青龍魂心セイリュード   作:サナギ@北の大地

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ハーメルンデビューして良かった事はフォントが多いことですねぇ……さて7話始まります!


激突そして敗北

授業が終わり、晴人は帰ろうと席に立った時だった。

 

「おい、晴人。たい焼き食いに行かねぇか? 」

 

「幹也のやつ、臨時収入が入ったらしく奢りたいそうだ」

 

何時にもなく上機嫌な幹也の状況を説明する健吾、晴人はそれを聞いて首を縦に振る。

 

「良いね、どこのたい焼き屋?」

 

「決まってんだろ?【大漁】だよ」

 

「あー、そこか。久々だね」

 

「行く間に雨が降らなければ良いんだがな」

 

「おいおい。奢らんぞ」

 

「悪い悪い」

 

健吾の冗談に幹也が突っ込む。

謝りを入れた健吾を許すと、目的の場所へと歩き出す。

 

すると……。

 

「へー、たい焼きねぇ。良いじゃない」

 

「げっ!木俣!?」

 

教室を抜けて昇降口に向かおうとした時和実とその横には由美子と美風とばったりと出くわしてしまい、幹也は焦りの顔を見せる。

 

「お前らには奢ら……」

 

「へぇー。由美子に恩返しをしないんだぁ」

 

「な、なんの事だよ!」

 

足早に去ろうとする幹也だが、その言葉を聞いて足が止まる。

 

「とぼけちゃって……カメの授業の時に読むページ教えて貰ったんでしょ?なら返さないと……ね?」

 

「わかったよ!わかりましたよ!!奢るからついて来い……高木の名前を出すんじゃねぇよ……」

 

後半の言葉を周りに聞こえない様に呟く幹也からOKと言われて、女子3人も昇降口へと向かった。

 

「大漁のたい焼きか……久しぶりね」

 

「うん、そこの大将、数ヶ月前に怪我したから大丈夫かなって思ったけど再開したんだよね」

 

和実と由美子の会話に晴人は疑問を投げる。

 

「怪我?」

 

「そ、車に乗ってたら事故ってさ……入院したんだって」

 

「何でも、変なものが横切ったらしいの……警察も調べたけどそんなモノ見当たらなくて……1部のオカルトマニアから興味深いって言われてる事件なの」

 

「へぇ……そうだったんだ」

 

2人の説明に納得した晴人。

 

そんな6人の前に玄斗が横切り、和実が代表するかのように挨拶を交わす。

 

「バイバイー、カメ先!」

 

「略すな……お前ら早く帰れよ。物騒なのが続いてるんだからな」

 

「了解、了解。じゃあねカメ先生」

 

「あぁ……ってそこじゃないッ!」

 

そんなツッコミを後目に6人は玄関を出て目的の場所に向かっていた。

 

―――*―――

 

大漁旗が目立つ屋台、そこからは甘い香りが漂い、6人の胸を躍らせる。

 

「おっちゃんッ!久しぶり!」

 

「おう!幹坊……きょうは大世帯だな」

 

頭にハチマキを巻いた男性はたい焼きを作る手を止めずに話しかける。

 

「まぁな……俺のクラスメイトだよ」

 

「そうかい……ならいつも以上に美味しい、たい焼き作るから待ってくれよ!」

 

そう言っておっちゃんは威勢よくたい焼き作りに取り掛かった。

 

「流石、この道うん10年だけあって手際イイじゃん」

 

「たりめぇよ!これ焼くのには、コツもいるんだぜ」

 

そう言い切ると、たい焼きが6人分出来上がり、波のイラストが入った包装紙に包み渡し、ベンチに座る。

 

「熱々だからな、火傷には気を付けてな」

 

「「いただきます!」」

 

一斉に食べる6人、その味の感想は……。

 

「美味しい!餡子の甘さと生地の甘さがマッチしてる!」

 

美風の感想から始まり……。

 

