アサルトリリィ BOUQUET  ~if~   作:クロスカウンター

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第6.2話 Happy birthday to you! You! その4

-9-

 

――パン! という発泡音に、ユユ様は、弾かれたようにチャームを振り回します――

『お姉さま!』

『ユユ様!……ぐっ!』

『楓さん!』

『狙撃が来る! 狙われてるのよ!!』

『お姉さま落ち着いて……きゃあ!』

――壁にはお祝いの言葉。机には美味しそうなショートケーキ。しかし戦場の狂気に囚われたユユ様には、クラッカーの破裂音と銃声を区別することができなかったのです――

 

 ……と、目の前で上映される人形劇を見ながら。

「……私はこれをどんな気持ちで見れば良いのでしょうか?」

「まぁ、たのひめばいいんじゃふぁいか?」「マイ。食べながら喋らない」

「ユユ様、これからがクライマックスですわ」(楓)「ここからどう盛り上がるのです?」

「あっ。私、出番だから……!」(ユージア)「ネタバレしていますが大丈夫ですか……?」

 何ともチープな劇と、妙にクオリティの高いデフォルメ人形を見つつ、ユユはこれ以上なく不満げな顔をしていた。

 数十分前。クラッカーの破裂音と共に、ユユはチャームを抜いた。

 なお、「どうせユユ様のことですから、サプライズを襲撃と勘違いするに決まってますわ」という楓の明察(偏見)に基づき配備された鎮圧部隊が、それをごく平和的に解決した。

「私の誕生会にしては扱いが雑なのですが」

「実際に役立ったではありませんか」

「暗闇で怪しげな動きをされれば誰でもそうなります」

「それでは、やはり役に立ったという認識でよろしいでしょうか?」

 言葉に詰まり、ユユは苦い顔をした。楓に言い負かされるのは、なぜか納得がいかなかった。

「……そもそもやりすぎではありませんか? 今回、事後処理の為に色々手を回したのですが……」

「まぁ、それ含めてのサプライズだ。みんなに愛されて、ユユは幸せ者だな!」

 マイがにっこりと(やや意地悪く)笑い、ユユは一層へそを曲げた。

 ……実は、『かなり大々的な問題になりそうだ』と同室の祀(※生徒会役員)に聞き、生徒会・風紀委員・その他役職あるリリィと前職のリリィも含めて、水面下で調整を行っていた。難色を示す者、取り合おうとしない者がいる中、苦労して何とか今日の謝罪回りを実現したのだ。

 その調整したリリィ全員が集まったビデオメッセージが冒頭に上映され、ユユは膝から崩れ落ちた。

「徒労も徒労ですよ……」

「心配かけちゃってごめんなさい、お姉さま。でも、フミちゃんの為にありがとうございます!」

 そう言って、リリはユユに抱き着いた。

「あー! ユユ様! どさくさ紛れに抱き着くのはNGですわ!」

「逆です。どさくさ紛れに『抱き着かれて』います」

「あっ、えーと、お祝いのハグです!」

「……鎮圧の時のあれもお祝いだったのか?」とタヅサ。「えっと、そのー?」

「これこれ! お主は黒子じゃろ!」(ミリアム)「劇なんて誰も見てないぞー」(マイ)「ちょっと! 私セリフの読み込みしてきたんですよ!?」(フミ)

「ユージア仮面……参上!」(ユージア)「あ、ちょっと出番早いです!」(フミ)「ネタバレしているので何でもいいですよ……」(ユユ)

 

『強く、誓ったんだ~♪』

 

「……何か曲が流れていませんか?」

「あわわ! 流れてますよ! 皆さん、踊りますよ!」

「胸がひりひりと~♪」

「リリさん、それは違う曲です」

「何故ミュージカル要素を……」

「いいから踊るぞー!」

 

「……フミさん、下手くそですわね」「楓さんに言われたくないですよ!」「まぁ、踊りは練習する暇がなかったからの」

「シェンリンが妙に上手いんだよな……」「『アイドルリリィ』ですからねぇ」「やるからには完璧を目指しますので」「踊りまで完璧な必要はないと思うがの」

 

「私、曲も振り付けも知らないのだけれど……」「いいんだよ雰囲気で。舞踏会じゃないんだぞ?」「あら? 私でよろしければお相手を務めましょうか?」「だ、ダメです! お姉さまは私と踊るんです!」

「……この曲ってパートナーが必要でしたっけ?」「でも、リリ、楽しそう……!」

 

「いたたたっ! お姉さま! そちらに腕は曲がりません!!」「ちょっと待って。今分かりかけてきたの。もうちょっと……」「いたたたっ!」

「ユユ様もあんなにはしゃがれて……」「いえ、関節決まってますよ!? どうして踊りながらこうなるんです……?」

 

