仮面ライダーハーメルンジェネレーションズ THE FIRST CROSS 作:大ちゃんネオ
戦場に立つ二人の戦士。
仮面ライダーデュオル。
仮面ライダーツルギ。
「この世界には仮面ライダーはいないと思ってたんだが……」
デュオルがぽつりと呟いた。
彼は並行世界についての知識を仲間から教えられていたこともあり、この世界は仮面ライダーという存在がテレビで放送されている、仮面ライダーが物語の中の存在である世界だと認識していた。
しかし、目の前に現れた自分以外の仮面ライダー。ツルギの存在に自分の推測は間違っていたのではないかと再びこの世界について考察する。
だが、ここは今、戦場である。
『キィアアア……!』
ゲルニュートが二人を取り囲むように集結していた。
「チッ。考えるのは後か。ちょっとそこの人! あんたも仮面ライダーなら一緒に……」
「ハアッ!」
「ええ! ちょっ無視かよ!」
ゲルニュートの大群に向けて単騎突撃を仕掛けるツルギを慌てて追いかけるデュオル。
その行く手をゲルニュートが阻んだ。
「邪魔だ!」
まるで蒸気機関車のような力強い走りを見せるデュオル。
敵が目の前を阻んだ程度のことで足を止めるような男ではない。
「オォラッ!!!」
目前のゲルニュートにラリアットを叩き込む。
背中から地面に倒れたゲルニュートはそのままピクリとも動かずに爆散。
続く二体目のゲルニュートは足を払われ地面に倒れたところ両足を掴まれ振り回される。
ゲルニュートを即席の武器としたデュオルは独楽のように回転し、周囲に群がるゲルニュート達を吹き飛ばしていく。
「ドラァァァ!!!」
掴んでいたゲルニュートを手離す。
回転によって得た力で放たれたゲルニュートは自分の仲間達に命中。
まとめて吹き飛ばされた。
「まとめて叩く!」
ドライバーのグリップを引いて装填されていた1号とクウガのライダーメモリアを抜き取り新たなカードを装填する。
【ストロンガー!×ウィザード! ユニゾンアップ!】
二人のレジェンドの名が叫ばれる。
ベルトの二つの風車が徐々に回転し始め光を放ち……。
「ネクスト・ライド────!!」
【エレクトロキャスター! GO! GO! LET’S GO!!】
デュオルの正面に現れた魔法陣を通り抜け、新たなる姿へと変身する。
仮面ライダーデュオル エレクトロキャスター
電力と魔力。
二つの力を操る猛き魔導士である。
「駆けろ! サンダービュートォ!!!」
雷の鞭が迸る。
唸る強靭な鞭はゲルニュート達を次々と蹴散らしていく。
「次は一斉射だ。イモリ共、覚悟しやがれよ」
デュオルは自身の武器、Dブレイカーをライフルモードにして銃口を向ける。
【ラッシュ! プリーズ!】
右手のキャスターリングが魔法を発動。
Dブレイカーに魔法陣が重なり、デュオルの背後には無数の魔法陣が連なった。
その魔法陣から現れる、銃口達。
引き金を引くと、次の瞬間から辺りには銃声しか聞こえなくなった。
まるで、戦争でもしているのかと思わされるほど。
ゲルニュート達は文字通り蜂の巣となって散る。
多数の敵を相手にするとき、このエレクトロキャスターは真価を発揮するのだ。
(あの仮面ライダーは姿を変えることが出来るのか……)
ツルギはデュオルの戦闘を見て、そんなことを考えながらゲルニュートを撫で斬る。
多数の軍勢をまとめて倒すことはツルギの苦手なことである。
デュオルのようにまとめて一度に大量の敵を倒す手段が少なく、そして何度も大技を使用出来るというものではないからだ。
そのため、ツルギはデュオルに関心を寄せていたのだ。
自分達とは違うライダーのシステム。
そして戦法。
あれ以外にも姿はあるのだろうか?
