「僕の愛の為に死ね。」   作:倉之助

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初めに謝っときます。ごめんなさい。




私は君を愛してた。

 「コイツら、殺すか? 今の俺なら、多分何も感じない。」

 「……いい、意味がない。」

 

 

 星漿体護衛任務が終わった。任務失敗という形で。

 

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 2006年、9月。

 死にかけの蝉が泣いていた。うざったらしく泣いていた。気が滅入るほどに、苛烈に生きていた。夏の終わりの音がした。

 

 「どうした、夏油。なんか悩みか?」

 「吉野先輩……。」

 

 缶コーヒーと一緒に現れた先輩に、少しだけ安心する。ここ最近、ずっと極限状態だった。ピリピリと張り詰めていた「ナニか」がほんの少し緩んだ様な気がして「まあ、少し。」などと言ってコーヒーを受け取る。

 汗をかいたコーヒーは、少しぬるい。先輩はポカリをラッパ飲みしながら、私の隣に座った。

 

 「……例のアレか?」

 「……いえ、そうじゃないです。」

 

 暗に、『お前の家族も狙われているのか』と聞かれているとわかった。お前も、研究所の残党に狙われているのか、と。先輩の懸念は尤もだ。でも、そうじゃない。

 違うと首を振ると、「じゃあなんで?」と聞かれる。

 言うべきか、少し躊躇う。だけど、何故か私の唇は内心に反して真情を吐露し始める。

 気づけば、先日のことを根こそぎ打ち明けていた。その間、先輩は真剣に聞いてくれた。

 

 「そうか、辛かったな。」

 「ーーー先輩なら、どうしてましたか。」

 

 頭で考える前に、言葉が出てくる。感情と口が連動しているみたいだ。

 ここ最近、悪いことばかり考えてしまう。どうしようもならないことばかり頭の中を回ってる。

 悟は一人で勝手に最強になって行く。あれだけ特級になりたいと思っていたのに、特級になった今は一人で行う任務が増えた気がしてままならない。

 なぜ、非術師を守らねばならぬのかと言う自分の存在意義まで揺らいでいる。呪霊の味が、舌の上に蘇る。

 先輩の答えなんて、わかりきっている。どうせ、いつもみたいに「僕は愛してる」とでもほざくのだろう。期待なんてしない。

 先輩がペットボトルから口を離す。ごきゅんと一気に飲み込んだ音が、私の耳にまで届く。

 ぺろりと唇を赤い舌が舐める。そして、すこしひび割れた唇がゆっくり動く。

 

 「殺すけど?」

 「えっ!?」

 

 予想外の返答に、思わず大きな声をあげてしまう。聞き間違いだうろうか。先輩は、殺すと言わなかったか?

 驚く私に、先輩は再度「殺すよ。」と言った。

 

 「僕が夏油の立場なら、間違いなく殺すよ、必ず殺す。誰に止められようが、止まらないだろうね。

 だって、僕にとってそれは罪じゃない。」

 「それは、どう言う……」

 「愛せない人間に慈悲などいらないからだ。」

 

 空になったペットボトルをゴミ箱に入れる。そのまま、立ったまま振り返って、先輩は続けた。

 

 「でもね、術式は使わない。素手で殺る。

 お前のいうクソみたいな非術師の信者全員タコ殴りにして、殺しまではいかなくても病院送りぐらいにはするだろう。

 僕はこの前成人してしまったから、殺しはまずい。けれど夏油は未成年だからな、少年法で守られるよ。」

 

 何もいえなかった。明らかに先輩の理論は狂っている。

 倫理的じゃない。理性的じゃない。人間として、呪術師として、それは超えてはいけないタブーではないか、と。呪術規定と日本国憲法を携えた私が叫んでいる。

 それは間違いだ、と理性的な私が必死こいて叫んでいるのに、そういう煩わしいもの全部に耳を塞いで、「それはアリだ。」と嗤う私が心の奥底に存在する。

 

 「結局、術式さえ使わなければどうにでもなるんだ。呪殺を非術師に認知させてしまうのが問題になる。

 呪術規定にさえ引っかからなければ、上の連中がいくらでも隠蔽するさ。」

 「……非術師は守るべきですよ。」

 

 そう、たとえ許しがたくとも。非術師というだけで、呪術師は彼らを守る義務がある。

 それに私たちはそう言う上層部の腐ったところを変えたくて革命をするというのに、そんなことを言ってはダメだろう。

 

 「何故?」

 