 そんなこんなで流行歌に乗って踊ること数分。

「はぁ、はぁ……」

 本日の主役は疲れ果てていた。

「意外と……体力を使うものね……」

「か、加減というものを、知らないからですわ」

「か、楓も、お疲れのようじゃがな?」

 そして本日の準主役は……。

「お、お姉さまが楽しそうで……わたし、は……」

「リリー!!」(マイ)

「惜しい奴を亡くした……」(タヅサ)「これ、勝手にリーダーを殺すでない」(ミリアム)

「いえ……ちょ、ちょっと小休止しましょう……」とフミ

 気付けば、誕生会とは思えない死屍累々たる惨状だった。

「何故、皆さんもダウンされているのですか?」とユユ。

「本日は実習が重なっておりまして、結構ハードでしたから」とシェンリン。

「ど、どうしてシェンリンさんは元気なんですか……?」(リリ)「考えるだけ無駄じゃ。此奴は人に弱点を晒さぬ」(ミリアム)「人間を信じられない憐れな(けだもの)……」(楓)「一匹狼だな」(マイ)「お姉さまみたい……」(リリ)「ちょっと、聞こえてますよ」(ユユ)

「私……まだ踊れる!」とユージア。

「どうしてユージアさんも元気なんです……?」(フミ)「結構体力あるんだよなぁコイツ」(マイ)

「元気があるのでしたら、リリさんを運ぶのを手伝ってくださいな!」と楓。「ほら! シェンリンさんも!」

 ……と言いつつ、楓はひょいとリリを抱え上げた。

「ひゃあ! 楓さん!? 私、一人で歩けますよぉ~」

「待って! 私も行く……!」「はいはい、お手伝いいたしましょう」

「……結局一人で運んどるぞ」

 パーティはまだ始まったばかりであるのに。早くも満腹感を覚えるユユであった。

 

-

 

「リリ? その恰好は?」

 数分後、リリはフリフリのスカートとヘッドドレスを身に着けていた。それは一般に『メイド服』と呼ばれるものであり。

「はい! 今日はお姉さまに……じゃなかった、『お嬢様』にご奉仕いたします!」

 その満面の笑みに、ユユは曖昧に頷いた。

 どうやら、これもリリによるプレゼントの一環らしい。見れば、早速紅茶を淹れにかかっている。

 この子はまたバカなことを……と思ったが、意外に手際が良い。思いがけず、ユユは感心した。

「驚かれましたか? リリさん、今日の為にたくさん練習をされたのですよ」とシェンリン。

 言われなくとも、頑張りは十分に伝わっていた。

 もちろん、それは『お嬢様』たるユユから見るとまだまだ頼りない。それでも、初心者の域は抜けて十分に及第点と言える給仕ぶりに違いない。自然と、ユユの表情も緩み始め……。

 ……。

 ふと、ユユは視線を横に移した。

「……。どうして貴方もメイド服を?」

 何故か、シェンリンも給仕服に身を包んでいた。

「メイド長ですわ」とシェンリン。

「私はメイド見習い……」とユージア。「貴方まで……」

 ここでフミが種明かし。

「実は、シェンリンさんがユージアさんに紅茶の淹れ方を教えていたそうで。それを見ていたリリさんが、今回のアイディアを思い付いたんですよ~」

 なるほど、とユユ。

「全く服装の説明になっておりませんが、ご解説ありがとうございます」

「まぁ、深いことは考えず楽しめばいいんだ。アイツみたいにな」とマイ。

 その指差した先には恍惚とした表情の楓。

「リリさんが手ずから淹れた紅茶を飲めるなんて! あぁっ、私は幸せ者ですわ……!」

「ユユ様の誕生会で己の利益を最大化させるその貪欲さよ」(ミリアム)「只者じゃない」(タヅサ)「それほどでも!」(楓)「褒めてないぞ……?」(タヅサ)

 なお、何ならメイド服を手配したのも楓である。

「……『これ』と一緒は嫌なのですが」とユユ。

「いいんだよ。こういう時はバカになった方が楽しいぞ?」

「私はもっと落ち着いた雰囲気が好きなのです」

 本当にそうかー? とマイ。

 ユユは憮然とした表情を返事とした。

 

「ユユお嬢様ー! 紅茶ができまし、あっ」

 その時、リリはバランスを崩した。手にしていた容器は一直線にユユの方へと飛んでいき、当然、ユユの服はぐっしょりと濡れた。

「…………」

「え? あの……」

 慌てたように、シェンリンが駆け寄る。

「お嬢様、お怪我はありませんか!?」

「ええ、まぁ」

「お嬢様、タオル……」

「これはどうも」

 ユユはタオルで拭かれつつ、微妙な顔をしていた。

 容器は紙コップ。程よく冷まされた紅茶。すぐに出てきたタオル。これは……。

「あの、その……」

「貴方は! 謝罪の一つもできないのですか?」

「も、申し訳ありません!」

 リリは、自分の失敗に身体を縮こめていた。

 ……ただし、ユユはハッキリ見ていた。シェンリンがリリの背中を押したのを。……それと、『薄幸メイド物語』とミリアムが看板を上げたのも。

 ……ほらまた始まりましたよ……とユユ。

 

