after days(シン・エヴァンゲリオン after短編集)   作:◆QgkJwfXtqk

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世界は少し変わっている

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 碇シンジと式波アスカ・ランギー(式波アスカ・ラングレー)の結婚式に出る事になった真希波マリ・イラストリアス。

 其処から先は怒涛の展開だった。

 仕事の方は問題は無い。

 上司である冬月コウゾウと一緒、と言うか、その冬月コウゾウに誘われたのだ。

 締め切りが迫っているモノも無い。

 移動費他、滞在費だって招待側が持つので気楽なモノだ。

 とは言え結婚式に相応しい服装、その他、持ってはいたのだが学生時代に作ったモノらしく、少しばかり流行おくれであった。

 男性であれば冠婚葬祭の服装は背広(礼服)1つで済むし、流行おくれと言うのは余り発生し辛い。

 でも、女性用の服装は違う。

 服装が変われば、合わせる装飾も変えなければならない。

 仕事の合間に店を巡って探すのだ。

 正に一苦労であった。

 量販店で軽く買う訳にはいかない。

 何と言ってもアスカの晴れ舞台に列席するのだ。

 欠片とて劣る様な格好をする訳にはいかなかった。

 尚、シンジに関して言えば、私の様な美女が着飾って行ってあげるのだから問題は無いでしょというのが真希波マリ・イラストリアスの感情であった。

 中々にはっきりとした優先順位が存在していた。

 気合を入れて服を探す。

 幸いであったのは、この世界の真希波マリ・イラストリアス、否、真希波マリは無駄遣いを好まなかったので、貯金通帳の軍資金は十分だという事だろう。

 とは言え、華美過ぎて花嫁衣裳のアスカより目立っても駄目なのだ。

 中々に難しい問題があった。

 衣装が買えれば、次は旅行バックだ。

 旅行バックが買えれば、次はアレがコレがと次々と湧き上がってくる。

 誠に面倒くさかったというのが、真希波マリ・イラストリアスの本音であった。

 

 兎も角。

 あれよあれよという間に時間が流れ、気が付けば飛行機に乗っていた真希波マリ・イラストリアス。

 呆然としているが、その理由は状況の変化が急だからではなかった。

 世界が余りにも違い過ぎていたからだ。

 先ずは飛行場。

 大災害(セカンドインパクト)で水没し、放棄された筈の関西空港から飛び立ったのだ。

 否、関西空港だけではない。

 眼下に広がる日本は海面上昇などの気配を欠片も感じさせない。

 そもそも、大都市大阪だって健在だし、アスカの結婚式に参列するための衣装だって、大阪市の百貨店で買いそろえたのだ。

 世界は平和だった。

 全く以って、素晴らしい事であるのだが、理解が追い付かないのも事実だった。

 故に、取り敢えずはドイツまでの時間を費やして世界を知る積りであった。

 

 10時間を超える機内時間。

 とは言え、プレゼントされた航空機チケットはビジネスクラスであり、窮屈さなどとは無縁の時間であった。

 シンジとアスカ。

 そのどちらの実家が金を出したのかは判らないが、どちらにせよ富豪であると真希波マリ・イラストリアスは感心していた。

 シンジの実家、碇家は碇ゲンドウを見ていれば、そこまで金が無いとは思えていた。

 国連特務機関たるNERVも無い現在、高給取り(NERV総司令官)などではないだろう。

 ではランギー家、或いは式波家かと言えば此方も判らない。

 そもそも、エヴァンゲリオンの専属パイロット(制御用生体ユニット)として生み出されたアスカに家と呼べるモノは無い。

 ランギーがラングレーのドイツ読みであるにしても、意味が解らない。

 早く会ってみたい。

 会ってみれば判るかもしれない。

 或いは、式波Typeのベースとなった、言わばアスカオリジナルの存在が関わっているのかもしれない。

 とは言え、仮称アスカオリジナルに関しては、全ての情報が削除されており、その生体情報は1から組み立てられた、言わば作られた子ども(デザイナーズチルドレン)とされていた。

