after days(シン・エヴァンゲリオン after短編集) 作:◆QgkJwfXtqk
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飛行艇アルバトロス号で征く南の島。
数日は現地で生活するのに必要な物資 ―― 食料や調理用具、寝具などなどの荷物満載飛んでいる為、その速度は遅い。
だが、元より急ぐ必要のない旅路だ。
操縦桿を握っている式波アスカ・ラングレーは、海を見やすい低空に機体を下して遊覧飛行の様に飛ぶ。
海の青々しさが、赤い機体を染めていく様にも思う。
『綺麗だね___ 』
いつの間にか、吸い込まれる様に海を見ていた真希波マリ・イラストリアスがポツリと呟いた。
本当に小さな声だった。
だが改装時に増設されたアルバトロス号の
真希波の居る
見れば、
穏やかな感嘆の表情と言っても良い。
力みのない、素の顔になったとアスカには見えた。
だかだろうが、アスカも又、自覚せぬままに口元を緩めていた。
「アタシとアンタ、それにシンジで取り戻した海よ」
走り続けた日々、その成果なのだ。
『姫とわんこ君が頑張った成果だよ。私は何も出来なかった………』
アスカの傍に居て離れず、共に戦い続けた。
碇シンジを送り届け、そして迎えに行った。
だが、自分がした事はそれだけだったと真希波は自嘲する様に言った。
守りたいと思っていたアスカが、
シンジの母たる
NERVの首魁にしてシンジの父、碇ゲンドウとの決着時には何も出来なかった。
更にその後、シンジは
アスカとシンジが助かったのは偶然に因る部分が大である。
助けるための策を用意し、或いは努力していたにも拘わらず、それらに失敗したのだと真希波は認識していたのだ。
己への自負を持つが故に、こういう平穏な時間が訪れると、己は失敗していたのだと考えてしまうのだった。
終わり良ければ総て良し。
そう思える様に真希波は単純な人間では無かったのだから。
だが、それをアスカは否定する。
「ハンッ!」
真希波の認識への不満を鼻息に変えて吹き飛ばし、馬鹿よと言う言葉をのみ込んで、それから優しい声で言葉を紡いだ。
「いい、真希波マリ・イラストリアス。正直、アタシはアンタが居てくれたから戦い続けてられたんだと思う。アンタと言う人間が常にアタシの傍に居て認めてくれていたから、あの、
式波Type。
量産されたエヴァンゲリオンの管制用生体Unitとしてのアスカ。
憎まれもしたし、恨まれもした。
当時のWILLEの指揮官であった葛城ミサトは、その感情を意図的に制御しなかった。
理性ではアスカも理解している。
雑多な敗残兵や志願兵の集まりでしかなかったWILLEを団結させる為には、
だがそれは、アスカに絶大な負荷を与えた。
好きだと思っていた
それでも、アスカと言う人間の大事な部分が摩耗し果て無かったのは、衒いの無い善意を与えてくれた真希波が居ればこそだった。
そう、アスカは認識して居たのだ。
ぶっきらぼうな言葉だが、それは紛れも無い感謝の表明であった。
『ひっ、姫ぇ………』
至誠伝わればこそ、真希波は言葉を失った。
じっとアスカを見た。
振り返っていたアスカも真希波を見た。
笑ってる。
やさしく笑ってる。
14年の日々には無かった、柔らかなアスカの魅力的な笑顔だ。
「アタシだけじゃない。バカシンジだって、世界の為に死んで良いって思ってた、
バカと言う表現の、更に上を行くヴァッカと力を込めて言われた当のシンジは、礼儀正しく沈黙を守った。
口を手で覆って俯いている。
「(つつつぅー!!)」
それは別段に乙女の語らいの時間だから、ではない。
違う。
そう言う情緒的な理由では無いのだ。
