東方曲戯録   作:Sanc.マッドカイン

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二十話 虹、軽やかに紅と邂逅す

―大図書館―

 

レミリアは難しい顔をして、能力で運命を視ていた。ここ一週間ずっと彼女はこうして能力でしか見えない運命を視続けていた。

ずっと観察していると、運命とは思いの外広がっているものだと、うんざりするほどその大きさが理解できた。私が視ることのできるそれらは大きな地図のようで、その地図には、無数の糸が、揺れ動いている。

客観的に全てを捉えようという試みは、するべきではない。全体を把握しようとすれば、その膨大さで確実に頭がパンクしてしまう。

 

そして、糸の一本一本を構成するのは生命であり、こちらの意思に関係なく揺れ動く。

そのため次に能力を使って見た時に全く別の運命図が見えることは珍しくない。

 

私が戸惑わずに見れるのも、ひとえに慣れただけで、近くにいるのか遠くにいるのか、所在は勿論わからないし、それら一つ一つをまるで名簿のごとく詳細を探ったりすることはできない。やがては見えるようになるのか、今後の成長に期待するところだ。

 

とはいえ人であれ妖怪であれ、糸は想像以上に多くて複雑で、難度に代わり映えはない。

自分の運命とその周辺にフォーカスを当てるようにしてみても、直近の時間軸で見える範囲ならば数十から百単位にも及ぶ。

 

 

これだけの糸と関わる運命にあるとは、正直驚きだった。関わることは確定ではないが、こちらが何もしなければ何らかの要因によって重なる縁を引き連れてくる。

その要因をこちらがコントロールできるということが、私の能力の基本事項ということになるのだけど、それら一つ一つに能力の影響を及ぼすこともまた非常に難しい。ここまで能力を深堀りすることはなかったので、苦戦中と言ったところだ。何せ、ルーミアのときと違って目印もなにもないのだから。

 

 

「うーん。やっぱり、違うのよねぇ。」

「そういって、もう一週間、運命を視る度に唸っているけど、何をそんなにこだわっているの?」

対面で座るパチュリーが、疑問を投げかける。

 

「こだわりってわけじゃないんだけど、こう、グッと来るのがないのよ。」

 

「かなり感覚だよりの捜索方法ね。」

 

感覚だより、というのはあながち的を得ている。

今の所、私は運命操作がどのような影響を発揮するか、確定したりすることができない。弄ることはできても、結果が映像となって浮かぶ、という風には残念ながらならない。

直感による未来予知もコントロールできるものでもない。

さすがに私も能力を扱いきれていないことくらいは分かっている。運命が持つ性質を読み解くのはまだ難しく、かといって私の実力不足だからと、逃げるわけにもいかない。

だからこそ能力を扱う上で一番頼りになるのはやっぱり自分の直感だった。

 

自分が曲がりなりにも運命を操る、という能力の特権を与えられていることに自信を持たなくてはならない。こうして直感で、繋がりを一つ引き寄せることが正しいと信じて。

 

 

「――ぁあ!疲れた!」

レミリアは、能力を解除して両手を振り上げて叫ぶ。一つの区切りを迎えた達成感に思わず脱力しそうになる。

 

「お疲れ様。」

 

「運命一つ操るだけでも、こんなに集中しないといけないなんて。」

 

「普通は見ることだってできない。それを操るんだから、マスターするには必ず苦労が伴うものよ。」

 

パチェの言い分は最もだ。いかにも魔法使いらしく、努力の重要性を説いてくる。

 

「自分ではそれなりに使えてると思っていたんだけどね。思い返すと振り回されることのほうが多いわ。」

 

「息抜きにコイントスでもする?」

 

どこから取り出したのか、片手に金貨をちらつかせるパチュリーの提案をレミリアはそっけなく断る。

 

「どうせ能力を使って、とか条件付きでしょ?だったらやらない。」

 

「あら、よく分かったわね。」

 

金貨を懐にしまったパチュリー。能力を使ってコイントスをしたが最後、結果はレミリアの望むままである。練習がてらのコイントスはとっくに卒業済みだ。

 

