想天   作:夢綴

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作者の夢見る幸せな世界。というやつです。生暖かい目で見守ってください。


0話

 

 

 これは一組の、少年少女の終わりを迎える物語。

 

 

 

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 その世界は、明確な終わりを持つ世界だった。

 大地を支える大樹はいずれ燃え尽き、世界も同時に炎に飲まれる。

 それはその世界に生きる全ての人が知ることであり、受け入れた結末だった。

 

 そして、終わりがあと十数年、となった時。とある村に一組の少年少女が生まれた。

 

 少年は終わりを受けいれ、幸せに笑い、家族と共に終わりを迎えることを願った。

 

 少女は終わりを受けいれず、少年と二人、最期まで生き抜く未来を願った。

 

 二人は幾度もぶつかり合い、時に互いの刃を向け合う殺し合いにさえ発展した。

 二人は長く、永く想いをぶつけ合い、お互いの幸せな終わりを追い求め続けた。

 

 決着は着くことなく、ついに迎えた終わりの日。

 少女は幾日も繰り返し続けた言葉を放つ。

 

 

 共に世界を渡りましょう?

 

 

 少年もまた、変わることの無い答えを返す。

 

 

 僕は行かない。家族が居るから。

 

 

 少女がどこからとなく取り出した大剣を構えれば、少年もまた、剣を抜き、浮遊する花のような大盾を顕現させる。

 

 

 二人の最後の決闘が始まり、一度も刃をまじえること無く終わった。

 少女は大剣を放り捨て、少年に抱きつき、そして涙を流す。

 少年はそんな少女をそっと抱きしめ、慰めるように頭を撫でる。

 

 

 

 どれくらいそうしていただろうか、日は天高く上り、終わりゆく世界を照らしていた。

 少女は顔を上げ、連れていきたい場所があると、少年の手を引き走りだした。

 そうして辿り着いたのは、黒い彼岸花が辺り一面に咲き広がる高原だった。

 

 

 

 

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 遠く、何処までも咲き広がる彼岸花に囲まれ、一人の少年と、顔立ちのそっくりな少女が、向かい合って立っていた。

 

「もう、終わっちゃうんだね」

 

 少女は名残惜しそうに呟き、その白く細い手を天高く全てを照らす星に向ける。

 その様子を少年は静かに見つめ、そっと手を差し出した。

 少女はその手を取り、二人は彼岸花の中を駆けていく。

 そして二人は終点に辿り着き、向き合い、笑う。

 二人は手を繋いだまま横になり、空を見上げ言葉を交わす。

 

「また、逢えるかな?逢えるといいなぁ。離れたく、ないなぁ」

 

 少女が涙とともに言葉を零す。

 少年は少女の手に指を搦め手を握り直し、言葉を返す。

 

「大丈夫だよ。だって僕らは、家族、なんだから」

 

 少年の言葉に少女は幸せそうに笑い

 

「大好きだよ」

 

 そう告げて目を閉じた。

 

 

 

 大樹は燃え、大地もまた炎に包まれて消えていく。

 

 炎の中二人は幸せそうな笑顔のまま眠りについた。




プロローグ、のようなものになるんですかね。思いつきを衝動で文章にしてるので、更新不定期ですが、じわじわやっていきたいと思います。

楽しんでららの幸せを見守っていただければ幸いです。
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