【旧版】普通の人間ですけど…ゑ、天才魔法使い?【新版はあらすじから】 作:不審者γ
スランプ。以上です。
では、本編どうぞ。
あれから4年ちょいたった。
現在、アリスは10歳である。
周りの環境も少し位変わった。まず、一応友達は出来た。ただ、親友と呼べる人は未だバート一人である。
そして、そのバートだが、血筋なのか若干心が読めるようになってきたらしい。今のところは簡単な感情…喜怒哀楽辺りらしいが。
そして、魔法の事だが、アリスは結局専攻はしなかった。それなりの魔法は使える上、そもそも毒魔法自体を作らなければ使えない状況で専攻する必要がないと考えたからだ。
とまあ、そんな感じで(どんな感じだよ)今日もいつも通り学校に行き、帰っていた。
「きゃああああああ!」
「!!?」
突然悲鳴が上がった。
何やらすごい胸騒ぎがしたアリスは、急いで走っていく。
「!!」
その男がいたのはアリスの家の前だった。魔法で作ったのだろう、赤い剣のようなものを持っている。その前にいるのが…
シャルとガーテ、ルオリーだった。
しかし、それだけならまだ良かった。
三人とも、血まみれだったのだ。
「…っお、母…さん…?お父さん…!お兄ちゃん!」
「…アリ…ス…逃、げ…」
シャルが言いかけた瞬間、男はそのままニタ、と笑い、アリスに向かってきた。
「…………」
が、アリスはそれどころではなかった。
何で、何で、何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何でなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
「………う…」
思考が停止する。その前に。
「あ?」
「うああああああああああああああああああああ!」
こいつは殺さねば、と。
アリスから真っ黒な
白と紫の髪は全て漆黒に、目は茶色が抜け、深紅に染まり、光が消える。
「なっ…!」
「…ふざけんな…」
ドン!
本気でそんな音がした。まるで爆発音だ。
「…ふざけんなよ…」
アリスに周りはもう見えていない。見えるのは飛んでくる男のみ。
「…
手をかざせば男の喉の周りに紫と緑の霧ができる。同時に…
「あっ!うぐぁっ…あがあぁぁっ!」
男が苦しみだした。
strangulation。即ち絞殺。何となくでできたある意味毒魔法の一種。ただ、それだけじゃない。微妙に息は通るようにしているため、呼吸ができないわけではない。つまり、簡単には死ねない。
「…
男は仰向けに地面に叩きつけられ、更に地面が波打ち始めて、どんどん男は沈んでいく。
そして、顔が地面から出るギリギリのところで止める。
「ぐっ!ぐあぁぁぅぅっ!」
もがくこともできない、意識が朦朧とするところで魔法を解く。
「ぐっ…はぁ、はぁ、はぁっ!この…ガキ…!」
本当にイラつくが、いまここで手間取っていれば手遅れになりかねない。
そう思い、三人に近づくが…
「はっ……」
ガーテとシャルは心臓の位置を貫かれていた。
ルオリーは喉をやられていた。
「はっ…はっ…はぁっ…!」
呼吸ができない。吸えない。
三人とも…脈がない。シャルは何とか魔法で防御した跡が見受けられたが、殺されていた。最後にアリスを逃がそうとした直後、死んだのだろう。
その時、
「な、何だこれは!?」
突然背中から声がした。
複数声がしているところからも、どうやら警察が来たらしい。恐らく埋められているあの男の事だろう。
同時に、
「アリスっ…!」
アベルの声がした。シャルとはまた違う、優しい声が、ふわっ、とアリスを後ろから抱き締めた。
「…アリス…ごめんね…私が…もうちょっと早く帰ってたら…」
「…違う…何で…何で…お姉ちゃんが…謝るのさ…」
声が震えているのはアリスも分かっていた。
「全部…悪いのはあいつだ…!」
神速。
例えるならそれが正しいだろう。アベルの腕から離れ、一瞬で男の所に跳ぶ。そして…
「あああああああああああああアアアアアアア!」
魔力を固め、刃のようにした物を男の出ている顔目掛けて一突──、
ガシッ!
