RIDER TIME ディケイド forever 作:トウマ17293
「ん…ここは?」
1人の男が目を覚ました。まだ意識がはっきりとしていない状況で辺りを見渡した。周りには写真が飾ってあり、長い間営業していたと感じさせる建物の中にいるようだ。
「まさかここは光写真館…?」
男の名前は門矢士。またの名を世界の破壊者ディケイド 。
「どうやら目覚めたようだな、ディケイド 」
そう言いながら奥の部屋から男が出てきた。男の見た目は眼鏡、フェルト帽子をかけた中年風の男。
「お前は鳴滝!どうしてここに、いやそもそも俺はあの時死んだはずじゃ…」
ある程度意識がはっきりしてきたのか士は自分に何が起きたのか冷静になって考えた。記憶の糸をたぐり一つ一つ思い出した。
「俺はオーマジオウが開催したデスゲームに飛び入りで参加して、そして真実のソウゴを倒すために7人のジオウと戦って、オーマジオウに…くっ!」
その時急に士は頭を抱えた。自分が死ぬ瞬間を思い出してしまったからであろうか。
「どうやら思い出したようだな、だがお前はまだ死んではいない。私が生き返らせるからだ」
「何!どういう事だ鳴滝」
自分が死んだという事を思い出したと思ったら次は生き返らせると聞き動揺を隠しきれなかった。
「オーマジオウは死んでいない、お前には生き返ってオーマジオウを倒さなければならない」
そう鳴滝が言うと写真館にある背景ロールを下ろした。そこには黒と金が主体のカラーリングで額にはクロノグラフのような3つの意匠が備わっており、顔面の装甲にはびっしりと敷き詰められた「王」の文字、腰には金色のベルトをつけた仮面ライダー、オーマジオウがいた。
オーマジオウ、それは最低最悪の魔王常盤ソウゴが変身した姿であり、今回の騒動の始まりであるデスゲームを開催した張本人である。元々デスゲームを開催した理由はあらゆる世界の破壊と創造を繰り返したことで力を消耗したオーマジオウが自分の生贄に相応しい人間を探す為であった。
「オーマジオウが生きているだと、だがあの時ソウゴが確かに…」
真実のソウゴとは違うソウゴが仮面ライダーセイバーの力を使い、倒した事を士は覚えていた。
「確かに一時的には倒されたのだろう、だがオーマジオウの力を持ってすれば復活することなどわけもない。そして奴は今度はソウゴ達がいる世界をも破壊しようとしている」
「待ってくれよ、仮に生き返っとしても今の俺じゃオーマジオウには…」
オーマジオウとの戦いで士はディケイドコンプリートフォーム21に変身したが手も足も出なかった。
「あぁ…そうだな今のお前ではな」
「どういう事だ?」
士は鳴滝の思わせぶりな態度に引っかかった。
「時にディケイド、お前は一体どれだけの世界を通り過ぎて来た?」
「いきなりなんだ?」
「世界は無数に広がっている。全ての世界を通り過ぎてきたつもりかも知れないがまだまだ知らない世界がある。本当はお前だって気づいているんじゃないか?自分がまだ知らぬ世界を」
そう言われてて士はハッとした。
「まだ知らぬ世界を巡りその世界での役割を果たさなければ通り過ぎたとは言えない。そしてその時コンプリートフォーム21の力は完成する。その力とジオウの力を合わせればもしくは…」
「…俺は死に場所を求めて戦ってきた。だから生きることに興味なんてなかった。だが、このまま負けたままじゃ性に合わない。それに会いたい奴らもいるしな」
小野寺ユウスケ、光夏海、海東大樹、かつて一緒に旅をし、今回の戦いにも参加してくれた仲間たちの事を士は思い出した。
「教えてくれ鳴滝俺は一体どの世界を通り過ぎればいい?」
「フッ…いいかディケイド、お前が通り過ぎなければならない世界は3つだ。ウィザードの世界、ビルドの世界、そしてゼロワンの世界だ」
どこか嬉しそうに鳴滝は答えた。
「ウィザード、ビルド、ゼロワンか…大体わかった」
そう言い終わると同時に背景ロールが下り始めた。そしてそこには3つに分断された壁のようなものが映し出された。
「成程まずはビルドの世界のようだな」
「じゃあ行くとするか…」
士は外に出ようと歩を進めた。だが、ドアノブに手を掛ける手前で士は後ろを振り向き鳴滝を見た。
「言っておくが鳴滝、礼を言うつもりはないからな」
「フッ…当然だ。そもそもお前を倒すのは私だからな」
士はどこか嬉しそうな顔をし、ビルドの世界へと向かった。
取り敢えず思いつきで書いてみました。続きを書くかは分かりません。