 先輩の声が、頭蓋骨の中でわんわん反響していた。

 何故、何故、……何故だろう。

 

 「だって、夏油はその星漿体を『愛』してたんだろう?」

 「愛してたって……」

 「愛だよ。

 親愛も、友愛も、愛着も。それは全部愛だ。」

 

 なら、私は理子ちゃんを愛していたと言えるだろう。理子ちゃんも、黒井さんも愛していた。

 これは、間違えようがない事実だ。

 そして、先輩の理論でいえば、私は盤星教の信者(ひじゅつし)を、愛してない。

 

 「お前も知ってる通り、僕は「愛」に従って行動してる。

 愛してる人を守りたいし愛してるから強くなりたい。

 僕の愛の外にいる奴らに興味ない。

 愛する人が殺されて、それを祝福する奴らなんてただのゴミだ。すべからく死ねばいい。

 いいか、夏油。難しいことをごちゃごちゃ考えるな。

 呪術師も非術師も同じ人間だよ。人間が人間を殴るなんてありふれた話なんだよ。

 術式を使うからダメなんだ、使わなければただの傷害罪さ。」

 「呪術師は、非術師を守るべきでしょう。それが力を持つものの義務だ。」

 「違う。力とは、愛する人を守るために使うものだ。愛する者の為だけに使うべきだ。

 有象無象なんてほっておけ。」

 「強者は弱者に施しを与えるべきでしょう。」

 「そうだな。僕らが守りたいと思うような、か弱く、善良で、愛しい弱者だけでいい。」

 

 それで、いいのだろうか。それだけで、いいのだろうか。わからない。答えがぐちゃぐちゃになって、溶けていく気がした。地獄の底でグツグツ煮込まれて、煮崩れしている。

 私の中に一本、しっかり通っていた本筋が、ゆっくりと歪んで曲がっていく。

 

 「じゃあ聞くけど。僕とお前が運命共同体になった原因の奴ら、救いたいと思う?

 あの施設には呪術師も非術師もいたけれど、僕は無差別に殺したよ。呪術師に脅されて加担してた非術師もだ。

 だって、僕は許せなかった。

 僕はあの時、あの実験に巻き込まれた被害者たちに同情した。同情だって愛の一つだ。情愛だ。愛に時間は関係ない。

 僕はあの時、彼らを愛した。だから愛するものを害した愛せないゴミを殺した。

 それが僕という呪術師の生き方だから。」

 

 それだけは曲げられない。そう言い切った先輩は正しく見える。

 間違ったことを言ってるはずなのに、なんでだか「真理」を語っているように見える。

 先輩の曇りのない瞳が真っ直ぐと私を覗き込んでいた。

 

 「なあ、夏油。お前はどうする?

 あれをやったのが呪術師じゃなくて非術師だったら、お前は僕を止めていた?

 被害者が呪術師で加害者が非術師だったら、「仕方ない」と見捨てる?」

 「……止めませんし、見捨てません。」

 「そうだ。それが、答えだ。」

 

 ぽん、と肩を叩かれた。わらう先輩と、迷い揺れる私。正しさなんて、きっとこの世界のどこにもない。

 

 「真面目に考えすぎるな。もっとシンプルに生きな。よく考えるのはお前のいいところだけれど、楽な方に逃げるのだって人間の特権だ。

 こんな世界だ。マトモな感性じゃ、やってらんないだろう。」

 「先輩も悟みたいなことを言うんですね。」

 「そりゃそうさ。僕は『愛がない奴は呪術師になるな』って何度も言ってるじゃないか。」

 

 いつだったか、私は先輩の演説を「洗脳のようだ」と言った。その通りかもしれない。私は今、先輩の理論に洗脳されて、楽な道に逃げている。

 これは絶対間違ってる。だけど、私はこの道が好ましくて、先輩と同じ道を歩きたいと思ってしまった。

 

 「恋愛、自己愛、人類愛、友愛、博愛、遺愛、恩愛兄弟愛郷土愛敬愛親愛慈愛情愛忠愛盲愛異性愛同性愛小児性愛隣人愛。

 なんだっていいさ、愛とはすなわち人間の価値だ。

 愛なきものに価値はない。僕は愛を肯定するし愛を信奉する。

 僕は自分が愛しているものを守り、慈しみ、大切にするけれど、愛せない奴らは『ゴミ』同然だ。全て綺麗に掃除してしまえ。」

 

 先輩が、優しく微笑む。

 

 「なあ、夏油。

 僕は何か間違ったことを言ってるだろうか。」

 「間違ってないですね。」

 

