青龍魂心セイリュード   作:サナギ@北の大地

10 / 16
個人の事情で連載を開けましたが更新します


正体……バレた!?

「セイリュウダガー、ありがとうございます……おかげで勝てました」

 

「それは良かった。データを取りたいからセイリュウブレスを渡してくれても良いかな?」

 

「わかりました……1つ良いですか?」

 

「なんだい?」

 

セイリュウダガーの礼を言いにモンドの部屋に来た晴人が先程の戦闘で起こったことを説明する。

 

「ふむ……それはセイリュードの人格の擬人化だね」

 

「擬人化ですか?」

 

「うん、惑星ホープの技術を使ったんだ。AIの人格を……ね」

 

「戦う事でその人格が芽生えてくるという事ですね」

 

「その通りだよ。晴人くん」

 

「なるほど……僕、頑張って強くなりますね!」

 

目を輝かせる晴人を見てモンドは微笑む。

 

(良かった。笑顔が戻ってくれて……今の彼なら【暴走】はしない。そうであって欲しい)

 

―――*―――

 

月曜日、教室で晴人は健吾と幹也と談笑をしていた時、ふとある事を耳にした。

 

「知ってる?亀沢先生が子供と歩いていたの」

「マジ?あのカメ先が?」

「私見たの、女の子と手を繋いで、【お父さん】って言ってたの」

 

話の主は由美子と和実だ。

詳細をもっと聞こうと晴人は気付かれないように下がりつつ聞こうとするも……。

 

「寺野くん、それに糸井くんに西崎くん?」

 

「盗み聞きしないで聞いたら?」

 

「あ、うん」

 

「そうだな」

 

「そうさせてもらう」

 

晴人達も立ち、和実らの元へ近付く。

 

「まぁ、聞きたくなるよね。あのカメ先に子供いたなんて」

 

「マジで!?」

 

「ほう、初耳だな」

 

「どうしたの?みんな。何の話?」

 

朝練から戻った美風が訪ね、晴人が答えようとした時チャイムが鳴る。

 

「話はお昼に……ね?」

 

和実が片目でウィンクする、その後ろに噂の本人である玄斗が立っていた。

 

「木俣」

 

「カメ……亀沢先生」

 

「席に着け」

 

「はい」

 

和実が言われた通りにするのを見た玄斗は教壇に着く。

 

「出席を取るぞ──」

 

 

 

 

 

お昼、屋上で晴人達は改めて由美子から朝の事を教えてもらい少し驚く。

 

「亀沢先生、結婚してたんだ」

 

「それも意外だよね……あのカメ先が」

 

「奥さんは美人さんかな」

 

「全く、お前はそれしか言えんのか」

 

幹也に呆れる健吾。その空気を変えようと由美子が話題を作る。

 

「でも亀沢先生、私達の事を思ってくれる人だよね」

 

「確かにね。近づきすぎず遠からずな距離感が良いんだよなぁ」

 

「それに大羽さんと寺野くんをからかった、あの教師にビシッと言ったんだって」

 

「マジ?やるじゃん!」

 

「アレはホントに見てて腹立たしかったからな」

 

感心する和実に健吾も納得する。

 

「それで、先生の娘の事はどうやって調べるんだ?」

 

「それは……」

 

「あのね。知ってるよ、亀沢先生の家」

 

幹也の問いかけに悩む和実に由美子が口を挟む。

 

「どこ?て言うかなんで、知ってるの?」

 

「実は私の家と近いの。えっとね──」

 

「ふーん、そこに行くのは……ミカっちと寺野じゃない」

 

「え?何で」

「僕達?」

 

「それは勿論、あの一件っしょ」

 

「あ、そっか……お礼言ってないし」

「じゃあ今週の休みに行くね」

 

「OK!報告よろ」

 

「お願いね」

 

「頼んだぜ!お二人さん」

 

「失礼のないようにな」

 

「わかったよ。報告待ってて」

 

「OK、次いでにミカっちとの仲の発展もよろしくね」

 

