【旧版】普通の人間ですけど…ゑ、天才魔法使い?【新版はあらすじから】   作:不審者γ

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書き直してたら長くなったので分けました。


魔力測定

そして、あの魔法の一件があってから一週間後…

 

「じゃあ、準備できたか?」

 

「うん!」

今日はランク測定の日だよ。

なんかそういう施設があるらしくて、その近くまでは父さんが転移魔法で送ってくれるらしい。転移魔法なんてのもあるんだ…完全にファンタジーだねぇ。いや、そもそも魔法がある時点でファンタジーなんだけど。

 

「じゃあ、行くぞ」

と、父さんが下に向けて握った手を開くと、足元に青い巨大な魔法陣が展開された。周りに細々とした文字が次々と書き込まれていく。

 

「転移4魔法、テレポート!」

そう父さんが言うと、一瞬魔法陣が光って…

ヒュン

 

─────────────────

─────────

────

ヒュン

 

「着いたぞ。」

 

「…うわあっ…」

一瞬で目の前の光景が変わりました。はい完全に転移魔法ですありがとうございます。

それでやって来たのは首都、クリーフォール。僕達の住んでいる所からかなり離れた所にあるんだよね…イツキ村っていう名前らしいけど、割と田舎だよ。村って付いてるしね。

で、だけど…想像以上に賑わってるし発展してるね。人の多さとしては前世の東京とか大阪とそう変わらないっぽいかな。まあでも、使われているのが科学か魔法か、という違いはあるみたいだけど。

…あ、でも車っぽいのあるな…タクシーっぽいけど完全にオートの運転みたい。運転手がいない。

あとビル群もある。

いや本当に都会。大都会。

 

「さ、行こうか」

 

「うん」

で、その行き道に聞いてみた。

 

「お父さん、あの自動で動いてる乗り物みたいなのって何?」

少なくともあの村には乗り物って言っても馬車くらいしかなかったからね…この都会と田舎の発展具合の差よ。

 

「ん?あぁ、あれは車っていうんだ。うちにも馬車はあるだろ?都会じゃ魔法とまた違う科学ってのがあってな、魔法と一緒に使ってもっと色んなことができるようにしてるんだ」

…魔力と科学の融合だぁ。

なるほどね…一応この世界にも科学はあるんだ。魔法が存在してる時点で物理法則もクソもないような感じはしてたけど…

 

「おっと、ここだな」

 

「…」

とか考えてたら目的地に着いたらしい。

…着いたんだけど…一言で言うなら、宮殿。

いや、ほんとに宮殿。すっごいおっきい。どれ位大きいかといえば、本当に家10個分位大きい。いや本当に誇張なしで。…何こいつ語彙力死んでるじゃん。

それに、なまじ形も宮殿だからここに聖職者がいても全く違和感無いね…とか思いながら父さんの後をついて行ってると…

 

「こんにちは、アリス・セナールさんですね」

…聖職者だ。

白髪で黒のベールをかけてるシスターさんみたいな格好をした人がいた。いや前の世界でシスターさんとか見たことないけど、多分こんな感じだと思う。

…うん、神殿()()()()建物じゃなくてちゃんとした()殿()だった。

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「ふふ、礼儀正しいのね、よろしくね。さ、こっちよ。お父様も、こちらです」

そうして通されたのは…

 

「……」

これまた広い部屋だった。机や椅子がある辺り、学校の教室にも似てる。というかこれ教室じゃない?僕と同じ位の子が30人位いるし、内装だけなら学校に見えなくもないな。外装は完全な神殿だけど。

あー、あれか。宗教学校とかならあり得るかも。

とかそんなことを考えていた時、多分僕と同じく魔力の測定を受けるんだろう一人、やたらと女子に囲まれている男子がいた。覗いてみると、どうやらかなりのイケメンらしい男子がいた。この年齢で股をかけ始めてるっぽいけど…ませてんのかどうなってるんだ。

 

そう思いながら指定された席につく。別に絡む気はないかなぁ…ちょっと友達にはなれなそう。そもそも根が陰キャだから…

それで、家から持ってきた本を読んでいたとき、ふと顔を上げるとその男子が意外そうな目でこっちを見てた。かまちょか?どうやら相手にされなかったのが心外だったようなので、軽くお辞儀だけしといた。

まだ見られ続けてたけど。

すると、

 

「ねえねえ、お名前何て言うの?」

 

「うん?」

隣の席から声をかけられた。

本に栞を挟んで閉じてそっちの方を向くと、緑の髪にエメラルドグリーンの目の女の子が目をキラキラさせながら話しかけてきてた。うっ…陽キャの存在を感知…

 

「…私?」

 

「うん、そう。あ、私バートっていうの。バート・スカービア」

バート…フランス語か何かで緑だっけ。いや、確かに髪と目は緑だけど…

 

「私はアリス。アリス・セナール。よろしくね、バートちゃん」

 

