Ankou°˖◝(⁰▿⁰)◜˖ 異世界をゆく   作:かまぼ子ロク助

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第106話 朝日が昇ればロワナ領

 アンコウはツゥンツァイの森の中、林立する木々の間をぬうように走っていた。

 

「待ってくださいっ、アンコウ様っ」

 ドルングが必死の形相で、アンコウに呼びかけ、

「うわっ!とととっ」

 べジーが木の根に足をとられながらも、必死にアンコウについていく。

 

 アンコウ本人は全力で走っているわけではなく、余裕を持って走っている。しかし、ドルングとべジーはそうもいかない。

 

 二人とも抗魔の力保有者で普通人よりはかなり夜目が利くものの、ひとり森の発光現象を認識し、昼間のような明るさを感じながら、苦もなく森の中を走り続けるアンコウの姿を見失わないよう食らいついていくだけで精一杯だ。

 

 

――――――

 

 

(別になんもねぇなぁ)

 

 もう、アンコウが走りはじめて2時間は過ぎている。ドルングとべジーは、ハァハァと肩で息をしながらも何とかアンコウについてきている。

 

(……ただ光ってるだけだ)

 

 光る森を間近に見て初めに感じた印象どおり、一度も魔力や特別な力のようなものをアンコウが感じとることはなかった。それでもなお、アンコウは森の奥へ奥へと走る。

 

(……未練、だよなぁ)

 

 自覚はあった。なぜ目的地もなく、こんな夜中に森の中を走り続けているのか、アンコウは自分の心がわかっていた。

 元の世界への未練だ。

 

 確かに、ドルングとべジーには認識できず、アンコウにしか森が光っているのがわからないというのは不思議だ。

 しかし、それはただ光っているだけなのだ。そこに特別な力は何も感じられない。

 

 そもそもこの世界は、アンコウが元いた世界では考えられないような不思議な事象で満ち溢れており、いちいち過剰に気にしていても仕方がない。

 それでも、『光の森の勇者アインズ』の物語を聞いたばかりだったアンコウは、この森と異世界転移者との関係を連想してしまった。ちゃんとした根拠など何もないのに。

 

 元の世界に帰ることは、とっくに諦めていたつもりのアンコウだったが、こんなふうに少し刺激されただけで、大きく心が揺れるほど、自分の中に望郷の思いが残っていたことに驚き、あきれてもいた。

 

 しかし、自嘲気味の笑いを口許に浮かべながらも、アンコウは走る自分の足を止めることができなかった。

 

(……ただ、光ってるだけなのに。未練だねぇ、我ながら……)

 

 それでもなお、アンコウは森の中を走り続けた。

 

 

――――――

 

 

「ハァハァハァ」

(……結局なんもなかったなぁ)

 

「ハァハァッ、ア、アンコウ様っ。も、もう少しで森が終わりますぅっ!」

 

 アンコウの視界の先にもツゥンツァイの樹林の終わりが見えていた。あれからアンコウたちは、さらに数時間走り続けた。

 妄想に等しい願望であることがわかっていても、走り探し続けなければ、アンコウは自分の気持ちの揺れを沈めることができなかった。

 

 しかし、アンコウはついに走る速度を落とし、歩きはじめた。

 

「ハァハァハァッ、疲れたっ。ハァハァ、我ながら馬鹿だな、まったく、」

 

 そして、ドルングとべジーの二人も何とかアンコウについてきていた。

 

「ぜえっ!ぜえっ!ぜえっ!ア、アンコウ様っ、」

「がはっ!ヒィヒィッ!た、たいしょお~」

 

 ドサリ 大きなツゥンツァイの木の根元に、アンコウは腰を下ろした。ドルングとべジーも肩で息をしながらしゃがみ込む。

 

「……夜のかけっこは終わりだ、諸君」

 

「ゼェッゼェッ、か、勘弁してくださいよ。大将」

 べジーが恨みがましい目でアンコウを見つめる。

 