 尤も、それを真希波マリ・イラストリアスは鼻で笑って否定していたが。

 人間と言うモノはそう簡単では無い。

 特に、綾波Seriesを見れば判る。

 リリス(リリンの母たる存在)の生体情報を流用していても、それをヒト(リリン)の枠に収める為には綾波()ユイの生体情報を必要として居たのだから。

 だが、そう言う疑念よりも、今は手に入る情報 ―― 世界情勢の方が優先課題であった。

 個人的好奇心もあったが、同時に、ドイツに渡ったての世間話の際に違和感を持たれない為の努力でもあった。

 真希波マリ・イラストリアスの中に、この世界で生きて来た自分、真希波マリの記憶はある。

 だが、それは日常を生きるための記憶であり、世界を知る上で必要な整理された情報では無いのだ。

 だからこそ、真希波マリ・イラストリアスはネットワーク端末(タブレット)で世界を知ろうとする。

 した。

 世界が何故、こうなっているのかと。

 

「なんじゃそりゃっ!?」

 

 思わず、そう言ってしまう程に世界は複雑怪奇(カオス)だった。

 取り敢えずと、冬月コウゾウにお勧めの近現代史本を聞いて購入した(資料)、その1ページ目に、日本がタイムスリップしたと書かれていた。

 二度見した。

 文字通りであった。

 ソ連人だと言う筆者は前書きで、『神よ、コレが試練ならば耐えます(ファッキンゴット!)でもジョークなら恨みます(ブッダシット!!)』と書いていた。

 共産主義的に神の事を口にしても良いのかと、場違いと言うか現実逃避的な事を真希波マリ・イラストリアスは考えていた。

 呆れ。

 或いはそれよりも重いナニカを感じ、だが本好き(ビブリオフィリア)の本能によって指先はページをめくり、目は文字を拾った。

 頭痛が痛くなる。

 日本が高位次元物理学とか言う怪しげな理論の産物で生み出された、次元振動弾によって100年のタイムスリップをしたと書いてある。

 タチの悪い火葬戦記(パルプフィクション)だった。

 

 うん、無理だ。

 色々と無理だと感じた真希波マリ・イラストリアスはそっと本を閉じた。

 目も閉じた。

 ドイツに付けばシンジが居る。

 アスカは、真希波マリ・イラストリアスが知るアスカでは無いだろうが、シンジはエヴァンゲリオン8号機γが追った相手なのだ。

 本物の筈だ。

 なれば、もうシンジに聞く(吐かせる)のが一番だ。

 そう考えたのだ。

 綾波ユイに頼まれ、人類補完計画の間を縫ってシンジを救わんとして永い永い月日を駆け抜けて来たのだ。

 であれば、少しばかり我儘を言っても良いだろう。

 そんな事を考えながら。

 

 

 

 

 

 ドイツ。

 正式には日本連邦特別自治邦国ハンブルク(ハンブルク共和国)、その首都であるハンブルク市に併設されている国際空港に降り立つ航空機。

 ユーロNERVの研究所があった為、真希波マリ・イラストリアスにとっては幾度も訪れた事のある都市であったが、何とも別物めいた雰囲気であった。

 ドイツらしい(ゲルマン的)建物では無く、何とも日本の地方都市めいた雰囲気があった。

 醤油臭いと言うべきだろうか。

 車は左側通行であり、看板は半分以上が日本語。

 ドイツ語は、日本本土での英語並みにフレーバーめいて使われているだけの有様であった。

 

「国外に来た気がしませんね」

 

 正直、国内線ターミナルと言われても納得するレベルのソレを見て、呆れにも似た感情を口にする真希波マリ・イラストリアス。

 出歩いている人の半分以上は白人種(コーカソイド)であったが、飛び交っている言語の大半は日本語なのだ。

 売店の妙齢の売り子(パッキンボインボインガール)が、もうかりまっせとか、ぼちぼちでっせとか言っているのだ。

 実に頭痛が痛い情景(SAN値チェック案件)であった。

 だが、冬月コウゾウは笑って流す。

 

内地(日本列島)とは違うが、それでもここはれっきとした日本。日本連邦の構成国だからね」

 

「ええ、そうでしょうけど………」

 

 脳みその内側に痛打を与える(100メガショックな)本によれば、特別自治邦国ハンブルク(ハンブルク共和国)は日本連邦を構成する8つの邦国の1つにして、最西端の国家だと言う。

