_川神学園側本陣
そのころ川神本陣では・・
電話で誰かと会話していたモロが携帯を片手に九鬼に近づく。
「あの~。九鬼君?」
「ん?貴様は確か一子殿と幼馴染の・・」
「あ、え~と、師岡です」
「そうかそんな名前であったか。してどうした庶民!」
「(あ、結局名前は言わないんだ)えっと、クリスからの電話で敵側からコンタクトがあったらしくて・・」
「ふむ。それで?」
「大和が敵にやられたらしくて・・」
「直江様がやられたくらいで英雄様に話しかけないで下さい☆」
「ちょっ」
モロの前に九鬼の専属メイドであるあずみが現れる。
九鬼から見ればにっこりとした顔で話しかけている。だが九鬼以外の人間には見えている。モロの腹に向かって小刀が突きつけられていることを。
「よい。あずみ、下がれ」
「失礼しました英雄様あぁぁ!!」
「ふははは。よい。それに直江は一子殿や弓兵を連れていたのにやられたのだ。相手はかなりの手練れであったのであろう。そいつには注意が必要だ」
「そうですね。英雄の言う通りです」
「おお、冬馬よ。戻ってきていたのか」
知らぬ間に戻ってきていた葵が話に加わってる。
確かに京が遠距離から援護していたのだ。そうそう簡単に大和がやられるようなことを許すはずがないのだ。
「して庶民よ。話がそれだけ・・ということはあるまい。他にもなにかあるのだろう?」
「あ、うん。敵のほうから大将の居場所を教えるから倒したかったら来いって言われたらしいんだけど」
「なるほど。このままでは勝ち目がない。敵はそうでてきましたか」
葵は納得したようにうなずく。
「ふははは!ならば相手の策にのってやろうではないか!」
九鬼はいつもの高笑いをして味方のあつまる方に体をむけ語りだす。
「聞け皆の衆よ!我々はこれまでの敵の攻撃に耐え、我が校の勇者達が敵将を討ち取ることで戦局はこちらに傾いた。そしてついに敵の大将の居場所が判明した。奴らは自らの位置をさらけだしこちらを挑発している。常ならば罠の可能性もすてきれまい。乗るべきではないだろう。しかし、お前たちは西の連中に嘗められたままでいいのか!我こそはと思う者よ!敵地に赴き大将を討ち取って見せよ!!」
九鬼の高らかに告げられた檄に呼応し敵大将に挑もうとする挑戦者達が立ち上がり始める。
「ちなみにクリスさんはその後なにか?」
「えっと、マルギッテさんといっしょに向かうって言ってたよ」
「うむ。我も一子殿の元へと駆けつけたいが、大将ゆえにここを離れるわけにはいかんからな」
「素晴らしい心がけです英雄様☆」
「うむ。皆の者。頼んだぞ」
そして彼らは敵地へと歩み始めた。
「そういえばその場所はどこなのだ?」
あ。
そのころ京は遥か遠くで戦いを繰り広げる敵に向かって一心不乱に弓を放っていた。
「くそッ!よくも大和を・・!」
自分の夫(←妄想)をやられて怒る京は敵の動きをよく見て放つがうまく当たらない。
「なんで当たらないんだ!」
_某所 ??恭介視点
その弓の向かう先では二人の男女が剣を重ねあいしのぎを削っていた。
彼女が袈裟斬りをしてくればその剣戟を横に流すように受け流す。
横に流されるとすぐさま刃を反して水平斬りを放ってくる。
刀を戻すのが追いつかないので、今度は身を低くして避けようとすると弓矢が正確無比に飛んでくる。
仕方なくその態勢から横にステップして避けるが、彼女は一瞬の遅れもなく目の前に移動して、もう一度水平斬りを放つ。
その斬撃を今度は斜め上の方向に受け流す。その態勢で一歩前に進み、攻撃を試みるがすぐさま垂直斬りで刀が返ってくる。そのまま後ろに一歩下がって回避をすると、今度は相手が一歩前に進み斬り上げを放ってくる。
それを避けるとまた弓矢。このような状態がかなり続いている気がする。
この言葉を読む限りはある程度、相手の攻撃に対応できているように思える。
だが実際のところはいっぱいいっぱいである。さっきの戦闘場面だけで一秒か二秒くらいしか経ってないのではないか。斬撃自体は見えるのだがそんなに体がはやく動く動くはずもない。相手の行動をある程度感覚で読んでなんとかっという状態。
弓矢も殺気でだいたいくるのはわかるのだが、ダメもとで発射してるのかと思うほど高速で放たれてくる。そのくせにめちゃくちゃに正確である。
速すぎるだろ。どうやって撃ってんだ。銃じゃないんだぞ。
電話で敵相手に向かって「かかってこいや!」的な啖呵を切っておきながらこのありさま。
なんなの?川神の奴らって全員こんなに速くて強いのか?それなら絶対に勝てないじゃん。不可能ジャン!いやいやしかし石田や島と戦ってるやつはすばしっこいけどこいつと比べたらあんまり速くないから大丈夫・・いや、わからんぞ。あいつだけちょっと遅いだけかもしれん。てゆうか弓兵さんあっち援護しろよ!あっちのほうがお仲間ピンチだろ!何!?どんだけキレてんの!あいつ気絶させただけジャン!!あれ~、なんだろ。ジャンって聞くとなんか四年後あたりに流行りそうな気が・・
追撃される可能性があるがとにかく結構限界なので思いっきり後方に向かって跳躍をする。
幸いにも相手も追撃をしてこなかったため息を整える。そうしていると彼女は笑顔をこちらにむけて話しかけてきた。
「あそこまで自分の攻撃を綺麗に受け流すとは!義経は素直に賞賛をおくる!」
「まあね・・当たると死にそうだし」