「うん、よろしく!アリスちゃん!…ところでだけどさ、あの子、凄い格好良くない?」

元気な感じでニコニコしながら返してくれるバートちゃん。いい子だ。

と、例の少年をさして彼女は聞いてきた。あー、うん。

 

「あー…確かに格好良いね」

 

「?興味とか無いの?」

確かに格好良いとは思うけど、残念ながら中身が男なんだよねぇ。それに、そもそも色恋話等にほぼ興味のなかったような人間だったし…そういうのは無いかな。

あとああいう人が単純に苦手。

 

「うーん…あんまりないかも」

 

「へぇー…でもさっきからアリスちゃんの事チラチラ見てるよ?気になってるんじゃない?」

それは気付いてた。視線を感じて顔上げるたびにこちらを向いてるんだから、そりゃ気付く。というか一種の恐怖さえ覚えてる。

 

「えぇ?」

 

「いや、だってアリスちゃんも凄いかわいいもんなー」

…なんかからかい口調で言われた。

 

「バートちゃんもかわいいよ」

 

「えへへー。ありがと」

調子を合わせたほうがいいかな、と若干からかい口調で答える。

…うん、苦手だ、このテンション…

そもそも前世でこんなこと言ってたら速攻でガチャンだったし、言うような相手いなかったし…あれ、目から汗が…

 

と、そのとき前の戸が開いて二人の人が入った来た。

一人は60前後くらいのおじいさん。もう一人はシスター風の格好をした、案内をしてくれたあの人だった。

 

「はい、本日、測定をさせていただきます、ランク5聖師、ソーラス・ロベルと申します。よろしくお願いします。…まず、方法を教えます」

礼儀として最初に名前を言うこととかの後、測定方法を教えられる。

測定は、測定器になるあの玉水晶に手を当てて、魔力をできるだけ高めるだけなんだってさ。それだけで玉水晶が魔力を感じ取って水晶の中に魔力の測定値が出るからそこから計算してランクが決まるらしい。

便利なものもあるんだなぁ。

 

「じゃあ、まず一人目、どうぞ」

そうソーラスさんが言うと、例のあの少年が出てきた。

 

「シュウ・アルバートです」

その瞬間、部屋がザワッとした。…けど、何がザワザワする理由になるのか分かんない。…聞いてみよっか。

 

「ねぇ、あの子って有名な家柄とかなの?」

 

「え、知らないの?アルバート家って有名な魔導師団の家柄だと思うんだけど…」

聞いたことすら無かった。まあ田舎だし…いや、言い訳になんないや。正直勉強サボってました。すんません。

 

「…なるほどな…それならあれだけ人が集まってもおかしくないか」

誰にも聞こえないレベルでぼそっと呟く。まあ、そのレベルの地位に容姿が付いたら少々性格があれでもモテはするか。…決して僻みじゃない。決して。

 

「では、こちらに。玉水晶に手を当ててください。そして、魔力をできるだけ出してみてください」

そう言われて彼は台に上り、水晶に手のひらを付けた。と、部屋の中に弱くも風が吹いた。玉水晶の中には164000の数字。また部屋の中がザワザワする。

 

「…ランク6です。」

ランク6。ランク4が平均と言われる中じゃ高かった。

やっぱり魔導師団長の子供だけある…と言いたいところだけど魔力量って遺伝するのかな。

まあそこはどうでもいいや。

と、次々と測定する人が呼ばれていく。

 

「では…次の方」

 

「あ、私だ。行ってくるね」

そう言ってバートちゃんが前に出た。

台の上でもにっこにこで自己紹介をする。

 

「はーい!バート・スカービアです」

 

「はい。では、こちらに」

シュウと呼ばれた少年と同じように水晶に手を当てる。53000の数字。

 

「…ランク4です。」

これでも一般人の中でもちょっと上の方だ。そう考えると父さんとかも割と上位だよね。少なくとも周りで転移魔法使ってるのは父さんくらいしか見たことないし。

 

「凄いね」

 

「えへへ…」

バートは若干顔を赤くして頬をかいた。

 

「じゃあ、次の人」

おっと、僕の番だ。

 

「はい。アリス・セナールです」

流石に少々緊張した。人の前だし…こんな大勢の前で何かすることとかなかったからなぁ…

で、これまでの子と同じように水晶に手を…その時、

 

パチッ

 

静電気みたいなのが水晶と手の間に流れた。まあ気のせいかな、と思ってそのまま手を近づけて…玉水晶に触ったその瞬間。

 

ミシ…

 

「ん?」

…なんか嫌な音が聞こえた。

こう、なんというか木が切り倒される直前の軋む音みたいな…

チラ、と水晶を見ると、まだ魔力を上げてもいないにも関わらずなんかヒビが入っていた。

 

本能的に察知する。

これはまずい予感がする。

 

と、次の瞬間。

 

「うわっ!?」

 

バキン!と嫌な音が響いて玉水晶が破裂し、中から雷のような魔力の奔流が暴れながら、僕を飲み込もうとする勢いで襲いかかってきた…

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