『貴方、紅茶の一つもまともに給仕できないのかしら?』

『ごめんなさい。私、不器用で……』

『不器用? 不器用だから失敗しても当然と?』

『そんな、私!』

『お黙りなさい! 反省もできない貴方には、お仕置きを受けていただきます』

 

 …………。

「コイツ、大きくなったら良い小姑になるぞ」(マイ)「完全に板に付いてますからねぇ」(フミ)「裏で本当にやってるのではなくて?」(楓)「『ユージアさん、この埃は何ですの』……痛っ!?」(ミリアム)

 ミリアムの後頭部に、リリィ仕様のカフスが突き刺さった。

「お前も懲りないな……」とタヅサ。

「すみません。お仕置きとやらの前に、私は着替えたいのですが……」

 真っ当なユユの感想に、しかし、声を上げたのは楓だった。

「ユユ様! リリさんをお仕置きする権利を前に逃げると言うのですか!!」

「いえ、ですから下着まで濡れていまして……」

 

「下着!?」とリリ。

 

「興奮するところか……?」(タヅサ)「まぁ、敬愛するお姉さまですから……」(フミ)「リリ……楓みたい」(ユージア)「それは言いすぎじゃろ……」(ミリアム)「……アナタたち、せめて声を潜めてくださいな」(楓)

「まぁ、今日は暑いからいいんじゃないか? ほら、制服なら下着も透けないだろ?」

 

「透け!?」とリリ。

 

「興奮するところか……?」(タヅサ)「まぁ、敬愛するお姉さまですから……」(フミ)「(リリ……楓みたい)」(ユージア)「(それは言いすぎじゃろ……)」(ミリアム)「ぼそぼそ言われるのも、陰口みたいで嫌ですわね……」(楓)

 

 ともあれ、ミリアムはしれっと前に出てユユに『それ』を手渡した。

「ほら、ユユ様。これはわしが開発したお仕置き用疑似チャーム……HARI-1000(エイチ・エー・アール・アイ・イチゼロゼロゼロ)じゃ!」

 それは九十九折りのごとく幾重に折り込まれた硬質の厚紙の造形美……。

「ってハリセンじゃないですか」(フミ)

 思いっ切り古典的なハリセンだった。しかも1m超のバラエティサイズ。

「あー、そうか。フミはリハに参加してなかったもんな」とマイ。

「こんなくだらない出し物とは知りませんでしたよ」(フミ)「おい! 結構作るの大変だったんじゃぞ!」

 まぁ、そうでしょうけども……とフミ。しかし、明らかに力の入れ所が間違っているように思えてならない。

「ささっ。一思いにどうぞ」とシェンリン。

 見れば、リリは既に覚悟を決め、歯を食いしばっている。

「私、お姉さまでしたら怖くありません……!」

「リリ、大胆……!」とユージア。

「……え? いや、これ顔を叩くんですか……?」と素でフミ。

 見た目はハリセンだが、質感は明らかに凶器(チャーム)である。ギャグで済ませられるのか、(はなは)だ疑問であった。

「あー、リハでは省略してたな……」(マイ)「これ、下手なところ叩いて大丈夫なのか?」(タヅサ)「まぁ、理論上はケガをしないことになっとる」(ミリアム)「ちょっと! 適当なマネは許しませんわ!?」(楓)

「ま、大丈夫じゃろ」とミリアム。「リリもこう言っておる。一思いにやるのもシュッツエンゲルの務めというものじゃ」

 ……それはどこの世界の守護天使(シュッツエンゲル)なのだろうか。

「私にシルトを甚振(いたぶ)る趣味はないのですが?」とユユ。

「意外ですね」とシェンリン。「しばきますよ」

「シェンリンさん、今ばかりは冗談ではないのでお気を付けを……!」(フミ)「おい。お前も無駄口は叩かない方が身のためだぞ」(タヅサ)「無駄口じゃなくてハリセンで叩かれるからな! っておわ!? 振り回すなよ!」(マイ)「茶番はもう十分です。誰でもいいので叩いて着替えに行きます」(ユユ)

「これがルナティックトランサー……!」(ユージア)「なるほど、確かに敵味方の見境が……うわっと!」(フミ)「おまえら命知らずか……!」(タヅサ)

 

