仮面ライダーハーメルンジェネレーションズ THE FIRST CROSS 作:大ちゃんネオ
デュオルとツルギの前に現れたバンブーメタロー。
こうも早く再会することが出来たのは幸い。
これを好機とツルギはバンブーメタローに斬りかかる。
『ぬう! 相変わらず鋭い太刀筋。そしてそれほどの闘志を向けられること嬉しく思う。だが!』
「ッ!?」
鍔競り合っていたが、予想以上の力に均衡は破られツルギは後方に吹き飛ばされた。
「こいつ、力を増して……」
『モンスター共を相手に修行をしたのでな。先程よりも強くなっている』
「それじゃあ、モンスターが現れたのも……」
『儂が原因だ。少々出しすぎてしまいこのような事態となったが貴様を呼び出せて結果的に良かったとも言える』
その言葉に、燐は怒った。
そんなことのためにこの惨事が起こったのかと。
太刀を握る拳が硬くなる。
奴だけは、斬らねばなるまい────!
「メタローを倒せば世界の修正力が働いて全部なかったことになる。だからあいつを倒すぞ」
ツルギの肩に手を置き、隣に並んだデュオルもバンブーメタローを睨み付ける。
未だに二人とも互いの名も知らないが、二人は仮面ライダーである。
それ以上の理由などいらない。
人類の自由と平和を脅かす脅威が目の前にいるのであればそれを打ち倒す。
たとえ世界が変わろうとそれは変わらない。
「よっしゃ行くぜぇ!!!」
「はい!」
「すっげぇ。また見たことない仮面ライダーだ……」
ビルの柱を隠れ蓑にして二人の仮面ライダーの戦闘を鑑賞する章太郎は正に目の前の光景に目を奪われていた。
未知のライダー、未知の敵。
テレビでは味わえない興奮に、すっかり我を忘れて夢中となっていた。
しかしここは『仮面ライダー』というテレビ番組の撮影をしているのではない。確かな戦場なのだ。
戦場に何の力も持たぬ子供が一人。
危険が過ぎるというものである……。
ツルギが斬りかかる。が、竹槍でいなされてしまう。すかさず反撃に出たバンブーメタローであったがデュオルの拳が顔面にめり込んだ。
『いい拳だ。同胞達を屠ってきただけのことはある。だが、儂には効かん』
「マジかよ……!? それならッ!!!」
拳、肘、膝、脚。
とにかく突き出していく。
一発で駄目ならと何発も繰り出していった技達。
人体であれば急所に当たる位置を的確に抉っていった。
しかしどれも効いた様子はない。
『効かんと言ったぞ小童』
まるで何もされていないかのような顔を浮かべるバンブーメタロー。デュオルの攻撃が効かないのはその身体の特性であった。
竹のようにしなやかな身体を持つバンブーメタローは打撃に強く、打撃で有効打を与えることは難しい。
「爺臭い話し方しやがって……。そんなあんたに電気マッサージしてやるよ! 食らえサンダービュートッ!!!」
打撃が駄目ならと放つ稲妻の鞭サンダービュート。
荒れ狂う稲妻がバンブーメタローに直撃する。
激しい火花を散らし、バンブーメタローは白煙に包まれた。
「やりましたか……?」
「あれで倒れててくれたら御の字だけどな……」
白煙を見つめながらそう溢す二人。
白煙が風に流されると、依然としてその場に力強く立つバンブーメタローの姿があった。
『按摩の割にはまったく凝りが取れんな。もっと電流を強めてもいいんだぞ小童』
「そんな……」
「そういえば、竹は電気に強いんだったか……」
電撃を放っておいて今気付かされたと舌を打つデュオル。たしか電球の部品に使われているんだったかと思い出し、今の自分の形態『エレクトロキャスター』はバンブーメタローに対して相性が最悪であると理解した。
『呆けている場合か?』
「ぬおッ!?」
考えに耽った隙を取られ、バンブーメタローがデュオルに迫っていた。
鋭い竹槍がデュオルの胸を貫こうと迫る。
咄嗟に腕をバツ字に組み、防御の姿勢を取ったが脳裏には貫かれる未来しか見えなかった。
「はあッ!」
今にも刺し貫かれそうなデュオルの目の前を走った白い刃。
竹槍の穂先を切り裂いて、デュオルが貫かれる未来を変えてみせた。
『ぬう。惜しかったか』
渾身の攻撃が決まらずバンブーメタローは後退する。斬られた竹槍を瞬時に再生させ、堂々と
こうして再び戦いは振り出しへ戻った。
「悪い、助かった」
「いえ。それにしてもどうします? 打撃、電撃は効かない。斬ってもすぐに再生される。正直、かなりやりづらいですよ」
「ああ、なんとか打開策を見つけないと……」
