【旧版】普通の人間ですけど…ゑ、天才魔法使い?【新版はあらすじから】   作:不審者γ

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どうも不審者です。
ともあれまず最初に…
あけましておめでとうございます!
さて!今年一発目の投稿…から何かシリアス風になったんですが何でですか?…おかしいなぁ…
まあでもとりあえず、

本編どうぞ!


魔王軍の裏事情

「…で、話してくれるのか?魔王側がどうなってるのか。」

あの後、宿に一回戻ってクロドさんの部屋に一回集合、バレルさんから話がある、と言うことで来てみると、魔王軍が今どういうことなのかを説明してくれるらしい。グリーさんとケイさんはまだ依頼が終わってないらしく、調査に出かけたため魔法騎士団の全員が集まって、床に座ってバレルさんの話を聞く。ちなみにバレルさんは正座してる。…もうちょっと崩しても…

 

と、バレルさんが話し出す前にジャンヌさんが口を開いた。

「あ、でも少し人間の言葉が話しにくいんですよね?」

 

「はイ…これデも15年ほド勉強はしていルのデスが…」

魔物と人間って使う言葉が違うのかな?話しぶりからしてそうだよね。…というか15年…わお。

と、ジャンヌさんが、

 

「あ、なら、私から言語通訳の魔法を使いましょうか?その方が話もしやすいでしょうし。」

 

「、…ありガトうごザいマス。お願いをさセテいたダく側の者でスが…よろシくおネがいシマす。」

と、バレルさんは申し訳無さそうに少しだけ顔を歪ませて、言った。と、ジャンヌさんは、ふふっ、と笑って、

 

「この位大丈夫ですよ、お気になさらず。……ランク6魔法、ラングケイト。」

と、ジャンヌさんが指を鳴らすと、バレルさんの体が少し明るく光ってすぐ消えた。

少しバレルさんは自分の体…特に顔らへんをペタペタと触って、

 

「…特に変わりはないですが…っと!言葉が…」

目を見開いた。なんかちょっとテンションが上がってる気がする。まあ、それもそうか。ボクも自分が急に英語喋れるようになったら同じ事になると思う。…いや、もっと喜ぶかも。

で、バレルさんは一度だけ咳払いをして、話し始めた。

…顔が真剣だ。

 

「さて、魔王軍の現状なのですが…一言で言うと酷いものです。まず前提として、基本的には魔物はあまり好戦的な性格ではなく、穏健な種族の集まりです。…まあ、例外もいますが…そこはともかく、魔王様が降臨されると、その魔力、邪気によって私達は好戦的な性格に変わります。」

そうなんだ。後半は知ってたけど前半…基本魔物って好戦的じゃないんだ。まあそこはさておき、…ここからだ。

と、バレルさんは少し表情を暗くして、続けた。

 

「ですが、今回はそんな事はありませんでした。あまり戦う気は起きなかったのです。」

…ん?

 

「そりゃまた…何でなんだ?」

とクロドさんが腕を組んで少し乗り出して聞いたけど、バレルさんは首を振った。

 

「…原因自体は不明です。ですが、これが先程皆様に伝えたこととも繋がるのですが、あの方が魔王様ではないのではないか、ということにたどり着いたわけです。」

なるほど…あれは、地位としては魔王として存在してはいるけど、魔王としての力が無い、魔王がいれば起こるはずの事象が起こらなかった、って事だった訳か。

 

「…でも、こっちとしては結構な数の魔物に襲われてるんだけど?」

と、アレグロさんが言った。

そう、となると矛盾が生じる。これまでに結構な数の魔物、魔獣に攻撃を仕掛けられてるんだよね。…しかもむしろ不自然とも思えるほどの量。

と、余計にバレルさんの顔が沈み、

 

「…それに関しては、本当に申し訳なく思います。現魔王様の命令なのです。……片っ端から街に出て人を…特に勇者のパーティーを襲うように、と。そのせいで、戦意のないものも強制的に前線に駆り出されているのです。…幸い、この街は魔王城の方向からはかなり離れているため、結構自由にできるのですが…」

そういう事か…大量にこっちにぶつけてくるから不自然なほど量が多かったのか。

…ん?ちょっと待って。

 

「…ここから魔王城ってどっちの方向なんですか?」

今、バレルさん「この街は魔王城の方向からはかなり離れているため」って言ってたけど、ボク達ってトウキョウから進行方向は変えずに進んで来てるんだよね?…で、トウキョウにはそれなりに魔物は出てた。まあ、数は少なかったみたいだけど…でも、ここではそれよりも魔物が人を襲わない、っていうのであれば…

 

「魔王城の方向は向こうですよ。」

そう言ってバレルさんが指を指した方向は…さっき通ってきた道の方である。

…つまり…

 

「…方向…逆ですね。」

 

「あっちゃー…」

と、クロドさんが顔に手を当てて言った。

…だよねー…

 

「魔力コンパスがバグってたから半ば当てずっぽうでやったらこうなったか…」

…ん?魔力コンパス?

