pixivでは13話まで公開してます
14話以降と短編はこちらで書こうと思います
さ、本編をお楽しみください!!
休日に尋ねた亀沢一家の事を晴人と美風は和実達にも伝えた。
「へぇー。カメ先に美人の奥さんがいたんだぁ」
「子供も可愛いなら奥さんも美人なのも納得」
「会ってみてぇな。先生の奥さん」
「健吾は成績の相談の為にの方がいいんじゃないのか?」
「そりゃ無いぜ!幹也!?」
晴人達が笑っていると、玄斗が教室に入ると席に戻る。
「起立!」
日直の声と共に授業が始まる数十分後、玄斗は晴人を見つつこの前の事を考えていた。
(寺野に直接聞く……?いやそれで何になるんだ?)
(話してくれたとしても何ができるんだ……)
「先生、亀沢先生!」
生徒の声で玄斗は我に返る。
「すまない!次は……」
「終業のチャイムはもう鳴りました」
「そうか……すまない。日直、黒板を頼む」
そういい、玄斗は教室を後にした。
(玄斗先生……まさか、考えすぎかな?)
晴人は首を横に振るものの不安が残っているのに気付いたが今は片隅に置こうと考えた。
―――*―――
廃墟に1つの影がうごめくと矢を放ち、壁を強く蹴りあげ回転をして着地するとバックルに手をかざし石に戻ると翔真はポケットに石をしまう。
「よし……暫く使ってないがコイツは馴染んで来たな」
怪我が癒えた翔真は改めてシューザックの力を再確認し、廃墟を後にした。
薄暗い廃墟を抜けると昼の日差しを浴びた翔真は手をかざし光を遮る。
「暑いな。何処かで涼むか……!」
近くの喫茶店に立ち寄ろうとするも真凜の姿を見つけて、その場を走り去ってしまう。
「翔真……待って!」
声をかけて止めようとする真凜。だが翔真はそれを無視して自分の前から消えてしまった。
(マリ姉、ごめんな……俺は!)
悲しいと言う感情を抑え翔真は雑踏の中に消えた。
―――*―――
「ヒヒヒヒヒ」
「あぁぁぁぁ……」
路地裏で不気味に笑う蛇の怪人、スネーク・メモリアンは右手の触手で老人の記憶を吸い取り消滅させた。
「ヒヒヒ、これで今日は四人……5人目は女のガキにしてやるぜ」
人間に戻った黒色の長髪でチェック柄の服を着た男は不気味に笑うとその場から消え去った。
「陰湿ね……アイツがファンじゃなくて良かったわ」
屋上から見ていたトウテツが呆れ混じりに呟く。
「全くです。あなたのファンは【純粋】ですからね……日傘の方はよろしいでしょうか?」
「日焼けは大敵。それを知った上での行動、褒めてあげるわ」
「ありがとうございます」
「アタシ達、メモリアンに寒暖とか関係ないじゃないですかぁ?」
煽る口調で茶髪のショートヘアの女性がトウテツをからかう。
日傘をさす茶髪のロングヘアの女性はその件を咎める。
「からかうな……死にたいのか?」
「怒ったらやですよぉ?」
殺気立つ気配は隠せないでいる。そんなやり取りにトウテツはため息をつく。
「気にしてないわよ。さぁ行きましょ」
「了解でーす」
「はい、トウテツ様」
トウテツが歩き出すとその2人も歩き出した。
―――*―――
何事も無く夕方になると、翔真は家路に向かい歩く。
「またコンビニ弁当か……最近料理してないな。いや俺にそんな時間はない」
独り言を呟く翔真。だが、その瞳に宿す復讐の炎を消えてはいなかった。
「……!?耳鳴り。近いな」
真っ直ぐ歩くと音は小さくなる。左に進むと音は大きくなる。それを頼りに翔真は走り出す。
―――*―――
「バイバイ!」
「うん、またね!」
翔真が動くその数分前。公園では翠が友達に手を振り家に向かおうとしていた時、夕焼けよりも濃い影に気付くも見ないようにと下を向いて1歩ずつ歩く。
(怖い……助けてお父さん、お母さん……)
「ねえ?」
男の人の声だ。でも、蛇のような冷たい空気が翠を硬直させる。
「怖がらなくても良いよ?」
「どういう事ですか?」
「そこまでにしろ……ゲス野郎」
