天才の試験型による青春物語   作:graphite

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日課と本の妖精との邂逅

 

 

 

早朝..........まだ、朝日が昇りかけ寮目の前でジャージに身を包む拓斗。心地よい朝風を浴びながら一人屈伸やストレッチなどをして体を温める。先日はできなかったっが日課の早朝の10㎞ランニングための準備運動を始める。

 

ランニングをしたら筋トレにシャドーボクシングをするまでがセット。拓斗は格闘技を幅広く修めている。空手や柔道は勿論の事ボクシングやその他。ここ最近では截拳道(ジークンドー)もネットの動画やを参考にしたりして練習する。物にはなってきているだろうが流石に研究所で仕込まれた時とは違い独学のせいもあるからかやはり完全習得には少しかかるだろう

 

ぼんやりそんなことを考えながら前日に確認しておいたコースを走っていると........

 

「あれ?綾池君?」

 

道すがらのベンチに腰掛けて汗をぬぐいながら声を掛けてきたのは平田だった

 

「平田か......おはよう。そっちも見た感じランニングか?」

 

「うん。それと僕のことは洋介でいいよ」

 

「わかった洋介。俺も拓斗でいい」

 

「わかったよ拓斗。結構速いペースで走ってる感じだったけど運動得意なんだね?」

 

「そうか?まぁ、運動は結構自信あるかな」

 

「そうだ!僕もついていっていいかな?勿論、拓斗君のペースに任せるから僕がついていけなかったら置いていっていいから」

 

「構わないぞ。偶には誰かと走るのも悪くないしな」

 

二人はそれからしばらく会話をしながら走り込む。例えばサッカーの事なんかや恵の事だとかそんな普通の学生の会話をしているとあっさり日課のランニングを終えてしまった。それから拓斗はまだやることがあると告げ洋介と別れて日課をこなすと拓斗も学校の準備のため寮に帰るのであった

 

 

 

***************

 

「おはよう清隆」

 

「おはよう拓斗。昨日の軽井沢とのデートは随分と楽しそうだったな」

 

俺は恵と教室に入るとそれぞれ自分の席に分かれ、清隆に挨拶をするとそう突然切り出される

 

「何だよ見てたのか?」

 

「偶々モールに行ってたからな。そう言えば昨日賭け試合とか言ってたがどうだったんだ?」

 

「聞かれてたか。まぁ、結構稼げるな。今度は運動部のどっかにでも挑みに行くのもいいかもな。清隆はどうなんだよ?なんか得意なものでやってみたらどうだ?」

 

「いや、俺は目立つのは好きじゃないからいい」

 

「そうか.........まぁ、確かに賭け試合しまくってたら目立つよな。現に生徒会長に目をつけられたし」

 

ガタンッ!

 

俺がそう言うと近くから..........いや、堀北の方から席と椅子がぶつかる音がする

 

「どうしたんだ堀北?」

 

清隆がそう問いかける。すると堀北はどこか驚愕していた表情をいつも通りの仏頂面に戻すと........

 

「...........何でもないわ」

 

「そうか?それで大丈夫なのか?生徒会長に目をつけられて」

 

「問題ないな。いい収穫もあったしな(今の反応......成程ね)」

 

拓斗は今の堀北の反応から会長とやはり血縁関係にある事に確信する。もしかしたら今後〝駒〟が必要になった時ゆするネタになるかもしれない。

 

そんな事を考えていると担任が入るHRが始まった

 

「席につけ。HRを始める」

 

担任の茶柱先生の言葉で全員席に着く。だが、先日よりも皆一様にゆるみが見える。恐らくは昨日、一昨日とで10万で精々遊びに遊んで学校生活なんてどうでもよくなってきているんだろう。

 

(これは来月このクラスの連中が悲壮に暮れるのが容易に想像できる)

 

拓斗は自身の考察をクラスに伝える気はない。これは恵にも口止めしていることだ。このクラスの愚か者共にいくら助言を言っても無駄だ。なら一層のこと一度痛い目を見たほうが理解が早いだろうという考えからの事だった

 

拓斗がぼんやりとそんなことを考えていると............

 

「お前らに一つ報告がある。うちのクラスの綾池拓斗が生徒会長の推薦で副会長に就任することになった。生徒会に入るということはこの学校で大きな意味を持つ。このクラスから生徒会に就任する者が出たことは誇り高いことだ。お前らも応援してやれ」

 

その先生の発言にいくらかどよめきが生じる。だが、そんなものより一人の女子生徒の反応に注目していた

 

「なんで.........」

 

(会長とはうまくいっていないんだろうなこの感じ............)

 

その女子生徒とは堀北だ。まるで自分より下に見ていたものが自分よりも上の立場になったことに絶望したような表情だった。どこぞの外道神父なら愉悦部してるだろうが生憎とそんな趣味はない。

 

そんな感想を抱きながらそれからはその他の報告を終え昨日言われていた資料を貰ってHRは終えた。意外だったのはHRを終えてすぐに接触してくるかと思った堀北が何も行動を起こさなかったことだ。

 

ただ、それでもクラスメイトのそれなりの人数は俺の方に来た。一人はまるで俺のことを利用できるかと言う品定めするように見てきたやつがいたのは気になった。恐らくだが清隆みたいに能力を隠しているのだろう。恵と話していたところは見たことがあるから後で恵にどんな奴か聞いてみようなどと考えていればすぐに一時間目が始まろうとしていた。

 

 

******************

 

 

三日目の今日は各科目ごとの先生の自己紹介やオリエンテーションが中心で大過なく過ごし終えると今日はどうやら部活動説明会があるようだった。俺の方は会長から昼に連絡が特に仕事は何から自由にしてくれて構わないと聞い事もあり行く予定はない。それに何より生徒会に所属すると部活には所属できない為行く必要性がない。恵は今日はどうやらクラスメイトと遊びに行くようだし特に理由もなく図書館にでも向かうことにした。

 

「金かけてんなぁ............」

 

拓斗は図書館の内装を見て尋常じゃないほどの蔵書数に感嘆する。漠然と特に理由も無く来ただけもあり何を読もうか歩きながら物色していると台を使っても手が届かないところにある本につま先立ちをして手を伸ばす一人の女子生徒が目に入る。

 

「キャッ!?」ガタン!!