 漁業と農業が産業の中心であり、外貨獲得手段が傭兵 ―― 日本連邦統合軍に対する人員拠出と言う、実にアレな国家であった。

 尚、ハンブルク共和国を正式名称としない理由は、近隣諸国に対する政治的配慮であった。

 70余年前の、第2次世界大戦と言うよりもドイツ戦争とよばれる戦争の影響であった。

 別名はドイツ解体戦争。

 アドルフ・ヒトラーとNazis一党による独裁国家の影響であった。

 かつて存在したドイツの民族国家、ドイツ連邦帝国(サードライヒ)によって甚大な被害を被ったオランダやフランスは、ドイツの民族国家の存在は許されざると公言して憚らぬと言う。

 何とも奇妙奇天烈な情勢(イカレた時代)であった。

 少なくとも、真希波マリ・イラストリアスにとっては。

 

「ま、君の()()も理解するが、余り表には出さぬようにな。ここは外地であっても日本と言う意識の強い土地だからな。差別だ! 等と言われては困るからね」

 

 フィールドワークとして、日本連邦の各邦国を回った経験豊富な冬月コウゾウは少しだけ茶目っ気を出して笑う。

 朝鮮(コリア)共和国に並んで、自分たちは日本人だと言う意識が強いのだと言う。

 日本の支援(管理)が無ければ国家が立ち行かない ―― フランスかオランダ、或いはポーランドに併合されかねないと言う危機感故の事だろうと続けた。

 それだけ、憎悪されているのだとも。

 とは言え真希波マリ・イラストリアス、それを簡単には納得できなかった。

 かつての世界の記憶、常識があればこその理屈があったからだ。

 

「でも冬月先生、ヴェルサイユ条約で民族自決の原則は確立した筈では?」

 

 第1次世界大戦の血腥い経験から生み出された、民族自決の概念。

 それは普遍的なモノではないかと思って居たからである。

 だが、冬月コウゾウ苦笑と共に否定する。

 

「マリ君は世界史、いや国際情勢には少し疎いようだね」

 

 かくして冬月コウゾウは説明する。

 1930年代から1945年までの出来事を解説を交えて説明していく。

 

 ドイツ人による国家が世界に2度も戦火を齎した事が民族自決の原則を問題視する空気を作った。

 民族自決の原則は大事であっても、迷惑を被るのは許されざる。

 そういう言う事である。

 ドイツ戦争後に明らかになった、ヒトラーとNazis党による世界工作の実態(反G4としての不安定化工作)の数々が、その考えを後押しした。

 フランス領アフリカ(フランス海外県)でドイツが行った独立運動(武装蜂起)では、宗主国(フランス)を相手にした活動だけであれば問題は無かったのだが、直ぐに武装蜂起した集団は軍閥化し、管理下に治めた地域で圧政を行い出したのだ。

 暴力、婦女暴行や少年兵問題。

 ドイツによるバルカン半島統治すら()()()と呼べるような惨状であった。

 情報収集をしていたブリテンの国際連盟代表が、『さながら暗黒大陸の如し』などと云うレポートを上げる程であった。

 理想として民族自決の原則は正しい。

 だが、教育の十分では無く、或いは能力の無い人間(民族)に無条件で与えるのは文明国の態度ではない ―― ある意味で覇権主義時代の列強が有していた()()()が生き残っているとも言えた。

 それが冬月コウゾウの解釈であった。

 

「是非に関しては別として、覇権国家たち(ジャパンアングロ)は世界に対する責任を果たそうとしているとも言えるだろう」

 

 少なくともドイツ戦争(事実上の第2次世界大戦)以後、大規模な戦争状態、或いは紛争は発生していないと続けた。

 

「平和な時代、ですからね」

 

 感慨深く呟く真希波マリ・イラストリアス。

 この世界のアスカは判らぬが、シンジは子どものままに過酷な時代を、それも一等過酷な場所を駆け抜けたのだ。

 身命を賭してアスカと世界を守ろうとしたのだ。

 であれば、もうその先は平穏こそが似つかわしい。

 否、平穏であらねばならぬと思って居た。

 

 飛行機から降ろされたスーツケースを回収し、ロビーへと向かう2人。

 ゲートを抜けた先で、冬月コウゾウは迎えを見つけた。

 

「おや、君が来たのか」

 

「お久しぶりです、冬月先生」

 

 シンジだった。

 

「新郎に新婦がお出迎えとはな。忙しくは無いのかね?」

 

「決める所は全部終わってますから。後は待つだけです」

 

