紅魔館の瀟洒なメイド長、十六夜咲夜は人里にて買い出しを終えて帰路についていた
その頃には遊んでいたチルノ達も遊び飽きて別の場所へ行ったらしく視界には凍った湖とその湖畔の草むらに落ちた古びたランプだけだった
「あら、これは…ランプかしら?
隨分古びてるわね、誰かの落とし物…でも無さそうだし外の世界で忘れられて来たのかしら?」
普段ならば見向きもしないような古びたランプ
しかしどうにもそれが気になって咲夜はランプをしげしげと眺めていた
「うーん…
なんの変哲も無さそうなのだけど…なんでこんなに気になるのかしら?
それに湖畔にあったせいか汚れてるわね…」
メイドという職業ゆえかランプの汚れが気になってしまい咲夜はランプを洗う事にした
溶けかけていた湖の水でランプの汚れを洗い流し汚れが落ちきったランプを見た咲夜はハンカチを取り出しランプを磨いた
すると---
カチャカチャカチャカチャ!!!
---とランプが震え始めた
「な、何っ…!?」
困惑する咲夜をよそにランプは更に大きく震えていく
そして青い煙が吹き出すと同時
「はーい、ランプ擦られすぐ参上!
ランプの魔人・ジーニーさんでーす!」
ランプの魔人ジーニーが姿を表すのだった
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---時は数分遡りランプの中では
(お、ランプが擦られたな…!
さぁ記念すべき最初の主様とご対面といこうか!)
そう思いながらジーニーはランプから思い切り飛び出していった
「はーい、ランプ擦られすぐ参上!
ランプの魔人・ジーニーさんでーす!」
初めてのご主人に魔人としてテンション上がっているジーニー
しかし咲夜は困惑し自分を見上げるばかり
「あー…お嬢さんちょっと良い?
何か反応してくれないかな、独り言言うために出てきたんじゃないよー?」
このままだと話が進まぬとおもったジーニーは恐る恐るといった様子で主である昨夜に問いかけた
「あ、青い…煙の巨人!?」
「はーずれー、ブッブー!
残念でした
「そ、そう…ランプの魔人ね、分かったわ」
まだ困惑を残しながらも落ち着きを取り戻した咲夜
ジーニーの出現で乱れた服を直しながらも人と同じ程の背丈に縮んだジーニーをじっと見つめ
「それでランプの魔人、ジーニーだったかしら…?
あなたは何が出来るの?
見るからに高位の人外だし何か能力でもあるんでしょう?」
「ご主人である貴方の願いを何でも叶えましょー!
ただしきっちり3つだけね!
願いの回数を増やすって願いはNG、天地がひっくり返ろうとも3つだけ!
返品、交換、払い戻しは不可なー?」
“何でも願いを叶える”というその言葉に驚きを禁じ得ない咲夜
叶えたい願いをあれこれ浮かべながらもすぐにそれらを振り切り、本当に叶うかは分からないと再度落ち着きを取り戻し口を開く
「その…願いは今すぐじゃ無くても良いのよね?」
「もちろん、願いを叶えたければランプをちょいと擦ってくれ!
すぐさま参上させてもらうからね!
それではしばしおさらば!」
そう言いながらスポッとランプに戻って行ったジーニー
それを見て咲夜はランプを鞄にしまいながら考えを巡らせていた
(願いを叶えるランプの魔人ジーニー…とんでも無いものを手に入れてしまったわね
これは…すぐにお嬢様方にお譲りするべきかしら?
それとも…危険が無いか、罠が無いか試しに願いを叶えるべき?
もしくは…パチュリー様にランプを詳しく調べていただく?)
あれこれと考え悩みながら咲夜は紅魔館へ帰っていくのだった…