

 

そう聞くと手を顎に当て考え込んだ。

しばらくしてディアーチェがステラに聞いた。

 

「ステラ、お主が持っているペンダントを見せてはくれまいか?」

 

どうやらディアーチェはステラのペンダントがそうではないかと思っているようだ。

ステラは波留を見る。波留は頷きそれを確認したステラはディアーチェにペンダントを渡す。

 

「…すまぬ。」

 

―――――

 

――――

 

―――

 

「やはり違うか。だが少しだけ痕跡が見つかったのはなんでだ?」

 

そう言いながらステラにペンダントを返す。

 

「ずっと、闇の―、”夜天の書”の中にいたからじゃないかな?」

 

ディアーチェはステラの答えに一応の納得をした。

そこへ先程までシュークリームをアグアグ食べていたレヴィが

 

「取り敢えず、探しに行かないとね!」

 

その答えにシュテルが

 

「何処を探すのですか?それすら解っていないのに…。」

 

それを聞いたレヴィはしばらくウーン、ウーンと唸り考えていると、閃いたのか

 

「ならこの街を探すしかないんじゃないかな!」

 

その答えにディアーチェは納得したように

 

「そう、だな。

 急がば回れと言うしな。そうするか!」

 

ひとまず街の中を探して回るらしい。

そんな話をしている一方でクイントはスカリエッティ一家のちびっ子たちと戯れていた。

 

「クイントさん、子供好きなんですね?」

 

それを見ていたなのはが聞いた。

 

「ああ、うちにもこの子達ぐらいの子が2人いるのよ。

 それでうちの子達を思い出しちゃってね…。」

 

「えー--!クイントさん子供いるんですか?

 そんなに若いのに!?」

 

その声を聞いて皆がなのはに注目する。

 

「それじゃあ、お子さんはどうされているのですか?」

 

アーデルハイトがクイントに聞くと

 

「それは、主人に任せているわよ。」

 

「ご結婚されてたんですね?」

 

そんな話で盛り上がっている。因みにゼストとジェイルは輪に入れないで少し離れたところで見守っている。

そこでジェイルが思い出したかのようになのはに質問する。

 

「なのは君、そう言えば明日だったよね?あそこに行くのは。」

 

「そうなんです。」

 

それを聞いてクイントはハテナ?が浮かぶ

 

「?明日はどこかに行くの?」

 

そうするとちびっ子たちが

 

「うん!」

「明日ね!」

「遊園地行っス!」

 

ノーヴェ、セッテ、ウェンディの順で満面の笑みで答える。

 

「あら、いいわねぇ。」

 

そこに波留が

 

「友達の親がそこの開発に関係してて、その関係でプレオープンってのに招待されたんです。」

 

「ああ、それでみんな行くのね。ディアーチェちゃん達も?」

 

クイントが聞くとディアーチェは首を横に振った。

 

「いや、我らは呼ばれておらぬ。第一その波留達の友人は面識が無い。」

 

「そうなんだ……。

 じゃあ今度、連れっていってあげるね!」

 

クイントは強引に約束を取り付けた.

 

◇ ◇ ◇

 

その日の夜

街外れの廃ビルの中

ここに先日、海鳴にやってきた3人?がいた。

1人は”アミティエ・フローリアン”その妹”キリエ・フローリアン”そしてもう1人?は人工知能の”イリス”である。彼女たちはここ数日、海鳴市周辺で起きている盗難の犯人である。

それは盗難したものを使ってイリスが2人の移動手段やサポートする重機を作っていた為である。

その他に、エグザミアを見つけるための準備を着々と進めている。

 

「この子が本の持ち主なんですね?」

 

アミタがはやての写真を見ながら2人に聞く。

 

「ええ、そうよん。名前は八神はやてちゃん。」

 

キリエが少しお道化て返事を返す。

 

⦅ここ数日調べたけど、彼女は基本的にこの5人の誰かと必ずいるわ。⦆

 

そう言ってイリスはヴォルケンリッター達の写真を見せる。

 

⦅出来ればこの子が1人になった時に、交渉して本を貸してもらう、もしくは()()()()()()()。⦆

 

「この5人がいるところでは駄目なんですか?」

 

アミタが率直に聞く。

 

⦅この5人はかなりのやり手よ。いくらあなた達でも無傷で、とはいかないわ。⦆

 