 あまりにもさっぱりした先輩の理論に、吹っ切れた。ああ、そうだ。殺せばよかったんだ。だって私は知ってるじゃないか。

 証拠がなければそれは無実だ。完全犯罪を行えば、それは「悪」ではなくて「正義」同然だ。

 やり方は知っている。先輩の蜃のように、残穢を消す呪霊を探して捕獲すればいい。

 

 「夏油も僕と同じで、愛に生きる紳士ってことさ。」

 「はは、嫌な称号だ。」

 

 だっさい称号だと思う。自分で名乗る気はさらさら起きないほどダサすぎる。でも、先輩にそう呼ばれるのは不思議と嫌な気分じゃなかった。

 

 「先輩、一つ聞いてもいいですか。」

 「なんだ?」

 「先輩は、どうして凪さんを愛したんですか。」

 

 自分から、先輩の惚気を聞きにいったのはこれが初めてだ。先輩が凪さんを愛して愛して溺愛してるのはわかりきってる。惚気られるから知っている。

 自分から聞く前に先輩は惚気てくるし、自分から惚気地獄に走ろうと思ったこともない。

 でも、今日は違う。

 

 「それは、きっかけということかな?」

 「そうですね、きっと、私はそれが聞きたい。」

 

 私が私であるために。夏油傑として、先輩の後輩で共犯者であるためには、それが必要だと心の底から思った。

 凪さんは、非術師だ。だけど私は凪さんが好きだ。もちろん、LoveではなくてLikeの方でだ。好ましいと思う。

 その好意を、有象無象の殺意で歪めてしまいたくない。

 

 「……そういえば、言った事無かったか。」

 

 たまには、こう言うのもいいね。と笑った先輩が、からりとよく晴れた夏の空のように笑った。

 

 「僕はね、凪さんに救われたんだよ。」

 

 長くなるからと新しく緑茶を2本、買い直して言った。一本は私に、もう一本は先輩用。

 

 「僕の昔の話をしようか。

 凪さんに会う前の僕はね、何もなかった。」

 

 始まったのは、想像してた馴れ初めと全く違った。

 

 「なに、よくある話だよ。

 呪霊が見える我が子を受け入れられなかった母が家を出てって、父も息子を愛せず虐待。

 基本ネグレクトだったけど、時々酒が入ると殴る蹴るの暴行。

 しばらくしたら父さんも再婚したんだけど、やっぱり家にあまり帰って来ないし。そのせいで義母に「お前のせいだ」って虐待されてさ。

 こう、首輪に鎖のリードで繋がれて、犬小屋で暮らしてた。それが、僕の日常。」

 

 なんだそれ、腹の底で獣が唸る。

 ありふれた話にしてはいけないのに、ありふれてしまっている話。あの日、革命の話になった時。「相互理解は難しい」と語った先輩はどんな顔をしていただろうか。思い出せない。先輩の穏やかな語り口は思い出せるのに、表情は空っぽだ。

 

 「でもね、凪さんが助けてくれた。」

 

 荒れ狂う海が、ぽちゃんと一粒滴を落として静まる。さながら無風の湖面だ。しん、と染み渡るように、「凪さん」の名前がスッと入ってくる。

 

 「あの日はたまたま父さんが家にいて、酒飲んでて、酒瓶で殴られたんだ。

 理由は忘れたけどね。虫の居所が悪かったんじゃない?

 で、ほんと偶然。買い物帰りの凪さんが、僕の前の家の前通ったんだ。その時の凪さん、14歳だっけ。

 ガラスの割れる音と怒鳴り声を聞いて、ネギ持って突撃してきたの。

 『何やってんだテメーら!!』って。」

 

 凪さん、その時レディースやってたんだよね、と。くすくすと吉野先輩が思い出し笑いを浮かべる。凪さんがレディース、想像がつくようなつかないような、でもネギを片手に持って、と言うところでどこか締まらない。

 

 「凪さんの迫力にビビった父と母から僕を連れ去ってさ、病院運んでくれたの。なんか、いつもお世話になってる病院だったらしくて、あれよあれよと即入院。

 入院中も凪さんは「私が助けたのも何かの縁」って言ってお見舞いに来てくれて、退院したら父と母が逮捕されてた。

 施設入るか一人暮らしをするかってなったら「じゃあウチくる?」って居場所までくれて。

 こんな素敵な人、好きにならないわけないでしょ。」

 

