戦闘力(攻撃力)が違うんだよ!(仮題) 作:UFOキャッチャー
10年越しとも言える幼馴染との再開をした城壁は予想だにしなかった再開に最初は驚いていたがそれもすぐに落ち着く。そして試験終了後、2人は久しぶりの再会に話を弾ませていた。
「久しぶりだなー梅雨ちゃん!元気にしてた?って元気じゃなきゃここにはいないか!ダッハッハッハッ!」
「ええ、本当に久しぶりね。不落ちゃんも元気そうで何よりだわ。あのとき不落ちゃん急に引っ越しちゃうもの」
「それに関してはごめんね、あのときは色々あったから」
「けろ……あのとき私…不落ちゃんに対して何もできなかったわ」
蛙吹と城壁がまだ幼いときに巻き込まれた誘拐未遂事件及び首謀者殺人事件。その2つの事件の1つ誘拐未遂事件解決後、事件の噂に尾ひれがつきまくり城壁に対して始まった同園生によるいじめに蛙吹は何もできずにいたことに罪悪感を抱いていた。自身も事件の関係者なのにいじめの対象は城壁のみ…それこそ当時の蛙吹は事件の噂は違うと主張していたのだが周りはそれを信じず、城壁に脅されているだ何をされたのだと逆に聞いてくる始末だった。
人というのは都合のいい情報を好みそれを本当の事だと信じこむ単純な生き物である。子供は特にそうだ、しかしこれはまだ思考能力が十分に発達していない子供には難しい話である。その子供が狭い視野にならないために大人がいるのだがこの大人も子供と同じ視野になっていたら意味がない。
これが城壁が通っていた幼稚園では起きていたため城壁は東京へ引っ越したのであった。蛙吹この言葉を聞いた城壁は不思議な顔をしながら言う。
「梅雨ちゃん別に何も悪くなくね?」
「けろっ!?…で、でも私がもっと皆に強く主張できていたら…」
「んー…でも梅雨ちゃん何とかしようとしてくれたんでしょ?それだけでも俺嬉しいよ!」
「――!…………けろぉ…」
「嬉しいよ!」この言葉を聞いた蛙吹は心に衝撃を受け体が急に軽くなるような感覚を感じる。そして目じりが熱くなり涙が薄っすらと浮かぶ。それを見た城壁はアタフタと慌てるが何とかして蛙吹の気持ちを落ち着かせようとする。5分後、女子を泣かせているのか?という疑いの目線を城壁は受けながらも何とか蛙吹の気持ちを落ち着かせることができ一安心する。その後は互いの連絡先を交換し最寄りの駅まで一緒に還りその日を終える。
それから1週間後、自宅の郵便ポストに雄英高校からの合否通知が届く。通知を自分の部屋に持っていき封筒を開ける。封筒の中には薄い円形の機械が入っておりスイッチらしき部分を押すと映像が投影される。その投影された映像には日本で逆に知らない人は何人いるのかという程の有名人が映っていた。
『私が投影された!!』
「おぉ!オールマイト!…えっなんで?」
『なんで私が映っているかって?それはこの度私が雄英で教師を務めることになったからさ!おっと話がそれたね。では本題に入ろう!まず合否だが城壁少年…文句なしの合格さ!
「うおぉぉおおっしゃああああああ!!」
『来いよ城壁少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!!』
日本トップヒーローに言われ感極まる城壁。あまりの嬉しさに近所に響く程の大声をあげてしまい母親から叱られてしまうのであった。
それから日が経ちついにやって来た雄英入学日。新品の制服に身を包みながら電車を乗り継いで雄英の最寄りの駅に到着。到着してから出入り口付近で辺りを見回す城壁。誰かを探しているようだが見つからないためその場で待とうとすると、後ろから肩をトントンと肩を軽く叩かれる。後ろに振り返るとそこにいたのは同じ雄英の制服を着た蛙吹だった。
「おはよう不落ちゃん。待ったかしら?」
「おはよう梅雨ちゃん!俺も今しがた着いたばかりだよ!あと制服似合ってるね!」
「ありがとう不落ちゃん。不落ちゃんも制服似合っているわよ」
「サンキュー!それじゃあ行こっか」
「ええ!」
あらかじめ駅で待ち合わせを決めていた2人は無事合流すると挨拶を交し新しい学び舎、雄英高校へ向けて足を進める。雄英へ向かっている途中2人はこれからどんな学校生活が始まるのか楽しく話しながら歩く。そうしているとあっという間に到着し、2人は下駄箱で新しい上履きに履き替え通路にある掲示板でクラスを確認し教室に向かう。教室前に着くとドアの大きさに少し驚きつつも開け中に入ると、メガネをかけた生徒が2人に早足で向かってきて元気よく挨拶をしてくる。いきなりの挨拶に戸惑いつつも何とか挨拶を返す城壁だったが蛙吹は動じておらず普通に返していた。