初日に気づいたはいいが、やっている内に面白くなってきて、結局初日はそれで遊び続けて潰れたことは痛恨のミスである。

 

「最高は127回連続、表でしょ?どこまで記録が続くか試してみない?」

「その気になればいくらだって続くんだし、やるだけ無駄よ。やろうと思えば1000回でも10000回でもできるんだから。」

運命を確実に操れる自信はなくてもそれくらいはもう分かりきっていることだし、やりつづけた結果、飽きが来てうんざりしている。

 

「なら、あっちの話でもしましょうか。」

パチュリーが窓の方に目線をやる。窓の外には紅魔館を囲う森と結界が見える。

一見すれば何のことはないいつもの風景。しかし、彼女が指し示しているのは、その端々に潜む彼らのことだ。レミリアも勿論心得ている。

「あっちね。えぇ、確かにするべきでしょうね。」

 

最近、森の様子がおかしくなってきた。おかしいというのは、季節が回ってきて外観が変化したとかそんなありきたりなことではない。

紅魔館周辺の森に、妖怪が住み着き始め、静かだった森が、一転して喧騒に包まれてしまったのだ。

 

彼らは主にロンドン方面から、移動してきた妖怪たちで、雪崩を打ってとまでは言わないが、数十、数百体規模で押し寄せてきたのだった。レミリアが生まれてから10年以上生きてきて初めて遭遇する現象で、彼女よりも長く紅魔館にいるパチュリーでもその光景を見たことがなかった。

 

レミリアが視た運命がやたら多かったのも、彼らが原因だ。

彼らは、紅魔館の威光を頼りにしてやってきている。

決して力を失わずに大妖怪としての格を維持し続けた並外れた存在であるお父様、アリストス・スカーレットの領地であるこの場所を、欧州の最後の生存圏と、恐らくはそう考えている。

 

こういうときこそ紅魔館の主としての立場を振りかざす機会なのだと、心では分かっていても、先代のお父様ならばまだしもレミリアはひよっこの吸血鬼。大妖怪にふさわしい力を持つと言っても、彼ら全てをひれ伏させるだけの圧倒的な実力は伴っていないため、放置しているのが現状だ。

 

 

 

全世界の妖怪の大半は、『存在』そのものにおいて、崖際に立たされ続けている。

その潮流は、科学の発展によってことさら勢いを増し、以前にもまして超常の存在の居場所を奪い、人々の恐れは、軽薄になりつつある。

 

妖怪は、人々の認知を糧に自らの存在を高め、その影響力を強める。

個のレベルでも、種族レベルでも差異は存在するし、例外だって少なくないが、大概はそんなものだ。

 

畏敬、恐怖、祈り、呪い、夢、幻、その果てに迷信へと成り下がる。

代替の言葉は、次々に彼らの根本を削り取り、着実な超常離れが、狭間に生きる彼らを蝕んでいた。

 

そういうわけで、妖怪が悪であり、それらを狩るという次元の話ではなく、そもそもとして、存在そのものを信じない、いないものとして認識の共有化が進み、著しい弱体化を招くこととなっているわけだ。またそれを抜きにしても妖怪というだけで、優位を獲得できる時代でも無くなった。

 

「このまま大人しくして欲しいところだけど、こちらが何もしてこなかったら、彼ら調子に乗り始めるわよ。」

「そしたら、私達が鎮圧しないといけないのよね。かといってルールがあるわけでもなし。」

実際、調子に乗り始めている。森の中で縄張り争いが生じており、大きな戦闘音が時たま聞こえてきたりする。

 

困った、困った。妖怪同士で結託したら、数の暴力でこちらが断然不利になってしまうのだ。その前に何としても――

 

 

ドォン!

森のどこかで爆発にも似た轟音が上がる。

「むきゅ、噂をすればという奴かしら。」

 

ドォン、ドン!