「手早くかね? そんな所はユイ君に似たのだろう」

 

 親し気に冬月コウゾウと話しているシンジ。

 碇家と冬月コウゾウの縁は深く、シンジが日本に居た頃は正月などで度々、挨拶に来ていた。

 シンジはお年玉を貰ったりもしていた。

 家長たる碇ゲンドウは、冬月コウゾウが来ればムッツリとした顔で将棋を指し、或いは会話をしていた。

 その関係は、今も続いていた。

 シンジにとって冬月コウゾウは親戚の小父さん、そんなヒトであった。

 だからこそ冬月コウゾウがシンジの結婚式に呼ばれたとも言えた。

 

 懐かしさから言葉を連ね、そして隣に立つアスカを紹介するシンジ。

 アスカも如才なく挨拶をする。

 そして話は、冬月コウゾウの連れたる真希波マリ・イラストリアスに向かう。

 真希波マリ・イラストリアスとアスカの目があった。

 その瞬間、2人は察した。

 寸毫の差でアスカが先に気付いた。

 

「コネメガネ?」

 

 小さな声。

 だが、それが真希波マリ・イラストリアスに確信を与えた。

 

「ひっ、姫なの?」

 

 その呼びかけに、アスカはニヤっとばかりに笑った。

 

 

 

 シンジの運転する車で空港から移動する。

 先ずは冬月コウゾウと真希波マリ・イラストリアスが宿泊するホテルに向かう。

 荷物、それに真希波マリ・イラストリアスとアスカが車から降りて、シンジと冬月コウゾウは碇ゲンドウと碇ユイの居るランギー家に向かった。

 

「本当に姫だ、姫。姫なんだ」

 

 流石に、スイートルームとまでは行かないが、ビジネスホテルのソレとは段違いに広いホテルの部屋に入った瞬間、真希波マリ・イラストリアスは全てを捨てる様な勢いでアスカに抱き着いていた。

 ほおずりして匂いを嗅いでいた。

 その様は、何ともネコめいていた。

 違いは、その瞳に涙を浮かべている事だろうか。

 故にアスカは、仕方がないなと言わんばかりの表情で好きにさせていた。

 とはいえ、流石にキスをしようとした時には頭を掴んで阻止したが。

 

「何すんのよ」

 

「姫ぇ~ 再会を祝う熱いベーゼは必要だと思うのよ、この状況だと」

 

「い・や・よ」

 

「姫、つれない!」

 

「うっさい!!」

 

 とは言え、真希波マリ・イラストリアスがこれ程に感情的になったのには理由があった。

 最早、アスカとは会えない。

 そんな思いがあったからだ。

 エヴァンゲリオン第13号機に囚われた時、シンジに助けを願ったが、それが確実に実現するとは思って居なかった。

 だからこそ、それを救ってくれたシンジへの感謝の念があった。

 そして同時に、自分は第3村に帰ったアスカの所には行けないだろうとの確信があった。

 シンジを見つけ、救い、そして世界に戻す事までを可能とする所までは諸々を計算していたが、そこに自分の帰還と言うものは含めていなかったのだ。

 だからこそアスカに告げたのだ。

 お達者で、と。

 

 そのアスカに逢えた。

 触れられる。

 会話できる。

 真希波マリ・イラストリアスにとってシンジは大事な相手であった。

 だが、それと似て違うベクトルでアスカは極めて大事な相手であった。

 

「でも、姫はどうしてこの世界に居るの?」

 

 第3村に帰った筈だったのだから。

 それをアスカは鼻で笑う。

 

「シンジを、私の男を掴まえに戻ったのよ。何か文句ある?」

 

 全てを端折って、だが力いっぱいに断言するアスカ。

 実にアスカだと真希波マリ・イラストリアスは涙をこぼしながら笑った。

 

「うわー 姫だ」

 

 とは言え説明不足ではある為、言葉を続ける。

 次元を超え、無理矢理にシンジの所に行こうとしたけども、失敗しかけて助けてもらった。

 助けてもらい、鍛えてもらい、シンジの所に行けたのだと言う。

 

「誰に?」

 

「津名魅()

 

「ひ、姫が様って言った!?」

 

「………アタシだって、余りの格上にはそう付けるわよ?」

 

「そんなにスゴイの?」

 

「だって、神様だもの」

 