「うん!ミカちゃんの言う通りだよ。餡子の味が強いイメージなのに、生地の優しい甘さも出てて、それが餡子の甘さを引き立てているんだね」

 

晴人が続くと、健吾と和実も賛同する。

 

 

「そうだな。餡子は甘ったるいイメージがあるがこれは違うな。」

 

「うん!2人の言う通り……寺野?ミカっちの事、名前で呼んでない?」

 

「え!?」

 

「気のせいだよ……ハルくんがそう呼ぶ訳……ッ!」

 

「え?ハルくん?」

 

「嫌!その!?」

 

慌てる仕草をする美風

 

「木俣……あまり揶揄うなよ」

 

 

「あまりねぇ?少しなら良いって事ね。西崎……了解」

 

「いや待て!そう言う意味じゃないぞ!?」

 

承諾を得た、和実は2人を揶揄うのを見ておっちゃんは……。

 

「うんうん。良いねぇ、若いのは」

 

何かを察し、頷いていた。

 

「あんなに騒いじゃって……」

「まぁ、平和だって事だな」

 

由美子は呆れ、幹也はそう解釈して最後の一口を口に入れる。

 

「あー、2人を弄ってたら、またお腹が少し空いてきた……おじさん、もう一個ね!」

 

「はいよ!」

 

「おい!木俣……」

 

「何よぉ、1個300円なんだから、ケチケチしない」

 

「そうだけどよォ……」

 

「幹坊。男は小さい事は気にすんな」

 

そう言って、たい焼きを渡すおっちゃんから、そう言われると、幹也も納得せざるを得なかった。

 

 

和美が食べ終わり、6人は家路へと帰ろうとし、立ち上がる。

 

「おじさん、ご馳走様でした」

 

晴人が代表して、おっちゃんに告げる。

 

「おう!また来てくれよな」

 

そう言って、6人は大漁から離れていった。

 

 

「じゃあな、奢るのはこれっきりだと思えよ」

 

「別に、期待してないわよ」

 

軽口を飛ばし合い、和実と健吾、幹也と由美子、晴人と美風と3組に別れ帰ろうとしていた時だった。

 

(ブレスレットが光ってる!?)

 

それを見ていたのは晴人だけではなく、美風も気付く。

 

「どうした?晴人」

 

「具合い悪いの?」

 

幹也と由美子が心配そうに晴人に尋ねる。

 

「あ……携帯!携帯忘れて来たんだ。」

 

「そうなの!わたしは待ってるから急いで来てね!」

 

「そ、そうか……取って来いよ。亀澤先生も言ってただろ?」

 

「ありがとう、健吾くん」

 

そう言い、大漁の方へと向かう。

 

「まぁ、アイツの家近いから大丈夫だろ?」

 

「でも……」

 

「大丈夫!寺野君はホントに大丈夫だよ」

 

「アレ?ミカっち。その余裕は何かな?」

 

和実のからかいに美風は……。

 

「だって、寺野君は……強いから」

 

夕日を背景にそう告げる美風、その姿は数週間前まで、メモリアンという怪物に襲われたが。

晴人、いや、セイリュードに助けられた時に思った事を思い出し、力強く言う。

 

「へぇ。ミカっちの愛の宣言に免じて帰りますか」

 

「そ、そんな風に言った訳じゃないから!」

 

「大羽さん、頑張って!」

 

「晴人は鈍そうかもしれないけど。頑張れよ」

 

「そん時になったら報告宜しくな」

 

それぞれの言葉をかけて、家路に向かった。

 

 

 

「そう見えるのかな……見えちゃうよね」

(でも、あの言葉は嘘じゃない……ハルくんッ!)