 ……此奴(こやつ)ら、本当にアホじゃの……と机の下からミリアム。

 こういうものは口を開いたら負けだと心得ているので、ミリアムはこそっと机の影に隠れていた。

「大体、こんなバカげた出し物を提案したのは誰ですか?」

 一通り暴れた後、しびれを切らしたユユは一同を見回した。

「吊し上げですか? 随分エグイ提案をされますわね」(楓)「何でもいいので責任者を出してください」

 責任者……というか発案者。

「えっと、これって誰の発案でしたっけ?」とフミ。

 誰だったかのぅ……とミリアム。

 ミリアムの記憶では、確か、楓が発端だった。

『リリさんが紅茶を零してお仕置きされる流れで行きましょう』『何でですか!?』『涼し気でいいんじゃないでしょうか』『打ち水的なものです?』『……日本の伝統に謝っとけよ?』

 ……とまぁ、シェンリンが悪ノリしたのも原因だったように思える。

 いずれにせよ、口に出したらまず巻き添えを喰らう。ここは息を殺すのが正解である。……それに、どうせフミ辺りが不用意に声を上げるだろう。

「確か……」とフミ。

 案の定だった。

「確か……発案ってミリアムさんじゃありませんでした?」「ふあぃ!?」

 予想外だった。

「そうだ、ミリアムだったな」(マイ)「えー、そうでしたっけ?」(リリ)「あー、うん。そうだった」(タヅサ)「あむさんですわね」(シェンリン)「アムミリだね」(ユージア)「あー、ちびっ子でしたわね」(楓)「そうそうちびっ子です~」(フミ)「いや、ツッコめよ!」(タヅサ)

 いやータヅサさん、見事なツッコミです~! ハハっと和やかな笑いが「ちょっと待つのじゃ!!」

 ミリアムは精一杯飛び上がって叫んだ。

「おかしいじゃろ!? わしじゃない! 楓じゃ!」

「あら。こんなところに隠れていたのね」とユユ。

「しまった! ……いやしまっとらん! わしが正し……こら! 何をする、離せ……!」

「はいはい痛かったら手を上げるんですよ」と右腕を絞めつつシェンリン。

「大丈夫……大丈夫だよ?」と左腕を絞めつつユージア。

「手を上げられんし大丈夫ではないわ!! おい、ユージア! 大丈夫ではない! 放すのじゃ!」

 ミリアムは暴れた。理不尽に甘んじる気はないのだ。そんなミリアムに、ユージアは、とても優しく……しかしどこか悲し気な瞳を向けた。

「大丈夫……ミリアムは、今からでもやり直せる……」

「犯罪者扱いされとる!?」

 あまりにも無情だった。

「ユユ様! 話を」「茶番はもう十分と申し上げた筈です」

 ユユは、捕食者のどう猛さでミリアムを睨んだ。

 何で、こんなに怒っておるんじゃ……!?

 ……いやまぁ、ぐしょぐしょに濡れたまま何分も放置されれば誰でも怒るものだが。

「覚悟を決めなさい」とユユ。

「うわー。ユユ、本気だぞ」(マイ)「年貢の納め時だ」(タヅサ)「因果応報……」(ユージア)「自業自得ですね~」(フミ)「皆さんもこれを他山の石に……いえ、同じ山の石であることにため息を隠せませんわ」(シェンリン)「さっさと駆除しましょう」(楓)

「わしを心配してくれい!!」

 しかし、リリはぽわぽわとその様を見守っていた。

「大丈夫ですよ~。だって、理論上ケガをしないんですよね?」

「…………」

 キラキラと純粋な瞳を向けるリリに、ミリアムはどう返事をするべきか分からなかった。

 その隙に、ユユは一歩踏み込む。そして有無を言わせず、腕を振るった。

「歯を食いしばりなさい」

「ちょっ、あっ、あー!」

 迫る質量の塊。風を切るミリアムの発明品。それが身体に到達するまでの間、ミリアムは様々な記憶が浮かんでは消えた。『貴方がミリアムさんね!』『それは私がもう研究しているわ! 資料は確か……』『ごめん!! お願いだから手伝って……片づけを』『ふっ、ぐろっぴはもゆ家のお母さんだぜぇ……!』……いや、よりによってなぜもゆ様の思い出だけなのじゃ!?

