偽クラウド物語~FFⅦ×IS~   作:シャントット帝国

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魔晄炉爆破ミッション

翌日の夜。

 

アバランチの作戦に参加することになった俺は、列車の上に乗って壱番街の駅へと向かっていた。運行中の列車の上を移動するミッションは、何度かシミュレーションで経験したことがあるけど実際やると緊張感が出る。実際、元自分の所属していた会社に喧嘩を売りに行くんだからしない方がおかしんだけどね。

 

駅に着くと警備をしている一般兵二人が列車の中を確認しようとする。そこへ隠れていたバレットたちが不意打ちをかまして気絶させた。

 

「行くぞ、新入り!」

 

彼に合図を送られると俺は、列車から飛び降りて移動を開始する。駅のホームからは見張りがいつまでも戻ってこないことに違和感を覚えた他の神羅兵が駆けつけてきた。

 

「何者だ!」

 

「止まれ!」

 

彼らは銃を構えて俺たちの方へ向かってくる。

 

「早速出番だ、ソルジャーさんよ。」

 

「わかった。」

 

バレットに言われると俺は、バスターソードを構えて神羅兵たちを斬り捨てる。俺は、主に陽動を担当し、その間にバレットたちが先に道を開くということになっている。駅に入ってきた俺を見て他の神羅兵が4,5人集まってくる。おそらく駅にいるのはこれで全員だろうな。改札口の方を見ると死角で隠れていた彼らがさっさと出ていく。

 

「抵抗はやめろ!」

 

「無理。」

 

彼らの銃撃を剣で防ぎ、俺は、重い一撃を繰り出す。その衝撃波で周囲の神羅兵たちも壁に吹き飛ばされて倒れていった。駅から出ると壱番魔晄炉の入り口でジェシーとビッグスが電子ロックを解除している最中だった。

 

「で、なんでソルジャーがうちらの仲間になるの?その人、キャリアを捨てるわけ?えっと・・・名前はなんだっけ?」

 

ジェシーは、思い出すかのように一緒に作業をしているビッグスに聞く。そう言えば、紹介されたのほんの数時間前だからな。覚えられてなくても仕方ない。

 

「『元ソルジャー』だとよ。名前は『クラウド・ストライフ』。武装路線で行くならプロフェッショナルの協力は必須だ。バレットはあまりいい顔していないようだけど俺は歓迎するね。」

 

なんか長期契約していると勘違いされているんですけど。すぐ近くではウェッジが流石ですとばかりにサムズアップをしている。バレットと違って俺にあまり抵抗はないようだけどこれっきりだぞ。

 

「勘違いするな、仕事が終わればただの他人だ。」

 

俺の言葉を聞くなり、ウェッジは残念そうな顔をする。一方のビッグスとジェシーは

 

「ちょっと面倒くさい奴かも。」

 

「見た目がいいから許す。」

 

「また、始まったよ・・・・」

 

「まずは顔。基本でしょ?」

 

「どうせ俺は基本がなっちゃいないよ。」

 

「なっていないというか出場種目が違う。

 

「もういい、それ以上言うな。」

 

「例えるなら・・・」

 

「例えるな!」

 

二人とも。悪いけどめっちゃ聞こえているからな。しかもこの顔借り物のようなもんだからあまりそういう話しないでくれ。すごくメンタルに悪い。

 

後ろでは何時増援が来るのか焦っているのかバレットが苛立っている。お前、サングラスを付けているとただでさえ物騒なのにヤクザにしか見えないぞ。

待ちきれなくなったのかかれは、俺を腕で軽く突き飛ばすと二人の方へと向かっていった。バレットの反応を気にしたのかウェッジが俺の方へ来る。

 

「ただの金目当てだったらここまで来ないッスよね?クラウドさんも俺たちと同じく星の未来を想う気持ちが・・・・」

 

「興味ないね。」

 

「えっ?」

 