 そうですね、と相槌は打たなかった。もしも打ってしまったら「お前が間男か!!」と雰囲気ぶち壊しでボコられる気配がしたからだ。その予想は多分正しい。

 だから、静かに聞いているだけにとどめる。

 

 「頑張って凪さんにアプローチしたんだ。凪さんのお母さんが協力者になってくれてさ、水族館のチケットもらって。

 でも水族館ってさ、呪霊いるんだよ。僕知らなくってさぁ。

 情けなく怯える僕に凪さんは「どうした、気分悪い?」と心配そうに声をかけて。

 僕は、凪さんに嘘をつきたく無かった。

 素直に呪霊が見えること言った。」

 

 それが、当時の先輩にとって、どれだけ勇気がいることだったのだろう。私はわからない。なんやかんや理解がある親元に生まれて、不思議ちゃん扱いで不気味がられたことはあれどそれくらいで。

 だから、私は先輩の心境を理解することはできない。でも、想像することはできる。

 怖くて、恐ろしくて、死んでしまいそうなほど緊張したことだろう。

 

 「それで、どうなったんですか。」

 「ははは。

 実は、気持ち悪がられて嫌われるのも覚悟してたけど、凪さんは「そっか」って受け入れてくれたんだ。」

 「……それが、水槽の話につながるんですね。」

 「そう。その時、凪さんが水槽の話をしてくれたんだ。」

 

 今まで、凪さんは先輩にゴリ押しされて押し負けて結婚したのかと思ってた。でも、昔の先輩は今の先輩とずいぶん違っている。

 先輩という人物像が一つ一つ捕捉されて、補強されて、ひたすら一つの「念」が浮かぶ。

 

 「運命の人だと思った。この人と同じ水槽で泳ぎたいと思った。たとえ生きる環境が違って、理解されなくてもいい。この人の隣にいられたら、何でもいいって心の底から思えたんだ。」

 

 ああ。この人は、強い。

 

 「告白すっ飛ばしてプロポーズしてさ。笑ってOKもらったらお父さんとお母さんにも頭下げて。

 それからはもう必死さ。凪さんに相応しい男になるために、キモい呪霊に怯えているわけにはいかない。強くならなきゃ僕は僕を許せない。

 そんなことしてたらいつのまにか術式が発現してて、呪霊ぶち転がせるようになって、二級ボコってるところを夜蛾さんに見つかってスカウトされて今に至る。」

 「……先輩らしいです。」

 

 でも、聞いてよかった。私の中で、なんとなく区切りがついた。

 非術師は嫌いだ。でも全ての非術師が嫌いなわけじゃない。

 凪さんや理子ちゃんのような非術師は好ましい。愛してる。

 でも、愛せない猿だって無数にいる。

 それは呪術師だって同じだ。愛せない筆頭は上層部で、しかし仲間を私は愛してる。

 先輩風に言うなら、私の最愛は悟と硝子で、この二人が欠けた時、私は道を迷うのかもしれない。

 でも、私は凪さんを親愛している。天内を慈愛している。

 ならば、十把一絡げで「嫌いだ」と結論づけるのは暴論だろう。

 

 「やはり、非術師だからと大雑把に区切ってはダメだな。」

 

 凪さんは猿じゃない。あの醜い、人の言葉を介さない獣じゃない。凪さんは心が綺麗な美しい人だ。根っからの善人だ。

 綺麗なまま、美しく、その心に翳りを見せることなく生きてほしいと心から願うほどに。

 凪さんは非術師だ。けど、関係ない。

 私は凪さんを好ましく思う。凪さんと、順平くんと、先輩の三人家族が幸せに笑う光景を愛してる。

 

 「先輩の『愛』のように、私も私が納得できる『境界線』を探してみます。」

 「ああ、それがいいよ。僕はやっぱり愛をお勧めするけどね。」

 「はは、考えておきますよ。」

 

 この日からだったのだろう。私が元々歩いていた道から外れて歩き始めたのは。

 先輩の理論に影響されすぎたと、今では思う。だけどそれに、一切の後悔がないのだ。

 たとえ、その結末がどんなものだったとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 2007年、7月8日。

 

 呪術規定九条に基づき、死刑対象 吉野公平の処刑が完了。

 

 処刑人、特級呪術師 夏油傑からの報告より。

 

 

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Q.原作軸の夏油傑に必要だったものは何か?
A.きっと彼が弱音を吐ける、悩みを打ち明けるに値する大人だろう。
それは自分と同格又は格上でなければならなかった。
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