 その時。ミリアムははっと思い出した。

『打ち水的なものです?』『……日本の伝統に謝っとけよ?』『まぁ、わしは()いと思うぞ! 何ならわしがお仕置き用のチャームを開発してやろうか?』『えぇ……ミリアムさんのセンスでは心配ですわ』『何をぅ! キレッキレの一振りを見せてやるわ!』

 ……言ってた。悪ノリしてた。そうか、あれが原因だったのか。全てはわしが悪かったのじゃな……。…………。……。

「いや! やっぱり悪いのはかえ、でっ!!?」

 ドゴっという鈍い音と共に、ミリアムは宙に舞った。「ミリアムさん!!?」

 その飛び方は美しく、芸術的であり……。そしてミリアムの記憶は、ここで途切れている。

 

-

 

「お前ら……! ミリアムが、息してないぞ!」

「何ですって!」と楓。「それは一大事です!!」とフミ。

「一刻も早く救命活動をしなくてはなりませんね」とシェンリン。

「そうだね……」とユージア。

「そうだな」とマイ。

「そうですね」とフミ。

「……」

「……」

「……」

「……」

「…………」「…………」「…………」「…………」

「「「「…………」」」」

「……いや、おまえたち薄情すぎるぞ……」とタヅサ。

「救命活動ということは……き、き……チュウですよね……!」(リリ)「キスでもチューでもない。救命活動だ」(タヅサ)「心肺停止後、1分毎に生存率が10%低下すると言われております」(シェンリン)「まぁ、リリィだともう少し穏やかだが……」(タヅサ)「生存率90%……89%……」(ユージア)「そのカウントダウンは無情だぞ……」(タヅサ)

「おいおい、そんなに言うならタヅサがやればいいじゃないか?」とマイ。

「言い出しっぺの法則ですね~」(フミ)「いえ、それを言うならマイ様がすればいいんじゃないですか?」(タヅサ)「いや、私は第十肋骨圧迫で忙しい」(マイ)「あふ……ふふっ……」(ミリアム)「あれ、ミリアムさん息してます……?」(リリ)「肋骨圧迫(※脇腹くすぐり)が効いてますわね」(シェンリン)

 

「まぁ、最初から胸は上下してたけどな」(タヅサ)「『タヅサさん、ミリアムさんの胸を見る』……と」(フミ)「あ、こらフミ!」(タヅサ)

「タヅサ、えっち……」(ユージア)「いいえ、年頃の子は誰しも女の子に興味を持つものですわ」(シェンリン)「私は思春期の男子か?」(タヅサ)「大丈夫だよ、女の子同士だし」(リリ)「それはフォローになって……いたたっ!」(フミ)「おまえはメモを消してから喋れ」(タヅサ)

 

「タヅサさん、そろそろ人工呼吸をなさらないと……」とシェンリン。

「はぁ? それは流れたんじゃなかったのか?」とタヅサ。

「こんな面白そ……げふんげふん」(マイ)「ミリアムさんの危機を救うためにですね~」(フミ)「(こいつ、他人事だからって……!)」(タヅサ)

「だ、ダメだよ! タヅサさんとミリアムさんがちゅ、ちゅ、キスするなんて!!」(リリ)「思いっ切り前のめりだが」(タヅサ)「尺もあるから……」(ユージア)「おい、尺の為にキスするのは不本意だぞ!」(タヅサ)「何でもいいのでさっさとやっちゃいましょう!」(フミ)「(こいつ、他人事だからって……!)」(タヅサ)

 

「おいおい、そんなに言うならフミがやればいいじゃないか?」とマイ。「え゛!?」

「……言い出しっぺの法則だな」(タヅサ)「タヅサさん!?」(フミ)「フミちゃんとミリアムさんがキ、キ……」(リリ)「ちょっと! リリさんも止めてくださいよ!?」(フミ)「自業自得だ」(タヅサ)

「フミさん。顎を突き上げるような形で気道確保、鼻を摘まんで口を密着させ息を吹き込むのです」とシェンリン。

「いえ知ってますけど……」(フミ)「フミ、知っちゃったね……」(ユージア)「? ……あ! これ『知らないからできない』を封じるアレでした!?」(フミ)

「もう面倒だからパパっと終わらせてくれ」(マイ)「雑ですよ!」

「大丈夫だよ、女の子同士だし」(リリ)「いえ、これは大問題です!」

「皆さん!! そもそも、キスを強要なんて良くないと思います!」と、声を大にフミ。

「……それを1分前に言ってたら私も同意したがな」(タヅサ)「大丈夫だ。お前の初めてはお父さんだ」(マイ)「それはノーカンです……!」

 否定はしないんだな……とタヅサ。「あはは……」とリリ。

 

---

 

「ユユ様のお色直しですわ!」

「わあ! 白のワンピース……!」

「え? あっ……お似合いです~!」

「おお! いいじゃないか! ユユの私服ってシックなものが多いから、新鮮でいいと思うぞ!」

「1年生一同から……です」

「まぁ、実際はほとんど楓さんの一存ですが」

「本当はわしら全員でショッピングに行きたかったがの」

「ユユ様、素敵だと思います」

「いかがでしょう? なかなか素敵なチョイスだったと自画自賛しておりますわ」

「……ひとまず、小芝居などせず普通に渡してください」

 

「今日は白井ユユじゃなくて、白いユユ様だね」(ユージア)

「え?」「ん?」「は?」

「……」

「…………」

「………………」

 

