【旧版】普通の人間ですけど…ゑ、天才魔法使い?【新版はあらすじから】   作:不審者γ

30 / 34
どうも不審者です。

トウキョウ編ラストです!
まあ、事後話的な感じですかね。わちゃわちゃしてはっちゃけた結果、こうなりました。
あ、昨日出せなかったのは今回でイラストを貼ろうと思ったからです。昨日書き上げるのは無理でした…

では、本編どうぞ!


10人目

「……で、これは…」

なにこれ。

一つの部屋に集まって料理やらなんやらが大量に置かれていた。いや、何をしてるのかはわかるんだけど…

 

「パーティーだとよ。クロドが言ってた。…まあ、言い出したのはこの村の人達みたいだけどな。」

ルーズさんがやれやれ、といった感じで頭を振る。

……なるほどね。魔獣討伐の、ってやつか。

 

んー…でもなんか、ちょっと複雑な感じはするなぁ…正直、ここの人たちってエルちゃんを不当に…簡単に言えばいじめてたわけだし、その人達が色々言っても…って感じなんだよね。

だって、言ってしまえばマーダーの邪気があそこまで増大したのってこの村の人達のせいみたいなところあるからね。

確か、危害を加えられて…まあ、いじめられたことで負の感情が増えて、そのせいで被害がひどくなって、って事だったから。

うーん…

 

「!おねーさん!」

 

「あ、エルちゃん。」

と、向こうの方からエルちゃんが走って来た。なんか、表情が明るい。

 

「村のみんなとなか直りできたよ!」

 

「……うん、そっか。よかったね。」

 

「うん!」

……これで良かったんだろうか。何か…モヤモヤするなあ…

 

「さて!魔法騎士団の皆様、この度は、この村とエルを助けてくださり、ありがとうございました!楽しんでいってください!」

 

………

 

「?アリス、どうしたの?」

 

「、バート。」

少し経って、バートが来た。

 

「…なんか…困ってるのか…悲しんでるのか…みたいな感じだけど…」

ああ、感情が読めるんだもんね。バレるか。

 

「実は…ね、ちょっと思ってることがあって。」 

で、バートに今思ってることを言ってみた。すると、

 

「んー…私にはさ、そんなに難しいことは分かんないけど、アリスはちょっと深く考えすぎなんじゃない?」

 

「え?」

 

「それを聞いて私が思ったのはね、多分話ができなかったんだなぁ、って思ったんだ。」

 

「どういうこと?」

 

「エルちゃんも村の人も、お互いのことを知れなかったんだよ。お互いがお互いをどんなふうに感じているのか、ね。村の人で言ったら、エルちゃんが自分の意志でやってる訳じゃないことを理解できずに、その苦しみを分かってあげられなかった。エルちゃんで言ったら、村の人達が本当はエルちゃんの事を心配してることに気付けなかった。…結局は、会話が出来なかったからじゃないかなぁって思うんだ。」

 

…会話。

 

確かに、村の人達は安堵していた。それは何も村が助かったから、だけじゃなかった。そんな程度のものじゃない。

本当は、胸の奥で本気でエルちゃんの事を心配していた。本当に、誰よりも。

エルちゃんも、村の人達が本当は思っているより深刻に悩んで、苦しんでいた。ボク達が思ってたよりも、ずっと。

…そうか。

 

「…自分もまだまだ、か…」

 

「ん?」

 

「いや、やっぱりバートはすごいなぁ、って。そんなこと、考え付かなかった。」

と、バートは、あははっ、と少し笑って、

 

「たまたまだよ。私がたまたま感情が読める体質で、そこからふと思った、ってだけ。アリスは深く考え過ぎるところがあるんだよ。物事、そんなに深い意味があることばっかりじゃないよ?」

 

「確かに。」

自分は考えすぎるのが悪い癖、それは前の世界でもそうだった。考え始めると周りが見えなくなる。

これは…もうそういう物だね。気をつけよう。

 

「あ、いたいた、アリスちゃん!」

 

「、はい。」

と、アレグロさんがこっちに来た。何だろ?

 

「はい、伝達がありまーす!」

と、意気揚々と…いやちょっと違うか。なんか企んでそうな顔をして、胸を張った。…というか既にちょっと酔ってるね。

 

「っと、その前に…団長ー?こっちー!」

 

「あーい!」

と、人混みの中からクロドさんも出てきた。

 

「何ですか?伝達って…」

 

「そうだね…いきなりだけど、一つ質問するよ?うちの団は今何人いると思う?」

今の団員数?