一応模造刀だから斬られたりはしないがあの速度だ・・もしかしたらマンガのように弾け飛ぶかもしれない。直撃を全力で避けるのは至極当然のことだろう。
「にしてもお前本当に人間?人の皮被ったヤサイ人じゃないよな?」
「違う。義経は過去の英雄を元にしたクローンだ」
「・・・は?・・てことはさっきから義経、義経って言ってるところを鑑みるに・・」
「自分は源義経のクローンだ」
「まじかよ・・というかクローン?それって国際条約とかに違反してないのか?」
「ん~。そういう詳しいことは九鬼の本社に聞いてほしい」
また九鬼か。国際条約で懸念されてることは回避してはいるが、だからといってまかりとうっていいのだろうか。どうせ金かなんかでごまかしてるにちがいない。
それに今、これについてはどうでもいい。問題は彼女が義経のクローンってところだ。
あれ~?義経って歴史上じゃあ奇襲ばっかでそんなに強かったイメージないんだけど。この人超強いよ。この人でも奇襲しなきゃ勝てない源平合戦ってどんだけカオスだったんだ。崖を駆け降りた話に信憑性がでてくるな。
「しかしいいのか?」
「?なにが?」
「お前の仲間たちがやられているぞ?」
「え?」
いままで弓矢の警戒や戦闘へ集中でまったく見ていなかった石田達の方向をみると・・
多くの川神学園の生徒たちによってほぼリンチ状態にされている石田達がいた。
「くそう貴様ら嘗めおって!力の差を思い知らせてやろう!光龍かく・・「おいおい、敵の前で待ってくれるのは戦隊ものだけだぜ」・ぐ!」
ハゲが石田の覚醒を殴ってとめたり・・
「お前か、大和をやったのは!覚悟しろ!!」
「いや、それはそれがしがしたのでは「問答無用!」・ぬふ!」
「?なんかこいつ私が聞いた声より渋くないか?しゃべり方もちがうし」
「いいんじゃない?このオジサンが敵なのは変わらないし」
「それもそうだな」
薙刀とレイピアを持った女子二人が島にコンビネーション攻撃をあたえ
「こいつが大将か!」「居場所を教えるとか嘗めやがって!」「お嬢様の命令です。おとなしくくらいなさい」「おい、なんでおっさんがいんだ~?」「や・ら・な・い・か、アー♂!!」
他も続々と攻撃(ヤバそうなのを含む)をくわえていく。ちゃっかり弓矢も放たれている。
俺は知らぬ間に結構石田達とはなれていたらしく、集まってくる川神学園の生徒は誰もこちらに気づかずに向こうへ殺到していく。
あの・・電話とか・作戦考えたの・・俺なんですけど・・
その後なぜかおれは義経に慰められた。
_川神駅 直江大和視点
どうやら川神側が勝ったらしい。
俺は気絶していたらしく目が覚めると京に抱きしめられた。
長い時間気絶していたわけではないから手加減されたのだろう。
目の前にいた西方十勇士の残り二人に気を取られすぎて他に誰かいることに気づかなかった。やはり安易に頭脳系が戦いにでるものじゃないのかもしれない。しかし、保険で連れて行ったワン子は島を相手にしていたからわかるが、京がおれの背後から迫る敵に気づかないはずがない。
聞いてみたところ、いつの間にかそこにいたらしい。
京は目が良くて注意力も高い。そんな京が気づかなかった。なにかの技なのかもしれないがなにより自分がやられたことが悔しかった。
他にも武士道プランの申し子という子が参戦していたらしい。九鬼に聞くと明日のテレビを見ろと言われたことからするとなにかでかい計画なのかもしれない。
戦いのあと天神館の人と喋ってみたが意外とさわやかなものだった。
互いの生徒同士で雑談や冗談などで話に花をさかせた。
見るとクリスが石田と話しをしていた。
「そういえばあの電話の主はだれだったんだ?」
「ああ、恭介のことか。実家に用事があるとかで先にホテルに帰ったな」
「その人が大和を気絶させたのか?」
「ああそうだ。名前は村上恭介という・・」
その名前に俺は聞き覚えがあった。俺は石田に質問をしてみた。
「俺、その名前聞いたことある気がするんだけど」
「ああ、一時期ニュースにもなったからな。聞き覚えもあるだろう」
「ってことはあの村上運輸の・・」
「社長の息子だ」
村上運輸。名前だけ見ればただの運送会社だがそれだけではない。日本にある船の八十パーセントはここが製造をしており、船に関しては世界でも有数のシェアを獲得している企業だ。その特徴は船関係以外には手を出さない。同じような始まりの九鬼のように色々な事業に挑戦することはなく、長年海運や船の製造のみを続ける古参である。
しかし、二・三年ほど前にまだ三十代だった社長が中国で急死したことが当時ニュースになっていた。テレビでは息子一人が死体を抱えて山から下りてきたことから息子が殺したのではないかと当時はもてはやされてたりしていた。いまはその妻が経営をしているそうである。
「さすがに今は落ち着いてるようにみえるんだがな・・で、あいつがどうかしたか?」
「いや、いるならメルアド貰えるかなっておもって」
「俺は持っているが・・あいつは知らない誰かに知られるのをいやがるからな」
「いや、また今度の機会にするさ」
下策ではあったが自分の読みを上回ってきた相手の連絡先はほしかったが大友さんやほかの何人かからも連絡先がもらえたので良しとしよう。
その後、天神館のメンバーはそのままホテルへと帰って行った。
次回でオリキャラを一体出すつもりです。