入学二日目の朝。寮の出入り口前で俺は端末で生徒達による掲示板に目を通していた。
(昨日から見てたけど結構重要な情報でてるもんだな..........)
先生によっては課題やテストの出来でポイントの支給をしたりすることもあるとかなどポイントを増やす手段までがそこにはあった。中には注目の生徒の名前などもあり、これからこまめに確認することが大切になるだろう。
すると一人の女子生徒が歩み寄ってくる
「おはよう!拓斗君」
「ん......あぁ、おはよう。恵」
前日、偽物ではあるが付き合うことになった彼女である恵が挨拶と一緒に現れた。昨日付き合うことになったお俺達は朝や放課後などはできるだけ一緒に帰ろうという約束をしたのだ。
「うん.......その、付き合ってるわけだし手......繋いでこ?ダメ........かな?/////」
「?まぁ、付き合ってるなら当然か........じゃあ行くぞ恵」
「う、うん!(断られるかと思ったけど意外とすんなり.......でも、やっぱり恥ずかしいなぁ)」
恵はの提案を何でもないように引き受けた拓斗は自ら恵の手を引く。周囲からすれば目立つかもしれないがそれはそれで彼女には効果的でもあるだろう。
歩き始めると恵は手をつないだことによる気恥ずかしさを誤魔化すために自ら話題を振る
「ねぇ.......昨日の夜考えたんだけどさ、ポイントってどうやって増やすの?昨日はポイントの減少についてしか聞いてないし」
「良いとこに気が付いたな........増やす方法は色々あるみたいだぞ。例えばだが..........」
そう言って拓斗はポケットの端末を取り出して操作を始める。恵は何をしているのかと疑問に思っていると.....
ピロリン!
「あれ?メールかな..........って、コレ......」
恵は自身の端末の通知音が鳴りなんだと思いみてみると、自身の端末に2万ptが振り込まれていたのだ。
「まず一つ目は他者からのポイントの譲渡。相手方のIDがわかれば振り込めるんだよ」
「成程.........あっ、わかったからこのポイント返すね」
恵は端末を自分も操作して送り返そうとするが..........
「そのポイントは恵が使ってくれ。女の子は色々入用だろ?」
「え?でも、昨日の話からして二万ももらったら来月............」
昨日の話を聞いた恵は申し訳ないと返還しようとするが稼ぐ方法がわかった今、二万など.........いやもしかすれば10万なんてはした金になるだろう。
「問題ないよ。さて恵.......このポイント譲渡機能があればある方法で荒稼ぎできると思わないか?」
「ある方法?う~ん............譲渡.........荒稼ぎ...........あっ!もしかしてギャンブルとか?」
「正解。どうやら運動部や遊戯部なんかでは賭け試合を受けてくれるらしい。だから今日の放課後遊戯部に殴り込みに行こうかな~って考えてるんだ」
「へ~...............でも、負けたら大変なんじゃない?というかその稼ぎ方って駄目な人の稼ぎ方じゃない?」
「この学校なら至って正攻法さ。それに万に一つ俺が負けることなんてありえないさ」
チェスは勿論の事ポーカーやブラックジャックも全て研究所で仕込まれたし自分でもかなりやりこんで鍛えた。運動だってメジャーな球技に基礎身体能力なども極限までやらされているため清隆クラスの化け物でもない限り
「昨日も坂柳さんと話してたけど随分自信があるんだね。まぁ、何となくだけど拓斗君が負ける姿って想像できないし........あれ?そう言えば坂柳さんがなんか
「あ~..........ここで話すのは人前が多いからパスな。それに長くもなるから恵には今度改めて詳しく話すよ」
「え.........もしかして聞いちゃまずい話だったりする?」
「いや、ちょっとぶっ飛んだ話ってだけだよ。それに元々恵には話すつもりだったし、気にしなくていいよ」
それからは学校の仕組み的な話ではなく恵がクラスの女の子との昨日の会話などについて話したりと至って学生らしい会話をして学校へと向かっていった
******************
「おはよう~!って、あれあれ~二人で仲良く登校して恵ちゃん達もしかして?」
