「失礼、入るわねレミィ」
レミリアと咲夜がランプについて考えているとレミリアの友人にして普段は紅魔館の大図書館に引き篭もっている魔女、パチュリー・ノーレッジが入ってきた
「あら、どうしたのかしらパチェ?
貴方が図書館から出てくるなんて珍しいわね?」
「そう大した用じゃ無いわ、さっき読んでいた魔導書が一段落したから気分転換がてら紅魔館に索敵魔法を使ってみたの
そしたらこの部屋から知らない魔力の反応があったから…」
そう言いながらレミリアの私室内を見渡すパチュリー、そんなパチュリーに咲夜は心当たりを告げる
「あの…パチュリー様、もしやこれではありませんか?」
「これは…ランプかしら?
ずいぶん古いわね、これがどうしたの?」
「実は…魔法のランプでして」
「魔法の…ランプ?
あの物語に出てくる魔人の?」
「はい、まさにそのランプです」
興味深い物を見る目をランプに向けるパチュリー
「なるほどね…まさか実在するとは思わなかったわ
今の持ち主は咲夜かしら?
良ければ実際に魔人を見せてくれないかしら?」
「えぇ…構いません、後程図書館へ伺えばよろしいでしょうか?」
「えぇそれで構わないわ、待っているわね」
そう言いながら咳をしつつ図書館へ戻っていくパチュリー
それを見送ったレミリアは咲夜を見て一言
「図書館でお披露目なら私も行くわね、仲間はずれは嫌だし…
それとフランと美鈴も呼びましょうか、それこそ仲間はずれになっちゃうしね?」
---と言いながら歩き図書館へと向かっていった、その背を見送り咲夜は門前にいる美鈴を呼んでから図書館に向かうのだった
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「お待たせしましたパチュリー様」
その後咲夜が図書館に着く頃にはレミリアやフラン、美鈴やパチュリーに小悪魔と全員が揃っていた
「待っていたわよ咲夜、早く見せてくれないかしら?」
待ちきれないといった様子で言うパチュリーを見て咲夜は腰に下げたランプを取り出すとみんなの前で擦った
「はーい、ランプ擦られすぐ参上!
ランプの魔人・ジーニーさんでーす!
ふたつめの願いかな?」
腕を回し気合充分といった様子で煙と共に現れるジーニー、それを見上げながら咲夜以外の面々は固まっていた
そんな皆を横目に咲夜はジーニーに話しかける
「ジーニーお願い…では無いのだけど、私の家族に貴方を紹介したくて
ランプと貴方について教えてはくれないかしら?」
「おや、まだこのランプと俺についてご存知で無い方がいる!?
オーケーオーケー!
それではそこでゆっくりとお聞きください、どういうものか改めて説明しましょう!」
そう言いながらポポンと椅子を出して紅魔館の皆を座らせたジーニー
次に魔法でドラムやトランペットを呼び出すと自動で鳴るようにして音楽をかけ始めた
『そう、アリババには40人もの盗賊がいた♪』
ジーニーの陰から盗賊たちが現れ紅魔館の皆を取り囲み剣を向けながら迫っていく
『だけどマスター、あんたはもっとラッキー!
だれもかないはしない♪』
しかし円陣状に並んだ皆の真ん中から出てきたジーニーがそれを蹴散らしていった
『爆裂パワー炸裂!見ろよ♪
そうさ、パンチは爆弾♪』
歌いながらジーニーはロケットに変身した体を自ら打ち上げ図書館中を飛び回り---
『ほーら見てよ♪ドカン!』
そのまま皆の目の前に煙で出来た顔を浮かべながら爆発、咲夜が持っていたランプに吸い込まれていき---
『ランプちょっと擦ってみて♪』
「お呼びですか♪」
そのままジーニーはランプから顔を出し咲夜の手を取るとランプを擦らせ図書館の天井いっぱいまで大きなビッグサイズになりながら出てきた
『ご主人様、ご用はなぁに♪』
ジーニーが歌いながら指を鳴らすたびに椅子、テーブル、シャンデリアやワイングラスが出現し紅魔館の皆はレストランにいるかのような状況になり---
『ハイ、ご注文をどうぞ♪お気に召すまま♪
夜ごとレストランで豪華なメニュー!』
そんな面々の前に立派な料理を置きながら歌うジーニー
『さぁ、欲しい物を囁いてください♪
あなたのしもべ♪イエス、 サー!』
次の瞬間には料理は煙と共に等身大サイズのジーニーに変わり、分身してテーブルの周りで皆を取り囲みながら丁寧に腰を曲げ頭を下げた
『世界一のサービス!
