The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
第14使徒戦翌日。
リツコの部屋にて。
「やはり、あの子達に何かしらの異変があるようね。」
「やっぱり、そうよね…。」
「えぇ、戦闘中とはいえ、アスカはシンクロ率が150オーバー。シンジ君も100%をゆうに越えてたわ。」
「シンクロテストではどうだったんだっけ?」
「ディラックの海から帰ってきてから1回目のテストでは二人とも80%を出していたけど、それ以降は平均60%程よ。」
「それは、手を抜いてたってことかしら?」
「おそらくそうね。」
「なんて、そんなことを…?」
「私たちに怪しまれないようにじゃないかしら?」
「はぁ、隠し事されてるってわけね。」
「そうね。こちらも悠長にしてる場合じゃないわ。早急に原因を明らかにしないと。」
「シンジ君はディラックの海に取り込まれてたから、異常があってもおかしくはないけど、なんでアスカまで…?」
「それは、分からないわ。ところで、普段の二人に変わりはないかしら?」
「んー。いつも通り、アスカがシンちゃんを罵倒して、家事を全て押し付けてる感じね。」
「それをいつも通りと捉えるのはどうなのかしら…。あなたの保護監督責任をといたいわね…。」
「だって、アスカに注意しても聞かないんだもーん。」
「はぁ、今はそのことは不問にしましょう。引き続き、二人に異変はないか監視を続けてちょうだい。」
「了解しました〜。」
……
同時刻。
司令室にて。
「碇。いいのか?シナリオから大きく逸脱しているぞ。」
「構いませんよ。」
「しかし、上が黙ってないぞ?予定より早く、委員会から直接使者が送られてきたんだ。」
「大丈夫ですよ。冬月先生。我々の目的には支障ありません。」
「なぜ、そこまで余裕なのかね?」
「シンジがこちら側の人間だからですよ。」
「なに?お前の息子がか?」
「はい。ですから、利用できるものは、最大限利用しましょう。」
「はぁ。お前がそう言うなら、だまってついて行こう。」
……
さらに同時刻。
ミサト宅にて。
僕はとりあえず、一つ目の山場を乗り切り、脱力していた。
昨日は本当に危なかった。
でも、アスカの危機に自然と身体が動いてしまったのである。
とにかく、アスカに怪我がなくてよかった。
そんな事を考えていると、僕の部屋の扉が開き、誰かが入ってきた。
僕は咄嗟に寝たふりをする。
すると、その人物は僕のベッドになんの躊躇いもなく入ってきたのだった。
そして、その人物が話しかけてきた。
「シンジ。起きてるの。」
「う、うん。」
「そう。」
そしてそのまま会話が途切れる。
先日、アスカは僕のベッドに忍び込んできたことがあった。
そして、その時、僕が何も言わなかったので、それから時々こうして潜り込んでくるのだ。
僕は、文句を言うと何をされるか分からないので言わないようにしている。
それに、僕も満更ではないのだ。
アスカの温もりを感じると安心する。
理由はよく分からないがら安心するんだ。
アスカはどう思ってるか分からないけど…。
「あんた、これからどうするの。」
アスカが突然話しかけてきた。
「とりあえず、最初の山場は超えたけど、やることはいっぱいあるからそのための下準備かな。」
「そう。」
「アスカはどうして僕に協力してくれるの?協力しないって言ってたのに。」
「別に協力してるつもりはないわ。私のやりたいようにやってるだけよ。」
「そっか。でも、ありがとう。」
「ふんっ。」
再び沈黙に戻る。
しかし、僕は生まれて初めて、言葉が無くても不安にならない感覚を味わったのであった。
そして、そのまま僕は再び眠りにつくのであった。
……
数時間後。
僕は目を覚まし、隣を確認する。
しかし、アスカの姿はない。
僕は起き上がり、リビングへと向かう。
すると、そこには何やら考え事をしているアスカの姿があった。
「どうしたの?」
「ちょっと、考え事よ。」
「そっか?」
僕は冷蔵庫からお茶を取り出し飲む。
「普通、そこは何のとか聞くでしょうが。」
アスカがこちらをキッと睨む。
「何を考えてたの…?」
「加持さんのことよ。」
「加持さん?」
「アンタ忘れたの!?このままいくと、加持さんが殺されちゃうじゃない!?」
「そうだけど…。まだ、ずいぶん先の話じゃないか…。」
「アンタね、暗殺されたってことはずっと命を狙われてったことなのよ
。だから、本来いつ殺されてもおかしくないんだからね!」
「たしかにそうだね…。」
「というわけで、加持さんを拉致して監禁します。」
「えっ!?」
「なによ?文句あるの?」
「なっ、ないけど…。どうやってやるんだよ…。」
「それは任せなさい。私が完璧な作戦を立てるわ。」
アスカが悪い顔をしている。
正直不安でいっぱいだけど、覚悟を決めてやるしかないみたいだ。
「作戦は明後日実行よ。」
「流石にはやすぎない??」
「善は急げよ。」
「はぁ…。」
こうして、加持さん捕獲作戦(仮)が実行されるのであった。