 

窓の外では土煙が上がり、はっきりした戦闘位置が丸わかりになっている。

 

パチュリーは、グリモワールを閉じた。断続的に生じる轟音は、いくら彼女でも落ち着いて読書に耽る事ができる環境とは言い難い。

 

グリモワールの表紙の6芒星を陶器のような白い指でなぞる仕草には表情には表さない苛立ちが含まれていた。

 

「・・・どうかな、もしかしたら。」

 

レミリアの呟きはただの戦闘ではないという若干の期待が込められていた。

 

「あら、もう能力の影響が現れたかもしれない、と?」

 

なぞる手を止め、パチュリーがレミリアを見る。

 

「かもね。そうでなくてもそろそろ強く言ってやらないと思ってた頃だし。」

 

「大丈夫?結構危ないわよ?」

 

「大丈夫よ、なんとかなるわ。」

 

ドン!ズドン!ゴォン!!

「あぁもう、今日はいつにも増して激しいわね!」

 

レミリアは、轟音に悪態をつきながら、図書館を飛び出していった。

 

 

ー森ー

 

「うわぁ・・・すごい。」

戦闘が繰り広げられたと思しき場所に降りてみると、大木が何本も倒れ、地面にはいくつものクレーターが地面を抉った痕が残っている。戦闘は決着したらしく既に轟音は鳴りを潜めていたが、どう見積もっても小競り合いのレベルではなく殺し合いに匹敵する程の激戦の痕だった。魔法が使われた形跡がないことから、魔法使いとかの類ではないらしい。

 

これほどの被害を叩き出した妖怪だ、生半可な力の持ち主ではなく、もしかしなくても実力者であることは間違いない。はてさて、どのような怪物の手によるものなのか。願わくば、怪物でなければ良いのだが。

 

地面にめり込んだり、折れた木と木の間にサンドイッチされて無惨に潰されたり、殴打された痕が著しく目立つ妖怪たちの死体を辿って、レミリアは進んでいく。

 

いつ誰かが襲いかかってきても迎撃できるように、グングニルを携えて。

 

 

進んだ先には一つの窪地が広がっていた。隕石でも落ちたかのような巨大な衝撃が生じたことを思わせるクレーター。

その中心に立っていたのは、淡い緑色のチャイナドレスを着た女性の妖怪。周囲には一網打尽にされたと思しき、妖怪たちの死体が山と積み上がっていた。

 

レミリアがクレーターに踏み入り、眼前まで近づくのを女性妖怪は動かず、ただ青みがかった灰色の目で、ジッと見つめる。

「私は――」

とりあえず、名乗りを上げようとレミリアが口を開きかけた時、女性妖怪がその機先を制する。

 

「子供の妖怪ですか?」

 

「は?失礼ね。紅魔館の主を子供妖怪扱いするなんて、無礼にもほどがあるんじゃない?」

 

実際のところ、レミリアは十を過ぎたばかりの妖怪なのだから、子供であることは否定できないだろう、とここにパチュリーがいればツッコミを入れただろう。とはいえ、レミリアとしては、年齢的に大人でなくても紅魔館を継いでしまった手前、大人として振る舞わなくてはならない、という自覚があった。

 

「紅魔館・・・あぁ、あの館のことですね。とすると、なんです?敵討ちにでも来たんですか?」

 

気乗りしなさそうな口調でそういった彼女は、ゆるりと拳を握る。私も手に持つグングニルの切っ先を向けながら、慎重に言葉を紡いでゆく。

 

「私はこの森の妖怪全部を守るわけじゃないけど、貴方がこれ以上騒ぎを起こすようなら、戦わざるを得なくなるわ。」

 

すると、彼女はため息を付き、握っていた拳を解く。

 

「襲ってきたのはこいつらです。先に襲いかかってきた彼らを私は迎撃しただけで。別に騒ぎを起こしたくて起こしたわけではないんです。」

 

「これだけの妖怪に襲われる理由を作るなんて、想像もつかないわね。」

 

「あはは、最初は些細なことだったんですけどね。戦ってる内に興が乗ってしまいまして、気づいたら、こんな風になってしまいました。でも結局の所、正当防衛なので私悪くないと思いますよ?」

 

清々しい開き直りにレミリアは戸惑った。しかし、彼女の冷静な様子から虚言とはとても思えず、また図らずも好き勝手していた妖怪らをまとめて葬ってくれたので、むしろ怪我の功名ともレミリアは考えていた。

 

