青龍魂心セイリュード   作:サナギ@北の大地

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ここからはハーメルンで書いた新作です!

皆さんが満足していただける様に今後も励んで行きたいと思います



美風と明倫

3人目の適合者となった明倫はメモリアンと戦うという決意の表れとして自身を鍛える為に早朝、彼女は近所の公園を走っていた。

 

(あの力はスゴい……でもそれに頼るのは駄目ダ。アタシも鍛えるんだ!)

 

ペースを落とさず。尚且つ、早く動くことを意識して外周のノルマを終えて帰路へ向かう。

 

 

 

 

 

その途中で自宅へと戻った晴人と出会う。

 

「晴人!おはよう」

「おはよう、明倫さん」

「そっちも身体鍛えていたのカ?」

 

その答えに晴人は首を縦に振る。

 

「もっと強くなりいから……守りたい人がいるんだ」

 

そう言い残し、晴人は家の中に入っていった。

 

「誰の事かナ?とりあえず、アタシも帰ろ」

 

帰るまでが特訓。明倫はそう近い、足を動かすのであった。

 

──*──

 

晴人は洗面所で顔を洗うモンドと出会う。

 

「おはようございます。モンドさん」

「おはよう、今日からだけど……せいが出てるね」

「はい!負けられないですから」

「そうだ、明倫ちゃんに伝えて欲しいんだ」

 

そう言うモンドは耳打ちをしてある事を伝える。

 

「わかりました。伝えときます」

「頼んだよ」

 

「晴人、帰ってきたのか?朝飯にするぞ」

 

父親の言葉で、晴人は用を済ませに洗面所に向かうのであった。

 

──*──

 

電車の座席に座るトウテツはメールの報告を聞きため息を着く。

 

「3人目の適合者が……ん?」

 

トウテツの横にメガネをかけた中年の男が座る。それは何気ない風景だが、男の意思をトウテツは読み取る。

 

(その任務、私に任せてください)

(貴方に?何ができると言うのです?)

(なぁに、任せてください)

 

中年の男は立ち上がり、他の乗客と共に電車を降りる中、2人組の男に絡まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、おっさん……朝の運動したくないなら」

「若者にお小遣い頂戴よ」

 

いかにも不良な2人組に中年の男は不敵な笑みを浮かべる。

 

「あんだよ?気味が悪ぃ」

「構うなよ。おっさん……裏に行こうぜ」

 

「えぇ……」

 

その異質な光景に2人組は気にもしないでいた。

 

 

だが、裏地に入った瞬間、表に出れたのは中年の男……それだけである。

 

「やれやれ……会社のノルマはあんまりだが、人を狩るだけは数字が取れるな」

 

中年の男は時計を確認する。

いつもより少し遅れるがそんなのは想定の範囲内だ。そう思うと中年の男は人混みに溶け込んで歩いていくのであった。

 

──*──

 

 

 

 

 

四ノ宮高校、晴人のクラス

 

「明倫さんは……いたいた」

 

「ん?晴人カ。どうしタ?」

 

「これはモンドさんから」

 

渡されたのはVRゴーグルと小さい虎の置物であった。

 

「プレゼントとカ?」

 

「詳しい事は手紙に書いてあるから」

 

ポケットから手紙を取り出し、明倫に渡す。だが、それを見てしまったのは……。

 

「あ、おはよう……ハルくん?」

 

美風であった。しかも、間の悪すぎるタイミングで……。

 

 

「後で読んで……あ、おはよう、ミカちゃん」

 

 

いつものように挨拶を交わす晴人。

 

「おはよう……寺野くん」

 

「ミカちゃん?」

 

「李さんと仲良くね……」

 

そういい、美風は席に座る。明倫はバツの悪そうな顔になってしまった。

 

「ごめんナ!晴人……アタシが」

 

それ以上のことを言おうとする明倫に晴人は手を横に振り否定する。

 

「僕が悪いんだから、謝らなくても良いよ」

 

「でも……」

 

そのタイミングでチャイムが鳴り響く。

 

「ほら、亀沢先生来ちゃうよ」

 

「う、うん」

 

気まずい空気に明倫は内心ある決意をする。

 

(もしかして、美風は知らないのカ?なら早いうちに説明しないと……!)

 

──*──

 

昼休み、多くの生徒達が購買や食堂へ向かう中、

 

「美風……一緒にお昼食べないカ?」

 

 

「ごめんなさい。先約があるから」

 

「そっか……ごめんナ」

(でも、諦めないヨ!土壇場でこそ燃える!アニメでもそうだったヨ!)