他にどんな技があるのか?
様々な憶測を脳内で飛び交わせ、もし彼が敵で戦うことになったらというifの戦術を組み立てる。
『『キィアアア!!!!』』
前方と後方からゲルニュートが大型の手裏剣でツルギに向かって斬りかかってきた。
更にタイミングをずらして左右からも同じように。
「……」
四方からの攻撃にもツルギは冷静であった。
前方の敵は太刀で受け止め、後方の敵は逆手で抜刀したスラッシュバイザーで背面受け。
そして独楽のように舞うことで四方から迫ったゲルニュート達をまとめて切り裂いた。
多数の敵を相手にするのは苦手ではある。
まとめて敵を一撃で倒す手段は限られているから。
ならば、この身、この刃をとにかく動かすのみ。
太刀の切先を向け、次なるゲルニュートとの間合を測る。
じわり、じわりとにじり寄ると後方のゲルニュートが動いた。
上段からの大振り。
がら空きの胴をスラッシュバイザーが貫いた。
他のゲルニュートは動かない。
完全に、空気に飲まれていた。
ゲルニュートを貫いたままのスラッシュバイザーを展開する。
太刀を持ったままの右手でデッキからカードを引き抜きバイザーに装填。
【ADVENT】
電子音声が鳴ると共に、ゲルニュートからスラッシュバイザーを抜く。
アドベント。
自身の契約モンスターであるドラグスラッシャーを召喚する効果を持ったカード。
援軍に来てもらおうと思ったのだが……。
しーん……。
「……な、なあ。そのカードを使うと何が起こるんだ?」
ゲルニュートを蹴り飛ばしたデュオルが思わずツルギに訊ねた。
自分と同じカードを使うライダーなのかと思ったのにカードを使っても何も起きないではないかと。
「えーと、契約してるモンスターを呼ぶんだけど……」
あはは、とデュオルに照れ笑いを向けるツルギ。
大丈夫。もうすぐ来るさと自分に言い聞かせる。
が、やはりドラグスラッシャーは現れない。
「もしかして、ここが別の世界だからドラグスラッシャーも来れないんじゃ……」
失敗したなぁとツルギは次の手を考える。
ドラグスラッシャーが来れないのでは頼れない。
ここはなんとか自分とあともう一人のライダーとで頑張ろうと決意し太刀を握り直し、ゲルニュートの群れへと突撃する。
さっきまでのことはなかったことにしてと言いたげに。
だが、ゲルニュート達に斬りかかる前に、上空から放たれたツルギにとっては見覚えのある金色の斬撃波がゲルニュート達を切り裂いた。
「りゅ、竜!?」
空を見上げたデュオルが驚愕の声を上げる。
『ゴガァァァァァ!!!!!!』
咆哮を上げる、白き剣の竜。
ドラグスラッシャー。
「ドラグスラッシャー! 遅いよ!」
ツルギはドラグスラッシャーに叱責を飛ばすがドラグスラッシャーはどこ吹く風。
当然のことであるが。
「よし、行くぞ!」
ツルギの声に呼応してドラグスラッシャーが吼える。
空気が震え、ゲルニュート達が竦む。
地上に降り立ったドラグスラッシャーは次々とゲルニュート達を爪で、牙で、尾で、翼で切り裂いていく。
「すごいな。君、猛獣使いかなにか?」
「いや、エサをちゃんとあげないと僕が食われる契約だから。まあ、持ちつ持たれつみたいな?」
「おいおいスリリングだな。言っとくが契約の保証人にはならないぜ?」
「顔も知らない人に保証人になってなんて頼みませんよ」
こいつ冗談通じるなと感心するデュオル。
これならば一緒にやっていけそうだと安堵した。
『ほう。小童が一人増えたか』
「お前はッ!!」
「バンブーメタロー……!」
ツルギの世界を襲撃したメタローの一人、バンブーメタローが二人の仮面ライダーの前に現れた。