「ハァハァ、し、しかし、アンコウ様、まだ森が光って見えているのですか?」

 

 走っている間にずいぶん夜空の雲が晴れ、森の中まで月明かりが差し込んできてはいるが、やはりドルングたちの目に森が光っては見えていない。

 

「ああ、光ってるな。……だけど、俺には光って見える、お前たちには光って見えない。もう、それでいいよ」

 

 実際に見えている者といない者、その中間などはない。また、他の者に森が光って見えないからといって、アンコウに何か不都合が生じるわけではない。

 

「それにしても、かなり走ったよな」

「か、かなりどころじゃないですよ、大将っ」

 

 相変わらず肩で息をしているべジーを見て、アンコウはくすりと笑う。べジーよりも、年配のドルングのほうが体力があるようだ。

 

「ドルング、ここがどの辺りかわかるか?」

「……樹林の北東最奥境界ですね。お気づきでしょうが、向こうの山林に入ればもう魔素地帯です」

 

 ドルングの言う向こうの山林は、アンコウの目にも全く光を放っておらず、ツゥンツァイ樹林と魔素の山林の境目は、文字通りアンコウの目には一目瞭然であった。

 

「ああ。魔素濃度自体はかなり薄いみたいだけど、奥へ進めばどうなっているんだ」

 

「東は先に進んでも、ずっと魔素濃度は薄いままです。また、この東の魔素地帯の2/3までほどは、こちら側の管轄地ですが、それ以上東は隣のロワナ領になります」

 

 現在ロワナとの間に、取り立てていさかい事はない。ただ、魔素の森の存在もあって、交流が盛んに行われているわけでもなかった。

 むろん、抗魔の力を持つアンコウたちなら、この程度の魔素濃度地帯であれば、問題なく活動できる。

 

「むこうもこっちも田舎ですからね。商売人はみんな南に行きますよ。そっちのほうが儲かりますから」

 と、べジーが言っていた。

 

 二人と話をしながら周囲の確認をしていたアンコウが、ふと首をかしげた。

「……ん?」

 ゆっくりと、立ち上がるアンコウ。そして、そのまま歩き出す。

 

「アンコウ様?」

「た、大将、もう休憩は終わりですかっ」

「……いや、ちょっとな」

 

 今度は別に走りはしないが、アンコウはしばらく歩き続けてから立ち止まった。

 

「……やっぱり」

 

 アンコウが、じっと見つめている魔素地帯側の山林を、あとをついてきたドルングが覗きこむ。

 

「ほう、そこに獣道がありますね」

「……光ってるんだ」

「えっ?」

 

 アンコウの目には、その獣道も光って見えていた。正確に言うと、土が光っているようで、約幅3mの光の道がツゥンツァイの樹林から魔素の山林に向かって伸びており、その光道の中に獣道もある。

 

「……どういうことだろうな」

「今度は樹林の外なのに光っているんですか?」

「ああ、土が光って道みたいに伸びている」

 

 アンコウが、その獣道のほうに歩き出す。

 

「ア、アンコウ様っ、行かれるのですか?」

「ん、まぁ、ここまで来たんだからな。ついでにちょっと見に行くよ」

 

 正直、何かあるかも、などという勘がアンコウに働いたわけではない。ただ多少、好奇心が刺激されただけ。

 

 ガサゴソと、山林に分け入ってしまえば、そこはもうツゥンツァイの樹林の外、魔素漂う地帯になる。左右が茂みに覆われている獣道の入り口をくぐり抜ければ、かなり視界が広がる場所に出た。

 

 この山林の木々の生え方は、ツゥンツァイ樹林と比べるとかなり間隔があり、月星の明かりも届きやすい。ドルングとべジーも、かなり移動しやすくなったようだ。

 

「た、大将、また走るんでしょうか?」

「いや、走るのはもういい」

 

