また当作品は処女作なので、結構な駄文が含まれています。
それでも読んでくれる方、ありがとうございます。
では『東方奇祥瑞』、始まり始まり~。
醒めない悪夢
もし、唐突に日常が終わりを告げ、人生の全てを失った時、人はどうなってしまうのだろう。
もし、人知の及ばない現象に巻き込まれてしまった時、人は何を思い、何をするのだろう。
これは、混沌たる世界の深淵で、唯ひたすらに人であろうとする化け物の物語。
いったいどれだけの時間歩き続けてたのだろうか
まるで何かに引き寄せられている様な、そんな感覚を覚えながら唯ひたすらに歩を進める
その何かに近づくにつれ、次第にその感覚は強くなっていく
辺りはまるで霧に覆われているかのように霞んでいて、周りの景色はおろか足元すら確認出来ない
一体どれほどの距離を歩いてきたのか、一体自分は何処に向かっているのか、全く見当がつかない
何かがおかしい
そんな考えが不意に頭をよぎり、口では説明できない一抹の不安が沸き起こる
得体のしれない何かに見られている、そんな気がしてならない
ここから先は危険だ―――――――――どうして?
これ以上進んではいけない――――――――何で?
今すぐ引き返すべきだ――――――――――今更?
ここまで来たのにまた引き返すのか?
恐らくこんな機会は二度とないぞ?
またくだらない日常を過ごすのか?
この先に、何が有るのか気にならない?
じゃあ見に行こうよ、ほら!
有り余る好奇心が勝り、それらの不安を打ち消す
そして葛藤している間ですら歩みを止めたりすることない
一歩、また一歩と確実に進んでいく
それからかなりの間歩き続けた
けれども、あたりは深い霧で覆われたまま
行けども行けども何の変化も起こらない
軽い失望が芽生えだしたとき、ふと足元に違和感を覚える
先程まで一定のリズムで足に来ていた地面の反発が急に途絶えた
突如今まであたりを覆っていた霧がすっと晴れわたる
踏み出した先には何もなかった
物事の始まりから存在し、永劫の彼方よりそこに佇む深淵
それが、新たな獲物を飲み込まんと、大きな口を開けていた
体中の毛という毛が逆立つような悪寒を感じる
底なしの恐怖に、声にならない悲鳴を上げる
しかし、落下の感覚が訪れる事はない
自分に掛かっていた力が増し、漆黒の闇へと飛びたつ
けれど、その力には不思議な優しさがあり、恐怖は感じなかった
何かに包み込まれながら、暗澹たる闇の中を加速していく
暫くすると遠方に薄っすらと、微かな菫色を帯びた灯が見えてきた
それと同時に微かなフルートの音色と太鼓の連打、そしてそれらに混じって―――何と表現すればよいのか―――嘆きとも怒号とも違う、絶叫のような音が聞こえてきた
何か言い様もなく耐え難い恐怖が頭から足先までを突き抜ける
この段階になって、途中で引き返さなかったことを後悔した
明らかに正常でないのにもかかわらず、好奇心に負けてここまで来てしまった己を呪った
しかし今更後悔しても遅い、無慈悲にも光源との距離は縮るばかりだ
そして、近づくにつれ、それははっきりとした姿を持ってくるのだ
喩え様もないほど恐ろしかった
ずっと目を閉じていたかった
しかし、視界の端に一瞬映った、まるで嘲笑っているかの様に見える、あの名状しがたい顔のない貌
それが脳裏に焼き付いて、何故か目を閉じる事が出来なかった
そして、沸騰する混沌が渦巻く中、遂にあの光源の全貌が明らかになった
それは、深淵の中に位置する暗澹たる螺旋状の渦動の中心で、何もすることなく唯そこに存在していた
その表面はまるで沸騰しているかのように泡立ち、その周囲では絶えず創造と破壊が行われている
それは多くの従者たちに見守られながら、名状しがたい子守唄の流れるまどろみの中で静かに、かつ荘厳に君臨していた
それに近づくにつれ引っ張られる様な感覚は弱まっていき、遂にはそれの前で停止する
沸騰しているかの様に泡立つ巨体から一本の輝く触腕が伸び、自分を優しく包み込む、そして……………………………………………………………………
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「…うわああああああああああ!?ああああああぁぁぁぁ………あれ?」
右手はある。
左手もある。
右足も、左足も、胴体も、そして頭も。
ちゃんと五体満足だ。
「……はぁぁ…何だ夢か。」
酷い夢だった。今まで様々な夢を見てきたが、あそこまで不快で恐ろしいものはなかった。
もう二度と味わいたくない、あの精神がガリガリと削られていく様な感覚。特にあの触腕に掴まれたときの感覚は、今思い出しても身震いする。
しかし、不思議な夢だった。
酷い夢だったのに、覚めた事が寂しかった。