恵と二人で教室に入るとさすがに恋に飢えた学生と言うわけか、恵の友人の一人が早速揶揄うような視線で俺達の方を見てくるとそれにつられてクラスのほとんどがこちらに視線を向ける
「うん。拓斗君と付き合うことになったの!」
昨日の時点で付き合ってることは基本的に公にするということは話がついていた。そのため恵は隠すことなくそう告げるとラブラブであることをアピールするように俺の腕に抱き着く
「そう言う事だ。恵とは昨日から付き合うことになったんだ」
俺もそう答えると興奮した女子生徒の一人が問いかける
「キャ~いいなぁ.......ねぇねぇ、綾池君でよかったよね?どっちから告白したの?」
「あはは.........恥ずかしながら恵からだったな」
「へぇ~!そうなんだ!恵ちゃんやるぅ~」
するとその女子生徒は隣の恵を揶揄う様に肘でウリウリとしていた
「やめてよ麻耶///////それに拓斗君言わなくてもいいの!」
揶揄われてて照れる恵。揶揄われる原因を作った俺にぷりぷりと言ったように怒る様子を見ていると少しいたずらをしてみたくなった。
「(!.....ニヤリ)悪い悪い........ほら、機嫌なおせよ恵」ナデナデ
「たうわ!?////////も、もう!皆も前で頭撫でないでよ~/////」
突然のことに変な声とともにビクンと体を震わせる恵。そんな様子を見て周囲の女子達はさらに盛り上がる
「わぁ~恵ちゃん顔真っ赤だ!ねぇねぇ?彼氏からの頭なでなで嬉しい?」
「う、嬉しい......って言わせないでよもう!」
「あははは恵ちゃんかわいい~」
一気ににぎやかになる教室。この様子を見る限り恵の教室での立場は悪くなさそうだ。だが、代償として俺の場合は狂った男の嫉妬の視線がいたい........
暫く捕まってから俺はようやく自分の席に向かうとそこには清隆がすでにいた
「おはよう清隆」
「あぁ、おはよう拓斗.......なぁ、やっぱり昨日お前らが二人になった後だったのか軽井沢の告白」
「あぁ、そうだぞ。なんだ、清隆は恵に気でもあるのか?悪いが恵はやらんぞ」
「いや、そいううわけじゃないさ。にしても好きなんだな軽井沢の事。正直驚いた」
「驚いたって.........好きじゃなかったら付き合うわけないだろ?」
(振りだってことに気づいてるのか?まぁ、大丈夫だとは思うが注意はしておこう)
それから清隆にも恵とのことを聞かれたりしながら時間を過ごしていると先生が教室に入ってきたことでHRが始まったことで会話を終え一日が始まるのであった
**************
まだ二日目と言うこともあり授業はなく学校の詳しい説明などのオリエンレーションなどを終えると昼が終わるころくらいには今日の日程は終わっていた
「拓斗君!一緒に帰ろ?」
「良いけど女子達と遊びに行かないのか?」
「行ったらまた誰かさんのせいでまた揶揄われそうだしね。ホント恥ずかしかったんだからね!」
拓斗は女子達のグループを見てそう言うと後ろではニマニマとみている恵の友人たちがいた。そして恵もここに来る前に揶揄われたのか拗ねたように責めてきた。
「悪かったて........でも、今から俺朝言ったように賭け試合に行く予定だからデートできるかわからないそ?」
「で、デートって.......えっ/////!?もしかして拓斗君はその.......私とデートしたいの?」
「?付き合ってるから普通じゃないのか?恵はしたくないのか?」
拓斗は勿論だが偽装カップルとして必要だろうという配慮だが恵は内心実は私の事好きなのではと期待してしまっていた
「し、したい!!」
「お、おう......声が大きいけど大丈夫か?」
「はぅ//////(なんか私弄ばれてるみたい........)」
「ふっ........行こうぜ恵」
拓斗は恥ずかしそうにする恵を見て笑みをこぼすと恵の手を引き教室を後にする。クラスメイトの女子の大半はそんなやり取りを見て羨ましそうにする反面男子の大多数は嫉妬の強い線を向けていた
*****************
「えっと.......ここが遊戯部の部室だな。それじゃ早速.........」
俺は端末を見ながら恵と目的の場に訪れていた。そして直ぐに扉をノックすると.........