去り際の言葉に、晴人と美風は顔を真っ赤にして慌ててたら。

 

「木俣さん!?」

「ち、ちょっと!?」

 

「参ったな……」

「ねぇ……明日だからね」

「うん。駅で待ち合わせしよっか」

 

 

「良いねぇ、あの2人……秒読みかな?」

「木俣……お前なぁ」

 

こっそりと見ていた和実に健吾はただ呆れていた。

 

 

―――*―――

 

土曜日の昼過ぎ、晴人と美風は由美子が教えてくれた住所を頼りにその場所に来ていた。

 

「ここら辺なんだけどなぁ。何処だろう?」

 

後は名札を頼りにと探す晴人。

美風も同じく探す。

 

「あ!これじゃないかな?ハルくん」

 

 

指を指した名札には亀沢と書かれていた。

 

「ねえ、ミカちゃん」

「何?」

「この後、どうするの?」

「それは勿論。こうやって……」

 

美風がチャイムを押すと扉が開き、白髪の女性が2人に声をかける。

 

「どなたですか?」

 

「こんにちは……教え子の寺野です……亀沢先生に会いたくて」

 

「玄斗くん……うちの人の教え子なのね、今いないけどすぐに戻ってくるから上がって」

 

「あ、はい!」

「お邪魔します」

 

女性に言われて2人は家の中に入る。

 

 

 

 

 

「これをどうぞ」

 

晴人は紙袋に入ったものを女性に渡す。

 

「お菓子です。その亀沢先生には日頃のお礼にと思いまして」

 

「ありがとう。お茶入れるから座って待っててね」

 

リビングに案内された2人はソファーに座る。

 

晴人がふっと横を見ると写真立てが置かれていた。

 

「高木さんが言ってたのはこの子かな?」

 

「そうみたいだね」

 

入学式に撮った玄斗と妻子の写真を見ていた時だった。

 

「ただいま。」

「お母さん、ただいま」

 

「はい、おかえりなさい。あなたの教え子達が来てるわ」

 

「寺野と大羽か。よく来たな」

 

妻の言葉にリビングに向かった玄斗と娘らしき子が顔を出す。

 

「あ、お邪魔してます」

 

「お邪魔してます」

 

「何でここに?」

 

「実は……」

 

美風は事情を説明した。

 

 

 

 

 

「俺って結婚してないように見えるのかな……幸恵さん」

 

白髪の女性もとい玄斗の妻である幸恵は少し考えて答えを出す。

 

「そうじゃないわ。結婚してる事を言ってないからよ」

 

「あ、そっか……そうだよな」

 

言われて納得する玄斗。

それを見て笑う幸恵。

 

「お父さんはお母さんに弱いの」

 

 

「へぇ、そうなんだ」

 

「こら翠、恥ずかしいだろ……部屋に戻ってなさい」

 

「はーい」

 

ショートの緑髪で玄斗と幸恵の娘である翠が教えてくれた事に感心する晴人。

 

翠は自分の部屋に戻った。

 

そんなやり取りを見た美風はあることを聞き出す。

 

「おふたりの出会いは何処なんですか?」

 

「知りたい?」

 

「はい!」

 

興味を待った美風に幸恵は語りだす。

 

「学生時代に出会ったの。私が居酒屋で働いていた時に酔っ払った人から助けてくれて……それから──」

 

幸恵の惚気話が始まると興味津々に乗り出す美風。玄斗も晴人に自分の視点で話す。

 

「ほっとけなかったんだよ、ああいうのを見てると……それでさ──」

 

話をして2時間、互いの話を聞き終えた晴人と美風は感想を一言述べる。

 

 

「なるほど……そんな事があったんですね」

「先生も幸恵さんもその壁を乗り越えたんですね」

 

「あの時は辛かったけど」

「今はいい思い出かしら」

 

玄斗と幸恵は懐かしさに浸りながらも、それ以上に楽しかった事を思い出していた。

 

(私もハルくんと……ッ!何考えてるの先生のいる前で)