そもそも、シンジはアスカの傍に居たいとばかりに操縦席すぐ下の狭い空間に寝具などで即席のソファを作り、座って居たのだ。
隙間からアスカの顔が見える様な、そんな場所だ。
それが災いした。
ヴァッカシンジッとアスカが爆発した際に、蹴られて悶絶していたのだ。
とは言えアスカも狙っての事では無い。
憤懣からの思わず地団駄を踏む様に動いた足が反射的にフットペダルから離れ、偶々と言う感じで直撃したのだ。
狭い空間に居ると言う事から被っていたヘルメットがあったとは言え、ゴッツいブーツが当たったのだ。
かなりの痛みだった。
だがシンジは悲鳴もうめき声も我慢した。
アスカの声色から空気を読んだのだった。
だがアスカはシンジの異変に気付いた。
シンジがアスカを見る様に、アスカも又、シンジを見ているのだから。
真希波にゴメンとの一言を言って、股下に集中する。
浮いたような操縦席、その真下に居るシンジに声を掛けた。
「シンジ? どうしたの??」
「なっ、何でも無いよ」
手を振って否定する。
真面目な話の途中で横から腰を折るのは悪い、そう思って耐えるシンジは性根の優しい子どもであった。
「気分でも悪くなったの?」
「いや、大丈夫。何でもないよ」
「そっ? なら良いけど、でも無理するんじゃないわよ?」
「ありがとう、アスカ」
話の腰が折れてしまったので、丁度良いと全周警戒。
ぐるりと周りを見渡す。
蒼い空。
碧い海。
そして大地、白い砂浜。
美しい、平和な世界。
それから何となくの満足を得たアスカは、
「まっ、良いわ。だからコネメガネ?」
『聞いてるよ、姫』
「あんまり
『え?』
「だから1つだけ、簡単な話を覚えておけば良いのよ。誰が何と言おうと、アンタがアンタ自身をどう評価しようとも、アタシはアンタを評価しているって事。感謝しているんだからね!」
『ひ、姫ぇぇぇ』
涙声めいた声を上げる真希波。
いや、泣いていた。
綺麗な涙を流れだしていた。
イヤフォンからその雰囲気を察したシンジは、おずおずと喉元のマイクスイッチを押して声を上げる。
『マリさん。アスカの言う通りだよ。僕も感謝している。あのマイナス宇宙に迎えに来てくれた事も、その前に僕を初号機にまで届けてくれた事だって感謝してるんだ。だから、何も出来なかったなんて
『わ、わんこ君までぇ』
シンジとアスカの至誠を受けて、真希波の涙腺が決壊した。
全てが終わった事で張りつめていたモノがキレた真希波は、
なまじ、何年も何年も独りで、他人に張りつめている事を判らせぬ様に動いてきたからこそ、全てが終わった反動が来ていたのだ。
全てが終わった日、マイナス宇宙を出て南極にシンジと2人で出現してからカラ元気で走っていたのだ。
躁、と言えた。
歳ゆえに声を上げる事は無いがそれでも静かに涙を流した。
風にまいて輝いて散っていく涙は、まるで光のしずくの様であった。
貰い泣きしそうになったアスカは、そっと前に視線を戻し、それを見て見ぬフリをする。
と、足元を見た。
シンジが見上げていた。
親指を立てるジェスチャ―が贈られ、贈る。
『姫、わんこ君。私、地上に降りたら2人にキスしたい。ハグしたい、すっごく抱きしめたい』
そう言った時の真希波は、凄く綺麗な笑顔をしていた。
第3村病院。
帰還者によって人口が増え続けている第3村にとって、衣食住に足して重要な、住人の医を助ける場所だ。
NERVとの戦争が終わり、手すきになったWILLEの医官も協力してくれている。
とは言え、かつての様な先進医療などが受けられる訳では無い。
発掘した医療設備を整備し移植したりしているが、その補修部品は潤沢ではないし、そもそも薬が常に品不足だ。
点滴も貴重品だった。
生活習慣病その他の予防活動だ。
虫歯だって予防しなければならない。