「おい、シェンリン。この空気をどうにかしろ」

「……『テスタメント』!」

「増幅してどうするのじゃ!?」

 

---

 

「皆の者! わしの一発芸に刮目せい!」

「わー!」

「盛り上げるのは流石ですね~」

「……思いっ切り白髪のカツラが見えてるが」「マイはオチが分かっちまったぞ」

「詰まらなかったらちびっ子3号に降格ですわ」「そういうシステムなんですか……?」

「ふん! 見ておれ! ミリアム・ヒデガルド・v・グロピウス、世紀の一発芸! 3、2、1……」

 

「『ルナティックトランサー』」

 

「…………」(ユユ)

「おい、命知らずか!?」(タヅサ)

「本家が飛んできますよ」(フミ)

「そのツッコミも大概だぞ」(マイ)

 

--

 

「えへへ、お姉さまぁ、えへへ~」

「ちょっとリリさん、引っ付きすぎで……リリさん?」

「えへへへ~」

 

「妙にテンションが高いの」(ミリアム)

「あれ……? お酒、入ってませんよね?」(フミ)

「確かにこの様子は怪しいぞ」(マイ)

「……おい、飲み物を用意したのって楓だったよな?」(タヅサ)

「楓じゃな」(ミリアム)「楓さんですね」(シェンリン)「楓だね」(ユージア)「楓かぁ……」(マイ)

「「「「「「…………」」」」」」

「ちょっと!? 濡れ衣ですわ!?」(楓)

 

「まさか、いくら楓さんでも『リリさんのラムネにだけアルコールを混入させてあられもない姿を堪能しよう』など……」(シェンリン)「想像をそれっぽく言葉にするのはお止めなさい!」

「ついに楓さんが一線を……」(フミ)「『来るべき時が来た』みたいな言い方は物言いですわ!?」

 

「どうする?」「私たちは何も知らなかったって……」「いえ、身内から犯罪者を出すのはちょっと……」「幸い、部外者はいませんから」「このことはわしらが墓まで……」

「どうして既遂前提で議論が始まるのですか! ちょっと! 私、結構頑張りましたのよ!?」

 

「ごめんごめん。ちょっと悪ノリした」とマイ。

「私もごめん。……リリは、普段からこんな感じ」(ユージア)「それはそれでひどいのではなくて?」(楓)

「まぁ、これは雰囲気に酔っておるのじゃな」(ミリアム)「リリさんがアルコールに弱いという話も聞いておりませんし」(シェンリン)「そもそも、同じものを飲食してますからね」(フミ)

「送り狼に気を付けろよ」(タヅサ)「どうしてアナタだけまだ警戒モードなのです……?」

 

「えへへ~」

「貴方たち! 茶番はいいので私を助けなさい」

「「「「お幸せに」」」」

「…………『ルナティックトランサー』」

「リリ! やめて!」「ストップですリリさん」「わしが身を挺してでも助けるぞ!」

「お前らの変わり身の早さは縮地以上だな」

 

----

 

「今日は無礼講じゃ!!」

 

「私のアイデンティティが!?」

 

「おい! ファンタズムはずるいぞ!」

 

「ユージア、その……、おかわり貰えるか?」

 

「一発芸……『鷹の目で覗きをするフミ』……」「冤罪です!?」

 

「お姉さまとお出かけ……!」

 

「ユージアさん、後でお仕置きですわね」

 

「ちょっと! 結婚式じゃありませんのよ!?」「け、結婚!!?」

 

「貴方たちは本当に……本当に、言葉も出ません」

 

----

 

「お姉さま」

 リリは、改めまってユユを見つめた。その手には、小さな包装。

「これ、私からプレゼントです」

 ユユは何となく視線を外した。……ニヨニヨと笑っているマイと後輩たちが目に映った。

 密かにため息を吐く。どうやら逃げ道はないらしい。

「……ありがとう、リリ。開けてもいいかしら?」

「はい! ……と言っても、大したものじゃないんですけど……」

 意外にも、と言うべきか、リリから受け取ったその箱はかなり軽かった。髪留めだろうかと直感的に予想した。

 リリのことだから、手作りのプレゼントに拘ったのではないか。髪留めなら何とか自作もできる。クローバーの髪留めがお気に入りだから、それとお揃いのような……。

 そんなことを考えていたから、箱の中身に、ユユは目を見開いた。

 無骨ささえ感じさせる豪快なフォルム、それでいてどこか上品さを携えたデザイン――ユユがかつて心を奪われた一振り――。

「これは……」

「驚いたかの? 実物約1/10サイズのダインスレイフじゃ!」

 ユユは、咄嗟に返事が出来なかった。

 ダインスレイフは、ユユにとって『呪われた』ものだった。同時に特別なものでもある。それ故に別のダインスレイフを使うつもりになれなかったし、その姿を見ることすらユユは拒んでいた。

