【旧版】普通の人間ですけど…ゑ、天才魔法使い?【新版はあらすじから】 作:不審者γ
またいつも通り脈絡がありません。
それと、ここからが一章です。
では、本編どうぞ!
急転直下
ある日、施設の庭でいつものように魔法を練習していたアリス。一応ランク2から10までの魔法は一つは作れたため、それを使いこなすための練習だ。すると、
「お嬢さん、ちょっと良いかな?」
「へ、あ、はい?」
いつの間にいたのか、見知らぬ男性に声をかけられた。20代前半といったところか。
「えーと、僕はこういう者なんだけど…」
すっ、と出した名刺には、
フェンリオ魔法騎士団 団長 クロド・フェル
と書かれていた。
フェンリオ魔法騎士団というのは、この王国直属の騎士団であり、魔物の統括者…魔王の討伐を目的とする団体のことだ。この頃魔王が復活したという話はちょくちょく耳にする。
「は、はい。で、何か用でしょうか?」
「ああ。君、名前は?」
「私ですか…?…アリス・セナールです。」
「そうか、アリス。…うちの団に入らないか?」
「……………え?」
結構心の底から、え?が出た。
アリスは見た目は完全に小学生の中、高学年…見られても小6程だ。確かにこういう団に入団する年齢制限等はないが、それでも10歳前後の少女を入れるような団はよほど人手不足でもない限りそうない。
しかもこの団は王国直属。入ろうと思っても入れるものではない。そのため、勧誘などする必要もないほど入団許可をもらいに来る人が来るはずなのだが…
「…私…ですか?」
「ああ、君だ。」
即答で返された。
「…いえ、私よりも、もっと適任な方がいるはずです。それと、私とそちらでは少し考え方が違うと思いますので。」
「…?考え方が違う、とは?」
しまった、というように口を隠すアリス。が、それでは誤魔化せられないと思い、言う。
「…私は、あなた方のように魔王の討伐などは考えていません。むしろ、それは間違っていると思っています。確かに、魔物達は人間を襲います。でも、あなた方も同じですよね?相手の陣地に入り、魔物を倒す。魔物達から見ても同じですよ。安全な暮らしがほしいから相手を倒すより他ない、そう考えているだけだと思います。相手を恐れすぎるあまり、攻撃という手法がとられているだけであり、冷静に考えることができれば魔物が人を倒すことも、人が魔物を倒すことも必要なくなれるのでは、と思っています。何も、倒す事だけが方法ではないということです。…人を殺めかけた私が言えた口ではありませんが。」
クロドは、少しばかりポカンとしたようにしていたが、何とか意識を取り戻し、
「………いや、驚いた。その歳でそんなことを考えられているなんて本当にすごいと思うよ。実は、君の事はこの間の魔法新聞で知ったんだ。名前は載ってなかったけど、親御さんが亡くなったなら施設に預けられるのがほとんどだし、ここら辺には施設は一つしかないからね。その中で、特徴に合う人を探したわけさ。…にしても、ランク7の魔法使い…魔導師をたった一人でのせる実力は相当だ。だから勧誘してるのさ。魔法使いの枠が少なくともあと一人欲しいと思っていてね。入団許可をもらいに来る人はいるんだけど…どうもお世辞にもそんなに強いとは思えなくてね…君のその考え、皆と親父にも言ってみるよ。許可がとれたらまた来る。その時までに考えておいてくれ。」
この場合の「親父」は「国王」である。
それに、魔法新聞と言った。魔法新聞は、かなりの魔力を持つものが見られるものだ。言えば前世のスマートフォンで言う有料オプション、と言ったところか。そしてこの見た目でも団長という辺り、中々な実力の持ち主なのだろう、と思っていた。
「………分かりました。」
承諾せざるを得ず、アリスは承諾してしまった。
「ああ。じゃあ、一応連絡用にこれ、渡しておくね。」
そう言ってカードのようなものを渡された。
「…これは…?」
「少し魔力を込めれば連絡できる代物さ。じゃ!」
そう言って飛んでいった。
「…………まずい、どうしよう…」
あまり入団する気はない。そもそもアリスはあまり目立つのも得意でない。が、せっかく誘ってくれたのをすぐに返すのもどうかと思ったのだが、もう少し頭を捻れば良かった、と思っていた。
「グル?」
「ああ、メア。どうしよう…」
ポケットから出てきたナイトメアに相談するが、
『それは…アリスが決めることだろう?我が口を出すところでは無い、かと。』
そう言ってポケットに沈んでいった。
「、アリス。どうしたの?…ってそれ!」
と、アベルが出てきて目を剥いて言った。
「?」
「そのカード!まさか…魔法騎士団に勧誘されたの?」
「え、何で…?」
何故分かったのか、とアリスは首をかしげる。
「そのカードを持ってるのは魔法騎士団だけなのよ。それを持ってるってことは…勧誘を受けて考えがまとまったら連絡してくれ、とか…そんな感じじゃないと持ってるはず無いの。」
「…うん、さっき…」
《かくかくしかじか》
「…って事があって…」
「…え、フェンリオ魔法騎士団?あの王国直属の?」
「…うん、らしいね…。」
そう言った後、一拍──、
「……ルナさあぁぁぁぁん!アリスがあぁぁ!」
破裂した。
「ちょ、お姉ちゃーん!」
何かすごい勢いで飛んでいったアベルをアリスは後ろから眺めるぐらいしか出来なかった。メチャ速ぇ。この時ばかりはアベルは音速の壁を破ったのだと思う。
ちなみにルナというのはここの施設長。
「えぇ…えー…どうしようどうしようどうしよう…!」
なら、無理なお願いを条件にしてみるか、と考える。最もらしい理由をつけて。その時、
「アリスー…うわあぁぁぁ!?」
「うわっと!」
バートが来た。同時に曲がり角で猛進してきたアベルとぶつかりそうになった。確認してくれよ、と心の中でアベルに言い、バートの方に行く。
「バート、おはよう…って時間でもないか。」
現在11時。
「でも私起きたの一時間前ぐらいだよ?」
つまり起床時刻10時。
「…何時に寝たの?」
「いつも通り10時半位?」
つまり約12時間睡眠。
「…寝過ぎだね。」
「私も思う。…ところで、何かあったの?」
アベルとアリスを見比べながらバートは聞く。
「?何で?」
「アベルさんの感情がすごい[喜]があふれでてるから…アリスは何か困ってるみたいだけど。」
その通りである。
「あはは…お見通しだね。実は…《かくかくしかじか》あってね…」
「…すごいじゃん!入るんでしょ?いいなぁ~」
「いや…そういうのはちょっと…「すみませーん。」…嫌な予感がする。」
このタイミング、このさっき聞いた声。…うん。確定。早くないか?