いつの間にか朝になっていたのか、冬とは思えないほどの強い日差しが頬を照り付けていた。微かに聞こえる波の音が寝起きの冴えない頭に響き渡り……
「…うん?波の音?」
おかしい、昨日は自室のベッドで寝たのだ。自宅は別に海辺でも何でもない。なのに何故…………。
先程から体の節々が痛い。思えば自分がいま座っている所も堅く、ベッドの柔らかさが微塵もない。というか掛け布団もなく、視線の先には堅そうな地面が……………
「………………………Pardon?」
一瞬あまりの出来事に思考が完全停止したが、我に返った途端物凄く嫌な予感がして、咄嗟に辺りを見回す。
何もない。
見慣れた自分の部屋も。
自分の住む家も。
ほかの建物も。
人も。
動物も。
草も。
木も。
在るのは遥か彼方先の地平線まで広がる青い海と、どこまでも高く澄み渡る蒼い空。そして今自分が立つ赤茶けた大地。それだけであった。
「…………………………………。」
やばい、状況が状況なので頭が混乱して、何が起きているのかさっぱり分からない。
取り敢えず何かする前に一言、これだけは言わないと(使命感
さあ皆さんも御一緒に!
「………ぬぅわんじゃこりゃあああああああああぁぁぁぁ!」
俺の名前は高木祥吾。
最近学校の成績が低迷中で進学がピンチだということを除けば、どこにでもいそうな只の高校生だ。
昨日もいつも通り学校へ行き、帰って速攻パソコン開いて、夜は親の帰りが遅いのでコンビニ弁当買ってきて食って、適当にシャワー浴びて歯磨きして親が帰る前に寝た。
…そう、いつも通り過ごしてただけだ。
事故にあったわけでもないし、変な薬を使ったわけでもない。
なのに………これはいったいどういう事だ?
「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ。酷い悪夢を見たと思ったら今度は訳の分からん場所に寝そべっていた。な… 何を言ってるのか(ry」
…よし、俺。一先ずもちつくんだ。いいな?
「よし、落ち着け、素数を数えるんだ。1,2,3,5………1は素数じゃねぇ!」
一人でノリツッコミしている時点でどれだけ自分が混乱しているのかはお察し。
兎に角このままでは状況把握のへったくれもないので、取り敢えず海辺に行ってみようと思い、痛む足腰を無理やり立たせながら、おぼつかない足取りで歩き出した。
多少息苦しいけど、過呼吸にでもなったのか?
まあ、この程度なら無視できるから問題ないけど。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……ははっ………あはは………マジかよ、何もねえや。」
あれから10分、漸く浜辺に到着した。
そこには白い砂浜と青い海が広がっているだけで、遠くに船など一つも見受けられない。
それだけではない。寧ろそれ以上におかしな所が幾つもあった。
「本当にさ、何でなんもないの?何度試しても圏外だし、もう何がどうなってんの?」
左右のどちらを見ても、延々と続く白い砂浜。
それだけなら全く問題ない。でも、木どころか植物が一つも生えてないのは明らかに異常だ。
それに、海にも魚はおろか海藻の姿すら無く、死の海さながらの様相であった。
寝落ちした時に身に着けていたスマホも、ほとんどの機能が使えなかった。
先程は無視できる程度だった体調も、時間が経過するにつれ、どんどん悪化していく。
今では頭痛や吐き気に襲われる程に悪化し、立っている事すらままならなかった。
正直に言おう。訳わからん。
この状況は、明らかに常識の範囲を超えている。
どうにかしたいとは思ってるけど、
「………うーみーは、あおいーな、あー気持ちわるぅ。」
頭痛い。気持ち悪い。何もしたくない。
只々、ボーっと浜辺に打ち寄せる波の音に耳を傾けていた。
そうしているうちに、ふといくつかの疑問が頭に浮かんできた。
どうして自分はこんな所にいるのだろう。
何故何もないのだろう。
家族は何処なのか。家には帰れるのか。友達とは会えないのか。約束はどうするのか家族旅行はどうなるのか祖母は元気なのか祖父は大丈夫なのか…………
心の底に湧いた疑問は次々に連鎖していき、遂にはある疑問が浮かび上がった。
何故自分だけがこんな目に遭わなければならないのだろう。
「……ぉい………おいおい…………………おいおいおいおいぃ!?…………」
つい昨日まで送っていた日常が一瞬にして崩壊する。
そんな理不尽が唐突に訪れたことに、俺は深い疑問を抱いた。
「おい、ちょっと待ってくれよ!何で俺?何で俺がこんな事になってんの?!」
ここまで理不尽な目に遭う謂れが、俺に有っただろうか。
暫く考えてみたけれど、誰かに恨まれる様な事をした覚えは無い。
ひょっとすると、無意識に誰かの琴線に触れ、恨まれるってのは有るかも知れない。
でもさ、これと同レベルに理不尽な行為を誰かにしたか?
