ある日の事だ。日は沈み、通りに人はいなく静けさを増していた。その通りにある松明と杖を交差させているエンブレムの家中で二つの人影が暖炉の火を囲んでいた。
「......今、なんとおっしゃいましたか?」
その問いかけはこれから起こる厄介ごとを恐れるかのように震えているものであった。
「だーかーら、私の友神の子をしばらくの間見守ってほしいんだよね。大して問題はないし、あんたなら簡単でしょ?」
対するもう片方の背の小さい人影からはおちゃらけたような雰囲気でありながらもどこか威厳に満ちた声が聞こえてきた。声音からして十五、六歳の女性だろうか。
彼らの身の上話をするのであれば、ファミリアという一つの徒党でいう眷属と主神の関係性であった。眷属である男性は毎度のことながら、己が主神である女性のわがままを聞く、これが彼ら「ヘカテ・ファミリア」の日常であった。
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あらゆる人種が行きかう迷宮都市オラリオは今日も賑やかだ。迷宮(ダンジョン)という神秘の建造物を内包しておきながらも世界の中心を司っていた。世界中から英傑たちが夢や希望を追い求め、集まってくる。勿論、その中で栄光を手にする者もいれば挫折し、諦めてしまう者もいる。しかし大半の冒険者たちは彼らを嘲るようなことは云わない。彼らはそれ以上の絶望を知っているからだ。冒険者という職種は常に危険が伴う仕事である。夢を諦めることの出来たものには「命」という生命の最終財産が残るが、未だに夢を追いかけている冒険者たちはその「命」すらも賭けていかねばならない。先日二十一の誕生日を迎えたテウス・ジェイソンもその冒険者の一人であった。そんな彼は頭を抱えていた。彼を悩ませるもの、それは財政難である。実に単純明快な話であるが、彼らヘカテ・ファミリアは金欠状態の真っただ中なのだ。金欠の理由は借金の多さにあった。それもそのはずで彼らの拠点はつい先日、とある抗争で破壊され、負けた罰として多額の負債を背負った。
「ねぇー、聞いてるの?」
目の前の女神が自分の顔を覗き込んでくる。その淡い紫をした瞳からは童話で語られる魔術の女神ヘカテからは想像できない純粋さが垣間見える。魔術神ヘカテといえば豚の魔女キルケに魔術を教授した女神であり、地獄の番犬たちを従える女神として知られる。そんな冷酷無慈悲な女神が今、自分の前でアホ面を掻いて覗き込んでくる。
「ちゃんと聞いてますよクソ女神 」
「あー!またクソ女神ていった!今日こそ許さないんだからね!」
思わず自身の本音が出てしまい、長い説教が始まった。
「君、私のこと舐めてるでしょ。そりゃあ、まだ人の世界に降りて二、三年そこらだけど、天界に居るときは多くの人を冥界に送ったんだよ?君なんて神の力を使えば赤子の手をひねるもんさ!」
「すみません。さすがに勘弁してください。虐待で訴えられそうなんで、クソ女神の弁護はさすがにむりっす」
「あ、ごめんなさい。さすがに赤子の手をひねるのはかわいそうよね。....って違うわよ!!そのクソ女神をやめろて言ってんのよ!!ちょっとそこで正座!」
どうにか話をはぐらかせようとしてけど無理っぽいな。これはまだまだ続くな、何時に寝れるのやら。
「あーもういい!で、依頼は受けてくれるの?」
「はいはい、わかりましたよ」
....駄女神から解放された俺は今日の疲れを癒すべく、自室に向かった。あの日から背負い続けた多くの負債、未だに返す道筋が見える気がしない。ベッドに寝転がった俺は借金を返すための案を練ったが、やはり思いつくのは非合法なものばかりしかなかった。
「はぁ」
でかすぎるため息とともに俺は安息しようと目を閉じた。
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翌朝、目が覚めるとすぐに洗顔するために洗面所に向かった。昨日はよく眠れた。久しぶりに借金返済に駆り出されない夢を見た。一体いつぶりだろうか。かれこれ、借金を少しでも返そうと四苦八苦している夢を見続けて長い時が経つ。そしてその悪夢が見ない日に限って、現実に悪夢が起きるのは経験済みだ。
「おはよう!テウス」
「あ、おはようございます」
ほら、来た。全く朝から大きな声を出して、この人の活力は底なしか?昨日あんなにはしゃいでいたのに元気すぎんだろ。
「うんうん、挨拶ありがとう!やっぱり、朝に挨拶は気持ちいいね!」
「今日は一段と増して元気っすね」
「そりゃ、元気だとも!なんたって今日はあんたと友神の子を見に行くんだからね!」
「あー、はいはい....うん?友神の子?」
女神さんの元気の良さに気押されて適当に相槌していると聞き逃せない言葉が出てきた。ああ、やはりか。大神クロノスよ。あなたの同族はどうして、こう残念なのでしょうか。私、何か悪い事しました?