ごめんなウェッジ、

本当に報酬目当てで来たんだよ。2000ギルって言ったら宿代結構浮くし、生活費が楽になるから。星の未来よりも自分の生活を気にしてるんだ、俺。

 

悪いけどカルト集団の思想に共感している余裕はない。

 

そんなショックを受けているウェッジをよそにビッグスとジェシーは、電子ロックを解除。扉があくと同時に二人は、急いで中へと入っていく。

 

「ウェッジ。」

 

「あっ!今、行くッス!!」

 

ウェッジはバレットに声をかけられると後を追う。バレットは俺の方を向くと眉間に皺を寄せる。

 

「高い報酬支払うんだ。ガッカリさせるんじゃねえぞ。」

 

「・・・はあ。」

 

早いとこ仕事終わらせてコイツと別れたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プレジデント、失礼します。」

 

ここはミッドガルの中心に立つ神羅カンパニー本社のプレジデントフロア。神羅カンパニーの社長であるプレジデント神羅の仕事部屋である。

 

「入りたまえ。」

 

プレジデントが許可を出すと顔に傷がある髭面の大柄な男が部屋に入ってきた。この男は治安維持部門統括のハイデッカー。神羅カンパニー設立時から彼に仕えている古参で本人の目の前では有能なように見せるが実態は横暴で身勝手な性格で部下たちからあまりよく思われていない。

 

「報告します。壱番魔晄炉にネズミが喰らいついたようです。」

 

「そうか。」

 

ハイデッカーの報告に対し、プレジデントは葉巻を吸いながら返事をする。

 

「・・・・では、予定通り例のプランを実行する。分かっているな?」

 

「はっ。」

 

ハイデッカーは彼のそばにまでくる。

 

彼に机のディスプレイには壱番魔晄炉のバレットたちの姿が映されていた。

 

「・・・・して、このテロリストたちはなんだったかな?」

 

「はっ、このネズミどもは『アバランチ』を名乗っているそうです。」

 

「アバランチ・・・あのジュノンの一件で現れたテロリストたちか。」

 

「ですが、プレジデントの命を付け狙ったあのアバランチとの関係は不明。現在、調査中ゆえしばしのご猶予を。」

 

「うむ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脱出口の確保をビッグスとウェッジに任せ、魔晄だまりへ続くエレベーターの中で俺はジェシーと一緒にバレットの演説というか話を聞いていた。

 

「てめえが飯を食ってるとき、眠りこけているときもこのバカでかいポンプが魔晄をガンガン吸い上げているわけだ。休みなく容赦なくよ!!」

 

「そうでもしないと市街地に電力を供給できないからな。」

 

「お前、魔晄の正体を知ってるか?」

 

「石油や石炭のような資源とは違うのか?」

 

「そんなもんじゃねえ!いいか、魔晄はこの星の『血』だ!!俺たちの体を流れる真っ赤な血と同じ!ってことは、このまま吸い続けたらどうなるよ!?」

 

バレットは、熱弁するが俺にはどうでもいいことだった。隣にいるジェシーは、我慢してねとでも言いたげな顔で俺を見る。

 

「えぇ・・・・・星の悲鳴が聞こえねえか?クラウドさんよ!!」

 

「そういうアンタは聞こえんのかよ?」

 

「おうよ!!」

 

マリン可哀そうだな。こんな奴が父親で。俺と千冬姉を捨てた両親もこんなのだったんだろうか?

 

「いい医者紹介してやるから診てもらえ。」

 

「あ?てめえ!!」

 

俺の発言にバレットは怒りを露わにするが同時にエレベーターが止まった。おかげで殴られずに済みそうだ。

 

「星の未来より今の自分を心配しろ。無事に帰んないとマリンが泣くぞ。」

 

「ちっ。言ってくれるじゃねえか。」

 

マリンの話題を持ち出したことでバレットは、怒りを抑える。俺の記憶が正しければこの先にはまだ兵器の倉庫があったはずだ。スイーパータイプの配備は間違いないから気を引き締めないとな。稼働中の機体が多かったら面倒になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか分からない暗い部屋。