「あ、いた。親父と団員に君の話をしたら驚いてたよ。「確かにそういう話もあるかもしれない」ってね。親父も承諾してくれたよ!」
「…そうですか…」
まさかこんな早く承諾とれるとは思わなかった。別れて10分経っていないにも関わらず団員と国王に話をしてしかも二つ返事で承諾してもらえるとは。
そしてこういうのは会議とかそういうのがあるのではないのか?と思ったが、そういや国王は時間を操る魔法が使えてるらしい。そう考えれば時間はほぼ無限にあったと考えても差し支えない。
「で、入団してくれる?」
「…………あの、」
「うん?」
これは普通に入りたくないからとかではなく、本当にアリスの願いだ。
「…もう一人、入れられませんか?」
「えっ?…人数としては上限10人だから、あと3人大丈夫なんだけど…誰を?」
「あくまでも本人の許可をとらないと分からないのですが、私の親友です。彼女には心…感情を読むことができます。それをスキルアップさせることができれば、更に力強い仲間になれるはずです。そして、何より、私を助けてくれた人でもあります。…決して足手まといにはなりません。」
「…そうだね。君の親友ということなら一緒にいた方がいいだろう。その子のランクはいくらだい?」
「…4です。」
「4か…まあ問題ないだろう。分かった。返事が来たらそのカードで教えてくれ。じゃあまた後で。」
ヒュッ,
と消えた。その時、
「え、アリス?」
「、?」
「え、私…?」
バートだ。
「うん。だって、バートは私の親友でしょ?友達がいた方がいいじゃん?それに…バートがいれば私もある程度自制できると思うし。」
流石にあんな暴走はあまりしたくない、というのも大きい。その時の記憶はあやふやだが、アリスは、かなりヤバかった、とだけ聞いている。自分のしたことの記憶がないのは結構怖いらしい。
「いや、でも、私は弱いし…」
「いいや。バートは強いよ?誰も持ってない
「お、お姉さんとかの方が!」
「お姉ちゃん、自分自身は魔法騎士団とか死んでも入りたくないっていう位だからなぁ…」
事実である。アベルはランクは3だが、魔法の精度は天才級に高く、集中すればランク8レベルの複雑な魔法陣もかけるような人だ。そういうところから過去に二度、団に勧誘されたこともあったが、どちらもばっさり断ったのだ。彼女いわく「騎士団とかは私に合ってない」らしい。
「えぇ…」
「…もしかして、迷惑だった?前にバート魔法騎士団とか入ってみたいって言ってたし、お父さんとお母さんから許可をもらえれば良いかと思ってたんだけど…」
「う、ううん!その…私で良いのかなーって…」
「いや、バート
少し驚いた表情になり、ふっ、と笑って、
「………ありがと。…パパとママに聞いてくるね!」
「うん。」
アリスも少し笑って返す。
まあ、返事はもちろんのごとくOKをもらい、連絡しようとするも誰もカードの使い方がいまいちよく分かっておらず、途中何か煙が出てきて大変なことになりかけたりしたが、なぜかナイトメアが使い方を知っており、アリスにこっそり教えてくれて何とか連絡が成功し、クロドがクローズラインという魔法騎士団専用の服を二人分持ってきて、明日また迎えに来るからそれまでに準備しておいてねー、と言ってまた消えた。
ちなみにクローズラインというのは、団員専用の服であると同時に防御魔法の魔法式が書き込まれている服だ。しかも周りの大気から魔力を常時吸い込み、例え防御魔法が破壊されても時間が経てば回復、修復されるようになっているらしい。さらに、身に付けると透明になるという。
それより、彼は瞬間移動ばかりしているが、歩かないのだろうか、とアリスは考えていた。
はい、ということでここから第一章開幕ですね。遅いです。そもそも前話だけで10話越えてる時点でどうだとは思ってます。はい。
では、また次にお会いしましょう。
see you!