『話し合っている場合ではないぞ小童共!』
縮地とはこのことかと二人が思ったほどであった。
間合を一瞬で詰め、肉薄するバンブーメタローに二人は気圧された。
防御か回避か。その二つの選択肢しか存在しない。
「こいつ……さっきよりも動きが良くなってやがる」
「一撃一撃も重くなって……くっ!?」
二対一という数の有利など覆すほどの気迫。
そして力。
ついさっきバンブーメタローと一度刃を交えたツルギは違和感を覚えた。先程はここまでではなかったと。
本気を出したとしてもここまでになるとは思えなかったのだ。
ならば、この違和感の正体とは……。
『生き恥をまだ晒すと言った。次の仕合に備え鍛えようぞ!』
思い出したのはバンブーメタローが放ったこの言葉。
鍛える。
修行。
トレーニング。
練習。
上達。
……成長。
「そういうことなのかッ!?」
「そういうことってなんだ!」
「奴は、僕達の想像以上のスピードで成長しているんです! 竹は成長が早いですから。僕達と戦うことで驚異的なスピードで実力を増しているッ!」
これは難敵だと仮面の下で汗が流れる。
戦えば戦うほど強くなる相手。
それも簡単にはやらせてくれない。
打撃に強く、斬ってもたちまち再生するという能力を有し長期戦に持ち込み、そして強くなる。
ひとつひとつの能力が噛み合い、バンブーメタローを難敵足らしめる───。
【エリアルファンタズマ! GO! GO! LET’S GO!!】
スカイライダーと仮面ライダーゴーストの力を組み合わせたエリアルファンタズマに姿を変えたデュオルはその素早さとトリッキーな動きでバンブーメタローを翻弄する。
「おいおいどうした! 追い付けてないぞ!」
『戯け! もう見切ったわ!』
バンブーメタローは背後に回ったデュオルを槍で貫いた。
確かに、貫いた。
『なに……!?』
「実体のないものは貫けないだろ」
『面妖な……』
「お前らには言われたくないな! そぉらッ!」
槍をすり抜けたデュオルはジャンプしながらの後ろ回し蹴り『ローリング・ソバット』をバンブーメタローの胸部に叩き込んだ。
強烈な一撃。
流石のバンブーメタローも他の技よりは効いたようだった。
「ああいうトリッキーなのは有効か……」
デュオルの透過能力に驚きつつもああいった搦め手なら有効打になると見抜いたツルギであったが如何せん自分にはああいった特殊能力らしい特殊能力はない。
そう思っていたが……。
「鏡……」
地面に散らばるガラス片を見て、気づいた。
ここは現実の世界。
ゆえに、思い付いた。
駆け出す、白騎士。
真正面からの突撃に奇策など存在しないかに見えた。
現にバンブーメタローも冷静に構え、デュオルも馬鹿正直に突っ込むツルギに制止するよう呼び掛けた。
『ぬんッ!!!』
繰り出される刺突。
回避する素振りも防御する素振りも見せないツルギ。
直撃は免れないと思われた。
だが、バンブーメタローの槍が貫いたのは虚であった。
「消えた!?」
『なに……!?』
忽然とこの場からツルギは消え去った。
気配すらも感じられない。
デュオルは別の敵の仕業かとも考えたがバンブーメタローも驚愕している様子からその線は無さそうだと結論付けた。
ならば、ツルギは何処へ……。
「ッ!!!」
突如、バンブーメタローの背後から現れたツルギ。
白刃が煌めき、光が迸る。
反応に遅れたバンブーメタローは背中を袈裟に切り裂かれた。
『よもや、背中に傷を受けるとは……』
槍を杖代わりにして立つバンブーメタロー。デュオル、ツルギの一撃が響いたのか再生が追い付いていない。
ツルギの奇策が功を奏した。
モンスターによる破壊によって散らばったガラス片達がミラーワールドへの出入り口となっていたのだ。
現実世界とミラーワールドを行き来するというツルギの世界のライダーにとっては基本の能力がこの世界に置いては極めて特殊な能力としてバンブーメタローに牙を剥いた。
ミラーワールドからの奇襲。
それこそ、ツルギの奇策。
バンブーメタローを倒すなら今が好機だと攻めいる二人のライダー。
しかし、バンブーメタローもまた腕の立つ戦士であった。
引き際というものを見極めていたのだ。
『はあッ!!』
渾身の力を込めて竹槍を地面に突き立てると地面から次々と竹槍が現れ、デュオルとツルギを襲った。
それぞれ迫る竹槍を回避しバンブーメタローに迫ろうとしたが時すでに遅し。
バンブーメタローは逃げおおせた後であった。