恐らくだがそれはない。
俺は誰かを苛める様な奴じゃないし、どっちかって聞かれたら苛められる方だ。
だからそういった事に関しては、人の倍くらいには気を使っている。
だとしたら、何故?如何して?
「…………ああ、くっそ!………分かんねぇ……分かんねぇよ!」
その疑問は瞬く間に膨れ上がり、やがて別の感情―――怒りにすり替わった。
「………ふざけんじゃねえ。ふざけんじゃねえよ畜生!何だよ!俺が何をしたってんだよ!何もしてねえだろうよド畜生!何で俺ばかりがこんな目に合うんだよ!何 で な ん だ よ畜生お゛お゛お゛お゛お゛」
近場にあった大きめの石を海に向かって投げ入れる。ドボン!という音を立てて水飛沫が上がると、すかさず砂をつかんでばら撒いた。そして地面を殴り、両手を振り回して暴れた。
その感情をぶつけるべき相手など何処にも存在しないという事は理解していた。しかし、腹の底から湧き上がってくるものを何処かに吐き出さなければ、いつまでたっても腹の虫は収まらない。
「……ハァ……ハァ………くしょう……ちくしょう……………」
そして、吐き出すものを吐き出した後に残ったものは、どうしようもなく理不尽な現実と、もう家族と会えないことに対する深い悲しみ。そして、
「うわああぁあ゛ああ゛あ゛あ!あ゛ああああ?ぁ゛ああっお゛あ゛あああああああ!?!」
二度とあのどこか温かい日常に戻ることができないという絶望だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……ズズッ!……ひっぐ……何でっ……だよぉ………。」
その後は、ずっと泣き続けた。
泣いて、泣いて、泣きわめいて、涙が枯れるまでずっと。
そうなって、猶も泣き続ける辺りが非常に俺らしいけど。
そのせいか、頭痛と吐き気がさらに酷くなった様に感じられた。
何の根拠も無いけど、絶対にそうだと確信を持っていた。
この状態が続けば、いずれは死んでしまうと。
しかし、それでもいいと思った。どう足掻いても元には戻らない。ならばいっその事このまま死んでしまおう。
そんな考えが心を支配して、完全に無気力になっていた。
「何で………どうし………っ…ぐぅ………お゛え゛ぇ………ぁ゛……があぁ……………。」
せめて自分が此処に来た理由が知りたい。
そう思い、必死に虚空に向かって問いかける、何処にも答えてくれる者など居ないのに。
そうしているうちにも益々吐き気と頭痛は悪化していき、遂には猛烈な眩暈がする程になった。
もう意識を保っていられるのが不思議なくらいで、もうそろそろ限界何じゃないかと内心思った。
(あーあ、碌な死に方しないとは思ってたけど、こんな最後になるとは…人生ってのは判らないもんだねぇ。
もしかしたらこれも夢だったってオチ…は無いか。
だってこんなに痛いし、気持ち悪いし。
あーあ、せめてHDだけでも破壊しておきた……あ……もうダメだ………意識…も…た………ね…………)
俺は遂に意識を手放した。
まさか後々あんな事になろうとは、この時は微塵にも思っていなかった。
ねんがんの だいいちわを とうこうしたぞ
1.そう かんけいないね
2.ころしてでも ひはんする
3.よませてくれ たのむ
あなたはどの部類に入りますか?
1を選ばれても仕方ない内容ですが、なるべく3、できるなら2も多ければいいなぁ。
あまり後書きが長いといけないし、今回はここまでにしときます。
では、私の記念すべき第一話を読んでくださり、誠にありがとうございました!!
4.にゃる・しゅたん!にゃる・がしゃんな!