ようこそ地獄のような教室へ   作:ラズベリー

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少し編集しました。


バスでの出来事

4月。私は入学式に向かうためにバス停でバスを待っていた

 

バス、座れると良いな。朝、このバス停に来るまでに何か急にお腹が痛くなってきちゃったんだよね....

 

ズキンズキンッと、体を動かす度に腹部が痛くなる

 

ううッ、まじで痛い...。はぁ、ついてないなぁ。せっかく今日入学式があって友達とか作れるかもしれないのに体調が悪かったらなぁ....

 

私、なんか変なもの食べたかな?

 

そう思い、今朝食べた物を振り返ってみるが特に変な物を食べた記憶はない

 

でもまぁ、いつもに比べればまだ可愛いもんか。私が我慢すれば良いだけだしね。それに早急、薬を飲んだし大人しくしてればその内治るはず

 

そう思っているとバスがやってきた

 

席空いていますように

 

そう願いながらバスに入ると丁度1席だけ席が空いていた。あ、でもこの席..優先席だ...座って良いかな...?

 

でもお腹すごく痛いし...それに金髪のガタイの良い男の人、えっと制服が同じだから多分同じ学校に入学するのかな?まぁその人も座ってるし...いいかな。うん。もしお婆さんとかが来たら譲る形にしよう。というかめっちゃお腹痛い...。はぁ、最悪。早く治ってよ...

 

そう思いながら私は席に座った―――

 

その時隣に座っている金髪の男の人が此方を見て少し驚いていたような気がしたんだけど多分気のせいだよね....?

 

 

 

 

 

そして、しばらくしてバスが混み始めた頃―――

 

ズキンズキンッズキンズキンッ

 

私のお腹の痛みは一向に治らないどころか、何故か更に悪化し、物凄く痛くなってきた

 

腹部が針にズキズキと刺されているような物凄い痛み

 

まじで痛い。なんで治らないの、え、私薬飲んだよ?なんで直らないの?もしかしてあの薬全く聞いてない?

 

…今度からは自分によく効く薬ちゃんと選んで持ち歩こう…

 

でも座れただけよかったかな

 

そう思っているとお婆さんが杖をつきながら少し辛そうにバスに乗ってきた

 

ぁ、お婆さんだ...ごめん、ごめんなさい...最初は来たら譲ろうと思ったけどお腹治る気配が全くしない...すいません...今はまだ少し立つの辛いです...もう少し、良くなったら席譲ろう

 

ごめんね、お婆さん

 

そう思って申し訳なさそうにしていると急に声が聞こえた

 

「ちょっと席を譲ってあげようと思わないの?」

 

私に言われた...?

 

ドキッと心臓が鳴り、声がした方を慌てて見ると其処にはOL風の女性が隣の男に向かって言っていた

 

私じゃなかったか...

 

私は少しだけ安堵したその時、

 

「そこの君、お婆さんが困っているのが見えないの?」

 

もう一度彼女は大声でそう言い、バスの人達の視線がこちらに集まっていく

 

「実にクレイジーな質問だね、レディー」

 

隣の男はそう言いながらニヤリと笑い、足を組みなおした。

 

「何故この私が、老婆に席を譲らなければならないんだい? どこにも理由はないが」

 

「君が座ってる席は優先席よ。お年寄りに席を譲るのは当然でしょう?」

 

「理解できないね。優先席はあくまで優先席であって法的な義務はどこにも存在しない。この席を譲るか否か。それは今現在この席を有している私が判断することなのだよ。若者だから席を譲る? 実にナンセンスな考え方だ」

 

そして彼はそのまま話を続ける

 

「私は健全な若者だ。確かに立つことに何の不自由も感じない。しかし、座っているときよりも体力を消耗することは明らかだ。意味も無く無益なことをするつもりにはなれないねぇ。それとも、チップを恵んでくれるとでも言うのかな?」

 

この人何か凄い...