 

美風が晴人の方を見る。その晴人に微笑みを返され美風は恥ずかしさで顔を背ける。

それを見た幸恵はクスッと笑った。

 

(あらあら、恋が芽生えそうね)

 

幼なじみがどうなっているかを知らない晴人は5時を告げる時計が鳴り響く。

 

「先生、今日はありがとうございました」

「楽しかったです」

 

晴人と美風が立ち上がり頭を下げる。

 

「あぁ。今度は木俣達を誘って遊びに来てくれ」

 

「はい!」

 

「晴人お兄さん、美風お姉さん……今日は楽しかったです」

 

翠もまた頭を下げ、晴人は目線を翠に合わせる。

「僕も楽しかったよ。翠ちゃん」

 

「うん」

満面の笑みで答える晴人を見て微笑む美風に玄斗と幸恵と微笑んだ。そして、亀沢家を後にした。

 

―――*―――

 

「今日は楽しかったね。ミカちゃん」

「うん!」

 

「木俣さん達に報告したらどう反応するかな」

「驚くのはあるんじゃないかな」

 

今日も平和だ。そう思いながら駅に向かう為河川敷を歩く。

だか、そんな日々を打ち砕くのは何時だって予想外(イレギュラー)、だとわかるモノが2人の目の前に現れた。

 

―――*―――

 

「ん?寺野のやつ、携帯を忘れているな」

 

玄斗がそれに気付くと拾い上げ、外に出ようとした。

 

「玄斗くん?」

 

幸恵は、犯人が解らない行方不明事件を夫から聞いていた為に止めようとしたが……。

 

「生徒の1人が忘れ物してな、携帯なんだ。困ってる筈だから、行ってくる!」

 

そう言い、玄斗は外に出た。

 

「大丈夫かな……玄斗くん」

 

幸恵にはただそれだけの心配しか出来なかった。

 

 

―――*―――

 

 

 

「貴方が標的ね」

 

赤いスーツの女が晴人を下から上に見渡して言う。

 

(ブレスレットが反応してる!)

相手がメモリアンだとわかると晴人は美風を守る様に前に出る。

 

「察しが良いわ……ね!」

 

女は蠍の怪人態をしたスコーピオン・メモリアンに姿を変えて、細身のサーベルを握ると晴人目掛けて走り出す。

「さよなら!」

 

横一閃を避けた晴人は叫ぶ。

龍装!」

 

その声と共にセイリュードになると腰からセイリューバーを抜き、スコーピオン・メモリアンのサーベルを弾き返す。

 

「伊達に乗り越えてないのね!」

 

連続突きで各急所を攻撃する。剣には自信があるスコーピオン・メモリアンは内心ほくそ笑む。

(これを避けられるのは幹部くらい……!?)

 

その考えは直ぐに砕かれた。セイリュードは突きをセイリューバーで防ぎ、1歩ずつ着実に進んでいた。

 

「ッ!」

突きを止め剣を振り下ろすがセイリュードは後ろに下がり、ターンを描く様に回避する。

 

「この……!?」

 

スコーピオン・メモリアンが次の事を考えるより先にセイリュードの蹴りが腹部に決まり、吹き飛ばされた。

 

(凄い……特訓の成果が出て来てる……勝てるんだ、もうあんな事は起きさせやしない!)

 

セイリュードは気合いを入れる。その一瞬の緩みは戻ってきたスコーピオン・メモリアンが笑っていた事を知る良しも無かった。

 

「これで……!」

 

セイリューバーを腰のバックルに近づけようとした時、攻撃を受けてしまう。

 

「な、何なんだ?」

 

「タネを明かすバカがいるかし……ら!」

 

また見えない攻撃をセイリュードが襲う。

 

「ハルくん!」

 

「来たらダメだ!ミカちゃん!!」

 

駆け寄ろうとする美風の声にセイリュードは声を上げるが、その隙を見逃さずに見えない攻撃を受けて地面に打ち付けられる。

 

「無様ね……あの子を守ろうとして死ぬなんて」

 

サーベルをセイリュードの首筋に近づけ振り下ろす。

 

(ここで立ち上がらないで……何が守るだ!!)