「時間はないけど……、チャンスを待つしかないようね……。」

 

キリエの言葉にアミタは歯痒い表情を見せる。

 


 

翌日

波留は海鳴市海上に新しく出来た大型レジャー施設〈オールストーンシー〉に来ていた。

ここは、大小様々なアトラクション施設に水族館が併設された、海鳴市の新しい観光スポットにと作られた場所だ。因みにこの施設の開発はアリサとすずかの親が経営する会社だ。

今日は、ここの完成披露会として開発に携わった人達とその家族が呼ばれている。

波留達はただ遊ぶだけではなく学校から宿題が出されている。

 

「<オールストーンシー>の水族館の感想を提出してください。」

 

これが宿題として出された。聖祥大付属小の生徒はこの日から毎週いくつかのグループに分かれて訪れることになる。今日の波留達のメンバーは波留・亜樹・アーデルハイト・ステラ・なのは・フェイト・アリシア・アリサ・すずか、の9人だ。ステラは学校には通ってないが仲間外れはかわいそうということで一緒に来ている。保護者はアリサの両親・すずかの母親の春菜・プレシア・なのはの母親の桃子・そして奈々が引率として来ている。はやては昨晩、本局技術部から呼ばれ今日はそちらに行っている。夜には合流できるそうだ。

 予定としては施設内に宿泊施設があるので、そこの感想が欲しいという理由で皆で泊まることになっている。なので今日のところは水族館で宿題をやり、明日の朝からアトラクション施設、ようは遊園地で目一杯遊ぶ計画を立てている。波留達はひとまず宿題を終わらそうと水族館に向かった。因みにスカリエッティ一家は少し遅れて到着するそうだ。なので「先に水族館に行ってきます。」とメールを入れて施設内に入る。ジェイル達は今回の完成披露会に招待されたわけではなく、商店街の福引で完成披露会の招待券を引き当てた。くじを回したのはノーヴェ、ウェンディ、セッテの3人。見事、セッテが当たりを引き当てた。

 

〇 〇 〇

 

波留達は順調に見学をしていき、この水族館の目玉の一つである、巨大鉱石のホールに着いた。

この鉱石についてはアリサの母親が説明してくれた。

 

「これは海鳴沖の海底で偶然発見されたものなの。どんな成分でできているとか

 いつの時代のものなのかも、まったく分からないのよ。」

 

説明文を読むと、その大きさは高さ10m・横4m・奥行4mとかなり大きい。

波留は少し口を開け見上げている。その時、ステラとハイジが傍にいない事に気が付いた。2人はホールの壁際にあるベンチで休んでいる。波留が気が付き2人の傍に行く。

 

「2人ともどうした?大丈夫か?」

 

波留の問いかけにハイジは

 

「私はそこまでではないんですけど、ステラが……。」

 

「ステラ?」

 

当のステラは少し震えている。

 

「あぁ…大丈夫、大丈夫。

 なんかあの石の近くにいたくないって気持ちになっちゃって……。」

 

ステラの調子が良くないこともあって早々にこの場を離れた。どうやらあのホールから出れば大丈夫みたいでその後はスカリエッティ一家と合流し水族館の隅々まで楽しんだ。

 

◇ ◇ ◇

 

その夜

はやては管理局での用事を済ませ皆が待つホテルに向かっている。

この日、会社の都合で同行できなかったすずかの父親・俊がはやてを迎えに行ってくれた。

 

「月村さんすみません。迎えに来てもろうて。」

 

はやての言葉に俊は

 

「問題ないよ、はやてちゃん。

 僕も仕事で昼間は合流できなかったからね。」

 

そう言ってくれて車内では他愛のない会話で高速道路を順調に走っていく。

すると後ろからものすごい勢いで大型重機を乗せた積載車が数台、追い抜かして行く。

俊はどうにかハンドルを切りかわす。

 

「あっぶないなー。何て運転するんだ。」

 

そう言った瞬間、先程の車両がスリップして道を塞いでしまった。

慌ててブレーキを踏み、ハンドルを切り、ドリフトUターンをして衝突だけは避けたが後続車がいる、と思ったがその後続車が来ない。代わりに似たような大型重機を乗せた積載車が後ろも塞いでしまった。

 

「はやてちゃんこれって……。」

 

「ええ、間違いなく塞がれましたね。

 それにあの車……。」

 