 衝動的に走り続けたアンコウの気持ちも、すっかり落ち着きを取り戻している。

 それを聞いて、ホッとするべジー。さすがに抗魔の力があるといっても、あのマラソンペースで何時間も走り続けられては限界も超える。

 

「アンコウ様っ、」

 何かに気づいたドルングが声をかけてきた。

「何だ」

「ここには魔素がないようなのですが……」

 実に不思議そうな顔をドルングがしている。

「本当だ」

 と、べジーが同調する。

「普通の動物の通り道ができてるんだから、魔素がなくて当たり前だろ」

 

 人以上に普通の野生動物は、魔素の地に入ることを嫌う。

 獣道についている足跡は魔獣のものもだけでなく、普通の動物のものと思われるものもあった。

 普通の動物たちの中にも、魔素に適応している種や個体もいるのだが、この獣道に残されている足跡のものは違う。

 

 ドルングとべジーが戸惑うのは無理もない。彼らはこの魔素の山林に、このような無魔素の道のようなものがあることなど知らなかった。

 彼らがロワナ領に行くときには、いつもこの魔素地帯の山林を通り抜けている。

 

 ただ魔素地帯とはいっても、魔素濃度は薄く、魔獣も低レベルのものしか出ないため、魔素があっても二人が移動するうえで、これまで何ら問題が生じたことはなかった。

 

「アンコウ様の言う光っている道には魔素が入り込めないのか、いや、ここもツゥンツァイ樹林の続きなのか?」

「でも、ドルング隊長。ここにはツゥンツァイの木はないですよ」

 

 ドルングとべジーも、歩きながら互いの疑問をぶつけ合っているが何ら結論は出ない。

 

「……アンコウ様、これは一体どういうことなんでしょう」

 

「さぁ、俺には何もわからない。ただ、俺の目にツゥンツァイの森が光って見えていたのも、この辺りの地面が同じように光って見えているのも、今起きたことじゃなくてずっと昔からなんだと思う。気づく者が少なかっただけでさ。

 だとしたら、見方によれば、いつもどおりのことで、何も不思議なことは起こっていないとも言える。一番我を忘れてた俺が言うのも何だがな」

 

「「…………」」

二人はアンコウが言ったことの意味を黙って考えていた。

 

「……では、アンコウ様はなぜ今もここを歩いているのですか?」

 その質問にアンコウは、

「今はもう、単なる興味本位」

 と、即答した。

 

「そ、そうですか」

 

「おっ!」

 と、アンコウが声をあげる。

「今、あの離れた木の根元にスライムがいたぞ。すぐに見えなくなったけど」

 

「こちらの気配に気づいて、逃げるか隠れるかしたのでしょう。我々の気配に気づけば、ここの魔獣なら逃げるもののほうが多いでしょうから」

「………そうか。じゃあ、ちょっと二人とも覇気を抑えてみてくれるか?この辺りの魔獣をちょっと見てみたいんだ」

「大将、それも興味本位ですか」

 

 アンコウはべジーのほうを見て、「そうだ」と答えながら、ニヤリと笑った。

 べジーは少し可笑しそうに、ドルングは少しあきれた感じで、それに従った。そして、しばしアンコウたちは、山林に伸びる光の道に沿って歩き続けた。

 

 

(おっ、出た出た)

 それなりに速いスピードで歩いていたアンコウの足が急に緩まる。

 

 アンコウの目には、こちらに近づいてくる2匹の青いスライムの姿が映っている。アンコウは足を止め、後ろの二人もそれに従う。

 

 スライムたちは、魔素の山林と無魔素の光の道の境目まで来て動きを止める。スライムのような低ランクの魔獣なら大抵のものが、ある程度無魔素地帯での活動が可能だ。

 

 魔獣は、無魔素地帯での活動能力を持つものであっても、本能的に魔素地帯から抜け出ることを忌避する。

 しかし魔獣と呼ばれる存在は、人種を襲うという衝動がより強く本能に刻み込まれており、覇気を抑えたアンコウたちを目の前にして、スライムたちは若干(じゃっかん)逡巡(しゅんじゅん)をみせたものの あっさりと境界を越え、アンコウにむかって飛びかかってきた。

 

ザザッ、ビシュッ!ビシュッ!