えーと、クロドさん、ヴァイスさん、ルーズさん、アレグロさん、バレットさん、ジャンヌさん、マリオネットさん、あとバートと自分の…

 

「9人ですね。」

 

「そう。で、一つの団につき、最大何人まで入れたっけ?」

 

「10人ですね。」

それがどうしたんだろ?

 

「えーと、つまり空いてる分の残り1人、うちの団に入ることになりました!」

…ん?………んん?

まさか…

 

「おーい、こっちー!」

で、クロドさんが向いたほうの人混みから出てきたのは、黒い髪に黒い目、見覚えのある杖を抱えた少女。

 

「って事で、エルちゃんが10人目のメンバーになりましたー!」

 

「…?…!?え、ちょ、ま、待って、待ってください!?」

いやある程度想像はできてたけど!?

な、何で!?

 

「なんで、って顔してるね。」

 

「わ、アリスがすごい混乱してる…」

ちょ、待ってバートもそっち側!?

 

「いや…ね、ちょっと前から本人に頼まれててね。だいたい…1週間前ぐらい?」

来て2日。…マジですか。

 

「で、最初はそりゃ断ったんだよ。でもね…めきめきと魔法が上達するし、固有魔法も出現してる、それも回復系、更に本人の意志も上々。…正直、年齢以外の断る理由がなくなってね…」

…まさかとは思うけど…その年齢の断る理由が通ったのって…

 

「で、その年齢の問題も…アリスちゃんもバートちゃんもまだ10歳じゃん?エルちゃん、今8歳みたいなんだけど、正直そんなに変わらないんだよね…」

はい、自分たちでした。自分で自分の首絞めた…

いや、加わってくれる分にはなんの反論もないし、むしろ嬉しいっちゃ嬉しいんだけど本当にそれでいいのかって所が…ね。

いや、それより…

 

「というか、なんで私には伝達が行ってなかったんですか?」

これである。

バートまで伝達が行ってたらこっちにも来ててもおかしくないと思うんだけど…

 

「エルちゃんがサプライズにしたかったんだってさ。…あと、最初にアリスちゃんに言ったらとりあえず反論されそう、ってバレットが。」

…うん、サプライズ精神はいいんだけど、バレットさん、それどういう意味ですか。

 

「あー、まあ…私としては言うことは無いんですが…エルちゃんは本当に良いの?」

 

「うんっ!おねーさんと一緒の方が楽しいし、そのために魔法も教えてもらったんだし!」

…あー、あれこの為のやつだったのね。

それで魔法を教えてほしい、っていうのの理由が話せなかったわけか。

 

「…まあ、それなら私から言うことは無いです。」

10人目。途中で仲間が増えることはあれど、まさかこんな…ね。想像もしてなかったよ。

まあでも、また賑やかになりそうな…

 

あ、そうだ。

 

「それよりエルちゃん、今の所、何か気持ちが悪かったり、体がむずむずしたりとかはない?」

 

「?無いよ?」

エルちゃんが首をこてん、と傾けて返事をした。

まあ、それなら…

 

「なら良かった。何かあったら言ってね。」

 

「どういう事だ?」

ふとクロドさんが聞く。

 

「ちゃんと封印できてるかの確認です。術式にヒビがあったり、欠陥があったりするとそこからまた暴走するかもしれないので…ああ、言っても、すぐに見つけれれば、そこの術式だけ書き換えれば問題ないですよ。」

むしろまずいのは、綻びが長期的に隠されて、そのまま広がっていった場合だ。そうなるともう修復どころの話じゃなくなるから、もう一回宿木をかける必要が出てくる。

…流石にきつい。

 

「なるほどな。…さて、事前に連絡したとおり、明後日あたりでここを出る。正直想定してたペースよりかなり遅れてるからね。…まあ、こんなところで四天王幹部第二と対峙してたんだから、ある意味しょうがないところはあるけどね…」

まあ…ね。

そういや、今回の戦いでレベルがなんか21になってた。すごい急上昇…元々10だったんだよ?

 

「…で、エルちゃんはまた村の人達に挨拶しておくように。」

 

「はい!」

 

「よーし、じゃあとりあえず四天王幹部討伐祝いに、そしてエルちゃんとアリスちゃんに乾杯っ!」

と、横から途中からどこかに行っていたアレグロさんが入ってきた。…というかもう既に乾杯してますよね…顔がちょっと赤い。

 

「お、おう、乾杯。…というかアレグロ、それ何杯目だ。」

 

「樽2つ目。」

!?

