⚠️この作品フィクションです。未成年の喫煙は法律で禁止されています。
主婦の朝は早いと言うけれど、あれはあながち間違っていないと思う。何故なら俺が現在進行形でそれを体験しているからだ。
朝早くに起きて、旦那や息子達の弁当やら朝ご飯を作る。更には洗い物や掃除に洗濯まで。今だからこそ母のありがたみを感じられるというものだ。
まぁ、俺の救いはまだ同棲相手が必要最低限の家事はこなせるという事だろう。では何故こんなに早起きをしているのかって? それは朝食及び弁当を作るためだ。ウチの台所の覇権は俺が握っている。
紗夜が偶にクッキー等を作っているのを見る限り、料理が出来ないわけではないんだろうが、彼女曰くあまり得意ではないらしい。
まぁ、俺1人なら絶対にこんな事しないがな。
昨日は不覚にも寝坊してしまい、弁当はおろか朝食も作れなかったが、今日は完璧だ。
調理器具を洗っていると、寝室の扉が開き、中から1人の女性が現れる。
「おはよう紗夜」
「……ええ。おはよう」
紗夜はそう言うと、寝ぼけ眼のまま、のそのそとこちらに来ると、スティックタイプの珈琲をマグカップに入れ、予め俺が用意しておいたお湯を注ぎ込む。
そして、コンロの上に取り付けられた換気扇のスイッチをONにし、煙草に火をつける。紗夜の朝のルーティーンだ。
「未成年が煙草はどうかと思うぞ」
「色には言われたくないわね」
ぐうの音も出ない。未だ18歳の彼女が、煙草を吸っている理由は十中八九俺だからだ。
今では既に誕生日を迎えた20歳の俺だが、紗夜と出会ったのはまだ19歳の頃だった。しかしその頃から既に煙草を吸っていた俺が彼女に文句言えるはずもない。しかもそれが、俺の影響だと言うなら尚更だ。
そんな紗夜を見ていると、自分も無性に吸いたくなってくる。洗い物を中断し、自身の煙草を取り出す。残り数本。新しいの買わなきゃな……
それを横目で見ていた紗夜が、煙草を咥えたまま、顔だけこちらを向いてくる。
「ん」
俺も煙草を口に咥え、紗夜の煙草の先端に、俺の煙草の先端を押し当てる。
煙草に火がつき、ニコチンが自身の体を巡回していくのが分かる。最高の瞬間。煙草は一種の麻薬だ。
煙草で集中力が上がると言う人もいるが、あんなものはニコチンが切れたマイナス状態を煙草を吸うことで0に戻しているだけだと思っている。
では何故辞めないのかって? そこが煙草の恐ろしい所だよ。
まぁ、そうだな。紗夜に子供が出来たら、その時は煙草を辞めようと思う。
チラリと紗夜の方を見る。
吐き出した紫煙と共に、まるで魂まで抜け出しているかのように見える彼女は、あらゆる方向から寝癖がたち、メイクをしていない事から、目の下にはうっすらと隈が見える。
相変わらずダボダボなシャツを着ている為、サイズが合っておらず、はだけた右肩からブラ紐が見えている。
あっ、やべぇ。ムラムラしてきた。
彼氏のシャツを着て、下はズボンなど履いておらず、随分とまぁ色気のある青い下着のみ。
だらしないと言われればそれまでだが、これはこれでグッと来るものがある。
「……何?」
「いや、エロいなって」
視線に気づいた紗夜が、こちらを向いてくる。
俺の言葉を聞いた紗夜は、俺の下半身に目線を落とし、ジト目でこちらを見てくる。
「駄目よ。昨日あんなに誘ったのに朝早いからって断ったのは誰かしら?」
「……俺です」
どうやら昨日の事を根に持っているようで。相変わらず痛いところを付きやがる。
いや、だってしょうがないだろ?
朝早いのは事実だし、流石に2日連続で寝坊するわけにはいかない。
「とにかく、そんな事言ってないで早く準備しなさい。遅刻は許さないわよ」
家では完全に電源を切っているくせに、相変わらずそういうところは真面目である。
まぁ、遅刻出来ないのも事実だし、俺は紗夜の言う通り、大学に行く支度を済ませる。
玄関で靴を履いていると、いつも通り紗夜が見送りに来る。
「ほんじゃあ、行ってくるわ」
「ええ。いってらっしゃい」
紗夜はそう言うと、俺の襟元をグッと掴み、自身の方に引っ張り、キスをする。紗夜の吸っていた甘い煙草の匂いが口の中に広がり、お互いの吸っていた煙草の味が絡み合う。
いきなりの出来事に少し驚いたが、素直に彼女を受け入れる。
それから少し時間が経って満足したのか、唇が離される。
しかし、襟元は未だ掴んだまま。
「帰り、煙草とゴム。買ってきなさい」
妖艶に微笑み、最後にもう一度軽くキスをしてくる。
イケメンかよ……!
ウチの氷川さんはかっこいい。
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因みにドリフェス紗夜さんは当てることが出来ました!