 

 アンコウはわずかな動きで一匹目をかわし、二匹目もかわした瞬間、腰の魔戦斧を引き抜いた。

ザシュッ!

 抜き打ちざまの魔戦斧の一撃で、スライムのからだは破裂したかのように飛び散った。

 

 アンコウの強さを感じたもう一体は、再び襲いかかろうとはせずに、光の道をはさんで逆方向の魔素の山林に飛び込んだ。しかし、一瞬でアンコウに追いつかれてしまう。

 

ザアンッ!

 魔戦斧の刃が逃げるスライムのからだを斬り裂き、そのまま大地をえぐる。当然、そのスライムは死んだ。

 

―――

 

「大将、この魔石はどうしましょう?」

 スライムの魔石を手に持ったベジーが聞く。

「やっぱり小さいし、魔力も薄いな」

「ハハッ、スライムですし」

 

 べジーの言うとおり、スライムとしては当たり前の魔石の質と大きさなのだが、アンコウが頭の中で比べていたのは迷宮で倒したスライムから取れた魔石。

 同じ種類の魔獣、同程度の強さの個体がドロップする魔石であっても、地上の魔素地帯よりも迷宮の魔石ほうが一般的に大きく含有魔力も強い。

 

(特に含有魔力は、迷宮のスライム魔石と比べれば半分程度か)

 故に、魔獣狩りを生業《なりわい》にする冒険者たちの主な狩り場は、自然と迷宮(めいきゅう)になる。

 

「魔石はべジーが持っていてくれ」

「はい、わかりました」

「じゃ、行くか」

 と、アンコウは山の奥へと、また歩き出す。

 

 どうやらアンコウは、このまま移動しながら、魔獣狩りを楽しむつもりらしい。

 ドルングとべジーも、最早なにもアンコウに言うことなく、ついていくことにしたようだ。

 

 

―――――

 

 

「グギャアー!」ドサァン!

「よしっ。ドルング、べジー!そっちにいった奴らを頼むっ!」

「はいっ」と、二人は了承。

 

 ドルングとべジーは、逃げてきた二匹のゴブリンの前に素早く立ち塞がる。二人が手に持つ武器は、共に両刃の長剣だ。

 

「ギギッ!」

「ググッ!」

 

 ドルングもべジーも、抗魔の力を持つ戦士。この程度のゴブリン相手に遅れをとる要素はなにもない。

 一撃、二撃と確実にゴブリンに剣刃を食い込ませていった。

 

「グギャアー!」

「ゴブゥゴブウー!」

 

 掠り傷ひとつ負うことなくゴブリンたちを倒した。

 辺りを見渡せば、夜の闇はかなり薄れ、暖かさを持つ太陽の光が周囲を照らしはじめていた。

 

「べジー、こっちのゴブリンたちからも魔石だけは取っておいてくれ」

「はい、わかりました」

 

 べジーとドルングが、アンコウのところへやってくる。

 

「ずいぶん明るくなってきたな。今の戦闘中に完全に地面が光らなくなったよ」

「さようですか。では、これからいかがしましょう。アンコウ様」

 

「……太陽のせいで地面の光が消えても、光の道が通っていたところは魔素がないままだからな。どこに光の道が通っていたかはわかる。

 ドルング、俺たちが今どの辺りを歩いているかわかるか?」

 

「先程も申しましたが、私もこのような場所を通るのは初めてで、正確な位置はわかりかねます。しかし、もう確実に領境を越えていることは間違いなく、この魔素地帯の山林の東端が近いのではないかと思います」

 

