バンドリ短編集   作:KaNO(カノ)

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注)この作品では一部キャラがポンコツ化する恐れがあります。


出張!羽沢珈琲店

僕の休日の過ごし方としては、基本的に家にいることが多い。香澄ちゃんやこころちゃん、日菜ちゃんとかに突撃されて連れ出される時を除けば、インドアな僕はあまり外に出ない。家で本を読んだり、借りたDVDで好きな映画を観たりしている。疲れている時なんかは一日中寝てしまうこともあるくらいには休日は怠惰な生活を送っている。

 

そして今日バイトもサークルも講義もない正真正銘の休日!僕は一日をどう過ごそうかと思いを巡らせていたのだが.....

 

「いらっしゃいませ!2名様ですか?それではあちらのお席へどうぞ!」

 

羽沢珈琲店で絶賛働き(アルバイト)中です。僕の休日は何処へ?

 

 

 

****

 

 

それは僕が午前中に講義の予習復習を終わらせ、残りの時間をどう過ごそうかと布団の上で思考を巡らせていた時のこと。不意に隣に置いてあった僕の携帯から連絡を告げる音が聞こえた。

起きるのが面倒なので匍匐前進の要領で携帯を取りに行って画面を確認してみると、そこには"青葉モカ"の文字が表示されていた。モカちゃんから連絡が来るなんて珍しいなと思いつつ、内容を確認してみると

 

『緊急事態〜。至急つぐの家に向かってくださーい。今日が暇というのは分かっているので、もし行かなかった場合はこの前紗綾にお兄ちゃんと呼ばせていたことをみんなに密告しまーす』

 

緊急事態と書いてあるのにモカちゃんの口調のせいで全く緊急に見えない不思議な文章が書いてあった。

なんで僕が暇なのを知っているのか、とかなんでつぐみちゃんの家に行かなくちゃいけないのか、などツッコミたいところは沢山あるけど、行かなければ僕が社会的に殺されてしまうので拒否権はないようだ。

 

そもそもなんで紗綾ちゃんの件をモカちゃんが知ってるんだ......。ポピパのみんなにはちゃんと口止めをしたし、紗綾ちゃんとも壮絶な交渉の末、これからはみんながいる前では絶対にお兄ちゃんと呼ばないようにって約束したはずなのに.....。

というか僕が紗綾ちゃんにお兄ちゃんって呼ばせたわけじゃないから!お兄ちゃんと思って甘えてねって言っただけだから!

 

モカちゃんに誤解だという旨のメールを返し、僕は急いで準備をして羽沢珈琲店へと向かった。

 

****

 

全く緊急には見えなかったが一応緊急事態と書かれていたので急いで羽沢珈琲店に向かう。

 

つぐみちゃんにモカちゃんから連絡が来たことを説明して何があったのかを聞いてみると、どうやらお店の人手が足りないらしい。元々家族だけでお店を切り盛りしていだのだが、つぐみちゃんのお父さんが仕事中に腰をやってしまったという。しかもお母さんも今は別件で外出しており、今家族で動けるのがつぐみちゃんしかいないらしい。

 

なるほど、それはたしかに緊急事態だ。今は休憩時間だがもうそろそろお昼時である。お客さんも沢山来るはずだ。それをつぐみちゃん一人で捌ききるのは不可能だろう。今日はもう休みにすれば良いのでは?と思うがお父さんがこっちの事情で急に休みにするのはお客さまに申し訳ないと譲らないらしい。意外と頑固者のようだ。

 

そこで僕の出番というわけだ。流石にお店のメニューをいきなり作ることはできないので厨房は無理だが、接客なら手伝える。お店の中はそこまで広いわけではなく、僕自身接客業のアルバイト経験もあるので接客に集中すれば一人で対応するのは可能だろう。

 

というわけで

 

「店員さーん!注文いい?」

 

「はい!ただいまお伺いします!」

 

「ごめんなさい。今お店には入れるのかしら?」

 

「申し訳ありません。ただいま満席なのですぐには入れないです。おそらく20〜30分ほど待っていただければ.....」

 

「ごちそうさま!新人くんも頑張れよ!」

 

「ありがとうございました!」

 

羽沢珈琲店新人アルバイトとして接客に励んでおります。

だけど想像以上にお客さまが多い!お昼時とは言えただの喫茶店がここまで混むなんて人気があるんだなと思う。

 