 不味いと思った。しかし、その直感に反して、なぜか嫌な気持ちは湧いてこない。

 不意にマイと目が合う。マイがニヤニヤと楽しそうに笑うので。ユユは、強いて不機嫌そうな顔をした。

「あの、その……。あんまりでしたか……?」

「いいえ! 嬉しいわ。ただ、何と言うのかしら……予想していなかったものだから」

 複雑な気持ち。

 嬉しい気持ちは存分にある。しかし、むしろそこに戸惑ってしまう。この贈り物を喜んで受け取ってしまっていいのだろうか。

――……自分がもうダインスレイフに抵抗がないことは、素直に喜べることなのだろうか――

 そのユユの表情は、控えめに言って嬉しそうには見えなかった。

「あの、お姉さま……」

 リリは、少しだけ声音を変えた。そして、意を決したようにユユを見つめる。

「お姉さま。私が初めて見たお姉さまは、ダインスレイフを手にしていました。だから……という訳じゃないですけど……だから! その! 一目惚れだったんです! ダインスレイフを使うお姉さまが、綺麗で、カッコ良くて、素敵で……! 夢でも、ダインスレイフを持ったお姉さまと戦うのを何度も見ちゃいました」

 リリは、少し恥ずかしそうに笑って、『ダインスレイフ』を見つめた。

「これは私にとっての思い出だから、お姉さまにとってはそうではないかもしれませんけど……。でも! チャームを作れるってミリアムさんに聞いた時、プレゼントはこれしかないって思ったんです」

 もしかしたら嫌がられるかもしれない。そう分かっていて、それでも贈りたかった。

 その理由はきっと。

「私、きっと……」「いつまでもめそめそされては迷惑! ということですわ!」

「わわ! 楓さん……?」

 いつの間にか、楓がユユとリリの間に立ちはだかっていた。

「楓さん。貴方には、私がめそめそしているように映るのですね」

「そうですわ! アナタにはこ~んな可愛いリリさんが居るのに、他に何を求める必要があるのでしょう?」

 ユユはぴくりと眉を動かした。しかし、その表情は澄まし顔のままだった。

「要らないのでしたら、私が頂きましょうか?」とシェンリン。

「ええ!? シェンリンさんがリリさんを!?」(フミ)「え、ええ!?」(リリ)「大胆不敵……!」(ユージア)「それもまた愛じゃな」(ミリアム)

「……一応ツッコんでおくが、シェンリンが言ってるのは『ダインスレイフ』のことだぞ」とタヅサ。

「さあ? どうでしょう」とシェンリン。

 それは本気とも冗談とも取れない微妙な顔だった。

「大丈夫だ! ダインスレイフはユユのお気に入りだからな! 喜んでいない筈がないぞ」

 マイが横から口を挟んだ。

「……貴方は知っていたのですか」

「さあな? でも、リリの言いたいことは分かる。前を向けってことだな」

――過去に囚われるな、恐れるな、前を向け――

 不思議なことに、皆は口を揃えて同じことを言う。ユユは、変におかしい気がして、ふと気が緩んだ。

 それを見て、リリが叫んだ。

「あ! お姉さまが! 笑いました!!」

「……ちょっと何ですか。私が笑うことは……泣くほどですか!?」

 何故かボロボロと、表情そのまま、涙だけ大粒のを零していた。

「ち、違っ! ……だ、だって……最近、お姉さまはずっと難しい顔をされてて……」

 おろおろと、ユユは周りを見渡した。楓はシェンリンとユージアに阻まれている。フミはタブレットで写真だか動画を撮っている、マイはただただ笑っている。自分で頑張れ、とでも言っているようだ。

――何ですか、みんなして……――

 不満を口にしかけて、リリの様子にまたおろおろした。

 ここ数年。ユユは、自分が冷めた人間だと思ったことは何度もある。実際、感情が揺れ動くことが極端に少なくなっていた。『死神』という通り名さえ、妥当に思えて訂正する気も起きなかった。