 

「魔力コンパス…って何ですか?」

とバートが聞いた。横でエルちゃんも首を傾げている。ボクももちろん知らない。

と、クロドさんは、ああ、と言って鞄から本当にコンパスみたいなものを取り出した。…針があっちいったりこっち行ったりしてるけど。

 

「これが魔力コンパス。魔王の魔力の波長を捉えて示すための物…なんだけど、この通りなんかすごいことになっててね…」

苦笑いしながらクロドさんが言う。…これはすごいね。最早揺れるどころかグルグル回ってるもん。

と、バレルさんが、

 

「それも…おそらくあの者が魔王様ではないが故、指し示す方向が無くなってしまっているのではないでしょうか。」

と言った。まあ、そう考えるのが妥当かな。

…でも、

 

「…でも、フィンには紫色の角がありました。」

あの至近距離で見たからはっきり分かるけど、確かにフィンには紫の角があった。

そして紫の角を持つ種族は魔王以外にいない。…なんでかは知らないけど。

 

「…そこも、分からないんです。飾りだったりするわけでもないことは分かっているのですが…」

とバレルさんが言うと、ルーズさんも頭をガシガシとかいて、

 

「むん…不明点が多すぎるな…魔王じゃないはずなのに紫の角を持ち、魔王の魔力をほとんど持ってないはずなのに量や強さは歴代魔王と比べて最強。…そんなやつが本当に存在するのか?」

…ルーズさんの言う通り、ボクも全く分からないどころか見当すらつかない。

そんなのが存在してるのかとか以前に、対峙してみて分かったけどあれは魔物ですらない可能性もある。

力が強すぎる、とかのレベルなら魔物でもあり得るかもしれないけど、それ以前の問題。そもそも、言葉が通じてた。

15年間も人間の言葉を勉強してるバレルさんでさえ人の言葉はあのレベル。その上、言語通訳の魔法は無属性魔法だから人間以外は使えない。なのに、現れて1年も経ってない魔王があんなにペラペラ人の言葉を話せるものか…

と、

 

『…一つ、可能性として奴の正体の候補はある。』

メアがポケットから首を出して言った。

…と、バレルさんの目が落ちるほど見開かれた。

 

「かっ、影龍様!?な、何を…!?」

と、メアは顔を少ししかめて、

 

『その言い方はやめろ。今はナイトメアという名がある。…あと、我がこうなっているのはアリスが我が主だからだ。』

…ん?今更だけどこっちとしてはメアの主人になった記憶はないんだけど。友人関係としてアグリーメントはしたけど。

 

「あっ、主…!?まさか、あの影の通路を開いたのは…」

 

『ああ、我だ。』

ますますバレルさんの顔が驚きで塗りつぶされる。というか若干仰け反ってる。…メアってそんなに人脈…人?魔物脈あるのかな…?

 

「それより、見当がついてるのか?そのフィンってやつの。」

バレットさんが一度メアに向き直して聞いた。

と、メアはうむ、と言って一度ポケットから出て、ボクの隣に着地、1m大になった。

 

「で、そ、それは…何、なのでしょうか…?」

……バレルさん、余計にガッチガチになってる。

 

『ぬ…こちらとしてはもう少し肩の力を抜いてもらったほうが話もしやすいのだが…まあ良いか。』

メアは、はぁ、と息を一回吐いて、話し始めた。

 

『我が生を受けてからおよそ500年、その中で25回程魔王が現れた。が…その全ての周期が20年丁度でほぼ一致していたのだ。…全て、魔王が倒されてからの経過日数は全く同じだった。』

えっ…?

