八意永琳がランプを拾う
になりました
永遠亭の薬師である八意永琳は自室兼研究室で同じ永遠亭の住人である鈴仙に人里まで売りに行かせる為の薬を調合していた
「次はアレを加えて…
あら、丁度切らしてるわね…他にも幾つか足りない物が…」
薬の調合に使う素材を納めている薬品棚を覗くと使う予定の素材が幾つか無くなっている事に気がついた
「補充しなければいけないわね…
でも作らないといけない薬がまだまだあるし…」
あれこれと考えながらふと机の方に視線を向ける永琳、すると机の上ではどこからか青い煙が立ち上っていた
その煙がその場で渦巻き晴れると中からランプが姿を現した
「これって…ランプよね
あの新聞に書かれてたやつかしら?」
読んだばかりの文々。新聞号外に書かれ興味があった魔神入りのランプかと思いつつ手に取り持ち上げる永琳、試しに擦ってみると---
「はいはーい!
呼ばれて飛び出てジーニーさんでーす!
3つだけ願いを叶えましょー!
さぁ、願いは何かなー?」
案の定ランプの魔神、ジーニーが現れた
目の前に現れ願いは何かと尋ねるジーニーに永琳は逡巡しながら問いかける
「なるほど、どんな願いも3つまでなら叶うって訳ね?」
「いやまぁ…多少禁止事項があるけどな?」
「へぇ…例えば?」
気まずそうに答えるジーニーに永琳が確認するように尋ねるとジーニーは指を1つ1つ立てながら答えていく
「1つ、その気が無い人に恋愛させるのは無理!
2つ、人を殺したりするのもNG!
3つ、逆に死人を蘇らせたりも無し!
それ以外なら何なりとどうぞ」
答え終え深々と頭を下げるジーニー
そんなジーニーの言葉を頭の中で反芻した永琳はニヤリと口角を上げ笑うと口を開いた
「禁止事項…つまり出来ないということよね?
私が知ってる千と一夜物語に出てくるランプの魔神は出来ないことなんて無いし数制限も無かった筈だけど…
出来ない事がある上、3つまでしか願いを叶えないなんて偽物の魔神なのかしら?」
それを聞いたジーニーはピクリと眉をひそめながらジロリと永琳に視線を向けた
そんな視線を受けつつ永琳はなおも続ける
「これじゃあ無くなった薬の材料を補充することも出来ないんでしょうね
やっぱり自分でやることにしましょうか」
そう言って永琳が立ち上がり部屋を出て行こうとするとプライドを傷つけられたかジーニーが怒ったような声を出した
「ちょっと待ちなァ…!
ランプを擦ったんだろ!?
俺をここに呼び出しておいてだ!
それで何も願わずに放っておくって訳かァ…!?
そりゃねぇだろうよ!
そんなことさせてたまるか!
願いは叶えてやる!!
さぁ特と見やがれ!!」
そう言いながら研究室の壁に設置された引き出し式の薬品棚に向かって煙を打ち出すジーニー
すると空になっていた引き出しから材料となる素材がこれでもかという程溢れてきた
「さぁどうだ、これで分かっただろう!?」
「えぇよく分かったわ、大した物ね
ところで…願いは3つだったわね
何をお願いしようかしら?」
得意げに聞いてくるジーニーに永琳はしてやったりという顔をしながらジーニーを褒めると考え始めた
その言葉にジーニーは不思議そうな顔をしながら永琳にもう一度尋ねた
「俺の聞き間違いかな、3つ?
もう願いは1つ叶えただろ?」
「あら、とんでもない!
いつ私が薬の材料を補充してとお願いしたのかしら?
貴方が勝手にやった事でしょう?」
その言葉に絶句しつつ子羊の姿に返信しながら悔しそうに口を開いた
「あー…!
悪いオオカミに騙されたァ…!
分かったよお嬢さん、もう無料サービスは無いぜ」
「えぇ構わないわ、さて3つしか無いしちゃんと考えないと…」
まんまとジーニーを騙した永琳はクスリと笑いながら何を願うか考え始めるのだった