「つぐみちゃん、お父さん大丈夫かい?腰やったって聞いたけど。これお父さんに渡しておいてくれないかな?」

 

「あっ、僕からはこれも頼むよ」

 

さらに先程から地元の常連さんと思われる人たちがつぐみちゃんのお父さんのためにお見舞いの品を持ってきたり、様子はどうだと店を訪れている。

こんなに沢山の人が心配してくれてるなんて、ここのお店が人気なだけでなくみんなから愛されているということがよく分かる。

 

 

そしていつの間にかお昼のピークは過ぎ、店内には一、二組のお客さんしかいなくなっていた。

 

「スタッフさん、お疲れ様です」

 

「つぐみちゃんもお疲れ様。でもここのお店は人気なんだね。すごい忙しくてビックリしちゃった。いつもこんな感じなの?」

 

「そうですね。休日はいつもあのくらい混んでます」

 

余裕ができたのでつぐみちゃんとそんな会話をしているとお客さまの来店を知らせる鐘の音が聞こえてきた。つぐみちゃんとの会話を一旦切り上げて対応へ向かう。

 

「いらっしゃいませ!何名様でしょうか?...ってあれ?蘭ちゃん?」

 

「あ、ホントにやってる」

 

「スタッフさ〜ん、ちゃんとお仕事してますかー?」

 

「おっ、なんかスタッフさんのそういう格好は新鮮だな!」

 

「あ〜〜!ちょっと待ってスタッフさんの制服姿すごいカッコいい!モカナイス!」

 

蘭ちゃんにモカちゃん、巴ちゃんにひまりちゃん。Afterglow勢揃いだ。

 

「いらっしゃい。今日はどうしたの?」

 

「別に....ただスタッフさんとつぐみだけでちゃんとやれてるか心配で来ただけ」

 

「そうなんだ、でも大丈夫だよ。僕も一応接客の経験はあるしお昼時のピークはもう過ぎたから」

 

「そう...なら良いけど」

 

「蘭ー、ちゃんと正直に良いなよー。スタッフさんに笑顔で接客されたくて来ましたーって」

 

「なっ...!ち、違うから!てかそれ言い出したのモカでしょ!」

 

「えー、なんのことかモカちゃん分かんなーい」

 

恥ずかしいのか顔を赤くしながらモカちゃんのほっぺたをグニグニとつねる蘭ちゃん。モカちゃんの冗談は日常茶飯事だからあんまり真に受けない方がいいと思うけど.....

 

扉の前にずっといるのもアレなので、とりあえず四人をテーブル席へ案内することに。

 

「それではご注文が決まりましたらお呼びください」

 

「あっ、すみません!」

 

「?なんでしょうか」

 

「そのー、スタッフさんのオススメとかってありますか?」

 

席に案内したので戻ろうとした僕を何故か先程から少しだけ顔を赤くしてるひまりちゃんが呼び止める。

オススメ?ひまりちゃんたちは何度もここに来たことがあるはずだからそんなの聞かなくても良いはずだけど.....?

 

...ああ、今日はお父さんじゃなくてつぐみちゃんが厨房がいるからいつもと違うだろうってことで聞いたのかな?

 

「ごめんねひまりちゃん。僕もつぐみちゃんが作ったメニューを食べたわけじゃないからどれがオススメとかは分からないや」

 

「そうですか.....じゃあこのケーk」

 

「でも...つぐみちゃんがみんなのために作ってくれる料理だからきっとどれも美味しいと思うな。だから強いて言うなら全部オススメだよ」

 

「全部ください」

 

「...ひまり?」

 

「ひーちゃん?」

 

...聞き間違いかな?今全部って聞こえたような.....

 

「ひまり、お前何言ってんだ?」

 

「止めないで巴!あんなピュアな笑顔で全部オススメだよ、なんて言われたらもう全部頼むしかないじゃん!蘭もそう思うでしょ?!」

 

「思う。私も全部ください」

 

「思うな!何澄ました顔で便乗してんだ!すみませんスタッフさん、オレンジジュースとショートケーキを三つずつでお願いします。モカはどうする?」

 

「モカちゃんも同じのでお願いしまーす」

 

「か、かしこまりました。ショートケーキとオレンジジュースを四つずつですね。少々お待ちください」

 

いったい何だったんだろうか?