 

「……全て…!?」

「というか、よくそれ気付いたな。」

マリオネットさんが瞠目し、バレットさんが言った。それは確かに。

 

『500年も生きていれば何もすることの無い年が何年も出てくる。暇だったからいろいろ調べてもいたのだ。』

少し胸を反らせてメアは言った。

ひ、暇だったから…メア、それ自慢することじゃない…と言いたい所だけど、こればっかりはすごいとしか言えない。

 

『…まあ、何が言いたいか、と言えばだ。裏で何者かが魔王を作り出している可能性があるのだ。…時間はかかるものの、魔王に値する魔力を魔物に注ぎ込むなり魔力で人形を作るなりすれば20年程で魔王は作り出せる。…つまり、周期年数と一致するのだ。』

……まさか…

 

『が、だ。今回は前回の魔王が倒されてから30年経って魔王が現れた。…周期から外れているのだ。』

30年…そうなんだ。

 

「つまり…」

ボクが言うと同時にメアの声が重なった。

 

『何らかの事故か何かで元々なるはずだった魔王が使えなくなった。』

「だから…その魔王を作る役目の人が魔王役になってる……?つまりフィンは…魔王の製作者…?」

そこまで考えた瞬間、

 

ズンッ!

 

「ガッ…か…!?」

いきなり、脳そのものが殴られたような頭痛に襲われた。頭を抱えてそのままうずくまる。

い…が…あ…たまが……!割れ…る……!?

じ…冗…談…ぬ…きで…やばい…ッ!!

 

「アリスちゃん!」

「アリス!大丈夫!?」

「主!どうした!?」

前を向くどころか…意識を…たも…てない…あ……か…………

 

────────────────────

──────────

─────

 

──…で、僕は死んでいる、ということですか?

 

『はい、その通りですね。』

 

──なるほど…それで、何がしたいんですか?わざわざ死んだ僕を呼び戻すぐらいの事はしている訳なんですが。

 

『何を…と言いますか、あなたと契約をしたいだけですよ。』

 

……契約。

──そんな簡単にするような物なんですか?

 

『契約、と言ってしまうと堅苦しく聞こえますか。ちょっとしたお願いですよ。』

 

…お願い、か。

──まあ、その内容にもよりますが…無茶苦茶なことでなくて、今の僕にできる程度の事であれば、ですね。

 

『いえいえ、あなただからこそ、できるんですよ。』

 

…?

──僕だからこそ…?

 

『ええ。…とは言いましても、私があなたに言う事、する事はそれぞれ一つです。私は、あなたを転生させ、別の世界へと送ります。あなたの好きそうな、分からないことだらけの世界へ。…そして、その世界であなたは───という少女と必ず会うことになります。彼女を幸せにしてあげる事がお願いです。』

 

??イマイチ理解ができない。

──つまり…何をしてほしいんですか?

 

『まあ、言ってみれば…あなたの好きそうな世界に転生させてあげる代わりに、とある子を幸せにしてあげてほしい、という話ですね。』

 

──それだけなんですか?

 

『ええ、それだけ。単純で、難しいでしょ?』

 

──…そうですね、難しそうです。

 

『でも、楽しみでもある、といった感じかしら?』

 

──人の思考読破もお手の物ですか。

 

『これでも一応──なので。…さて、そろそろ行きますよ。…一つ、言っておきます。』

 

目の前の──が何かの青い渦を出していると、ふと手を止めてこっちを向いた。

──?何でしょうか。

 

『あなたは、かなり天才的なポテンシャルを持っています。ですが、それは状況によっては自らの身を滅ぼすことにもなりうる、という事を覚えておいて下さい。』

 

──…何の事かは分かりませんが、一応肝に銘じておきます。

 

『そうしておいて下さい。』

 

そして、目の前の青い渦のようなものに近付く。

それに入った時、ふと後ろから───の声が聞こえた。

 

『頑張ってください。あなたの為にも、そして……

 

 

 

 

             アリスの為にも。』




魔力弾
魔法使いの使う攻撃の中で最も簡単な攻撃方法。
魔法ではなく、ただ魔力を固めてぶん投げてるだけなので宣告とかそういうのはいらない。メチャクチャ簡単だが、そんなに威力は高くなく、なのに魔力はそれなりに食うというかなり非効率な技。

こんなところですね。
さてさて、今年から話はまた色々と重要なところに向かっていきそうな予感がしています。
今年中に魔王討伐までは行きたいなぁ…
また今年も「普通の人間ですけど…ゑ、天才魔法使い?」と不審者γをよろしくお願い致します。

では、また次にお会いしましょう。
See you!!
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