「....?そうよ?だってあんた昨日依頼受けるて言ったじゃない。だから今日見に行くのよ、こっそりとね!」
「バカなんですか?」
「なっ!?」
思わず、本音が口走ってしまった。この女神がどうしようもないバカなのはファミリアを結成してから分かっていたことだ。今に始まったことじゃない。あと顔を近づけてくるな、うざい。
「でなんで、今日なんですか?」
「フンッ!バカていう人に教えてあげない!」
めんどくさいこの上なく、話が進みそうにない。仕方なく、俺は誠意を見せて謝った。
「ふふん、やっとあんたもあたしの寛大さが理解したのね!」
「で、なぜ今日何ですかい?もっと日にちあるでしょうに」
「分かってないわね、決断してすぐに実行したほうがいいに決まってるじゃない」
なるほど、一理ある。確かに思い立ったが吉日というし、否定する理由もない。
「そうと決まれば、今から行くわよ!ほらさっさとしたくしなさい!」
「あんたは俺のおかんですかい、へいへいわかりましたよ」
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そうして、今不肖にも我が母親の面をした女神に付き添っているわけだが、質問したい事がある。
「で、こっそりていうことでしたが、どっかから見るんです?」
「え....そ~れ~は....」
考えていなかったそうである。詰めが甘いというかバカというか。
「別に隠密じゃなくていいでしょ、正々堂々とすればいいんですよ。こんなもん」
「せっかくなんだからもっと正体とか隠そうよ!もっとこう、忍者とか謎の仮面騎士みたいにさ!」
「んなわけにいかんでしょ、正体ばれたときどう弁解するんすか。物語に毒されすぎです」
「やだやだ!隠密行動したいしたい!」
「子供か!」
「あたしはくノ一になりたいの!」
「ええい、わがまま女神め!少しぐらい静かにできんのか!見つかってもいいんか!?」
一つ言い忘れていたが、何も俺の悪夢を見なかったという事象だけでその日の良し悪しを判断しているわけではない。うちの我が駄女神が駄々をこねると悪い事が起こるとまた相場が決まっているのだ。
「....あのさ、近所迷惑なんだけど、ヘカテ」
「「あ」」
だから、俺は今日も運が悪い。
「で?君たちは僕に挨拶するためにベル君との愛の巣であるこの教会に来たわけだけど、普通に挨拶するだけじゃつまらないからドッキリで驚かせようとしたと?」
「....おっしゃる通りです。」
女神ヘスティア様にばれた俺たちは正座と呼ばれる体勢を取らされていた。
「君たちは隠密という言葉を知っているかい?あれだけ叫べば亜人でなくとも気づくよ?」
「ご、ご尤もです」
「ねぇ、ヘスティ....そのぅ、元気にしてた?」
「あ、おいバカ!」
「キッ!」
ヘスティア様の鋭い眼光が更に強くなって気がする。こりゃ、死んだわ。
「もとは云えば君がどっか言っていたから、僕がこんな目にあっているんだろ!!」
うちの駄女神の空気が読めない言葉がとうとうヘスティア様の琴線に触れたらしい。どう収拾つけんだよこれ。
と言うことでやりました。やったんですよ!必死に!その結果がこれなんです!これ以上どうしろって云うんですか!と作者の中にいるバナージが叫びまくっています。まぁ、ちょくちょく不定期ぎみに更新していこうかなと。
私の小説は面白いですか・・・・・?
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めっちゃおもろい
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え!?・・・・うん、面白い、よ?
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文章がもう少しうまければ面白い
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面白くねぇんだよ!国語やりなおりしてこい