「は~い..........っておや?君たち多分新入生だよね?もしかして入部希望?それにしても部活説明会もまだなのに早いね~」
気のよさそうな女の先輩がそう尋ねるので単刀直入に用件を告げる
「いえ、入部希望ではなくて賭け試合をしたくて来ました」
俺がそう言った瞬間、先輩の表情が真剣なものとなる。
「へぇ........まさか入学して二日で気づいたの?凄いね君たち」
「掲示板って便利ですよね?色々とタメになる情報がありましたので」
「成程ね~目ざといね君」
恵は黙ってそんなやり取りを見ていると拓斗は構わず勝負を持ち掛ける
「さて、それで勝負してもらえますか?」
「あぁ、勿論。ささっ、彼女ちゃんもこっち来て」
「は、はい。失礼します.........」
こうして俺達は部室へと招かれるのであった。
部室に入ると5人ほどの部員が雑談していた。そしてよく目立つ大きな棚があり、棚には様々なボードゲームやトランプなどが整理されており、中には興味を引くレトロなものまであった
「さて..........賭け試合はどっちがするの?両方?」
「俺がやりますよ。彼女は付き添いなので」
「わかった.........じゃあ何で勝負しよっか?君が選んでいいよ」
「それならチェスでいいですか?」
「いいよ。でも私チェス得意だよ?」
「それは楽しみです。自分も腕には自信ありますので」
最近はネットでの対戦しかしていなかったから坂柳との対戦に備えて対面での練習をしたいし、チェスなら絶対に負けない自信があるからだ。先輩はチェスボードの準備を始めると俺と恵を囲むように部員たちがギャラリーとして勝負が始まるのを今かと待っているようだった
「これで良しっと...........じゃあ君は何pt賭けるのかな?」
駒を並び終えるとそう尋ねられるので俺は端末を操作して所持ptを表示させる
「7万とちょっと........全財産賭けます」
そう言うと周りの部員含め面白いと言わんばかりに目をギラギラさせる
「へぇ........随分な自信だね。なら君に敬意を表して私は50万pt賭けるよ」
いきなり50万をポンと出せるあたり流石は先輩と言うべきか...........
「それはどうもです。その代わり.......ではないです後攻でいいですよ」
「へぇ........先手有利なのにいいの?」
チェスは原理上先手が最善手を打ち続ければ勝つことのできる先手有利のゲーム。だが.........
「えぇ、後攻でもちゃんと勝たせてもらいますよ」
俺は自信たっぷりにそう返す。
そこからはお互い会話はなくなり盤上の戦いが始まるのであった
**********
「いや~君強過ぎでしょ!私含めて6連敗だよ~」
俺が部室に入ってから数時間ほどだろうか。その間に先輩たち相手に6連戦して全勝。先輩たちからptをむしり取ることに成功していた。適度に挑んでもらいやすいように手は抜いていたが、確かに賭け試合をしているだけあり場慣れしてるのか多少は歯ごたえがあった。もっとも全く負ける気はしなかったわけだが
「ありがとうございます。チェスは好きで小さいころからよくやってたので」
6人からむしり取った合計金額は200万pt。上々な結果と言えるだろう。流石にこれ以上やると今度からやってもらえなくなりそうだしここが引き際だろう
「それじゃ自分はそろそろお暇させてもらいますね?」
「わかったよ。あっ!楽しかったし今度は翌月のにまた来なよ。月初めならptに余裕あるからね」
「そうさせてもらいます。それでは.....」
俺が挨拶をして出ようとすると...........
「うい~す..........ってアレ新入生か?」
「失礼する」
すると二名の男子生徒が直前で入ってきた。一人はこの部の部員だろうか?だが、もう一人は随分と大物が出てきたものだ
「は~い.......って部長に会長じゃないですか。会長はどうしたんですか?」
もう一人は部長だったらしく、最初に相手をしてくれた先輩が挨拶をしていた。そしてもう一人の眼鏡をかけた威厳ある人がこの学校の生徒会長。昨日の入学式でも挨拶をしていたから顔を見てすぐにわかった。
「いや~部費の申請書類忘れててな。そしたら堀北も時間があるからついてきてくれてな」
「たまには自分の眼で見るのも会長の責務と考えたまでだ。それでそこの新入生は入部希望者なのか?」
俺達を根ふみするように鋭い視線を向ける生徒会長。そう言えば生徒会長も堀北だったな.............もしかして堀北の兄か?