体を先にケアする事で、病気をさせない事が大事なのだから。
黄ばんだ壁紙や、座ればキィキィと音を立てる椅子。
それらだけではなく、揃えられている医療用の道具も新品の様な等とは口が裂けても言えない第3村病院の診察室であったが、それ故に、換気の徹底や清潔だけは保とうと言う努力が見られていた。
開けっ放しの窓から、村の生活雑音が聞こえている。
猥雑とも言えるが、それはやはり活気と呼ぶべきだろう。
コア化された世界に囲まれ、明日も判らぬ日々から解放された事が第3村の住人に元気を与えていた。
「と、言う訳でや」
愛嬌のある顔をわざとらしく歪めた鈴原は、自分の向かいに座った患者 ―― 患者予備軍である細く生白い体をした渚カヲルを見る。
気怠げに椅子に座ってはいるが、渚も顔には真剣の色が浮かんでいる。
「うん、どうなんだい?」
「働いて、良く食って、良く寝ろっちゅうこっちゃ」
無理しない範疇で、と続けた。
「うん?」
どういう事? とキョトンとする渚。
付き添いで来ていた綾波レイも、キョトンっと小首を傾げた。
揃って同じ角度に首が傾いている事に、
可愛いナァ、と。
兎も角。
今日ここに渚が来た理由は、体の不調故にだった。
体に上手く力が入らない、歩いているとふらつく事となった為、
別段に痛みは無い。
熱もある訳では無い。
取り合えず点滴を、と言う訳にはいかない第3村病院なので、鈴原は生活習慣の問診から始めた。
併せて、鈴原サクラにバイタルを測らせた。
その結果が、働け、食え、寝ろと言うものであった。
「今、問診した事から見るに、生活習慣の乱れからの、寝不足やな」
「寝不足?」
「寝不足。後は体力不足かのぅ」
そもそも、元が使徒の渚だ。
好きな時に寝て起きて、動いていた。
だから体に、人並みの生活リズムを覚えていないのだ。
にも拘わらず、第3村に来てからは同居人の綾波に合わせたリズムで生活をして、そして農作業その他の第3村での仕事をしていたのだ。
それは無理が来ると言うものであった。
使徒はともかく
渚が使徒であるとか、そこら辺の事情までは知らぬ鈴原であったが、体が今の生活に馴染んでいないと言う事は判った。
「昔の生活との差。そうやな、渚の様に
「そうなんだ」
「そうや。幸い、近隣の場所から食料の回収なんかも出来る様になっとる。だから体が馴染むまでは無理する必要はあらへん。だからな、渚も無理せん範囲で働いて、飯食っておれば何とかなるやろってハナシや」
実際、渚の様な症状の人間は割と居るのだ。
サードインパクト前の世界から今へと帰ってきた人は、生活習慣が一変する。
科学によって乳母傘であった日々から、自然と向き合い、科学の残滓はあっても己の身で戦わねばならぬ今では、体への負担が段違いになるからだ。
とは言え、救いがない訳では無い。
鈴原の言う様に、コア化が解けた近隣から米や小麦、その他の食料が発見されたお陰で第3村の食糧事情は急速に改善しており、体の馴染んでいない人間が慌てて、無理をしてまで働かなくても良かったのだ。
そこは救いであった。
コア化が解けた事によって、封印された様なものであった人類の科学が、人類の手に戻ってきた ―― そう呼ぶべき状況でもあった。
「そう、良かったわね」
言葉だけを見れば、素っ気ない感じもする綾波の感想。
だが優しく柔らかな微笑みが、心を現していた。
さて、生活習慣改善その他の
そこからの雑談。
第3村病院の医師として鈴原は、人類の互助会となったKREDITや、非常対応を主とした軍や警察を兼ねた様な組織へと変貌しつつあるWILLEともやり取りがある。
だからこそ、得られた情報を綾波と渚に伝える。
碇シンジの生存情報だ。
「碇君が、居たの」