 

今持てる力を右腕に集め、伸ばすとスコーピオン・メモリアンの右足を掴み転倒させた。

 

「な!?」

 

直ぐに立ち上がったスコーピオン・メモリアンがセイリュードの腕を切ろうとサーベル振り下ろす。

だが、突き刺さったのは地面であった。

 

「何処……そこ!」

 

「ッ!?」

 

上段の突きを飛び上がっていたセイリュードを狙う。

セイリュードもセイリューバー・銃モードのレーザーでスコーピオン・メモリアンを狙い撃つ。

 

「この!」

 

しかし、その攻撃はスコーピオン・メモリアンには当たらなかった。

 

(当たらない……サーベルを使わないし動いていない……)

 

少しのピースを当てはめ答えを見つけようとする。

 

「ちょこまかと動く訳には!」

 

見えない攻撃を繰り出すスコーピオン・メモリアンにセイリュードは一つの賭けをする。

 

(リスクは後から考える!!)

 

その見えない攻撃にセイリュードは手を伸ばす。

 

「そこだ!」

 

見えない攻撃の正体、それはスコーピオン・メモリアンの頭部にある尻尾であった。その手を離しセイリューバーで斬ろうとする。

 

「小癪な!」

 

スコーピオン・メモリアンは怒りでサーベルの突きを繰り出そうとするも、セイリューバーで弾き返して袈裟斬りで尻尾ごと斬る。

 

「これで終わりだ!」

 

両足にエネルギーを纏わせ飛び上がり、龍の顎を形成する。

 

ブルードフィニッシュ!!」

 

龍の顎はスコーピオン・メモリアンの身体を貫き、光と共に消滅した。

 

 

―――*―――

 

スコーピオン・メモリアンとの戦いが終わった数分前……。

 

「駅前にもいない。此処を探すか」

 

玄斗は河川敷に向かった。その時、日は暮れているが目立つ金髪のツインテールで後ろ姿の美風を見つける。

 

「大羽……!?」

 

一瞬だった。セイリュードから晴人に戻るのを見てしまった。

 

「嘘だろ……?」

 

 

「お疲れ様、ハルくん」

「手強かったよ……あれ?」

「どうしたの?」

「携帯がないんだ」

 

ポケットを探る、晴人と周りを探す美風を見て玄斗は自分のしようとした事を思い出す。

 

「寺野!大羽!」

 

玄斗の声で2人はこの方を見た。2人は駆け寄った。

 

「亀沢先生?」

 

「携帯落としてたぞ。」

 

「ありがとうございます!」

 

「何処にあったんですか?」

 

「俺の家だよ」

 

「すいません!わざわざここまで来てくれるなんて」

 

「気にはするな。これくらいは当然だ」

 

「気を付けて帰ろよ」

 

晴人と美風に軽く手を振り、玄斗は家へと向かって歩いていった。

 

「良かったね。ハルくん」

 

「うん……帰ろっか」

 

―――*―――

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい……少し遅かったから心配したわ」

 

「パパ!おかえり!」

 

幸恵と翠が出迎えてくれるものの玄斗には一つの思案が浮かんでいた。

 

(失踪事件に寺野が関わっていたのか……何でまた?俺に何が出来る……相手は失踪事件を起こす輩……)

 

「なた……玄斗くん!」

 

「幸恵さん……?」

 

妻の言葉に我に返る玄斗に幸恵は安堵を浮かべるが不安になっていた。。

 

「考え事?わたしに出来ることはあるかしら」

 

「いや、大丈夫だよ……お風呂湧いてるかな?」

 

「あ、うん」

 

「お父さん……」

 

「パパは大丈夫だぞ、翠……」

 

心配そうに自分を見る翠の頭を撫でる玄斗は浴室へと向かった。

 

(今はまだ分からない……その時が来たら言わないとな)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。