そんなことを考えていると先輩が先にこたえる
「違いますよ。彼と賭け試合してたんですよ。彼女ちゃんはその付き合いだそうです」
「ほぅ........つまり入学二日でSシステムを理解したというわけか」
目を細めてこちらを見る堀北会長。先程よりも俺達を興味深そうに見る
「挨拶が遅れました1-D の綾池拓斗です。彼女は同じクラスの軽井沢恵です」
俺が自己紹介するとけいも軽く頭を下げ会釈する
「綾池........成程、あの入試全科目88点の綾池か。中々ユニークな男だ」
そう言えば試験問題が簡単すぎて遊びで何となく88点にそろえたんだっけ?100点にしてもよかったけどそれだと時間余り過ぎて暇だったんだよな~
だがそれよりも興味深いのは生徒会は個人の入試成績の閲覧ができるという点だ
「別にただの偶然かもしれませんよ?それより生徒会は個人の成績が閲覧できるんですね?」
「フッ....偶然なはずあるまい。正答率が全体の10%以下の問いを完璧に正解していながら逆に正答率70%超えるものを間違えていたりと不自然だったからな。だが、お前はそんなことよりも生徒会の権限が気になるようだな」
「そうですねとても気になりますね。特に今の二年生の状況なんて関係あったりするんですかね?」
「!すでにそこまで掴んでいるのか..........実に面白い」
掲示板を漁っていると今は生徒会に所属するある生徒により二年生のほとんどは支配されているらしい。一人の生徒が学年丸ごと支配するということをにわかには信じ難かったが一瞬見せた表情からしてどうやら本当らしいな
「その質問に関してはここでは詳しく答えられない。だが.........お前には興味がわいた」
「興味ですか...........もしかして生徒会に勧誘してくれるんですか?」
「あぁ、役職はそうだな.............副会長がいいだろう。どうする?」
俺はそう問われ隣にいる恵を見る
「どうしたの拓斗君?」
「いや、何でもない........会長その話喜んで受けさせてもらいます」
恵の頼みは自身の身を守って欲しいと言う事。なら彼氏である俺が生徒会所属であれば彼女の株も高くなるし、手も出されにくくなるだろう。
「わかった。明日、お前の担任に必要な書類などを渡すように頼んでおく。それと端末を出せ」
「わかりました」
俺は端末を出すと会長は自身の端末の操作を開始するそして........
「今お前の端末に200万ptを送った。確認してみろ」
「確かに送られましたけど........どういうことですか?」
「何......先行投資とでも思ってくれればいい。今後のことについてはまた後日連絡する」
「わかりましたこれからよろしくお願いします」
会長はまだ確認があるらしく俺とけいは先に部室を後にした
*********
「なんだかすごい話になったね。拓斗君が副会長か~もしかして次期会長になっちゃったり?」
俺と恵は手をつないでまだ十分に時間があるためショッピングモールで軽く遊んでいこうということになりその道中だった
「それはわかんないさ。まぁ、これで恵が守りやすくなったな」
「え?もしかして生徒会に入った目的って私の為?」
「まぁな。言ったろ?絶対守るって。生徒会に入っとけば情報に権力といろいろと手に入りそうだし恵の立場もよくなるだろ?」
「そこまで考えてくれたんだ..........ありがとう拓斗君!」
「ただ、勿論それが気に食わない連中が出る可能性もあるから一応気を付けといてくれ」
「うんわかった。でも、拓斗君が私のこと守ってくれるんでしょ?」
「そりゃ約束だし、俺は恵の彼氏だからな」
「う、うん.........でも、拓斗君なら誰にも負けないから.........絶対。だから私何も心配してないからね!」
「絶対負けないか.........期待値重いな」
勿論この約束に限り相手が
「でも負けないでしょ?なんたって私の彼氏なんだから!」
満面の笑みで疑うことなくそう言う彼女。拓斗はそれを見て自然と笑みがこぼれる
「ぷっ.......あははは彼女にそこまで言われたらそれに答えないわけにはいかないな」
こうして二人はデートへと繰り出していくのであった
今回はここまでです。色々と悩みましたが拓斗には副会長についてもらうことにしました。自分が通っていた高校も副会長は二人体制だったりしたのでそうさせてもらいました。勿論あの南雲との対決も考えているのでうまく話を組み立てられるよう頑張りたいと思います。
半端な知識で書いていますが、楽しんでもらえるよう頑張るのでよろしくお願いします!そして、ここまで読んでくださった方をはじめ、コメントやお気に入り登録、評価をしてくださったりと本当にありがとうございます!