男がメモリアンに姿を変えようとした時だった。駆け付けた翔真が男の肩を掴み睨みつける。
怒りを持ったその声は翠に活力を与え、その光景を見ることが出来た。
「あん?邪魔すんなよ」
「あの子に何しようとした?」
「俺は弱いやつを追い詰めるのが好きだが……テメェ見たいなのを殺るのも悪くねぇなぁ!!」
「今から全速力でここから逃げろ」
「でも……お兄さんは!?」
「大丈夫だ。まずは自分の事を考えろ」
「はい!」
翔真の言葉に従い翠はその場を早急に立ち去った。
「
スネーク・メモリアンに姿を変えると蛇の牙のような形をした2つのナイフを逆手で持ち翔真に斬り掛かる。
「ナイト?俺は……復讐を誓っただけの男だ……朱装!!」
シューザックに姿を変え、腰からシューザーアロウを取りだしスネーク・メモリアンの攻撃を防ぐ。
‡‡‡‡‡‡
同時刻、晴人は1人家路にへと歩いていた。
「今日は何も無く平和だった……いや、これが当たり前なんだ。こんな日が来るように頑張らないと」
きつく握り拳を作るとセイリュウブレスが光り出す。
「メモリアン……モンドさん!」
『既に把握してるよ。晴人くんのいる所から近くだ、場所は──』
携帯でモンドに連絡を取った晴人は指定された場所へと急いで駆け上がった。
「もう誰も死なせい。一足早くたどり着くには……龍装!!」
セイリュードになると人に見られないようにと目的地へと向かう。
「あのお兄さん大丈夫かな……ごめんなさい!」
翠は翔真の事が不安になり自分が歩いてきた道を戻って走り出した。
―――*―――
「コイツは……何で強いんだよ!?」
ナイフを振り下ろすがシューザーアロウの弦の刃で防がれるとその勢いで弾き返され、至近距離からシューザックが弓を弾いた矢がスネーク・メモリアンに突き刺さる。
「ふざけるな!こんな事が──」
「あるんだよ……」
隙を見せたスネーク・メモリアンにシューザックは右の重いストレートを腹部に叩き込むと回し蹴りスネーク・メモリアンに叩き込む。
「うがぁ!?」
連続攻撃で地べたを転がるスネーク・メモリアンは起き上がろうと立ち上がるが、既に近づいていたシューザックに頭を踏みつけられ呻き声をあげる。
「がぁぁぁぁぁ!」
「弱い奴を襲う奴に!命を何とも思ってない外道に負ける訳無いだろ!」
無理矢理起き上がらせるとシューザーアロウでスネーク・メモリアンの身体を切り裂く。
(くっ……逃げればあの矢をくらう……ッ!)
遠くからではあるが、1人が覗いてるのを見かけると脚力を生かして近付く。
「あ……」
「ダメだろ?こんな所にいちゃあ」
右腕で掴まれたのは翔真に言われ逃げた筈の翠であった。
「おい!このガキ助けたければ、テメェの武器を寄越しな!」
「何……」
「反抗的な態度はコイツの顔に傷がつくぜぇ?」
ナイフを翠の顔に近づけてニヤリと笑う。
その恐怖で翠は目に涙を浮かべ、涙を流さないように耐える。
「……」
シューザーアロウを投げ。それをスネーク・メモリアンは受け取る。
「おい!その子を離せ!」
「お前バカか!?する訳ねぇだろうが!!」
翠に勢い良くナイフを突き立てようとしたが……。
「させるか!」
ナイフを振り下ろそうとしたスネーク・メモリアンの腕を駆け付けたセイリュードが取り押さえる。
「お前……何でここに!?」
「逃げるんだ……早く!」
その声で我を取り戻した翠は頷くと逃げる。それを確認したセイリュードはスネーク・メモリアンの顔面に拳をいれようとした。
だが、ナイフで防ぐと力を入れてセイリュードの拳を逸らす。
「馬鹿め!俺にはこの武器があるんだよ!」
シューザーアロウをセイリュードに向けて引き金を弾くが矢は発射されなかった。
「な、何故だ!?」
スネーク・メモリアンは何度も弓を弾くが矢は出ることは無かった。
「何故だ……何故だ!」
「知らなくても……いいだろうが!」
シューザックは勢い良く駆け出し膝蹴りをくらわせる。スネーク・メモリアンはその勢いでシューザーアロウを落とす。