 

 

 

****

 

 

あれから特に何事もなく時間が進み、お店を閉める時間となった。

 

「今日は本当にありがとうございました。病院に行ってる父からもありがとうと伝えてくれって連絡がありました。何かお礼がしたいんですけど.....」

 

「そんなお礼なんていいよ。困った時はお互い様でしょ?それにちゃんとお給料は貰ったしね」

 

「でも休みの日にいきなり呼び出しちゃって手伝ってもらったので.....」

 

僕は当たり前のことをしたまでなのだが、つぐみちゃんは何かお礼をさせてくれと譲ってくれない。この律儀というか頑固なところはお父さん譲りなのだろうか。

ちゃんとお給料ももらったから本当に気にしなくて良いんだけどな.....

 

「...そうだ。じゃあ今度羽沢珈琲店にお客さんとして来るからさ、その時につぐみちゃんの作ったメニューを食べさせてよ」

 

「私が作ったものを...ですか?」

 

「うん」

 

先ほども言ったが僕もつぐみちゃんが作った料理を食べたことが無い。だから今日一日働いていて、みんなが美味しそうに食べるのを見て僕も食べたくなってきてしまったのだ。

これならばつぐみちゃんに掛かる負担も少ないだろう。

 

「分かりました。じゃあその時は私が作ったメニューをご馳走しますね」

 

「うん、そうしてくれると嬉しいな。じゃあもう暗いし僕は帰るね。また時間ができた時に来るよ。つぐみちゃんの料理、楽しみにしてるね」

 

「はい!お待ちしてます!」

 

そう言って満面の笑みを浮かべながら見送ってくれる彼女を見て、思わずドキッとしてしまった。顔がどんどん赤くなっていくのを感じる。

 

ーーーーこんな魅力的な笑顔を咲かせる看板娘がいたら、そりゃあもう一度来たくなるよね。

 

このお店がなんで愛されているのか、ちょっとだけ分かった気がした。

 

 

 

 

今回の蛇足、というか裏話

 

 

 

AfterglowグループLI◯Eにて

 

つぐみ『みんなどうしよう!お父さんが倒れちゃった!』

 

ひまり『ええ!大変じゃん!』

 

巴『つぐのお父さんは大丈夫なのか?』

 

つぐみ『うん、少し腰を怪我しちゃっただけだから大丈夫だよ。でもしばらくは安静にしなきゃいけないって』

 

蘭『それお店大丈夫なの?たしかお母さんも今日まで家にいないんだよね?』

 

つぐみ『そうなんだ。お店の人手が足りなくて.....』

 

モカ『話は聞かせてもらったぞ皆の衆〜。このモカちゃんに任せなさーい』

 

巴『モカがつぐのお店を手伝いに行くってことか?たしかにモカならコンビニバイトとかしてるしできるかもな』

 

モカ『違うよともちん。私よりもっと良い人がいるんだよー』

 

蘭『勿体ぶらないで早く教えてよ』

 

モカ『しょうがないなー。みんな大好きスタッフさんだよー』

 

巴『なんでスタッフさんなんだ?』

 

モカ『需要があるからに決まってるじゃんともちん。蘭にひーちゃん、想像してみて?スタッフさんがつぐのお店の制服を着て笑顔で接客してくれるんだよー?』

 

ひまり『.....良い!すごく良い!』

 

蘭『たしかに...悪くないかも』

 

モカ『というわけで助っ人はスタッフさんにけってーい』

 

つぐみ『で、でも迷惑じゃないかな?スタッフさんにも用事があるだろうし』

 

モカ『あの人今日は何もないから大丈夫だよー』

 

巴『なんでそれをモカが知ってるんだ.....』

 

モカ『細かいことは気にしなーい。で、どうかなつぐ。スタッフさんは接客のアルバイトもしたことあるって言ってたし、絶対助けになってくれると思うよ?』

 

つぐみ『うーん、じゃあスタッフさんにお願いしようかな?』

 

モカ『りょうかーい。じゃあ私がスタッフさんに連絡しておくねー』

 

 




ドリフェスましろを迎えに行こうと60連したけど無事爆死。今ではログインでもらえるスターを使ってましろが出ることを祈りながら一回ずつガチャを引いていく日々。誰か助けてくれ。゚(゚´Д`゚)゚。


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