呪術師としてパーティーに貢献してたのに、裏切られて殺されかけたので呪いで復讐してやる。美人で優しい幼馴染だけは見逃してやろうと思ったけど、今さら告白されたってもう遅い   作:木村直輝

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サブタイトルの解説
「報復絶倒」と「クラース」の解説


 

【ネタバレ】

 

※【結末】に関する【重大なネタバレ】が含まれています。

 私としましては、興味を持って頂けたのであれば、先に本編をお読み頂けると甚だうれしく思います。

 

 

 プロローグのサブタイトル「報復絶倒」。

 これが第一話のサブタイトルにも見られる四字熟語「抱腹絶倒」をもじったものであるということは、きっとおわかり頂けているのではないかと思います。

 

 しかし、このサブタイトル。

 あのプロローグの内容とは、少しズレているように感じなかったでしょうか?

 

 

 タイトルやあらすじから考えれば、「報復絶倒」はアモールの「“報復”して“絶”対に“倒”す」という決意を示していると考えるのが自然でしょう。

 しかし、あのプロローグはアモールが仲間から攻撃を受け倒れるところで終わってしまいます。

 復讐を誓うのは続く第1話「抱腹絶倒の目覚め」の最後。

 そう考えると、プロローグの内容とはズレているように思えませんか?

 

 もちろん、物語全体の内容や結末を暗示したサブタイトルをプロローグに冠するというのはありだと思いますし、実際にそういう意味を込めたという部分もあります。

 しかし、プロローグ自体の内容とズレてしまっているサブタイトルは、ちょっとサブタイトルとして残念だとは思いませんか。

 実はこの「報復絶倒」には、もう一つの意味があるのです。

 

 

 それは、第9話「ほうふくぜっとうのこくはく」まで読んで下さった方ならおわかり頂けるのではないでしょうか。

 

 プロローグまでしか読んでいないと、冒頭は“不当な評価の果てにアモールが殺されかけた”という「追放もののテンプレ」展開のように見えますが。

 第9話まで読むと、実はあのプロローグは“アモールによって苦しめられた仲間たちによる報復”のシーンだったことがわかります。

 

 プロローグのサブタイトルである「報復絶倒」は、仲間たちによって「“報復”を受け“絶”対絶命の状態で“倒”れた」アモールを示していたのです。

 

 そう考えると、アモールが倒れたところで終わるプロローグの内容を直接的に表したサブタイトルになるのではないでしょうか?

 

 あのサブタイトルは、真実を知ることでその真の意味が明らかになるサブタイトルだったのです。

 

 

 さらに、もう一つ解説を――。

 

 第1話の後で私が、「抱腹絶倒の目覚め」って「絶倒(倒れてる)」なのに「目覚め(起きてる)」なのめっちゃ面白くないですか(笑)?! などと言っていましたが。

 

 続く第2話「目覚めたならクラース」でアモールが出会う少女、クラース。

 彼女の名前の由来はラテン語で「明日」を意味する「cras」です。

 

 目覚めたなら明日――。

 というわけで、復讐心で目覚め起き上がり歩み出したアモールはクラースと出会い、彼女に希望を抱き、絶望し、最後にはクラースを自らの手で終わらせて、夜明けを目前にして黄泉蔵の奥深くに潜っていきます。

 なんとも暗示的ではないでしょうか……。

 

 単に『Tomorrow』という曲をイメージして「クラース」が登場する物語を選んだだけだったのに、まさかそんなことになるとは……。

 書いた自分でもびっくりです。

 

 執筆後、久しぶりに聴いてみた『Tomorrow』は、英語版も日本語版も、作中のクラースと重なる歌詞で、明るい曲の雰囲気が、より本作の悲しさを強めました。

 おすすめの曲なので、よかったら聴いてみて下さい。

 

 有名な曲ですが、本作と重ねて聴くと、また違った味わいがあるはずです。

 

 

 

 

【YouTubeより】

 

映画『ANNIE/アニー』楽曲クリップ“Tomorrow”

https://www.youtube.com/watch?v=qNl6fYHqDpw

 

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