ダンボール戦機×装甲娘 セイバークライシス    作:謎のコーラX

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2章 アテナス姉妹クラン交流会
7話 プロローグ セカンドケース筆頭プレイヤー


訓練用アベルツ。

 

それはアベルツの残骸から作り出されたセーフティ機能がついたアベルツであり、ツギハギがどころどころに目立ち、脆そうに見えるが、戦うとこれが手強い。

 

実際のよりは凶暴性は劣っているが、それなりの高性能のAIで動いているために、効率的な攻撃を仕掛けてきて、訓練用とは名ばかりの代物だ。

 

マスターグレードクラスのLBCSでも倒すのに時間がかかることから、訓練に投入される数は少なめになっている。普通なら3から5体、慣れてきたら10体などに調整される。それ以上と戦うやつはかなり少数だ。

 

北海道に建設されたLBXクラン、アテナス セカンドケース。

 

そこはファーストケースよりは設備は整ってはいないが、質はそれ以上で、大会に優勝してる選手が多い、小さめのやつだが。

 

こちらもその地下に装甲娘育成の設備が配置され、広々とした訓練場がある。

 

今回投入された訓練用アベルツはなんと100、そのどれもが破壊箇所が小さめなもので、本来の機体性能に近いものとなっている。

 

本来ならば複数人用の数ではあるが――そのアベルツは今、最後の1機がその山の天辺に放り投げられた。

 

「はー、こんなもんかー」

 

そこにはたった1人だけが立っている、両手にはそれぞれ可変式のビームブレードが握られ、白と赤で構成された鎧を身に纏っている。

 

傷らしきものは無く、頑丈なLBCSだとはいえ、凹みも掠った跡さえない、完全なノーダメージで彼女はそこにいる。

 

LBCSを解き、そのLBCSと同じ赤く、長い髪をばさっとかきあげ、大きく伸びをすると、訓練場の扉が開き、一人の男性がスポーツドリンクを持って訓練場に入ってくる。

 

赤の髪と、オレンジの髪で構成された頭、鍛えられた身体は一般人とは思えない存在感があり、服装もラフな感じであるが、その姿勢はまっすぐで、ブレがない。

 

彼こそはセカンドケースの隊長、元A国軍人のLBXの特殊部隊、ファイアースウィーツの隊長であった人物、ジャック・ジェラートである。

 

「お疲れ様だ、イプシロン……いや、今はドットブラスライザーだったな」

 

「ありがとね、ジャックさん」

 

ドットブラスライザーの少女はジャックからスポーツドリンクを貰い、ストローを勢いよく吸う。ものの数秒でストローからずぞぞという空を告げる音が聞こえ、空のスポーツドリンクの容器をジャックに返した。

 

「運動能力、技術、知能、どれをとっても高校生とは思えない結果だ。例え私が装甲娘なれても100のあのアベルツを相手に無傷は無理な芸当だ」

 

「お世辞は後で聞くよ。で、ジャックさん、決まったかな、ファーストケースとの交流会の日程」

 

「あぁ、明日の土曜日に決まった。場所は森林訓練場だ」

 

それを聞いたドットブラスライザーの少女は目を輝かせる、口角が上がり、身体は震える。明らかにワクワクといった感情が全身で表現されている。

 

「楽しみだなぁ、いったいどんな()()を持っているんだろ」

 

あれほどの運動をした後だというのに、彼女はそれを感じさせないほどに動けそうな様子だ、汗はLBCSの機能でかいていないため余計に運動後に見えない。

 

「はは、やはり凄いなドットブラスライザー――アマミヤ・ソラ」

 

ジャックはその様子を見て、感嘆しているのであった。

 

 

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