The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
とあるマンションのとある部屋にて。
「ここは、どこだ…?」
「加持さん。お目覚めですか?」
「その声は…。まさか、シンジ君なのか?」
「はい。そうです。すいません。手荒なマネして。」
「…。俺は確か…。」
……
数時間前。
「加持さん!いらっしゃい!」
「あぁ、お邪魔します。葛城は仕事中か?」
「はい。そうですよ。」
「おや、シンジ君もいたのか。」
「はい。部屋に篭ってますんで、お気になさらず。」
「気にしなくていいよと言いたいとこだが、アスカが用ががあるらしいからな。まあ、用が済んだら呼びに行くよ。君とも話したいことがあるしね。」
「わかりました。では、また後で。」
僕はそう言い、部屋に戻った。
大丈夫。
あとは、アスカが何とかしてくれる…。
「加持さーん。何飲みますかー?」
「コーヒーをお願いしようかな。」
「わかりましたー。」
「で、用ってのはなんなんだ?」
「私、加持さんのことが心配なんですよ。」
「んっ?俺のことが?どうして?」
「加持さんって、色々なところのスパイしてるじゃないですか。だから、いつか殺されちゃうんじゃないかって不安なんですよ。」
「アスカ…?なんで、そんなこと…?」
「まあ、そんなわけで、少し大人しくしててくださいね。」
「えっ…?あれっ…?急に眠気が…。」
加持さんはあっという間に寝てしまった。
「シンジー。こっち手伝ってー。」
「わかったよ…。」
……
そして、現在に至る。
「俺は嵌められたのか。」
「すいません。アスカは言い出したらきかないんで…。」
「どうしてこんな事を?」
「加持さんが心配だからですよ。」
「君たちが気にするような事じゃないさ。」
「でも、このままじゃ、殺されちゃいますよ?」
「どうして君たちがそう言い切れるのかな?」
「詳しくは話せませんが…。人類補完計画。これで、わかりますかね…。」
「なっ、君はもしかして全部知ってるのかい?」
「ご想像にお任せします。」
「なるほど。それなら、君たちが変わったのも納得がいく。つまり、このままいけば俺は近いうちに暗殺されるわけか。」
「そういうことです。」
「でもな、シンジ君。俺は殺される覚悟はとっくにできている。でなきゃ、こんな仕事はやってないさ。だから、この拘束を解いてくれないか?」
「加持さん。自分で覚悟が決まってるからって死んでいいわけではないですよ。」
「それはどういうことだい…?」
「加持さんが死ぬと、悲しむ人がいっぱいいます。特に、ミサトさんです。」
「…。そうかもしれないが、あいつも大人だ。割り切るだろう。」
「加持さんは、前に僕に言いましたよね。失ってから大切なものに気付くもんだって。後から、後悔しても遅いと。」
「言ったな…。」
「ミサトさんにも同じ思いをさせるんですか?」
「…。それは…。」
「ミサトさんは今でも加持さんのことを愛していますよ。だから、そんな簡単に死んでもいいとか言わないでください。」
「…。はぁ、こりゃ敵わんな。わかったよ。ここで、しばらく身を潜めることにしよう。」
「ありがとうございます。僕たちのわがままに付き合ってくれて。」
「あそこまで言われたら仕方ない。でも、葛城に危険が迫ったら教えてくれ。俺はあいつを守りたいんだ。」
「加持さんからそんなことが聞けるとは…。驚きです。」
「茶化さないでくれよ。これでも、本気なんだ。」
「わかりました。食事とか生活に必要なものは僕が定期的にもってきますね。」
「ああ、よろしく頼むよ。」
「それでは、アスカが待ってるので。」
「ちょっと、待ってくれ、シンジ君。」
「なんでしょうか?」
「こないだの質問の答えは出たかな?」
「…。まだ、答えをちゃんと見つけたわけではありません。でも、僕にとってアスカは大切な存在です。幸せになって欲しいと願ってます。でも、この感情がなんなのかはいまだにわかりません。」
「そうか。そこまで、わかってるならいいんだ。焦らず、見つければいい。アスカのことは任せたぞ。」
「…。自信はないですが、頑張ります、」
こうして、僕は自宅に戻った。
……
ミサト宅にて。
「加持さんどうだった?」
アスカがソワソワしながら僕に聞いてくる。
「納得してくれたと思うよ。しばらくはあそこに身を隠すってさ。」
「あんた、すごいわね。まあ、でも監視は怠ったちゃだめよ。」
「わかってるよ。あんまし、気が進まないけど…。今度、アスカもちゃんと謝りに行きなよ。手荒なマネしちゃったんだから。」
「そうね。今度、謝りに行っとくわ。」
そんな会話をしていると、ミサトさんが帰ってきた。
「たっだいまー。」
「お帰りなさい、ミサトさん。
「あれ?二人とも真剣な顔して?お取り込み中だった?」
「違いますよ。」
「あら、そう?遠慮しなくてもいいのよ?」
「しつこいと嫌われるわよ。」
「やーん。アスカが辛辣ー。あっ、そうだ。加持くんの姿が午後から見えないんだけど、あなたち知らない?」
「知らないわよ。」
「僕も知りませんね。でも、加持さんのことですし他の女の人のところに…。」
「…、それもそうね。よーし、ご飯にしましょー。」
ミサトはそう言うと、着替えをしに部屋に入っていった。
「アスカはすごいね、平然と嘘がつけて。」
「アンタもじゃない。しかも、余計なことまで。」
「…。謝ることが増えちゃったよ…。」
「ほんとに、バカね。」
こうして、加持さんの拉致監禁作戦は無事、成功(?)に終わったのであった。