 

「…まあ、酒豪のお前ならそうもなるか…救いなのはここが有名なお酒の産地な事だな。」

 

「ここの人と飲み比べしてたんだけど行く人でも樽1つで限界だったんだよねー。」

いやその人もかなりすごいですけど。いや…えぇ…?

だって、ここの樽のサイズってだいたい高さが1メートル、底は…まあ普通サイズぐらい?だよ!?アレグロさん…自分の体の体積より多い量のお酒飲んでる…

 

「すご…ここまで飲む人はちょっと始めてみたかも…」

エルちゃんも若干引いてるよ。…まあ…あのアレグロさんだしね…

と、

 

「「「おおおおおっ!!」」」

 

「ん?」

何か歓声が上がってる。

 

「あー、向こうでルーズが腕相撲大会やってるよ。さっきちらっと見てきたけど、いい勝負してたよ。見てきたら?」

なるほど…え、ルーズさんってめっちゃ力強いよ?対抗できる人いるんだ…

ちょっと見て来よっかな。

 

「…わお。」

 

「ぬっ…!」

「ぐおお…ッ!」

「うおおお!やれー!」

「おらシャン!頑張れ!」

「負けるなよルーズ!」

「「「おおおおおおお!」」」

スタート位置から拮抗してる…というか今バレットさんいた…

と、

 

「ッラァ!」

 

ダンッ!

 

「「おおおお!」」

ルーズさんが勝った。いやまあ…そりゃそうだよね。

 

「なかなか強いな。だが負ける気はないぞ。」

 

「ははっ、いやー、結構自信あったんすけどねー。」

いやまあ…腕相撲でルーズさんと互角に勝負できるのは誇っていいと思う。

と、

 

「お、アリスちゃん、やるか?」

はい?

 

「っとおいルーズ、いくら何でも…と言いたいところだが、やってみるか?」

ってバレットさんまで!?

さっきから思ってるけど、バレットさんってしっかりしてるイメージあるけど結構面白い方に付く人だよね。

 

「おお!あの子があの魔獣をフルボッコにしたっつー子か!」

「あの子がか!?まじかよ!」

「ああ!なんかバカでかい規模の魔法で魔獣を封印したらしい!」

なんでこんなに広まってるんですかね?

ふっ、とバレットさんの方を見ると目を逸らされた。…バレットさんェ…

 

「まあ…良いですけど…」

まあ、断るほどのことでもないかな。みんな盛り上がってるみたいだし、むしろ断る方が野暮かな。

 

「よーし、手加減はどうする?」

 

「…なしでお願いします。」

今の自分の力を見る良い機会だしね。

 

「良いのか?…分かった。…あ、言っとくが魔法の使用はダメだからな?」

 

「分かってますよ。」

 

「よーい…始め!」

 

「っ!」

「ぬぁッ…!?」

 

「おおおお!?ルーズさんが若干押されてるぞ!?」

「なっ!?すげぇ…!すげえぞ!手加減してないのか!?」

「やべえぞあの子!」

「うおおおお!やれ!もっと力入れろ!」

「そのまま押し切れぇー!」

 

「っ…せッ!」

 

ダンッ

 

「「「わあああああ!」」」

「あの子!ルーズさんに勝ちやがったぞ!」

「すごいぞ!?何者だ!?」

あはは…

 

「やるな、アリスちゃん。まさか負けるとは想定してなかったぞ。」

 

「ルーズさんも強かったです。ありがとうございました。」

まあ、こんな感じで時間も過ぎていった。




トウキョウ
人口1000人程の小さな村で、お酒の名産地。アレグロいわく、安くて美味い酒が多い、らしい。
本当はエルの事を心配していたが、人の間で妙な同調が働き、結果ああなった。
新しい村長は、立候補者の中から信用できる、と判断した人に決まったらしい。なお、フェンリオ魔法騎士団のチェック済み。

こんなところですね。やっとトウキョウ編が終わりました…次回は村を出ます。
…急展開の予感…?
それと、冒頭に言ったように急ぎでアリスの絵を書きました!…シャーペンですが。色は…ちょっと無理でした。時間的にも技量的にも。

アリス·セナール


【挿絵表示】


では、また次にお会いしましょう。
See you!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。