「ッ!」
地面に落ちるギリギリでキャッチすると弓を弾いてスネーク・メモリアンにダメージを与える。
「舐めんじゃねぇ!」
勢い良くナイフを振り下ろしシューザックの肩に突き刺さる。
「グッ……このぉ!」
矢を放つもスネーク・メモリアンは回避する。
「次は……ッ!?」
激痛が走り膝を着くとスネーク・メモリアンはニヤリと笑う。
「何しやがった……」
「毒を少しな……楽になりたければ俺を倒しな!」
立ち上がろうとするシューザックの腹部をサッカーボールのように蹴りを入れ、無理矢理立ち上がらせる。
そのまま関節技で締め上げる。その姿は獲物を仕留めようとする蛇の様であった。
「これ以上はさせない!」
「く……来るな!」
セイリュードが駆け寄ろうとするもシューザックは一蹴する。
「コイ……ツは俺自身……で倒す……自分で解決……する。俺は……俺は!」
「な、何だ!?身体が熱い!」
弱々しい声から炎を宿したかのように強い声に変わるシューザックにスネーク・メモリアンは怯えていく。
「小さな子……弱い奴を狙うコイツを許せない!人を……日常を生きる事を奪う奴なんかに!!」
いつかの、晴人が無力を感じたあの時と同じくシューザックの身体は紅く熱く燃えていた。
(不思議だ……この力、あの時と少し違う……こっちの方が落ち着くのは何故だ?)
「何だこの熱さは!?」
熱さで技を解いたスネーク・メモリアンはナイフでシューザックを刻もうとする。
シューザーアロウの刃で防がれ、ぐらついてしまう。
その隙を見逃さないシューザックではなく
シューザーアロウに力を貯める。
「ここでくたばってたまるか!」
スネーク・メモリアンは地面を蹴り上げ勢いをつけて空高く飛び上がる。
「バーニングアロウ!!」
炎を纏った矢は朱雀になりスネーク・メモリアンの身体を貫いた。
「あのガキォォォォォォォ!! アヅィィィィィ !!」
断末魔をあげてスネーク・メモリアンは炎と共に消滅し、その場を去ろうとするシューザックをセイリュードが止める。
「ま、待ってください」
「一つ言っておく……お前がメモリアンを守るならそれでいい。だが俺の邪魔をするな!」
「邪魔?貴方はなんでその力を?」
セイリュードの問い掛けにシューザックは無視をしてその場を去った。
―――*―――
「アイツは無事なのかな……無事だよな」
自宅に戻った翔真はそう呟く。そんな中、あの場所に買った物をそのままにしてしまうのを思い出し、
「……たまには料理でもするか」
立ち上がり、冷蔵庫を探りながら、ある事を考える。
(誰かを守る為にか。それに何であんな事を俺は言ったんだ?)
料理する手を止める。
(もしかしたら……マリ姉の所のアイツらと被ったんだ……そうしとこう)
そう言い、手を動かす。まるで振り切って忘れようとしているかのように……。
―――*―――
チェーン店のカフェにトウコツとトウテツが座っていた。
「ねぇ?トウコツ」
「何ですか?今日は残業がないから早く帰りたいんですよ」
「人間の生活に慣れてきたわね」
「意外と悪くありませんね……この生活も」
たっぷりのホイップクリームと木苺のクリームが乗っかったコーヒーを飲むトウテツは言おうとした事を話す。
「お願いがあるの」
「またですか?」
やれやれと言わんばかりに手を額に置くと無糖のブレンドコーヒーを1口飲む。
「話をおらないで……青龍のシステムの奴を倒すのアタシにもやらせて欲しいの。実力を知りたいから」
さっきまでの雰囲気はなく、ニヤッと不敵に笑う。
「風の吹き回しにしては急ではありませんか?」
「ちょっとね。これが出来ればアタシ達にも有利になるのよね」
「有利ですか?」
「えぇ……実はね──」
「なるほど……わかりました。ここは奢りますよ」
その内容を聞いたトウコツは立ち上がり伝票を手に取りレジへと向かう。
「さて、面白くなるわ」
コーヒーを飲み干すと檮杌も立ち上がり、カフェを後にした。