一々追求して話を複雑にするよりも切り替えて本題に入ったほうがいい。深呼吸をして、戸惑いを打ち消す。

 

「まぁ、いいわ。貴女が来ることはもう分かっていたのよ。」

余裕を取り戻したレミリアは、紅魔の主に相応しい威厳ある口調で、言った。

 

「面白いことを言いますね、お嬢さん。」

怪訝な顔をした彼女にレミリアは得意げに続ける。

 

「例えば、今日この日私達が巡り合う運命だとしたら、貴女は信じる?」

 

それは常人ならば、鼻で笑うか、戸惑うか、どちらにせよ胡散臭い誘い文句である。眼前の女性妖怪もその例にもれず、苦笑とともにその言葉を受け取った。

 

「嫌だなぁ。止めてくださいよぉ。いくら吸血鬼のお嬢さんとは言え、レディに冗談は通じませんよ。」

 

どうやら、私の言葉を子供の悪戯か冗談だと思っているようだ。

それに、レディに冗談は通じないって、まるで私が大人をからかう子供みたいじゃないの!

 

「何がレディよ。貴女がレディなら、私だってレディだわ。」

対抗するように背伸びをしてレミリアは自分をアピールする。女性妖怪と比べて半分ほどの小さな身長、ツンケンと不満を露わにし、どう見ても最初の余裕を取り繕えているとは言えない表情。それはまさに少女らしく、大人に向けて足を踏み出すリトル・レディと評するのがぴったりだった。

 

「えぇ~、じゃあ聞きますけどいくつなんです?」

苦笑交じりに女性妖怪は問う。

「レディに年齢をとやかく尋ねる必要があるかしら?この溢れ出るカリスマ、威厳、これだけあれば、私がレディを名乗るには十分じゃない。仮に貴女が、100歳超えていようが私には関係ないわ。そう、年齢なんて関係ないのよ!」

 

「あっ、じゃあやっぱり見た目通りまだ若いんですね。」

 

年齢に関する部分をかなり強く主張したレミリアだったが、華麗に流される。

 

「ちょっ、貴女話聞いてた?右から左に受け流してんじゃないわよ、何で今ので年齢の話を続けることになるのよ。」

 

「まぁまぁ、良いじゃないですか。10世紀とか超えてないBBAでもないでしょうし、むしろ私はお姉さんみたいな年だと思いますし、ほらほら、アバウトでも良いから教えて下さい。」

 

「たしかに100歳なんてまだまだだけど・・・11。」

 

「ほら、お子様じゃないですか。」

 

「お子様ですって!年齢でバカにしないみたいに言っときながら、結局バカにするんじゃない!」

レミリアが今にもグングニルを投げつけそうな勢いで、地団駄を踏む。

 

「いや、ごめんなさい、ははは、あぁごめんなさい、謝りますから。泣かないでください。」

 

そう言いながら、笑い泣きして、目から涙を流しているのは向こうの方だ。

 

「泣かないわよ!貴女には私が泣きそうになっているように見える?」

 

「うーん、そんな気がしますよ?」

 

口が減らない彼女をもういっそボコボコにして言うことを聞かせたほうが、速いのではないだろうか。

 

「まぁまぁ、怒らないでください。戦うなら戦うでお相手しますけど、それじゃあお互い不毛じゃないですか?」

レミリアは純粋に驚かされる。殺気は出していなかったのに、こちらが戦おうかと思っただけで、その気配を感じ取ったのだ。

 

確かに彼女の言う通り、いつまでも喧嘩腰でいることはたしかに不毛だ。

逸れに逸れた脇道を一旦仕切り直さなくては。

 

 

「貴女、何者?」

「ようやく自己紹介ですか。といっても、私はしがない武術家、紅美鈴と申します。妖怪ですが、武術家として名乗らせてください。」

 

名乗られたならこちらも名乗り返そう。

 

「レミリア・スカーレット。さっきも言ったけど、紅魔館の主よ。」

 

 

「それで何でしたっけ、私と貴女が会うべくして、会う運命、という話でしたか?」

 

「えぇ、貴女は信じる?」

 