 しかし、リリにとってのユユはもっと表情豊かな存在らしい。少なくとも、ユユが無愛想だと不安で泣いてしまう程に。

 ユユは、努めて表情を保ちつつ、頬に手を当てた。

 ……シュッツエンゲルとしてリリに向き合うということは、そのまま、『前を向く』ことに直結する。リリの存在は、あまりにも……。

 ユユは思考を打ち切り、一歩リリに近付いた。

「リリ」

「お姉さま……? わっ! わっ」

 有無を言わせず、ユユは、リリを抱き寄せるような形でリリに密着した。

「心配をかけてごめんなさい。外征のことで神経質になっていたみたい。……ダメね、シルトを不安にさせているようじゃシュッツエンゲル失格だわ」

「そ、そんなことありません! 私、私……!」

 リリがもう不安を口にしないよう、ぎゅっと力を込めた。

――恐れちゃいけないよ――

 何を恐れるものがあるのだろう。

――未来を見て――

 言われるまでもなく。

――いつまでも幻影なんかに囚われないで――

 ……。こんな手のかかるシルトに構っていたら、過去に浸る暇すらない。

 きっとそれでいい。未来を向くことが何を意味するかなんて関係ない。

 自分がシルト(リリ)を不安にさせてまで過去に囚われるような人間になって、誰が喜ぶというのだろうか。

「リリ。もう二度と貴方を泣かせたりしないわ。決して私から離れては駄目よ。だって、貴方ったら危なっかしくて目を離しておけないもの」

 キャーっと黄色い悲鳴が上がった。マイは面白そうに、シェンリンは囃すように、ユージアは興奮したように、タヅサは恥ずかしそうに、ミリアムは豪快に、楓は暴れ、フミは煽りを受けてすっ飛ばされた。

 ただ一人、リリだけが不満そうな声を上げた。

「わ、私だって子どもじゃありません! お姉さまを守ります!」

「え?」「えー!?」「おろ?」「あらら」「リリ……!」「これは……」「それはプロポーズですわよリリさん!?」

 え? とリリ。

「誰がプロポーズですか」

「違うのか?」とマイ。

 違います、とユユ。

 にひひ、とマイが笑った。

 その誤魔化すような笑いに、ふっ、とタヅサが笑った。

 それを見て、シェンリンがふふっと笑った。

 つられるようにフミが、ユージアが、ミリアムが、楓が、リリが。ユユまでも可笑しくなって笑ってしまった。

「リリ……みんなも……。今日は、本当にありがとう」

 ユユはごく自然に感謝を口にした。

 誰もが笑ってユユを見つめている。ユユも微笑んで皆を見つめている。

 時期外れの誕生日会は、大成功の(うち)に終わろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おめでとう、ユユ」

 

 ユユは、肩を揺らした。

 誰もいる筈のない背後。

 そこに居る筈のない誰か。

 時が止まったような世界で、ユユはゆっくりと――誰より早く――振り返る。

「……。……ごきげんよう。ソラハ」

「ごきげんよう、ユユさん?」

 そこに居たのは、ユユの旧友、天野天葉(ソラハ)だった。

 友人が、誕生会にお祝いの言葉を掛けただけ。それだけで人をここまで疲れさせる人間は、ソラハ位なものだ。

 ユユは視線に棘を込めたが、ソラハはただニコリと笑った。

「わぁ! 花束ですか?」とリリ。

 視線を下げると、ソラハの手の中で、色とりどりの花が咲き乱れていた。

「うーん、花束というより『ブーケ』かな」とソラハ。

 二人のお祝いには丁度良いでしょう? と、ユユとリリだけに聞こえる声で囁いた。

 リリは首を傾げ、ユユはそれを受け取る振りをしてグッとソラハを押し返した。

「あ・り・が・と・う。ソラハ」

「礼には及ばないさ。他でもないユユの為なんだから」

 そしてユユの力に逆らわず、ソラハは流れるように二人から離れた。

「それじゃあそろそろお暇しようかな」

「あら? もうお帰りですか?」とシェンリン。

「今日は君たちが主役だからね。私はお邪魔虫さ」

 そう言っている間に、ソラハはもう、半身を扉の外に滑り込ませていた。

「それではごきげんよう」

 短い一言ながら物足りなさは全くない挨拶。

 水鳥のような、爽やかで嫌味のない去り際だった。

「……やっぱり本物の一流リリィはオーラが違いますねぇ」とフミ。

 その視線は楓を向いており、言い方に含みがあった。

「私が偽物のような言い方は聞き捨てなりませんが?」

「……似非の自覚はあるのか」(タヅサ)

「似……!? お待ちなさい、私は正真正銘の一流ですわ!?」

 ……その余韻が去らない内に俄かに活気づくのは、流石一柳隊といったところだろうか。

「貴方たちは情緒というものを知らないのですか?」

「いいではありませんか」とシェンリン。

「百合ヶ丘に一つくらい、騒がしくて慎みのないレギオンがあった方が面白い筈ですわ。西瓜(スイカ)に塩をかけるようなものです」

「明らかに塩分過多なのですが……」

 と言いつつも、ユユの表情は満更でもなさそうだった。

 もちろん、当人はそうと気付いていなかったが。

「おーい! フミが一発芸するらしいぞ!」

「お?」「ほうほう」

「マイ様!? どこから現れたんですか!?」

「詰まらなかったら出家ですわ」

「何で俗世を捨てなきゃいけないんですか!?」

 ……騒がしい夜は終わらない。一柳隊のパーティはまだまだ続く。

 今日は無礼講。なぜなら、一柳隊のお姉さまの誕生日会なのだから。

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