 

4人がいなくなるのを確認すると、美風は晴人がいる方向へ向かう。

 

―――*―――

 

「耳鳴り、激しくなってきやがった……そろそろだな!」

 

もう1人のシステム適合者である、翔真も向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。そろそろ店仕舞いするかぁ……ん?」

 

おっちゃんの目の前には、黒服の男が立っていた。

 

「いらっしゃい……たい焼きかい?」

 

「いや、欲しいのはお前の命だ!」

 

男はハエトリソウのメモリアン。

フライトラップ・メモリアンに姿を変えると、左腕の蔦を鞭に変えるとおっちゃんの首に巻き付けて振り投げる

 

「うわぁぁぁ!!」

 

龍装!」

 

あわや、壁に激突しようとした時

晴人はセイリュードになり、飛び上がるとおっちゃんを間一髪助けた。

 

「おめぇは?」

 

「良かった!怪我は無いんですね」

 

「お、おう」

 

「ここは危険です。逃げ……ッ!」

 

言い切る前に、鞭がセイリュードを襲う。

 

「させるかぁ!」

 

セイリューバー・剣モードで蔦を切り払うが、すぐ様に蔦を引き抜き鞭にして振り回す。

 

「この人は……いや、人は守る!」

 

自分にくる鞭を払いながら近付いていくが、フライトラップ・メモリアンは鞭をセイリュードの首に巻き付けて、自身の身体に近づけると胸のハエトリソウを開閉させて噛みつき、締め上げる。

 

「人を守るだと?教えてやる。この男は我らと同じメモリアンだ!」

 

「何!?」

 

「俺の相棒がその男の記憶を読み取り、成り代わったのだが……やる事と言えばたい焼きを売ること……知識を奪わない事から檮杌(とうこつ)様から【処分】が下された!!」

 

(檮杌……確か四凶の1つか)

 

更に締めつけを強くしてセイリュードの身体に棘がくい込んでいく。

 

「処分……そいつは相棒……仲間じゃないのか?」

 

「仲間?我らにそんなものは存在しない……全ては創生者様の為に……おっと!喋りすぎたな……くたばれ!!」

 

ハエトリソウを締め上げ仕留めようと力を入れるも、その力が入る事は無かった。

 

「こ、このぉ!!」

 

セイリュードを助けようとおっちゃんは勢いよく駆け上がると、その体は蛸のメモリアンである、オクトパス・メモリアンに姿を変える。

 

「遂に姿を見せたな……まぁ、処分は変わらないが……ッ!」

 

 

低い体勢でのショルダータックルに、フライトラップ・メモリアンはぐらついてしまい、セイリュードは自由を取り戻す。

 

「これは……さっきの分だ!」

 

剣モードの袈裟斬りをくらい、フライトラップ・メモリアンは怯む。

 

 

「この姿は、俺は!」

 

(これは……確かモンドさんが……)

 

【仲間を裏切って僕に協力してくれた個体が居たんだ】

 

美風と共にメモリアンの説明を聞いた時にモンドがそう言っていた事を思い出す

 

「え?何が一体……」

 

「落ち着いてください……」

 

「お、おう」

 

セイリュードの言葉で冷静になる。

 

「逃げてください!ここは僕が……ッ!」

 

オクトパス・メモリアン目掛けて射たれた矢をセイリュードは庇う。

 

「この矢は……」

 

セイリュードが目を向けたその先に見えたのは……。

 

 

「何故メモリアンを庇う……奴らは敵だ」

 

夕日に照らされたその紅き戦士を、セイリュードは知っていた。

 

「あの時の!」

 

石段を踏みながら降りたシューザックは、セイリュードの方に目を向ける。

 

「何故メモリアンを庇う!」

 

「この人は誰も襲ってない……だから!」

 

「知れた事を……メモリアンは人を襲う。そう決まってる!」

 

そう言い、振り向き様にシューザーアロウの引き金を弾き、散弾銃のように放たれた矢が、フライトラップ・メモリアンの身体に突き刺さる。

 

「グハッ!」

 

その衝撃で再び、吹き飛ぶ。

 

「こいつは俺達を襲おうとした……メモリアンはそう言う連中だ!」

 