 

その中で一つの光がうっすらと照らしていた。それはパソコンの光で彼女は、壱番魔晄炉内のモニターを除いていた。

 

「・・・・・間違いない。」

 

彼女は、モニターに映るイチカ・・・否、クラウドの姿を見て確信する。

 

この男こそ、自分がずっと探し続けていたあの少年だと。

 

自分の親友の弟だと。

 

「顔が変わっても私にはわかる。生きていてくれたんだね、いっくん。」

 

ハッキングして入手した死亡リストを見たときは絶望しかけた。けど、可能性を捨てきれず現場にまで急行して死体がないかどうかを確認し、他の二人の墓標として残した折れたロングソードを見て生きていると推察し、一年かけてようやく見つけることができた。

 

「近いうちに謝らないとね。今までのこと。」

 

彼女は、そう言うとパソコンの電源を切り、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは、倉庫で稼働していたスイーパーを撃破した後、無事に魔晄炉の中枢部へと侵入することができた。ジェシーは入り口付近で待機し、俺とバレットで爆弾を仕掛けるべく、魔晄炉の目の前にまで来た。バレットは匂うって言ったけど、確かに臭くはないが独特の匂いがするな。

 

「さーて、神羅が送り込んできた犬じゃないってことをここで証明してもらおうじゃねえか。」

 

そういうと彼はしまっていた時限爆弾を目の前に出す。

 

「爆弾は、お前がセットするんだ。ティファのツレってだけじゃ信用できねえ。仲間になりてえなら・・・・」

 

「何度も言うけど契約はこの仕事までだ。別に仲間になろうとまでは考えていない。」

 

俺は、この仕事はこれっきりとばかりに言う。バレットは面白くなさそうだったが仲間になれば一緒に行動する時間が長くなる。そんなことになればティファに正体がバレるリスクが高い。それは避けなくてはいけないことだ。

 

「だったら黙ってやれよぉ!!」

 

面白くなさそうな彼に対して俺は呆れた顔で爆弾を受け取り、セットしようとする。その時、一瞬激しい頭痛が襲った。

 

「うっ!?」

 

俺は、思わず頭を抑える。ニブルヘイムを逃げ出してから時々起こるのだが本当に嫌になる。少しすれば落ち着くのだが発作的に起こるからたまったものではない。

 

「大丈夫か?」

 

「・・・問題ない。タイムはどうする?」

 

「お前が決めろ。」

 

俺は、少し考えて20分ぐらいに設定した。倉庫の兵器もあらかた破壊したから問題はないだろう。

 

「自信あんだろうな?」

 

「だったら、アンタがセットしなおすか?」

 

俺は、バレットを挑発しながら起動スイッチを押そうとする。

 

 

その直後、ガシガシと移動する金属音が聞こえた。

 

「「なっ!?」」

 

何かが来ると俺たちは周囲を見回す。

 

「まさか、てめえ嵌めやがったな!?」

 

「冗談を言うのは後にしてくれ!近いぞ!!」

 

俺は、剣を引き抜いて警戒する。敵は近い。

 

「上だ!」

 

「なんだとっ!?」

 

俺たちは、急いでその場から離れる。俺たちのいた場所には無数の足に尻尾を持ったメカが着地した。

 

「ガードスコーピオン、最新タイプか!」

 

ガードスコーピオンは俺が神羅にいた時から配備されていたが以前のモデルよりも動きがよくなっている。大方、兵器開発部門統括のスカーレットが改良を加えたんだろうな。

 

「おい、コイツの豆知識は!?」

 

バレットは、射撃を行いながら俺に助言を乞う。

 

「メカは、雷に弱い。牽制しながら魔法で攻めるぞ。俺が接近して叩き込むからバレットは援護を頼む。間違っても俺に当てるなよ。」

 

「やるしかねえってか!」

 

バレットは、右腕のガトリングでガードスコーピオンを撃つ。俺は剣に雷のマテリアが装填されていることを確認すると近づいて切りつけた。

 

 




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