「そうや。センセ、生きとったで」
「良かった」
涙をポロポロとこぼした綾波。
渚も、嬉しさをこらえきれぬとばかりに口元を抑え、笑っている。
若い二人を見守る鈴原も、うっすらと涙を浮かべている。
「センセ、凄い男やで。世界を守って、きちーんと帰ってきたんや」
「アスカ、おまじない、ちゃんと、約束を守れたのね」
涙を零しながら綺麗に笑う綾波に、渚がきれいなハンカチを差し出した。
食べる事も寝る事も上手く出来ていない渚だが、紳士的な仕草だけは一流であった。
そっと綾波の肩を抱いて、支えるまで自然にやってみせるのだ。
第3村おばちゃん達が黄色い声を挙げるのも当然と言うものだった。
色恋沙汰には疎いと言うか、
「そや。真希波ゆーヤツと一緒に南極で難儀しとったのを式波のヤツが見つけて拾ったと言う話や」
「それでシンジ君たちは何時帰ってくるんだい?」
第3村のオウジサマみたいに見られている渚だが、その性根は鈴原サクラとは別ベクトルでのシンジ至上主義者だった。
そこにブレは無い。
同居する綾波は大事だし、第3村で縁を繋いだ人たちも大事だ。
だが、一番大事と言う部分の軸は動いていなかった。
尚、鈴原サクラが動揺の1つも見せぬ、澄ましていられる理由は、先に聞いていたからだ。
聞いた上で、昔のコネを使ってWILLEなりKREDITなりの定期便でメルボルン基地へと迎えに行きたい、行く、行くべきだと大暴れした後だったと言うのが大きい。
流石に鈴原に止められ、帰ってくるのを迎え入れる準備をするべきだとの弁に同意したからであった。
その説得を受けた後の働きは美事であった。
看護師としての仕事も滞りなく行った。
その上で碇シンジの新居として、家族向けで広めの2K級の住居を確保しようとしたのはどうだろう? そう思う兄、鈴原トウジであった。
アスカや真希波とも同居させる積りかしらん。
兎も角。
楽しそうに共有庫から家財などを運び込む鈴原サクラの背中に何も聞けずにいた。
「何でもWILLEの依頼と言うか用事? 流石に部外者のワシに詳細は教えてくれんかったが、それでもそう遠くない頃にはコッチに戻ってくると言う話や」
「楽しみだね」
「ああ、全くや!!」
着水しているアルバトロス号。
その機内から生活物資を黙々と降ろし、数日とは言え生活空間を作り出そうと努力しているシンジ。
椅子を兼ねたベットを組み立て、それからテーブルを用意する。
それから組当て式の竈。
アルバトロス号からケーブルを引っ張ってきて、コンパクトな冷蔵庫も通電させる。
わずかばかりとは言え持ち込んだ肉などの生鮮食料品や、飲み物を冷やすのだ。
薪を用意したりもする。
残されていたガレージを流用するお陰で、テントを張らなくても良いが、それでも一苦労だ。
シンジは文句一つ零す事なく、否、嬉々として行っていた。
では、アスカたちは遊んでいるのかと言えば、そうでは無い。
大事な水の確保に動いていた。
このガレージに付属している水道栓、その大本を調べて通水出来るようにしようとしていた。
メルボルン基地で調べたら、タスマニア島と言う場所の水道は雨水を利用しているとの事だった。
それをろ過して飲用にも用いているのだ。
であれば、このガレージからそう遠くない場所に、雨水を集める場所やろ過設備がある筈だと言うのがアスカの見立てだった。
浄水場で処理した水を水道管で引っ張って来ていた場合は流石に手に負えないが、こんな辺鄙な場所なのだ。
家庭単位で扱う様な機材であろうと推測し、探し出し、その復旧を試みる予定であった。
勿論シンジ達も、海水から真水を作り出す簡易的なろ過ユニットを持って来ては居たが、
正規の、大量に水を作り出せる設備が復旧できるのであれば復旧させたいというのも当然の話であった。