「違う!人に協力するのだって、いるはずです!!」

 

「もういい……お前がその意見を貫くのは良い。俺は違う、それだけだ!」

 

シューザーアロウの弦の刃でセイリュードを狙う。

 

「な、なんなんだ、これは!」

 

「事情は後で話します!だから今は僕の後ろにいてください!」

 

オクトパス・メモリアンを守りながら、セイリュードは剣モードでシューザックの攻撃を弾き返す。

 

「……!」

 

至近距離から矢を放たれ、セイリュードは剣モードで切り落とすが、腹に蹴りを受けてしまう。

 

「がぁッ……」

 

「これで!」

 

シューザーアロウを構え、防ごうとするオクトパス・メモリアンにセイリュードは体勢を直して盾になる。

 

「させるかぁ!」

(守るって誓った……なら負けられない!)

 

「この……早く倒れろよ!」

 

再び、矢を撃とうとするもその腕に蔦が絡む。

 

「忘れんじゃねぇよ……この俺をッ!」

 

「いたな……纏めて倒すからどうでも良いけどな」

 

シューザックの言葉に激昴するフライトラップ・メモリアンは力を入れて、自分の方へと引きずり込む。

 

「お前はドロドロに溶かしてやる!」

 

胸のハエトリソウから溶解液が涎のように溢れ出し、シューザックを喰らおうとしていた。

 

「生憎……そんな気にない!」

 

腕の自由が無い状態にも関わらずにシューザーアロウの引き金を引くのを見て、フライトラップ・メモリアンは嘲笑う。

 

「バカめ!ヤケに……なんだとぉッ!?」

 

射たれた矢はホーミング状に弧を描きフライトラップ・メモリアンの背中に突き刺さる。

その痛みでシューザックの腕に絡まった鞭は解けると体勢を立て直し、セイリュードの方へ向かった。

 

―――*―――

 

(ハルくんは……え?)

 

駆けつけた美風は、メモリアンに見つからないようにガードレール下に隠れると、シューザックの存在に気づいた。

 

(あの姿は……朱雀かな?)

 

美風がそう思う中、シューザックは再びセイリュードと対峙する。

 

「待たせたな……今度こそ終わりだ」

 

「待ってください。どうして、どうしてメモリアンを憎むんですか!」

 

「それ言って何になる?」

 

「ッ!」

 

「これ以上は無駄だ……終わらせる!」

 

シューザーアロウの弦の刃で斬り裂くのを剣モードで防ぎ、しのぎの削りあいになる。

 

「このぉ!」

 

「させるかぁ!」

 

「おじさん!」

 

「あの化け物と同じなら何とかなる!」

 

割り込もうとするフライトラップ・メモリアンにオクトパス・メモリアンは腕をのばし、身体を抑えて妨害を行った。

 

 

 

(力はあっちの方が上か……俺は家族を奪い、大切な人(マリ姉)とアイツらの命を脅かすメモリアンを全て殺す!その為にはコイツは痛め付けて解らせてやる!!)

 

その感情は炎になり、シューザックを包み込むとボディが更に紅く、燃えたぎる様になっていた。

 

「色が変わった!?それだけじゃない……力もさっきと違う!!」

 

(身体が熱いッ!?この力なら……!!)

 

その勢いに身を任せ、灼熱を宿したかのように燃えるシューザーアロウでセイリュードを薙ぎ払う。

立て続けに横一閃を入れられたセイリュードは吹き飛ぶ。

 

「終わりだ」

 

シューザーアロウの発射口に周りの大気を吸ったかのように炎が集まり、朱雀のヘッドをスライドした。

 

バーニングアロウ!!

 

セイリュードもまた、何もしないわけでもなく反撃を行う。

 

ドラゴバースト!!