 

食堂に行った美風を見送る明倫であったが、その闘志は燃え尽きていなかった。

 

 

 

 

 

 

屋上

 

 

「はぁー」

 

食事をする手を止めため息を着く美風に和実と由美子は首を傾げる。

 

「ミカっち?」

「具合悪いの?」

 

 

 

「ううん!午後のテスト……抜き打ちはあるのかなって」

 

「あー、ウチ全然勉強してない」

「私も……」

 

「ゆーみーこ。アンタのしてない。は信用出来ない!」

「え?そう」

 

「誤魔化した!」

「してない」

 

思わず目を逸らす、由美子を揶揄う和実。

 

(少しキツく言い過ぎちゃった……でも、ハルくんの事も……)

 

また不安な顔をすれば、親友達に気を使わせてしまう。そう考えた美風は一先ず、その考えを頭の奥に置くことにして、食事を再開した。

 

 

──*──

 

部活がない為、家に帰ろうとする美風は校門の近くに明倫が立っている事に気付く。

 

「李さん?」

 

「美風……実はナ」

 

もしかして……そんな最悪な事を考える。明倫は自身の右腕を他の人に見えないよう、美風に見せる……。

 

「それは……ブレスレット?もしかして、李さん……」

 

「ここじゃアレだから、人のいない所に行こうカ」

 

美風も頷いて、歩いていく。それを晴人は見て、声をかけようとするも、電話が鳴る。

 

「父さん……どうしたの?」

 

電話の主は源次であった。

 

『今日は真っ直ぐ帰ってくれよ。久々にお客さんが多くて……』

 

「わかった……」

(明倫さんの事だ……きっと何か考えてるよね)

 

そういい、晴人は急いで帰路へ向かう。

 

 

──*──

 

河川敷

 

明倫は今までの経緯を話した。

 

白虎の適合者に選ばれ、メモリアンと戦った事。

 

晴人から渡されたのはモンドから送られた物である事を……。

 

「そうだったの……ごめんなさい!」

 

「謝るのはアタシの方ダ……」

 

「でも、お昼一緒に……」

 

「気にしてないヨ。今度は一緒に食べたいナ」

 

「うん!今度じゃなくても明日にも」

 

「本当カ!?だったら美味しい料理作って、美風に食べさせるヨ!」

 

夕焼けに照らし出される2人の笑顔。さっきまでの不穏な空気は既になく、そこにあるのは微笑ましい青春の1つであった。

 

だが、その空気を壊すかのようにビャッコブレスが光り出す。

 

「李さん……その反応は!?」

 

「おやおや……お嬢さん達は仲が良いなぁ。おじさんも入れてくれないかな?」

 

中年の男はイカの記憶を持つ怪人態、スクイッド・メモリアンに姿を変え、緑色の触手を美風の方へ伸ばす。

 

「危ない!」

明倫が押し倒し、美風の無事を確認すると、明倫はすぐに立ち上がり、スクイッド・メモリアンを睨む。

 

「メモリアン!アタシの友達に……指1本も触れさせないヨ!」

 

「抜かせ!青龍の守るべき者を殺す計画の邪魔をするな!」

 

再び触手を出し、明倫を狙う。

 

白装!」

 

ウォンフウのビャックロウで触手を全て切断すると、スクイッド・メモリアンの近くに駆け上がり、蹴りを入れられ、後退る。

 

「小娘が……おっと冷静に、冷静に」

 

「美風!安全な所に行って……アタシに任せて」

 

ウォンフウは後ろを振り向かず告げる。美風もそれに応え頷く。

 

「任されたんダ!負ける訳には行かない!」

 

腕を振り回し気合いを入れる。

スクイッド・メモリアンは長柄の棍棒を握りしめ、地面を蹴りウォンフウの方に向かうと、ウォンフウもビャックロウで迎え撃つ。

 

 

──*──

 

その頃、寺野屋ではセイリュウブレスにも反応があったが……。

 

「晴人くん、何時もの」

「はい!大岩さん!メンチカツ定食!」

 

「晴坊!俺!カツ丼」

「俺は唐揚げ定食!」

「はい!!」

 

 

「お待たせしました、焼き魚定食です!」

 

夜の書き入れ時、晴人は客の注文聞きにできあがった料理を運んだりと多忙な時間を送り、現場に駆け付けずにいた。

 

「近所にビルが建つんだとよ」

「なるほど……で、何処の会社なんだ?」

「ネコダ・カンパニーだよ」

 

「あー、あの最近、社長が変わって急成長した」

「そうそう、すげぇよな。零細企業がここ数年で大企業になるなんてなぁ」

 

客の会話を聴きながらも晴人は仕事に励んでいた。

 

(だから通りで……しばらくはこうなるのかな?)

