これは一組の、少年少女の終わりを迎える物語。
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その世界は、明確な終わりを持つ世界だった。
大地を支える大樹はいずれ燃え尽き、世界も同時に炎に飲まれる。
それはその世界に生きる全ての人が知ることであり、受け入れた結末だった。
そして、終わりがあと十数年、となった時。とある村に一組の少年少女が生まれた。
少年は終わりを受けいれ、幸せに笑い、家族と共に終わりを迎えることを願った。
少女は終わりを受けいれず、少年と二人、最期まで生き抜く未来を願った。
二人は幾度もぶつかり合い、時に互いの刃を向け合う殺し合いにさえ発展した。
二人は長く、永く想いをぶつけ合い、お互いの幸せな終わりを追い求め続けた。
決着は着くことなく、ついに迎えた終わりの日。
少女は幾日も繰り返し続けた言葉を放つ。
共に世界を渡りましょう?
少年もまた、変わることの無い答えを返す。
僕は行かない。家族が居るから。
少女がどこからとなく取り出した大剣を構えれば、少年もまた、剣を抜き、浮遊する花のような大盾を顕現させる。
二人の最後の決闘が始まり、一度も刃をまじえること無く終わった。
少女は大剣を放り捨て、少年に抱きつき、そして涙を流す。
少年はそんな少女をそっと抱きしめ、慰めるように頭を撫でる。
どれくらいそうしていただろうか、日は天高く上り、終わりゆく世界を照らしていた。
少女は顔を上げ、連れていきたい場所があると、少年の手を引き走りだした。
そうして辿り着いたのは、黒い彼岸花が辺り一面に咲き広がる高原だった。
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遠く、何処までも咲き広がる彼岸花に囲まれ、一人の少年と、顔立ちのそっくりな少女が、向かい合って立っていた。
「もう、終わっちゃうんだね」
少女は名残惜しそうに呟き、その白く細い手を天高く全てを照らす星に向ける。
その様子を少年は静かに見つめ、そっと手を差し出した。
少女はその手を取り、二人は彼岸花の中を駆けていく。
そして二人は終点に辿り着き、向き合い、笑う。
二人は手を繋いだまま横になり、空を見上げ言葉を交わす。
「また、逢えるかな?逢えるといいなぁ。離れたく、ないなぁ」
少女が涙とともに言葉を零す。
少年は少女の手に指を搦め手を握り直し、言葉を返す。
「大丈夫だよ。だって僕らは、家族、なんだから」
少年の言葉に少女は幸せそうに笑い
「大好きだよ」
そう告げて目を閉じた。
大樹は燃え、大地もまた炎に包まれて消えていく。
炎の中二人は幸せそうな笑顔のまま眠りについた。
プロローグ、のようなものになるんですかね。思いつきを衝動で文章にしてるので、更新不定期ですが、じわじわやっていきたいと思います。
楽しんでららの幸せを見守っていただければ幸いです。