ダンボール戦機×装甲娘 セイバークライシス 作:謎のコーラX
ある日、琉我とカリナとレナークはある辺境の山奥に侵入したワールドセイバーが作り出した巨大機械生物、アベルサーヴァンツ、通称アベルツの掃討に向かっていた。
「や、やぁ!」
レナークはおぼつかない剣でアベルツを一体真っ二つして破壊した。
「やるね、私も!」
カリナも連続で槍を円上に突いていき、群がっていたアベルツを破壊した。
「ふぅ、これで全部かな、こっちも私の勝ちだね」
「やっぱり凄いですアキレス、ワタクシまだまだです」
「そうかな?、私と違ってレナちゃ、じゃなくて、シンちゃんはアベルツの攻撃一回も受けてなかったよね」
「え?、あーそれは、そうでした、ワタクシ避けるのだけは上手なんですよ」
レナークは少し困ったような素振りをした後、そう話しだした。
「そっか、でも私との模擬戦のときは当たっていたよね」
「それはワタクシが人間の動きに慣れていないのと、カリナが強いということです」
「そう?、私強いか!、うーんでもエンペラーさんほどではないからなー」
「アキレス シン・エジプト、無駄話してないで指揮車に乗り込んで、こんな山奥で過ごしたいなら別だけどね」
「「はーい」」
「あ、残るんですねじゃあ」
「「そうじゃなくて!」」
○
指揮車で帰る道中、琉我アキレス シン・エジプト3人は座席に座り、真ん中に置かれた長机で軽くLBXを操作して遊んでいた。
「ふむふむ、流石にちょっと慣れてきたかも」
琉我は俊敏にLBXを動かして見せる、それを見たアキレスとシン・エジプトは拍手を送る。
「ふふ、ありがとう……さて、すみません運転手さん、指揮車止めてもらっていいですか」
「えっ?、あはい、でもこんなところで良いんですか?」
そこは山を降りる道路の中腹、とてもじゃないが人が来ることはまずなく、止めるメリットなどない。
「良いって良いって、降りるときは電話するから、ね?」
「わ、わかりました」
指揮車が止まり、ドアが開く、琉我はそこから道に降りる、アキレスは一緒に降りようとするが、琉我に止められる。
「アキレスは来なくていいよ、私個人で用があるんで」
「で、でも」
「アキレス、ここは隊長に従ったほうが良いと思うんです、ワタクシもアキレスも疲れてますし」
「……うーん、シンちゃんがそう言うなら、隊長、じゃあ用が済んだらすぐに帰ってきてくださいね」
「ん、わかったわかった、なに、ちょっとした確認だよ、アベルツがまだいたりとかあるかもだし、まぁそんときは逃げるし、じゃ、しっかり休んでね、アキレス」
指揮車のドアが閉まり、指揮車は走り出し遠くまでいくと、琉我は大きく欠伸をかいた、そのとき。
「オラァァァ!」
空からそのような咆哮と共に、琉我に螺旋を描く光線に飲み込まれる。
アキレスだけは琉我がいた場所で何かが爆発した様子が見えた。
「た、隊長!」
アキレスは急いでLBCSを身に着け、指揮車から飛び出した。
琉我がいた大穴に一人の暗い青の鬼のような鎧の目を仮面で隠れた少女がやってくる。
「ふん、やはりこの程度か、不意打ちは好みではないが、これを避けれないならあいつの実力はそんなものだったろう」
少女はその場から去ろうと振り返ると、そこにはファントムのLBCSを纏った琉我がいた。
「ふむ、やはりハカイオー怒愚魔だよね、あなたが噂のワールドセイバーの装甲娘の精鋭、セントラルセイバーかな」
一年前、あるクランに所蔵していた少女 ヤナギハラ・アイノによりハカイオー怒愚魔を始め、アイノが所持していたナイトメアフィアー ダークパンドラ ブラッディリボン ビビンバードカオス、そしてシャドールシファーの計6機。
いずれも強力な性能であり、それをワールドセイバーに奪われたとあって、アイノの所属していたクランは解散を余儀なくされた。
「ははは!、そうだよな、それくらいはしてくれないと奇襲した意味もない!」
「叫びながらの奇襲とは随分と個性的な方法だね、まいいや、見せてくれないかな、怒愚魔の性能を」
この二人、自分本位でまるで会話する気無しである。
「言われなくても!」
怒愚魔は2本の大剣を軽々と何度も琉我に振り下ろす、一撃一撃が道路を粉砕するが、
「おらよ!」
怒愚魔は飛び退き、右手の大剣を投げつける、それを琉我は槍でいなした。
「かかった!」
その大剣の後ろからグレネードを投げていた、グレネードは爆発するも、琉我はただ砂を払うだけでヒビすら入ってない様子だ。
「まぁこんな感じか、ほら」
「……」
琉我は大剣を差し出す、怒愚魔は疑いつつも、ゆっくりと近づき、大剣を受け取った。
「じゃ、次は私の性能を試すとしようかな、ほらほら、防御態勢に入って」
「はぁ?、お前のテストに何故オレが」
それでも、怒愚魔は咄嗟に腕を交差させ防御態勢に入る、
「うん、やはり持ってるよね」
琉我は腕のガード越しに怒愚魔を天高くまで蹴り上げた。
「ぬぉぉお!?」
空中にいながらも体制を整え、両手の大剣に力を込める。
「ツインパワースラッシュ!」
十字の衝撃波が放たれ、琉我に向かっていくが琉我は羽を閉じ、ステルス機能を使い、姿を隠し、衝撃波も空を切り、道路に十字の穴があく。
「なっ!?」
「ライトニングランス」
琉我は再び怒愚魔の背後に現れ、青白い光線が槍から放たれ、山の頂上にある、開けた場所まで怒愚魔を吹き飛ばした。
何度か怒愚魔はバウンドしながら、木にぶつかり止まる。
「ぐっ、このクソが!」
怒愚魔は立ち上がり、悪態をつく、琉我は優雅に地面に降り立ち、腕を組む。
「ふーん、硬いね、攻撃は強くても当たらなければどうにもならんぞ」
「はん、まだオレは本気じゃねぇぞ」
「あそ、じゃあ早くしてね」
「隊長!」
琉我と怒愚魔が構えたそのとき、木陰からLBCSを纏ったアキレスがその姿を見せた。
「……えー、どうしよう」
琉我はこの戦闘中、初めて焦りを覚えたのであった。