「半々ってところですね。実のところ私は気まぐれで目的もないままに来てしまいましたから。仮に貴女という存在が私を引き寄せたのなら、それでも全然構いません。」

 

 

「じゃあ、私の頼みを聞いてくれたりするのかしら。」

 

「内容によりますね。ですが、レミリアさんが私の望みを叶えてくれるなら、いかなる内容であっても従う所存です。」

 

「・・・言ってみなさい。」

 

やや身構えながら、レミリアは美鈴の言葉を待つ。

 

「お腹が空いているんです。」

 

一瞬理解できなかった。

 

「?」

 

「私お腹がすいてしまいまして、正直、ここから動けないんです。森には野生動物の一匹もいませんし、そこでお恥ずかしいのですが、食べ物を何かいただきたいんですね。」

 

 

「そこに散らばっている妖怪を食べればいいじゃない。」

 

美鈴の周囲には襲撃してきた妖怪たちの死体がある。空腹ならば、彼らを捕食すればいいのではないか?

レミリアは吸血経験もほとんど皆無なため、堂々と言えたことではないが、妖怪も肉として食べられることは知っている。吸血鬼は大抵血しか吸わなかったりするがレミリア自身は、それほど多くの吸血を必要としない。所謂少食であり、普通に吸血しようものなら、ぷしゃっと口の周りにケチャップのように血をぶちまけることになるだろう。

そのためせいぜいティーカップ一杯分が、彼女の吸血量だ。

 

レミリアの言葉に、美鈴は興が冷めたかのように、ため息をつく。

「妖怪同士で喰らいあうのは、好きじゃありません。そういう妖怪がいるのも聞きますが、大半の妖怪は、妖怪を食べませんよ。」

 

そういうものなのか?

 

記憶をひっくり返すと吸血鬼以外に出会ったまともな妖怪と言えば、ルーミアくらいだ。ルーミアは人も妖怪も等しく食べ物にするので、自然とそれが染み付いていたのかもしれない。吸血もまともにしたことがない私が言うのも何だけど、彼女の表情を見るに、どうやら本当に妖怪同士の共食いは、一般的ではないらしい。

 

 

全く図書館の本ばかりじゃ分からないこともあるのね。常識がこうも簡単に裏返るなんて。

 

 

「お腹が減ってる、ってことは、妖力は足りないの?」

 

「あ、それはもう。十分ありますよ。この辺の妖怪は雑魚でしたからね、消耗なんてないに等しいです。」

 

「じゃあ、精神的なものじゃない。我慢できないの?武術家なんでしょ?」

 

私は武術家という存在をよく知っているわけではないけど、そういった手合はたくさん修行とか、苦行とか、修験?とかとにかく自分を追い込みながら、高みを目指していくものだと、本で読んだ覚えがある。

 

「いやいやそんな後生な!お願いします!果物一個、いやできればジューシーに焼いたお肉が食べたいです。」

 

意外とずうずうしいな。だけど、退屈しなさそうな性格だ。

 

お腹を満たせば、従者になってくれそうだが、どうやって彼女を満足させようかと考え、私は一つあることを思い出す。

 

「いいわ。空腹なんでしょ?ついてきなさい。館に案内してあげる。」

 

「おぉ!ありがとうございます!!いやぁ楽しみだなぁ。」

 

 

紅魔館には食料庫があったはずだ。パチュリーの管轄下で、魔法がかけられているので、腐敗については心配ないはず。

 

(生野菜とか好き嫌いはないわよね?調理された肉ってあったかしら?)

 

そうして私は一回も入ったことがない食料庫の中身のことを考えながら、美鈴と連れ立って紅魔館へと戻るのだった。

 

 




レミリアの能力がわかりづらいと思った方、すみません。
能力を使った時、多分こういうイメージだろうなぁという自己解釈なので、恐らくこれ以上は細かくしたりはしないと思います。(きっと)



さてお調子者だけど、根はしっかりしてるという美鈴さんのご登場。

昼寝門番でも役割はちゃんと果たすという強い意志を感じるキャラだと思います。

テーマ曲の上海紅茶館~Chinese Teaは、アレンジの影響もあって何だか切なく思えてくるんですよね。
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