できなかった。アベルがその腕ごと再びアリスを強く抱き締めていた。
「…感情のままに…そんなことしても…あいつとおんなじ奴になっちゃうだけだよ…私は、そんなのいや。アリスは…アリスのままで…私が守る。だから………!」
力が、抜けていく。刃は霧散し、無くなった。
髪も墨が抜けるように黒から白と紫に、目もいつもの赤茶色に戻った。
「……ありがとう、アリス。」
「……え?」
「生きててくれて…私一人じゃ…多分生きていけない…。」
「…お姉ちゃん……」
その後、男はここら辺で起こっていた通り魔事件の犯人で、ランク7の堕魔導師だった事が分かった。そして、アリスとアベルは、あの三日後に施設に引き取られることになった。
親戚に引き取られる話も出たが、既に子供がいて、あと二人もは見れない人や、二人の事ではなく、遺産の事しか見ていない人しかいなかった(流石に前者の方が多かった。とはいっても7:3程。)ため、施設に行くことになった。
施設と言っても、そこにいるのは学校に行けなくなった子、捨てられてしまった子、親がいなくなってしまった子はもちろん、まさかの半獣人までいた。
ー施設ー
「はい、じゃあ、今日からここのお友達になります!アリス・セナールちゃんと、アベル・セナールさんです!仲良くしてあげてね!」
「「「はーい!」」」
「よろしくねー!」
「よろしく…お願いします…」
上がアベル、下がアリスである。
こうしてアリスとアベルの施設生活が始まった。
《三日後》
おかしい、とバートは思っていた。
三日前からアリスが学校に来ていないのだ。クラス替えがあっても、二人ともクラスが変わらなかったため、同じクラスにいるが、三日前の帰りに会ったときからアリスの姿すら見ていない。どうしたのだろうか、と。
しかも、この間担任の先生にアリスの事を聞いていたが、「あー、今はちょっと訳あってお休み中でねぇ…」しか言われなかった。絶対何かあったんだろうと思うが、父親からも「今アリスちゃん家は忙しいみたいだから行っちゃダメだよ」と言われている。
そんなとき、一つ、会話が聞こえてきた。
「ねえねえ、知ってる?」
「んー?何を?」
「E組のアリスって子、人殺しかけて謹慎食らったらしいよ?」
「え、そうなの!?アリスってあの…超成績優秀才色兼備の?」
「…やたら何か言ってるけど…うん。何かうちのクラスの人が見かけたって。男の人を埋めて魔法の剣みたいなので顔狙ってたんだって。警察の人とかいっぱいいて、女の人に止められてたんだってー。」
「嘘ー!そんなことしそうにないのにねー。」
「人は見かけによらないって事じゃない?怖いねー。」
…え?