――1年A組・教室――
「俺は切島鋭次郎!これからよろしくな!!」
「俺は上鳴電気!これからよろしく~!」
「城壁不落だ、これからよろしく切島、上鳴!」
「なあ城壁、おめえもしかして実技試験のときロケットパンチ飛ばしてなかったか?」
「えっ何なに?ロケットパンチってなんだよ!?」
切島の質問に肯定の答えを返す城壁。それを聞いた切島は目を輝かせマジかよ!と嬉しそうに驚く。どうやら切島とは同じ試験会場だったようだ。上鳴に事の詳細を話すと彼も目を輝かせながらテンションを上げ驚いていた。それからいろいろ話を弾ませていると教室のドアが乱暴に開けられる。教室に入ってきたのは目つきが悪く頭髪がツンツンとしており見た目は完全にヤンキーの男子生徒であった。彼はそのまま自分の席を確認し椅子に座ると足を机に乗せる。その行為を見た飯田がシャカシャカとした動きで注意しに行く。
「机に足を乗せるな!雄英の諸先輩方や机の制作者に申し訳ないと思わないのかね!?」
「あ˝ぁ?なんだてめぇはいきなり!思わねぇよ!どこ中だよ端役が!!」
「ぼっ…俺は市立聡明中学出身!飯田天哉だ!」
「聡明~~!?クソエリートじゃねぇか!ぶっ殺し甲斐があるな!!」
「ぶっ殺!?君酷いな本当にヒーロー志望なのか!?」
ヒーロー志望とは思わぬ言動に驚く飯田。10人中10人が飯田の言葉に賛同するだろう。そのやり取りを見ていると今度は教室の入口の方から別の声が聞こえる。そこには黄色い寝袋に入って廊下に寝転んでいる男がいた。男は飲料ゼリーを口にくわえ一気に吸い上げると言葉を続ける。
「はい、静かになるまで8秒掛かりました…時間は有限、君たちは合理性に欠けるね…担任の相澤だ、よろしく…」
(((((担任……!?)))))
どうやら城壁たちの担任教師らしく名前は相澤。彼は寝袋から出て立ち上がり軽く自己紹介すると今度は寝袋の中から雄英の体操服を出し全員グラウンドへ行くように指示を出す。生徒達は少し動揺しながらも指示に従い着替えてグラウンドへ向かう。
――グラウンド――
「「「「「個性把握テストォォォ!!?」」」」」
「君らも中学のときやってるだろ?個性禁止の体力テストを。国は未だに画一的な記録を取って平均を作り出している実に合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるためにはそんな悠長なことはしてられない。雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側も然り」
「「「「「………………」」」」」
「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「…67m」
「じゅあ個性使ってこれ投げてみろ。円から出なきゃ何してもいい…思いっきりな」
「んじゃまぁ……死ねぇっ!!!」
ボォンッ!!
投げつける瞬間に起きた爆発。それによって生じた爆風に乗ってボールは遥か彼方へ飛んでいき相澤の持っていた端末にボールの飛距離が表示される。結果は705.2m、その結果を聞いた生徒達は当然ながらまだ15~16歳の子供であるため沸き立つ。
「すげー!」「なにこれ面白そう!」
「700ってマジか!」「個性思いっきり使えるんだ流石ヒーロー科!!」
個性が自由に使えることに興奮するA組生徒。そんな興奮する生徒を見ながら相澤は生徒が言った面白そうという言葉に反応する。
「面白そう…か。ヒーローになる為の3年間そんな腹づもりでいるつもりか?」
「「「「「…!?」」」」」
「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」
「「「「「はあああああっ…!?」」」」」
突然の除籍宣告に驚きを隠せないA組生徒。当然その宣告に対して抗議するが…
「最下位除籍って!?初日ですよ!?いや初日じゃなくても理不尽すぎる!!」
「自然災害…大事故…身勝手な
(洗礼というには重すぎる、これが最高峰!やるしかない!)
(もっと行けんな…!)
(ヤベー…大丈夫かなー…)
初日から除籍という圧に晒されながらも個性を使った体力テストが始まる。
――50m走――
〘3秒04!〙
計測用ロボットがタイムを告げる。この記録を打ちだしたのは飯田。城壁が教室に入ったとき一番初めに話しかけてきた生徒だ。彼の個性はエンジン!その名の通り足が速くなる!まさに水を得た魚だ!
