幻想郷とランプの魔人   作:朱色の羊

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ランプの事を知らない橙がご主人
に決まりました


魔人、3つ叶える

根本的解決ができない霊夢と魔理沙が焦りを覚えている頃、紫は自宅にて溜息をついており、その視線の先の机には先日回収してきたジーニーが宿った魔法のランプが鎮座していた

 

「まったく、なぜこんな物が現れたのかしら?

願いを叶える魔法のランプ…幻想郷が壊れる前に回収出来て本当に良かったわ」

 

これからランプをどうしようとあれこれ考えるうちに考えつかれた紫、ランプを机に放置したまま溜まったいた仕事を片付けにスキマを開きその場から消えていった

 

----------

 

「紫様、今いますかー?」

 

それから数分後、尻尾をフリフリと振りながら紫の式である八雲藍の式、橙が遊びに来た

しかし橙は部屋にいないのを見てお仕事かと尻尾を垂らし寂しそうにしつつ机の上のランプを見つけた

 

「何かなコレ…?

ランプ…だよね、紫様のかな?」

 

ランプを傾けたり裏返したりしながら眺める橙、その時ふと寺子屋で聞いた『アラジンと魔法のランプ』の話を思い出した

そのまま物は試しにと駄目元でランプを擦る橙、するとランプから煙が吹き出して---

 

ハイハーイ、ランプの魔人・ジーニーさんでーす!

おやまたご主人が変わったみたいだね、今度はかわいい猫のお嬢さんかな?」

 

「ふぇっ…ぇ?」

 

「あー…お嬢さんちょっと良い?

何か反応してくれないかな、独り言言うために出てきたんじゃないよー?」

 

「ふぁ…ぇ?」

 

驚きのあまり声が出ない様子の橙に話し掛けるも一向に調子が直らない橙を見てまずは落ち着かせようと人間サイズな猫じゃらしを魔法で出したジーニー

そのまま橙の目の前でフリフリと振り始め---

 

「ウニャッ!!…はっ!」

 

よーし、正気に戻ったかなー?

 

「あっ…はい!」

 

橙が飛びついてきたタイミングで猫じゃらしを消すと再度声をかけるジーニー、その声にピシッと姿勢良く橙は返事し改めてジーニーを見上げた

 

「あの…本当にランプの魔人ですか?」

 

本当も本当!

マスターの願いをなんでも3つ叶えるランプの魔人さ!」

 

願いを叶えてもらえると確認できパァと顔を明るくした橙、そのまま本能と欲に正直にひとつめの願いを口にした

 

「な、なら…!

色んなお魚を取り出せる魚籠(びく)が欲しいです!」

 

了解了解、ひとつめの願いだな?

ずいぶん猫らしくて可愛らしいね!」

 

そう言いつつ一つ指を鳴らしたジーニー、その次の瞬間には橙の腰には拳が入るほどの小ぶりな魚籠が下げられていた

橙が試しに手を入れてみると中からはビチビチと今しがた水揚げされたばかりのように活きが良い、魚籠より大きな魚が出てきた

 

「本当に出てきた!」

 

その魚に嬉しそうに齧り付きながら本当に願いが叶った事に満足しつつ魚を食べ続ける橙

そのまま数分を掛けて食べきると少し考えふたつめの願いを決めた

 

「マヨヒガの猫たちをちゃんと従わせたいです!」

 

「ハイハイ、お任せあれ!」

 

橙の願いを受け入れながら橙に煙を纏わせ包み込むジーニー、数秒して煙が晴れるとジーニーが再度口を開いた

 

「これでオーケー!

猫ちゃん達に効く所謂カリスマってやつを授けたよ!」

 

「カリスマ…」

 

そう言いつつ自身の体を眺める橙、その身からは確かに威厳のようなものが感じられるようになっていた

 

「さてさて、もうふたつ使ったから残る願いはあとひとつ!

ささ、最後の願いをどうぞ?」

 

魔法で橙にスポットライトを当てながら願いを待つジーニー

最後の願いを聞かれて橙は意を決した様子で最後の願いを口にした

 

「じゃ…じゃあ!

紫様と藍様をここに連れてきて欲しいです!」

 

オッケーオッケー!

それじゃ張り切っていきましょー!

 

そう言いながら橙の両隣に煙を渦巻かせるジーニー

その煙が一瞬膨らむと中からは橙の主である藍とその主、紫が姿を現した

 

「えっ!?ここは…八雲邸!?

私はさっきまで結界の調整をしてたはずなんだが…」

 

急に景色が変わり困惑する藍、それに対して眼の前のジーニーと橙を見て何があったか察する紫

そんな二人をよそにジーニーは橙に声をかけた

 

「これで願いは3つ叶えたな!

それじゃあ俺はおさらばさせてもらうぜ!」

 

そう言いながらランプに吸い込まれるように入っていくジーニー

そのままランプは煙に包まれソレが晴れる頃にはランプは跡形も無く消え去っていた

 

「今のは一体…紫様、何かご存知で?」

 

「えぇ、今しがた消えた青い奴は物語に出てくるランプの魔人でね…

橙が私達をここに呼ぶように願ったんじゃないかしら?」

 

じぃ…と真っ直ぐに橙を見つめる紫、その目線に橙は怯えた様子で涙目になりながら

 

「ご、ごめんなさい紫様…

いつも…いつも忙しそうにしてる紫様と藍様と一緒に遊びたくて…

家族と一緒に過ごしたくてぇ…」

 

と今にも泣きそうな声で言いながら服の裾を握りつつ頭を下げていった

そんな橙を見た藍が橙を抱き締め慰めるのに対し紫は何も言わずに部屋から出ていこうとした

 

「やっぱり…迷惑でしたよね」

 

それを見て橙が落ち込んだ時、紫はそっと口を開いた

 

「…何をしてるの藍に橙、早く来なさいな

一緒に遊んで…一緒に過ごすんでしょ?」

 

「っ…はい!」

 

それを聞いた橙は顔を明るくし浮かべた涙を拭きながら紫に抱きつき笑うのだった

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