 正確に言うならば、高位次元生命体だと言うアスカ。

 そしてシンジに会いう為の支えて貰った対価として、自分は仕える事になったとも続ける。

 アスカは、自分の耳に付いた深い紫色の意志に触れた。

 

「…………姫は、姫はそれで良いの?」

 

「問題無いわ。バカシンジだって一緒だモノ。アイツ、津名魅様に僕もアスカと一緒に働きます。働かせてください言ったのよ」

 

 ホント、バカだと甘やかな声を言うアスカ。

 その表情は実に幸せそうであった。

 

「幸せ?」

 

「そうね。幸せだと思うわ」

 

 一緒に居る。

 一緒に眠れる。

 一緒に食事が出来る。

 何より、会話が出来る。

 触れ合える。

 WILLEでの日々の中で願って止まなかった事が、今、日常の様に味わえるのだ。

 それを幸せと呼ばずして何と言うのか、そうアスカは考えていた。

 

「姫、本当に幸せそう」

 

 アスカの幸せの気持ち(オーラ)が伝わってか、真希波マリ・イラストリアスも笑顔になっていた。

 

 珈琲でも飲もうと言う話になって、アレコレと準備を始めたアスカ。

 それは実に女の子らしい所作であり、そこにはかつての自暴自棄、自分をエヴァンゲリオンの部品(生体制御ユニット)だと自嘲していた頃の姿は無かった。

 それも又、真希波マリ・イラストリアスの心を温かくしてくれる。

 守りたかった、哀しい姫が、人に戻れたのだと思うからだ。

 

 一服。

 ふかふかのソファに座って珈琲を飲んで、そして穏やかな時間を味わう。

 と、真希波マリ・イラストリアスが疑問を口にした。

 

「でも、何でこの世界に居るの、姫とわんこ君が」

 

「ああ。仕事の一貫よ。この世界に大規模タイムスリップがあったって知ってるわよね?」

 

「日本と、その周辺が100年から過去に跳ばされたって言う?」

 

「そ。次元振動弾って言うのが影響しているんだけど、その影響で、この世界の次元指数が乱れちゃって安定しなくなっちゃって。それで鷲羽様の命令を受けてここに居るのよ」

 

 次元指数の乱れは次元の混乱に繋がる。

 問題がこの次元、この宇宙だけで止まるのであれば座視していても良いが、並列する3.5次元空間に波及するリスクがあるのだ。

 であれば、今、頂神が降りてきている宇宙まで影響が出てしまう。

 だからこそ、であった。

 頂神の配下であるシンジとアスカが、この世界に居る事で次元を安定させる事が出来るのだと言う。

 

「判った?」

 

「うん、わかんない」

 

「でしょうね」

 

 高位次元とかそこら辺、全く認知外の話であったのだ。

 真希波マリ・イラストリアスが混乱するのも当然と言う反応であった。

 

「取り合えず、鷲羽様がアンタのエヴァ(エヴァンゲリオン8号機γ)を修理してくれてるわ。それが終わり次第、アンタは戻れる」

 

 消滅しかかっていたエヴァンゲリオン8号機γは、多次元移動機としての機能を付与する方向で改修されているのだと言う。

 

「アンタは帰りなさい」

 

「………姫たちはどうするの?」

 

「アタシとシンジは宮仕え。ま、シンジと一緒なんだもの。どこだって幸せよ?」

 

 衒いの無い笑み。

 本当に、心の底から自身は幸せであると考えている笑みであった。

 本当に本当に、それが見たかったのだ。

 そう真希波マリ・イラストリアスが思える笑顔だった。

 だからこそ()が出た。

 

「私も姫たちと一緒に居たい」

 

「………アタシ達、これから新婚なんだけど?」

 

「そこらから先にアチシが居ても良いじゃん!!!!」

 

 ぎゃぎゃーと声を上げる真希波マリ・イラストリアス。

 抵抗するアスカ。

 2人の口論は、シンジが来るまで続くのであった。

 

 

 

 

 

 




+
 お気づきの方もいらっしゃるでしょうけど補足です。
 今、シンジとアスカが調律中の世界は、愚作タイムスリップ令和ジャパンの世界です。
 アスカとシンジにマリをどこで逢わせようか? と考えた時に、ナンジャコリャー!? させる為に、こうなりますた(w

 作品に対しては、フレーバーテキストなので、余り考えすぎないでくださいませ(お
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