仮面ライダーハーメルンジェネレーションズ THE FIRST CROSS 作:大ちゃんネオ
赤いイモリを模した人型のモンスター『ゲルニュート』の大群が街を襲う。
巨大な手裏剣のような武器を投擲するものもあれば掌から粘着性のある液体を放つものもいる。
このような異形が突如として現れたのだ、それも大量に。
今までこの世界に現れたことのなかった異形達によって街は破壊され、人々の悲鳴と逃げる足音、そして何かが破壊される音だけが響いていた。
「きゃっ!?」
若い女性にゲルニュートの放った液体が命中する。
掌から伸びるそれはロープのように女性を捕らえ、捕食するために引き寄せる。
『キィアアアアアアッ!』
「いやぁぁぁぁぁ!!!!!」
女性の張り裂けそうな叫び。
最早これまでと諦めてしまったその時────風が鳴いた。
「ハアッ!!!」
『キィアッ!?』
恐る恐る目を見開く。
女性の目に映ったのは、爆発四散した自身を襲った異形と、異形を切り裂いた白き剣の騎士の姿。
白き騎士は女性の方を向くと、女性に絡み付いた糸を切り裂いた。
「大丈夫ですか?」
「は、はい……」
「ここは危険なので早く逃げてください。あっちはまだ大丈夫ですから」
「ありがとうございます……」
女性はすぐにこの場から逃げ出すが、一度振り返り、自身を助けた騎士の姿を見て、呟いた。
「仮面、ライダー?」
ゲルニュート達を斬る、斬る、斬る。
だが、スラッシュバイザーだけでは少しばかり厳しくなったため得物を召喚。
【SWORD VENT】
舞い降りる剣、リュウノタチ。
淡い白雪のような輝きを放つ刃は鋭く、強い。
最も使いなれたこの剣はツルギの手によく馴染んでいた。
『キィアアッ!』
棒立ちのツルギに飛びかかってくるゲルニュート。
大きな手裏剣のような武器で斬りかかる。が、ツルギには届かない。
切り裂かれ、地面に叩きつけられたゲルニュートは爆発。
棒立ちの、まるで力の入っていない状態から一瞬で敵を切り裂くその姿は正に剣術の達人である。
そしてこの爆発を合図に一斉にゲルニュート達がツルギに襲いかかる。
一体、また一体と斬る。
無駄な動作はない。
ただ相手を……魔を、異形を切り裂く剣。
それが、仮面ライダーツルギ。
「ハアッ!!!」
この一帯のゲルニュートは退治し終えたので未だに爆発止まぬ次の戦場へ。
これ以上の悲しみを生まぬために、ツルギは駆ける────!
「かっけぇ……!」
物陰に身を潜め、ツルギの戦いを見物していた章太郎は興奮の真っ只中にいた。
テレビの中でしかなかったことが目の前で繰り広げられているのだ。
まだ子供の彼には無理のないこと。
次の戦場へと向かうツルギを追いかける。まだこの続きが見たいと。
再び戦闘。
ゲルニュートを一刀の下に切り伏せていくが、何故モンスターがこんなにも大量に発生しているのか。
この世界には仮面ライダー、モンスターは存在していないはずだというのに……。
いや、考えるのは後だ。
今はただ、敵を斬るのみ……。
しかし、この感じは一体なんだろう。
モンスターとは違う。
何か、別の者の気配がする。
悪いものではない。
この感覚は……なんだ。
そんな感覚を胸に残しながらモンスターの群れへ斬り込んでいく。
そして────。
「スペリオルライダーキィィィック!!!!!」
戦場ですれ違う、二人の戦士。
戦場で、二人は出会った。
炎の向こう側にいる者を互いに見つめる。
「仮面……」
「ライダー……」
互いに共通する戦士の称号を呟く。
仮面ライダーツルギと仮面ライダーデュオル。
異なる世界の戦士が今、危機迫る世界で出会った────。