「へえ、ずいぶん歩いたんだなぁ。じゃあ、ここはもうロワナ領なんだな。…ん?」

 

 アンコウはその時、足元のもう光らなくなった地面が何やらモコモコ動いていることに気づいた。魔戦斧のスピアーヘッドの先で、アンコウがそのモコモコをほじくると、

 

「!おっ、ネイマか」

 ポロンと丸々太ったネイマが出てきた。

 

 土から出てきた時は、まだうっすらと光って見えたネイマだったが、太陽の光にさらされた瞬間、アンコウの目に映っていたネイマがまとっていた光は消えた。

 

「これは、ネイマですか?」と、ドルング。

「ああ。……おおっ!」

 

 地面のモコモコは一ヶ所だけじゃなかった。あちらこちらの地面がモコモコしている。アンコウが、それらを同じようにほじくりかえすと、ネイマが次々にポロンポロンと姿を現した。

 

「た、大将。このモコモコが、全部ネイマなんですか」

 べジーが驚いて、辺りの地面を眺めている。

「みたいだな。……光の道はネイマの通り道だったのかもな」

 

 

 

 そして、ドルングが言ったとおり、昇る朝日の中、アンコウたちがしばらく歩くと、その眼下にツゥンツァイの木々が生い茂る森が見えてきた。

 それは、アンコウたちがやって来たコールマル北東部にあるツゥンツァイの森ではなく、ロワナ北西部にあるツゥンツァイの森だった。

 

「アンコウ様、これはどういうことでしょう?」

 

「コールマルとロワナのツゥンツァイの樹林は光の道でつながってたってことだろ。ネイマが通るから地面が光るようになったのか、土が光るからネイマの通り道になったのか、どっちの森が先にできたのかは知らないけど。

 ネイマはツゥンツァイの樹液しか食べないらしいから自然にそうなっただけなんじゃないか。いずれにしても、ただの自然現象の結果な気がする」

 

「そうですね。しかし、ロワナ領側のツゥンツァイの森まで来てしまいましたが、これからどうされるのですか?」

 

「ロワナとはうまいことやってんだろ?せっかくここまで来たんだ、取っ捕まる心配がないのなら、こっちの様子も少し見ていきたいかな」

 

「……それも、興味本位でしょうか」

「まぁな」

 

 アンコウはいたずらっぽく笑った。

 ドルングは致し方ないとばかりに、軽く息を吐いた。

 

「あの、大将」

「何だ、べジー」

「たぶんですけど、まだ少し離れているとは思うんですが、自分の婚約者がいる村が、この森を抜けた先にあると思うんですよ。そこに行ってみるっていうのはどうですか」

「おい、べジー!公私混同をするんじゃないっ」

 ドルングがいきなり叱責するような口調で言った。

「い、いや別に公私混同してるってわけでは……」

 

 そんな二人のやり取りを見て、アンコウは少し意地悪そうにベジーに聞く。

「何だベジー。お前は俺をダシに女に会いに行くつもりなのか」

「い、いやっ、そんなっ」

 焦る様子のベジー。

 

「まったくです。べジーの奴は、自分がその婚約者の娘に会いたいから、その村に行きたいだけなんですよ」

「ちょっ、ドルング隊長っ!別に彼女に会いたいから言ったわけじゃないですよっ」

 

 あたふたと否定するベジーを、ドルングはなま暖かい目で見ていた。

 

「ぐっ……そ、それは確かに、せっかくこんなところまで来たんだから、ちょっと会いに行きたいとは思いますけど……」

 

 その二人のやり取りを聞いて、アンコウは、

「あははは」と、笑いだし、べジーの彼女の顔を見に行くことに決めた。

 

 

「しかし、アンコウ様、」

「いいから、いいから。どうせ目的があって、ここまで来たわけじゃないし、急いでクークに戻らないといけない理由もないんだ。とりあえず、その村に行ってみよう」

 

 これもまた、アンコウの『興味本位』であった。

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