「次、口田と城壁」
「隣よろしくな口田!」
「………!」
言葉は話さず色んなジェスチャーをして挨拶を返してくる口田。そんな彼を見て城壁はシャイなのかなと思いながらスタート位置につき体勢を整える。2人の準備が整うとスタートの合図が切られ走り出す。城壁は自分の個性で出来る事は特に思いつかなかったので全力で走り切る。
「うーん、機動力は今後の課題だな」
記録7秒07
――立ち幅跳び――
「オラアッ!!」
ソフトボール投げで700mという記録を出したツンツン金髪ヘッドの男子が、立ち幅跳びを爆破で飛び続けてまたもや大記録を作り出す。そんな彼の動きを見て城壁はあることを思いつく。城壁は飛び位置に着くと両手を地面に向けるように後ろに回して、飛ぶ瞬間に
「下が砂でよかった…」
「おい城壁、爆発で出来たくぼみ…直しとけよ」
「イエッサー…」
記録5m31㎝
――反復横跳び――
頭がブドウのような生徒が残像が出来そうなくらいの速さで反復横跳びをしている。その光景を見て少し笑いながらも反復横跳びをする。個性は生かせないので普通にやり記録は63回。
記録63回
――握力測定――
「540㎏ってマジか!あんたゴリラ!?いやタコか!」
「パワータイプの個性なのかな…?」
540㎏という記録を出したクラスメイトの個性を推察しながら普通に握って計測する。
記録45㎏
――上体起こし――
胸がホントに高校生なのかと疑うほど大きいポニーテールの女子クラスメイトが、背中にバネを作り出してビヨンビヨンと跳ねながら上体起こしをする光景を見て酔わないのかなと思う城壁。あと頭がブドウのような男子がとてもイヤラシイ目でその上体起こしを凝視していたが、何も言わずにスルーして切島と一緒に上体起こしをするのであった。
記録40回
――長座体前屈――
「梅雨ちゃんのベロそんなに伸びるんだね」
「そうね、だいたい20mくらい伸びるわ」
「20mかー…20mは無理だけど10mは行ける!」
そう言いながら座り体を前へ出来るところまで傾けるとそのままストロング
記録10m41㎝。
――ソフトボール投げ――
「えいっ!」
手の指に丸い肉球がある女子がボールを投げる。肉球女子が投げたボールはゆっくり上空に上がっていき見えなくなる。そして相澤の持っている端末には∞と表示され驚きの声が上がる。
「無限!?」「すげぇ無限でたぞ!」
「次、城壁」
「はい、無限の後かぁー…できればその前がよかったなー」
「早くしろ」
「うす」
城壁は円の中に入るとまずボールを個性で体内に収納し右の掌の大砲に装填し、右腕を大体斜め45度くらいの角度で構える。
「
ドォンッ!という大きな音が響き発射されたボールは勢いよく飛んでいく。それから数秒経つと相澤が持っている端末に飛距離が表示される。飛距離は573m、無限という記録のあとなので驚きの声は小さいがそれでも上位の飛距離である。
「目指すは1キロだね!」
記録573m
――持久走――
上体起こしではバネを…ソフトボール投げでは大砲を…握力測定では万力を…そして持久走では原付バイクに乗って走っているポニーテール女子。それ有りなの!?と頭のなかで強く思いながらも走る城壁であった。
記録7分25秒
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ハンドボールのとき緑髪の男子が相澤と些細ないざこざがありつつも最後の種目持久走を終え息を若干切らしながら相澤の元へ集まるA組生徒。端末を操作しトータル成績を合計した順位を空間に表示する。城壁の順位は6位、その結果を見て一安心していると相澤から衝撃の発言がされる。
「あっちなみに除籍は嘘な」
「「「「「「……えっ?」」」」」
「君たちの最大限を引き出すための合理的虚偽!」
ニカッと笑いながら言う相澤。その発言に驚きの声を上げるA組生徒。1名に至っては画風が変わってしまっている始末である。胸がデカいポニーテールの女子がちょっと考えれば嘘だと分かると言うが、城壁は本当に除籍するつもりだったのではないかと疑うがあまり気にしないことにした。
その後、更衣室で着替え教卓に置いてあったカリキュラムのプリントに目を通し下校の準備をしていると切島に声を掛けられる。
「おう城壁!俺らこのあと昼飯食いに行くんだけどよ!一緒にどうだ?」
「俺ら?」
切島の後ろを見ると上鳴と瀬呂がおり城壁は切島からの誘いに乗る。切島はちょうど帰ろうとしていた爆豪にも声を掛けるが「なんでテメーらなんかと…」と言い帰ろうとする。その爆豪に対して城壁がニヤニヤと笑いながら…
「あっ、初めて会う人ばっかだから怖いとか?」
「………あ˝あ˝あ˝!?」
「切島ーそういう事らしいから爆豪とはまた今度にして―」
「上等だコラァッ!テメーらと一緒に昼飯食い殺してやらあっ!!」
爆豪の入試成績は80ポイントです。特に深い意味はありません。