ガレージ内の作業が終わると、次はガレージの入り口にシェード代わりの防水シートを張る。
壁にアンカーを打ち、柱を立てて紐で張って引っ張る。
手早く、そして無駄なく行っている。
第3村での生活経験がシンジにアウトドアへの適応力を与えていた。
風よけと、急な雨の際に中へと吹き込ませない為にと用意したものだった。
年季が入り少しばかり薄汚れてはいるが、白い蝋引き帆布は外壁が木で出来ているガレージに良く似合っていた。
「うん」
仕上がりに、シンジは満足げに頷く。
これならアスカも喜ぶだろう。
喜ぶ顔を想像して、少しにやけた。
後、少しばかりの安心も。
星空を眺めながらアスカと一緒に眠ったのはロマンチックであったけども、何と言うか、まだ
近隣10㎞圏内に人っ子一人いない場所であるが、なんと言うか、開放的過ぎると感じる訳で。
一仕事終えたシンジは次の作業に取り掛かった。
組み立て式のコンロを用意しての火起こしだ。
古新聞に枯れ枝を重ねてライターで着火。
乾ききっていたソレらは簡単に燃え上がり、そして薪に火が移る。
クッカーも兼ねたキャンピングケトルを乗せる。
コーヒーの支度だ。
潮騒に、パチパチという爆ぜる音が混じって心地よい風情を生み出す。
インスタントの粒剤を3杯分用意する。
と、賞味期限が見えた。
シンジは笑って、指先で弾く。
2016.12 ―― もう帰れない、遠い昔の日付だ。
少しだけ感傷的な気分に陥ったシンジ。
だが、それをぶち壊わされる。
「わんこ君助けて!
駆け込んできた真希波だ。
上半身真っ裸で、濡れたままに走ってくる。
「はぁっ!?」
水を滴らせてブルンブルンと大暴れの暴れん坊将軍×2に目が逝ってしまったのは、若さ故だろう。
で、反応が遅れた。
暴走する牛の如き動きで、シンジの後ろに回る真希波。
そのまま、ギュッとばかりにシンジにしがみ付く ―― 盾にする。
何に対して、誰に対して、そこにシンジが疑問を抱く前に、
此方も濡れての艶姿になっている。
顔が真っ赤になっている。
羞恥か怒りか。
口元をゴシゴシとこすりながら大噴火する。
「落ち着こうよ姫ェ!」
「煩い! コネメガネ!! アンタ、何てことするのよ!!!」
大激怒の上の大激怒である。
シンジは、AAAヴンダーでの一幕 ―― 厚い防爆ガラスをパンチ一発で割って見せた時なみの迫力をアスカから感じて硬直してしまう。
自分に向けられたものではないのにこの威力である。
だが真希波はシンジを盾にして飄々と笑う。
と言うかシンジ、盾と言うよりも人質状態である。
アスカはシンジを傷つける訳にはいかないと、切歯扼腕と言う塩梅で歯ぎしりをしている。
「ハグしてキスするって宣言してたし、姫だって良いよって言ったじゃない!!」
「ザッケンナコラー! 舌入れて来るキスまで許した積りはなーーーーーいっ!!」
「しっ、舌」
思わず
自分のすぐ横にある真希波の顔を見る。
目線があった。
ニャッと笑う真希波の表情は実に猫染みている。
ペロリっと唇を舐めた。
その艶めかしいピンク色の舌先が実にエロい。
「大人の
甘い吐息が耳にかかり、思わず顔が真っ赤になってしまうシンジ。
14歳の健全な
「ナニ顔を赤くしてんのよバカシンジ!!!!!!!!」
故に、アスカが激発するのもやむを得ない話であった。
飛び掛かったアスカが椅子に足を引っ掛けて、シンジに頭突きをしてしまうのだけは予想外の話であったが。
「キュゥ~」
シンジが失神してしまうのも含めて。
「姫、大胆?」
「冗談言ってる場合か! タオルを水で濡らして来て!!」
「合点承知!」
アスカの指示に従って慌てて駆け出した真希波。
締まらないドタバタ劇。
だが、それが良いのかもと思いながら。