 

セイリューバー・銃モードに変え、青龍の形をしたレーザーをぶつけ、相殺を試みる……。

だが、己の感情を炎に乗せた分、威力が高まったバーニングアロウを破る事ができず、その余波はセイリュードを美風のいるガードレール下の壁に叩きつけられる。

 

「グッ……意外とキツイな」

 

シューザックは膝を着く。

 

(邪魔なのは変わらないッ!)

 

セイリュードの方を睨み、フライトラップ・メモリアンの方に視線を向けた。

 

―――*―――

 

「ハルくん!しっかりして!」

 

「……ミカちゃん?」

 

セイリュードは美風の声で立ち上がる

 

「駄目!これ以上は!」

 

「ありがとう、心配してくれて……でも!ここは止めないと」

 

自身を心配してくれるその言葉に感謝しつつ、セイリューバー・剣モードを強く握り締めて、戦場に向かう。

 

「やられに来たの……ッ!」

 

身構えるシューザックであったが、セイリュードはその肩を土台にして跳躍する。

 

「なん...だと」

 

「うぉぉぉ!」

 

降下する中、セイリュードは剣モードで、オクトパス・メモリアンを圧倒するフライトラップ・メモリアンに勢いをつけた一撃を加え、退けた。

 

「大丈夫ですか!」

 

「お、おう!ありがとうな」

 

「まずはこのメモリアンから倒せば!」

 

【勝ってみせる】そんな希望を持ってしまった……その瞬間、セイリュードは聞いちゃいけない音を聞いてしまう。

 

「ガバッ、あ……あぁぁぁぁぁ!?」

 

振り向くと、そこには黒スーツの男がオクトパス・メモリアンの胴体を貫手により消滅した。

 

「時間をかけすぎですよ……おや?システム適合者が2人……1人増えましたか」

 

「!!」

 

セイリュードの怒気を込めた1振りは黒スーツの男に当たる訳なく避けられる。

 

「感情をむき出しするとは……やはり人間は駄目ですね……!!」

 

ニヤッと笑い、セイリュードに掌から衝撃波を放ち、地に伏せさせる。

 

「クッ!」

 

シューザックがシューザーアロウを向けて矢を撃つも衝撃波で撃ち落とされ、自身もその余波で吹き飛ぶされた。

 

「容易いですね……そうそう、貴方も【処分】ですよ」

 

「な、何故ですか!?」

 

「決まってるでしょ?命令も出来ないのですから……」

 

じわりじわりと迫る黒スーツの男に恐怖心を覚えたフライトラップ・メモリアンは鞭で抵抗をする。

 

「私は無駄が嫌いなんです。手短にしますよ」

 

鞭をいなして、フライトラップ・メモリアンに近付くと、頭を鷲掴みにして口を半月にして不気味に微笑む。

 

さ よ な ら

 

ガァァァ!!

 

至近距離の衝撃波をくらい、身体はバラバラになり、消滅した。

 

 

―――*―――

 

 

(メモリアンを殺した?人間が!?いや……あの雰囲気、分かる……ヤツも同じメモリアンだ!)

 

次は自分か、そう感じたセイリュードは身構える……だが。

 

「おや?人の気配が……」

 

美風に勘づいた、黒スーツの男は近づいて行く。

 

「やめろ……やめてくれ!その子に手を出すな!!」

 

立ち上がったセイリュードは黒スーツの男を睨みつける。

 

「おやおや……貴方の大切な人ですか?なら奪いたい……!」

 

その言葉を発した直後にセイリュードの身体は青い外装からやや黒くなっていた。

 

「その子に触れてみろ……【俺】はお前をこの手で潰す!

 

(力が増している?一体……これは?)