 

 

 

「晴人!メンチカツ出来たぞ!」

「わかった!」

 

源二の言葉に晴人は対応した。

 

「モンドさん!こっちはカツ丼と唐揚げだ!」

「わかりました!」

 

「葵!慌てず、慎重にだぞ!」

「了解!あなたもね」

「おう!」

 

寺野屋の活気時はまさに、メモリアンとの死闘そのものと言える状況であった。

 

──*──

 

 

 

「ハァッ!」

 

「フン!」

 

振り下ろしたビャックロウは杖で防がれる。

 

「白虎の力は早いうちに倒すべきだ!」

 

手から墨を硬化させ弾丸状を放ち、ウォンフウはナックルモードに変えて防ぐ。

 

その隙をつきながら、墨を放ち続けるとウォンフウの防御は崩れる。

 

「そこだ!」

 

「させないヨ!」

 

棍棒で横にフルスイングして、ウォンフウの腹を狙うが、蹴りを入れて防ぎ、ビャックロウをクローモードに変えてスクイッド・メモリアンの身体に一撃を入れた。

 

「この……!」

 

痛みを抑えて、次の行動に移ろうとするが……。

 

「まだダ!コレで終わりじゃないヨ!!」

 

白虎のシステムが使う高速移動で、目にも止まらぬビャックロウの一撃にスクイッド・メモリアンは防ぐすべもなかった。

 

「やるな……だが!これならどうだ!」

 

墨を四方八方に発車する。墨は地面に当たり、土煙が舞う、

 

「李さん!」

 

その時、ウォンフウに墨が当たり、鎧装から火花をあげると膝を着く。

 

「大したこと無いなぁ」

 

スクイッド・メモリアンはじわりじわりとウォンフウに歩み寄る。

 

(晴人見たくに上手く行かないなァ……でも!アタシだって!)

 

 

後ろに守る人がいる。それだけでウォンフウに力が入る。

 

「くらえ!」

 

スクイッド・メモリアンが振り下ろした棍棒をウォンフウは瞬時に避け、クローモードの横一閃を入れるのを皮切りに連続斬りで攻撃の手を緩めない。

 

「さっきまでとはえらい違いダ!このまま押し切るヨ!!」

 

「図に乗るなよ!」

 

棍棒で防ぎ墨を放つもウォンフウの少ない動作で回避される。

 

「何!?」

 

「アンタなんかに!アタシの友達はやらせたりしなイ!」

 

 

ナックルモードに変え、重たい一撃をスクイッド・メモリアンの腹に入れる。

 

「ガァ……」

 

「コレで終わりダ!」

 

両足に力を溜め、スクイッド・メモリアンに駆け寄る。

 

「グッ!」

 

棍棒を避けたウォンフウは左足でスクイッド・メモリアンを空高く蹴りあげる。

 

威風脚!!

 

ウォンフウも飛び上がり、二ーキックの型を取り、白虎のオーラが身体中に纏う。

 

その勢いでスクイッド・メモリアンの腹部にその一撃を入れ、急降下で落下する。

 

凄まじい土煙が再び舞う。美風は目を開けるとそこには……。

 

ぐがぁぁぁぁぁぁ!!

 

スクイッド・メモリアンは断末魔をあげ消滅し、ウォンフウは立ち上がり、美風に向かってVサインを作る。

 

「勝ったヨ!」

「あ、うん!」

 

美風もつられてVサインを取った。

 

──*──

 

「美風!無事だったカ?」

「李さんも大丈夫?」

 

変身を解除した明倫は美風の方へ近寄り、無事を確認する。

 

「良かった……ホントに」

 

「あの……ありがとう!李さん!」

 

頭を下げる美風に明倫は大袈裟に慌てる。

 

「当然の事したまでだヨ!だから顔を上げてネ!」

 

「うん……ホントにありがとう。助けてくれて」

 

「だって、美風は晴人の大切な人だからナ!」

 

「ッ!!!」

 

図星だと明倫に見抜かれ、美風は顔を真っ赤にする。

 

「あ、ごめんナ……美風?」

 

「うん……大好きだよ。その」

 

「だから……アタシも美風を守るヨ!」

 

胸を叩いて見せる自身に美風は微笑む。

 

「うん……わたしも出来ることがあったら助ける。だからこれからもよろしく!李さん……ううん。明倫」

 

 

「そっか……あ!」

「どうしたの?」

 

「家の仕事あるんだっタ……!じゃあナ!美風」

「あ、うん……また明日ね」

 

風のような人だなぁ。美風はそう思う。明倫が去るのを目で見ると、自身も家に向かうのであった。

 

 

──*──

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、ママに少し怒られちゃったナ……確か、モンドさんから渡されたのは」

 

ポケットに入っていた手紙を読む。その内容は……。

 

明倫ちゃん、晴人くんから渡された虎の置物は僕のラボにある仮想空間発生装置とリンクしてあり、訓練場として使えるようにした。

 

 

また、青龍のシステムとも繋がっているから、役に立つと思うから使ってくれ。

 

「モンドさん……ありがとう。アタシはこの力、きちんと使うヨ!」

 

そう言い、明倫はVRゴーグルをつけて、虎の置物の装置を起動させる。

 

全ては守りたい人達のために……。

 

 

 

 

 

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