 

「そ、それが目上の人に対する態度!?」

 

「目上? 君や老婆が私よりも長い人生を送っていることは一目瞭然だ。そこに疑問を挟む余地も無い。だが、目上とは立場が上の人間を指して用いる言葉だ。それに君にも問題がある。歳の差があるとしても生意気極まりない実にふてぶてしい態度ではないかな?」

 

 

「くッ....それじゃあ隣の貴女でいいわ。席を譲りなさいよ」

 

隣の彼に何を言っても通じない事がわかったのか今度は隣にいる私に向かって言った。そして今度は私に視線が集まっていく

 

はぁ、まじか...今お腹めっちゃ痛いんだけどな...

 

でも、仕方ないよね。お婆さんが辛そうにしてるのは事実だし...

それに、これ以上バスの空気を最悪にしたくないし。

 

今度からはもっと体調管理に気をつけよう

 

そう思って口を開こうと唇を動かした時、OL風の女性は私が直ぐ席を譲らない事に苛立ちを感じたのか大声で言葉を解き放った

 

「良いわよね?若者がお婆さんに席を譲るのは当然の義務よ!少し具合を悪そうにしてるけどまだ若いんだからそれぐらい平気よね?というかそれさえ出来ないと言う事なら貴女はバスに2度と乗らないで欲しいわ。それと、貴女を育てた両親の顔も見てみたいわ。きっと自己中心的な親なんでしょうね。」

 

私は彼女の言い分に少し苛立ちを思いながらも出来る限り笑顔を作って具合が悪く見えないようにしながらお婆さんに向かって言った

 

「......そうですね、どうぞお婆さん。すぐに譲る事が出来なくてすいません」

 

そして私は手すりに捕まってゆっくり立ち、席を離れて手すりのあるドアの近くまで行き、手すりにもたれかかった

 

うぇこの体制辛いなぁ。でもたぶんあと少しで学校に着くよね。着いたら保健室に行こうかな。それまでの辛抱だから頑張ろう

 

そう思っていると何故かバス中の人々がOL風の女性に向かって冷やかな視線を向けた

 

「な、なに!?」

 

「ははははっ!レディー、君は実に愚かだねぇ」

 

「は、はぁ?何を言っているの!?私は別に間違った事はしていないわ!」

 

「本当にそう思うのかい?君は私が席を譲る気が無いと分かったとたん黒髪ガールに無理やり席を譲れと脅迫しただろう?」

 

え?

 

「何を言っているの?私は脅迫なんかしていないわ!!変な妄想しないでくれる?」

 

とっても申し訳ないんだけどもう少しだけでいいから声のボリュームを小さくしてくれると嬉しいな....

 

そう密かにOL風の女性に対して思っていると不意に優先座席に座っている男が私を話題に出して言ってきた

 

「では君は黒髪ガールを見て何も思わないのかい?」

 

すると再び私に視線が集まる

 

え、と?

 

「別に手すりにもたれかかっているだけじゃない」

 

OL風の女性は私を睨みながら答えた

 

そんな彼女に対して優先席に座っている男はやれやれと言った感じで説明し出した

 

「見るからに具合が悪そうに見えるだろう?顔色が悪く、手すりを使わないと立てないようだった。また先ほど歩いている時は何度もよろけていた。相当具合が悪いのだろうねぇ。恐らく君以外のこのバスに乗客している者は皆わかっているはずだ。そんな彼女を君は無理やり若者だから平気だと勝手に思い込み無理やり席を譲れと言った。先程君は老婆がいるから席を譲れと言っていたが黒髪ガールもまた席に座る資格があると思うがねぇ。レディーは黒髪ガールが何らかの重病を抱えているかもしれないという事を考えなかったのかい?これのどこに何もしていないと言い切れるのかな?実にナンセンスな考えだねぇ。」

 

OL風の女性は口を開けたり閉じたりしながら私と優先席に座っている男を交互に睨み付けた

 

え、私そんな感じになってた?申し訳ない...