そんなはずはない、アリスはそんなことしない。そう思い、バートは走っていた。
気がつくと、職員室に飛び込んでいた。
「あの!!」
「!?ああ、バートさん。どうしました?」
「E組の担任の先生はどこにいますか!?」
「ああ、ライ先生は今中学職員室にいるよ。」
「あ、ありがとうございます!」
そう言ってバートは中学職員室に急ぐ。
その途中、
「!ライ先生!」
前からアリスの担任の先生…ライが歩いてきていた。
「お?君は……」
「バート・スカービアです!あの…」
「…ああ、アリスさんの事かな?」
黄色い目がバート心を見てくる気がしたが、今はそれどころではない。
「っ!はい!あの、アリスが…」
「…ここではなんだ。もう少し静かなところで話そうか。」
「、あ、はい…。」
そのままライに誘導され、バートは職員室の隣にある生徒指導室(空きがなかったらしい)に入った。
「…で、アリスさんの事だがね…お姉さんから他人には言わないでくれ、と言われているが、彼女の親友の君になら良い、とも言われている。…彼女は、この間家族…お父さんとお母さん、お兄さんを、例の通り魔に…殺されたんだ。」
はっ、と息が詰まった。
「その後…彼女は施設に引き取られたんだが…どうにも、ショックが強すぎたみたいでね…しばらく休むと彼女のお姉さんから連絡をもらったよ。」
「じ、じゃあ、アリスが…人を、こ、殺そうとしたっていうのは…」
「これにはあまり関係ないだろうね。…でも、殺しかけたのは事実だ。まあ、正当防衛ってことになってるけど…いやはや、ランク4でランク7を倒そうとするとはね。でも、それで実際倒されかけたんだから、相手も相当油断してたんだなぁ…」
ランク7…それならランク9のアリスには敵わないだろう、とバートは思った。本気で戦えばこの学年の生徒全員を相手できるかもしれない程強いのである。桁外れの魔力に前例のない毒魔法使い。更に専攻してないため、他の魔法も使える。そりゃあ勝てない。
「どこの施設か分かりますか!?」
「えー?ちょっとそこまでは分からないなぁ…」
ライは首辺りをかきながら答える。
「そうですか…分かりました。ありがとうございました!」
「あ、分かってると思うけど、他の人に言っちゃダメだからね?」
「、分かってます。」
「よろしい。」
ありがとうございました、とバートはもう一度頭を下げ、部屋を出る。
アリスの家近くにある施設は一つしかない。帰りにそこに寄ろう、と思ったのだ。しかし、バートが教室に戻ったとき…
ザワザワザワザワ…
妙に騒がしかった。少し見回してみると…アリスがいた。だが、感情は読めなかった。真っ黒で塗りつぶされているような、そんな感じになっていた。
アリスは重い足を動かして学校に来ていた。もう少し休んでもいいとアベルに言われていたが、既に三日休んでいる。真面目なアリスは何とか学校に来ていた。まあ既に2限目は終わり、3限目前の休み時間だったが。
アリスが教室に入るなりザワザワと一段うるさくなったが、特に気にしない。アリスの耳にはほとんど入っていないからだ。
「よお、
一部の人から笑い声が聞こえるが、特に気にしない。アリスにとっては気にしている場合でない。
「………」
「なんだ、人の言葉も分かんなくなっちまったか?お?」
アリスには何か言ってるな、位にしか聞こえていなかった。が、次の言葉ははっきりと聞こえた。
「…怪物…?」
よく聞く声。が、いつもはこんなに暗く、沈んだ声じゃなく、明るくて元気な声だった気が…
「…何で?」
ふとアリスが顔を上げると、バートがつかつかと歩いてきていた。
「…あんたら…アリスの状況が見えないわけ?何でこんなに憔悴してるか察せないの?」
見るからにバートは憤慨していた。アリスも、バートのここまで人を傷つけるような顔は初めて見た。
「あ?何だよ魔物。…ああ、そうか。化け物と魔物はいつもセットか。」
また一部から小さく笑いが起こる。
「…………分かった。」
すっ、とバートは自分の後ろに水の槍を構える。
「…水3魔法、ウォータースピア。」
ヒュン
「うおっと!遅いなぁ。へへ…へ!」
ガン!
とアリスの机が蹴られる。バートが口を開こうとしたその時、
「………して…」
「あ?」
「…黙って…いい加減にして…!」
ドン!
アリスが立ち上がると同時に、アリスを中心に突然現れた水の流れに男子が吹き飛ばされる。
「ガハッ!」
アリスの目から流れた水は本人の意図しないままに形を作って蛇になり、更に翼が生え、足が生え、龍になった。
「!?」
「もう……やめて…」
アリスはずっとうつむいていた。そして絞り出すような声をしながら頭を抱え、水の龍が崩れたとき、バートにも、この一瞬だけ感情が見えた。それはこの年齢で持つには大きすぎ、そして深すぎた[哀]。
そこまでバートが考えたときには、アリスは走って教室を飛び出していた。
これからも投稿頻度はこんなもんです。
では、また次にお会いしましょう。
see you!