そうさボス!巨匠!王様!』
そのまま紅魔館の皆は消えた椅子やテーブルに代わりふかふかのソファに座り、アラビアンな衣装の妖精メイド達に扇がれ、夥しい量の金銀財宝の山に囲まれ先とは打って変わって何処ぞの王族のような状況になっていた
『お望みのものをお手元に、ドゥビドゥバッバー♪』
そんな皆をジーニーは金貨を雨のように降らせその海の中へと沈めてしまい---
『豪華絢爛、天まで届け♪』
その次の瞬間には皆は聳え立った柱の上に立っており、そこから滑り落ちてしまった
『最高の友達、たとえどんなときでも♪』
そんな皆をクッションを出現させ受け止めたビッグサイズのジーニー
その開かれた口から伸びた階段状に曲がった舌を白タキシード姿の等身大ジーニーが出てきて踊り始め---
『ワハハーどうだい♪
ワハハーすごいだろう♪
ワハハー、イェーイイェーイ♪
ドゥビドゥビドゥバー♪』
ボンッと言う音と共に煙となり消えるジーニー
そのまま皆の眼の前に同じように煙と共に現れ---
『こんなことできるかい?
こんなことできる?』
そのままジーニーは自らの頭をボール代わりにジャグリングを始めた、そのまま順番に紅魔館の皆にパスし戻ってくるとそれをキャッチしもとに戻した
すると今度は片手でもう片腕の腕輪を掴み腕輪越しに自らの下半身を掴むと車輪のように回転を始め---
『こんなことだって、お茶の子さいさいだーい♪』
自分の耳を掴んだ兎に変身し---
『ちょっと見てよ♪フー!』
そのままドラゴンに変身し皆へ向かって炎を吐いた
「ホレ、イケメンたち!ハハーン♪」
するとその炎の中から無数のイケメン達が現れ紅魔館の皆を取り囲む
『だからアブラカタブラ、アカンベー!
ちょっといきすぎゃダメよー♪』
しかしそのイケメン達はポポポンッと音を立てて消えてしまう
『ぶったまげるけど、ほんとさ♪
タネも仕掛けも完璧♪』
消えたイケメン達に少しがっかりする紅魔館の皆の前に再度現れたジーニーは目を飛び出させ口を大きく開け驚いたような顔をする
そのまま飛び上がり水に飛び込む様に地面に沈んでいき---
『魔法鑑定書も持ってらい!
折り紙付き魔人だぜ♪』
地面から飛び出てきたジーニーは片手に持っていた巻物を広げ投げ縄代わりに皆を引き寄せ---
『願いはそっとひとこと、耳にお聞かせを♪
どんなにたくさんあっても♪チョイとランプ擦るだけ♪』
皆の前にレプリカのランプを出現させ擦らせた
『ご主人様、ホラ願いをどうぞ♪
わたしはあなたの子分♪』
そう言いながら紅魔館の皆が立つ場を隆起させてステージ状にし---
『そう!最高のお友達、オーイェー♪』
二足で立って踊る黄金の象をステージ右側に何体も出して---
『ごきげんなお友達、ホラ♪』
同じく二足で立って踊るラクダを出し---
『見て♪』
更にステージを高くしながら周囲に最初の盗賊たちを呼び出し---
『見て♪』
無数の踊り子たちを呼び出して---
『ユア♪』
辺りに財宝の山を作り出し---
『ベスト♪』
アラビア風な建物を象ったネオンアートを乱立させ---
『フレンド♪』
辺りにスポットライトを走らせながら花火を打ち上げた
『ワハハーワハハー♪』
象の鼻で投げ上げられたり、踊り子たちと共に踊ったりしている皆を見ながらいつの間にやら出していた帽子を被り陽気に踊るジーニー
『そうごきげんなベスト・フレンド♪』
最後にそうジーニーが締めくくり歌を終えるとステージは全て煙となりランプに吸い込まれていく
そして歌う前のように椅子に腰掛けた紅魔館の皆とジーニーだけが残った
「いぇーい、最高!
拍手してくれてもいいよー?」
その言葉にフランと美鈴、小悪魔が拍手する反面、パチュリーとレミリアは真剣な顔をしていた
「なるほど、今のを見る限り本当になんでも出来るみたいね…
レミィ、これは慎重に使わないと危険よ?」
「分かってるわよパチェ、それで…ジーニーとか言ったかしら?
もし…3つ願いを叶える前にランプが他者に渡ったらどうなるのかしら?」
フランと美鈴、小悪魔の拍手に気を良くし追加で踊っていたジーニー、それを止めぬまま答える
「その時は新しい奴が主人に変わって、古い方は一時ストップだ
あくまでご主人はランプを持った奴なんでね」
「なるほどね…ありがとうジーニー」
「どうということはないさ、それじゃ俺はランプに戻るぜ!
ご用があればランプをキュキュッとどうぞー!」
そう言いながらランプに戻るジーニー
その後には無邪気に踊るフランとそれに付き合う美鈴と小悪魔、そして真剣な顔でランプとジーニーの扱いを考えるレミリアとパチュリー、咲夜の姿があったのだった