 

興味を示したのかうっすらと目を開ける黒スーツの男。

そんな中、携帯が鳴り、黒スーツの男は手を取る。

 

『はい……そうですか。報告を分かりました……【処分】は済んだので直ぐに向かいます』

 

そう言って、黒スーツの男はその場から完全に姿を消した。

 

「消えたか……ここに用はない」

 

シューザックはその場から後にして、残ったのは……セイリュードの変身を解除した晴人と美風だけであった。

 

―――*―――

 

「ハルくん……」

 

「何が守るだよ……僕が弱いから!おじさんを守れなかった!」

 

壁に強く拳を叩き付ける晴人、

 

「ハルくん止めて!お願いだから自分を攻めないで……わたし……わたし」

 

晴人の肩を両手で涙を流す美風、それを見て晴人は冷静になり拳をだらんと落とす。

 

「ごめんね……ミカちゃん」

 

美風に対して、更に不安にさせては行けないと思う晴人。

だがその顔に何時もの明るさはない……。

 

その後、2人は無言のままそれぞれの家路に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう!遅かったな。どうした?元気ないなぁ」

 

「ちょっと疲れて……夕飯はいらないや」

 

「そう……ホントに大丈夫?」

 

「うん……おやすみ。シャワー浴びるね」

 

自分を気遣う両親に不安がらせないために晴人は足早に浴室へ向かった。

 

 

―――*―――

 

 

 

「ダメだな……ミカちゃんはああ言ってたのに……やっぱり僕は……!」

 

慟哭をシャワーの水音で誤魔化す晴人。

 

「晴人くん……バスタオル置いとくよ」

 

「……ありがとうございます。モンドさん」

 

察したのか、その場を去るモンドに1つの考えが浮かんだ。

 

(強くなりたい……その気持ちに僕は答えよう!)

 

彼もまたその決意して、自身の部屋に戻った。

 

 

―――*―――

 

某所に黒スーツの男は訪れていた、そこには……。

 

「限定プリン食べようとしてたのに……」

 

「後でも食えるだろう」

 

「あの時に食べたかったのよ!」

 

ゴスロリの少女の返答に赤スーツの男は何も言えずに呆れていた。

 

「貴方達も呼ばれたのですね……」

 

ゴスロリ少女と赤スーツの男が会話をしており、テーブルにはスピーカーが置かれていた。

 

「あ、【田中】」

 

「ここでは【檮杌】とお呼びください」

 

「そうだった……で?【渾沌】は?」

 

「ここだ……」

 

「うわぁ!ビックリした」

 

 

 

『集まったな……我の手足となる達よ』

 

「創生者様!」

 

「お久しゅうございます」

 

「これはこれは……」

 

「……」

 

スピーカーからの声に4人は膝を着いて【創生者】の言葉に耳を傾ける。

 

【渾沌からの報告でバグが出たそうだな……奴らは厄介だ。惑星ホープの様にな】

 

(あの場所に渾沌がいたとは……)

 

黒スーツの男は改めて渾沌の隠れる技術に感心した。

 

【檮杌……バグが見つかり次第、既に仕込んだメモリアンに命じさせ、処分せよ。勿論、青龍、朱雀のシステム適合者も同様だ】

 

「ハッ!了解しました」

 

饕餮(とうてつ)、お前はいつも通りで良い。今しばらくは……】

 

「OKでーす」

 

軽い返事だが創世者は気にもせずに続ける。

 

窮奇(きゅうき)……お前もだ。今は待つ時だ】

 

「ハッ!仰せのままに」

 

トウテツと違い、力強く答える。

 

【渾沌よ……監視を怠るなよ。バグにも警戒するように】

 

「行意」

 

まるで機械かのようにコントンは答える。

 

(コイツ、前から不気味……創世者様に気に入られてるのも不思議ね)

 

トウテツは疑問に思うもコントン自身はスピーカーの方をフード越しではあるがただ見ていた。

 

【それでは解散だ】

 

を終えて4人は立ち上がる。

 

「あーあー、プリンでも食べに行こっと」

 

「やれやれ……緊張が解けるとこれだ」

 

「さて……仕事に戻りますか。」

 

「俺は変わらない……いつも通りだ」

 

4人はその場から姿を消して、それぞれの場所に戻った。

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