 

拓斗が声を掛けようかお考えた瞬間だった。急にバランスを崩し女子生徒が落下する。台はそれなりの高さがあり女子生徒は怪我は免れないと痛みを覚悟していたところを――

 

「っ!よっと!」

 

しっかりとなんなく女子生徒をお姫様抱っこでキャッチすると、そのまま数歩するりと下がり女子生徒と共に落ちてきた本を回避し怪我がない確認をする。

 

「大丈夫か?優しく受け止めはしたとは思うけど.........」

 

女子生徒の顔を除くと何とも人当たりのよさそうな顔立ちでおっとりした感じの美少女だった。

 

「えっと、はい大丈夫です.........助けていただきありがとうございます」

 

ぽわぽわとしたどこか和むような笑みをたたえ感謝する女子生徒。その言葉を受けると拓斗はすぐに彼女を下ろす。

 

「それは良かった。今下すぞ」

 

慎重に彼女を下ろす。見た感じ年上ではなさそうだし他クラスの人間だろうかと拓斗が考えていると........

 

「ご迷惑をおかけしてすいません。そして、助けてくださりありがとうございます」

 

「いや、気にしなくていいぞ?それとあの本が借りたいんだよな?」

 

「はいそうですが?」

 

「少し待ってな...........よし。はい、どうぞ」

 

拓斗は少し背伸びをすると頭上から彼女の目的の本を取る。拓斗の背丈は同年代の男子からすれば高めなほうなので台を使わず取るとそのまま女子生徒に差し出す

 

「ありがとうございます。助けてもらったうえ本まで取っていただいて」

 

「大げさだって。別にそんな気にしなくていいんだぞ?」

 

「それでもありがとうございます。そう言えば自己紹介がまだでしたね。私は1-C椎名ひよりです」

 

「俺は1-D綾池拓斗だ。よろしく椎名」

 

「綾池君も何か本を借りに?」

 

「そんなとこだな.........特に予定もなかったし学校の記録みたいなのか推理小説かなんかでも読んで時間を潰そうかなって」

 

可能性は低いだろうがSシステムについてや学校の根幹にかかわる何かがあればとは思い来ていたのもあるが本当にただ暇だったからと言うのが一番だ。そんな事を彼女に言うと少し考えるようにする

 

「そうですか...........学校の記録に目をつけるということは綾池君はキレ者なんでしょうか?」

 

「そう言う椎名こそこれだけでそこまで気づくんだから十分頭が回るだろ?」

 

「運動は不得手ですが勉強は得意ですので..........それにしても綾池君は鍛えていますよね?あんなに軽々私を受け止めたのを見る限り相当」

 

「まぁ、運動はそれなりに自信あるけど椎名が滅茶苦茶軽かったからそれもあると思うぞ?」

 

「ふふ、お口が上手なのですね?そうです!これも何かの縁ですし、一緒に読書しませんか?」

 

「そうだなそれはいいアイディアだ。折角だし椎名のおすすめの小説とかないか?」

 

「なら..........これがいいと思います。私も読んだことのある作品ですがとても面白かったのでおススメです!」

 

すると見た目に反しグイグイと食い気味にお勧めの本を差し出してくる。どうやら彼女は相当な読書家らしい

 

「本当に本が好きなんだな?それじゃあこれ読ませてもらう」

 

「良ければ後で感想なんかも聞かせてくれませんか?私本の感想を語り合うことに憧れていたんです!いや.......ですか?」

 

途中までぐいぐい来ていたのに突然しおらしくなったりと思ったよりも感情の起伏が激しいんだなぁという感想を抱きながらもその彼女の天然さを見ていて嫌な気は全くしないので提案を受け入れることにした。

 

「勿論構わないよ。感想を語り合うのは俺もあんまなかったし楽しそうだからな」

 

こうして俺と椎名はこの日閉館時間になるまで読んだ小説の感想を語り合うと、連絡先を交換しまた今日みたいに語り合おうと約束した。椎名も言っていたように感想を語り合うことに憧れていたのもあるためかまたしようと約束した時の椎名の眩しすぎる笑顔と言えば自分が極悪人に見えるレベルだったのは秘密だ

 

こうして奇しくも手に入れた他クラスとの繋がり。それによって吉と出るか凶と出るか..........

 

何にせよ〝退屈はしない〟

 

拓斗にとってそれだけ確実であるならば何も問題はなかった

 

 





今回は内容が薄いですがサブヒロインであり椎名の初絡みです。椎名のあのほわほわした感じには癒されますよね~それに加えあの容姿も自分ドタイプですから小説で初めて見たときは衝撃が走りましたw次回は水泳の授業です。更新ペースはゆっくりになりますが皆さんに楽しんでもらえるよう頑張ります!

それではここまで読んでくださりありがとうございます!またお気に入り登録、評価をしていただき本当にありがとうございます!

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