The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
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目が覚めると、目の前には見慣れた光景があった。
どうやら僕はまたここに戻ってきてしまったらしい。
「今回はちゃんと終わらせたんだけどな…。」
僕がボソッと独り言を言うと、隣で座っていた少女が僕に話しかけてきた。
「何独り言言ってんのよ。気持ち悪い。」
僕は声の主の方を見る。
そこにはアスカがいた。
「ただいま。アスカ。」
「ふんっ。なにがただいまよ。気持ち悪い。」
「君は惣流・アスカ・ラングレーだよね。」
「そうよ。何度も碇シンジに見捨てられては、首を絞められる惣流・アスカ・ラングレーよ。」
アスカは嫌味混じりにそんなことを言ってきた。
「それは、ほんとにごめん…。」
「謝っても許さないわよ。一生償いなさい。」
「わかってるよ…。ところで、アスカ。何で今回はいなかったの?」
「そんなの私が知るわけないでしょ。でも、実体がないだけで、ちゃんとあの世界にはいたわよ。」
「そっ、そうなんだ。じゃあ、全部見たってことだよね。」
「ええ、そうね。あんたが苦しむ様を見てほくそ笑んでたわ。」
「ひどいな…。」
「ひどいのはどっちよ。偽物の私を救って、ヒーロー気取り?ほんとに反吐が出るわ。」
「それでも、一回助けれなかったんだけどね…。」
「はんっ。そうね。ほんとにグズで優柔不断なんだから。それに何よ、いくら偽物とはいえ、何で私をあんな盗撮マニアの相田とカップリングしてるのよ。気持ち悪いったらありゃしないわよ。」
「あの世界のアスカはケンスケと1番仲が良かったからだよ…。逆に誰ならよかったんだよ…。」
「加持さんに決まってるじゃない。」
「あの世界のアスカは加持さんのこと好きじゃなかったし、そもそもミサトさんとの子供もいたのに、さすがにやばいだろ。」
「ふんっ。まあ、いいわ。終わったことにとやかく言っても仕方ないわ。で、あんたこれからどうすんのよ。」
「どうするもの何も、僕たちの世界を変えるために動くしかないだろ。」
「また繰り返すつもりなの?」
「それしか出来ないんだから、仕方ないじゃないか。」
「はぁ、ほんとあんたバカね。」
「何とでも言えよ。僕は僕のやったことの責任を取りたいだけだ。」
僕は拳を握りしめて言う。
その様子を見ていたアスカはため息混じりに聞いてきた。
「はいはい。正義感は立派なもんですね。ところで、何度も聞いて悪いけど、あんたってどうやってタイムリープしてるの。」
「こんな世界嫌だって、強く思うと、意識を失って、別の世界にいるんだ。」
「そっ。で、今回はあの世界だったと。」
「うん。エヴァがない世界にしたのに。こっちの世界には何も影響なかったね。」
「当たり前じゃない。そんなこともわかんないわけ?」
「たしかに、君がいない世界を救ったところで、僕たちの世界が変わるわけないよね。」
「そう言うことを言ってるんじゃないわよ。ほんとにバカね。」
「次はちゃんと惣流・アスカ・ラングレーがいる世界でやり直すよ。」
「はぁ。勝手にしなさい。どうせ私は裏切られ、殺されるんだから。」
「もうそんなことさせないよ。」
「無理よ。どうあがいてもあんたはまたここに戻ってくるわ。今までもそうだったでしょ。」
「たしかにそうだけど…。次はなんとか出来るかもしれないじゃないか…。」
「ほんとに頭の中お花畑ね。物事の本質が何も見えてない。」
「そんな言わなくたっていいじゃないか…。僕だって、繰り返したくないよ…。でも、別の世界に行くと記憶がリセットされた状態で始まって、同じ結末になっちゃうんだよ…。」
「ふーん。じゃあ、記憶の継続性があれば、どうにか出来るってわけね。」
「当たり前じゃないか。今の記憶があれば絶対に世界を変えれる。」
「わかったわ。じゃあ、もし記憶の継続性があった世界に行きあたっても、この場所に戻ってきてしまったら、そん時は私の言うことひとつ聞きなさいよ。」
「何で、そんな約束しなきゃいけないんだよ。」
「それくらい覚悟があるのかって話よ。」
「覚悟ならあるよ。」
「そう。なら、契約成立ね。そろそろ、私も自分が傷つくのは飽きてきたし、いいわ。せいぜいもがきなさい。」
そういうと、アスカは僕の眉間をポンと人差し指で叩いた。
その瞬間、僕は意識を失ったのである。
意識を失う最中、アスカは何かを呟いていたが、僕はそれを聞き取ることができないまま、世界が暗転した。