 

「えっとあの、私のことは別に気にしないでください。もう元気になりましたから!」

 

出来るだけ精一杯に笑顔を作り、手すりにもたれかかるのはやめて自力で立ちながら私は言った

 

すると優先席に座っている男は何故か呆れた顔をした

 

「黒髪ガールも黒髪ガールだ。君も相変わらずだねぇ不留美ガール」

 

 

......え?何故この人は私の名前を知ってるの!?...まぁ、一応言われたのは苗字だったけど...って、そんな場合じゃないよ!

 

え、えーと、ん?どっかでこの人と会ったことあったっけ?んんんん?

 

…ダメだ、お腹が痛くて脳があまり機能しないよ...

 

それでも私は必死に思い出そうと頑張っていると、彼はふっと笑いそのまた黙ってしまった

 

するとバスが学校に着いたみたいでバスが止まった

 

プシュー

 

ドアが空き、次々と降りる予定だった人が降りて行く

 

ふぅ、取り敢えず金髪の男の事は後で考えよう。うん。そして頑張って歩こう。

 

そう思って取り敢えずバスから降りた。

 

すると、

 

「ねぇねぇ大丈夫?」

 

金髪の可愛い少女に話しかけられた

 

...なんか、今日金髪の人と話すこと多くないかな?話しかけてくれる事自体はとっても嬉しいんだけど

 

そう思いながらも返事をした

 

「あ、うん。なんとか大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」

 

「でも心配だよ...この学校の保健室に行くなら一緒に行かない?あ、私の名前は櫛田桔梗だよ。下の名前で呼んでくれると嬉しいな。よろしくね」

 

心配した様子で、優しい口調で言ってくる彼女。

 

桔梗ちゃん、か。優しいな。でも、私のせいで迷惑をかけるわけにはいかないし....取り敢えず自分の名前を言ってから断ろうかな。

ごめんね、親切にしてくれてありがとう。そう言って貰えるだけで嬉しいよ

 

「えっと、私の名前は不留美 優だよ。私も下の名前で呼んで欲しいな。よろしくね桔梗ちゃん。...それと、保健室の事なんだけどありがとね。でも、迷惑かけちゃうから大丈夫だよ。保健室は自分で行く事にするから。」

 

あまり心配かけないように笑顔で私は言った

 

「でも...」

 

私の言葉を聞いても尚、そう心配してくれている桔梗ちゃんは本当に凄く優しい子なんだと実感した

 

「では私が保健室へ送り届けてあげよう。」

 

すると突然、優先席に座っていた金髪の男が私達の会話に入ってきてそう言い、私をお姫様抱っこした

 

は?

 

「え、ちょ」

 

私は周りを急いで見渡すと、今この場にいる人達全員が此方に目を向けて驚いていた

 

待って待って。凄く目立ってる!!

 

「や、あの自分で歩いて行けるので大丈夫です。なので、下ろして欲しいんですけど....」

 

これ以上目立ちたくないと思い、お腹の痛みに耐えて少し暴れるが直ぐに阻止されてしまった

.

「それは無理な話だねぇ。任せたまえ不留美ガール」

 

えっと.....

 

「私もこの人に運んで貰った方が良いと思うな。私じゃたぶん優ちゃんを運べられないと思うから...」

 

桔梗ちゃんは金髪の男に運ばれるのが1番良いと判断したのかすぐさま賛成して、私に申し訳なさそうに言ってきた

 

「え、桔梗ちゃん!?」

 

「また会おうね!」

 

そう言って桔梗ちゃんは愛くるしい表情をしながら手を振ってくる

 

「それじゃあ、行こうとするかねぇ」

 

は、えちょ、

 

そのまま私は謎の金髪の男に保健室まで運ばれることとなった

 




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