そう言うはやての指さす方を見た俊は

 

「…運転手がいない。」

 

すると女性の声が聞こえてきた。

 

⦅車から出てきてもらえないかしら。⦆

 

2人はお互いの顔を見て頷きゆっくりと車から降りた。

そして正面の車のキャビネットの上に赤いドレスっぽい服装の女の子がいる。ただ彼女は()()()()()()()()()気がしているはやて。それもその筈、キャビネットの()()()()。正確には上に()()()()()。それに体がなんか()()()()()?ホログラムみたいな感じがする。

はやてがそんな事を考えていると俊が相手に質問を投げかけていた。

 

「君はどこの誰で僕たちに何の様だい?」

 

その質問に彼女は

 

⦅これは失礼。

 私の名前はイリス、別に覚えなくてもいいわ。

 そっちの彼女に八神はやてちゃんにちょっと用があって来たの。⦆

 

「私に?」

 

⦅そう、貴女が持っている本、ロストテクニクス・データストレージ、闇の書。

 それを貸してもらいに来たの。⦆

 

イリスの言葉にはやては真っすぐな眼差しで答える。

 

「お話やお願いならこんなことせんでも普通に来てくれればいいのに……。」

 

⦅直ぐに返すから、抵抗しないでくれると嬉しいわ。⦆

 

そう言いながら、イリスの後ろにある重機が起動し始める。それは本来の目的の形ではなく明らかに対人用に()()()()()()()()()ように見えた。

 

「月村さん。」

 

「自分の身くらい自分で守るよ。」

 

それを聞いてはやては魔導書を出す。

 

「封絶結界、発動!」

 

と同時にあるところに念話を飛ばすはやて。

 

〘八神はやてから東京支局へ。

 場所はえーっと…中央海岸線のランプ11と12の中間付近。

 緊急事態発生につき結界を展開。応援とモニタリングをお願いします。〙

 

〘こちら管理局東京支局。

 結界の確認をしました。了解です。モニタリングを開始します。〙

 

少しの間、イリスとはやてはにらみ合いをし、次の瞬間イリスが行動に移す。彼女の左側から明らかにガトリングガンの銃身が出てきて、はやてに攻撃をする。はやてはそれを後方に飛んで躱すが攻撃はそのままはやてを追いかける。咄嗟にシールドを展開し防ぎ着地と同時に魔導書を開き右手を掲げ魔法陣を出現させる。

魔法陣の周りに魔力の塊が5つ現れ

 

「クラウ・ソラス!」

 

はやての掛け声とともに5つの魔力が放たれ、相手に直撃する。砂埃が舞うが直ぐに晴れると、ほとんどダメージを与えられていない。今度はイリスが

 

「突撃!」

 

前よりにいる改造されていない重機を2台、はやての後ろから1台を囲むように突撃させるとはやては背中に6枚の黒翼を出し、空中に退避する。それを見てイリスは

 

「螺旋徹甲弾セット!」

 

するとイリスの足元の重機が戦車の銃身みたいなものに変わっていく。そこから放たれた弾丸は真っすぐにはやてに向かっていく。はやてはシールドで弾丸を防ぐが勢いが止まらない。そこへ新たな重機からフォークグラップルの先端がロケットパンチのごとく飛んでくる。それに驚きながらもはやては左手でもう一つシールドを展開するがフォークグラップルが徐々にシールドを抜けてくる。それを見たイリスは微笑みながら

 

⦅無駄、それはもう調べた。⦆

 

そう言うとシールドを抜かれたが間一髪、躱すことが出来た。フォークグラップルはそのまま後ろのビルにぶつかり爆発する。すると右手で防いでいた弾丸の勢いが急に弱くなりバランスを崩す。次の瞬間、勢いの弱くなった弾丸が爆発しはやては吹き飛ばされる。地面に衝突する直前で体制をどうにか立て直し、滑りながら着地すると目の前には新たなフォークグラップルが飛んできた。見事に捕まり高速道路の壁に磔の形になる。

 

「あかん…しくった……。」

 

イリスは、はやてに近づきながらワイヤーロープを操り夜天の書を回収しようとする。

 

「それじゃあ、魔導書をちょっと借りるわね――「ダァン!」!?。」

 

夜天の書を引き寄せようとした瞬間、イリスは狙撃された。

 

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