The end of the journey 〜最果ての旅〜   作:カズめぐ

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第九話

とあるマンションのとある部屋にて。

 

「ここは、どこだ…?」

 

「加持さん。お目覚めですか?」

 

「その声は…。まさか、シンジ君なのか?」

 

「はい。そうです。すいません。手荒なマネして。」

 

「…。俺は確か…。」

 

 

……

数時間前。

 

「加持さん!いらっしゃい!」

 

「あぁ、お邪魔します。葛城は仕事中か?」

 

「はい。そうですよ。」

 

「おや、シンジ君もいたのか。」

 

「はい。部屋に篭ってますんで、お気になさらず。」

 

「気にしなくていいよと言いたいとこだが、アスカが用ががあるらしいからな。まあ、用が済んだら呼びに行くよ。君とも話したいことがあるしね。」

 

「わかりました。では、また後で。」

 

僕はそう言い、部屋に戻った。

大丈夫。

あとは、アスカが何とかしてくれる…。

 

「加持さーん。何飲みますかー?」

 

「コーヒーをお願いしようかな。」

 

「わかりましたー。」

 

「で、用ってのはなんなんだ?」

 

「私、加持さんのことが心配なんですよ。」

 

「んっ?俺のことが?どうして?」

 

「加持さんって、色々なところのスパイしてるじゃないですか。だから、いつか殺されちゃうんじゃないかって不安なんですよ。」

 

「アスカ…?なんで、そんなこと…?」

 

「まあ、そんなわけで、少し大人しくしててくださいね。」

 

「えっ…?あれっ…?急に眠気が…。」

 

加持さんはあっという間に寝てしまった。

 

「シンジー。こっち手伝ってー。」

 

「わかったよ…。」

 

……

そして、現在に至る。

 

「俺は嵌められたのか。」

 

「すいません。アスカは言い出したらきかないんで…。」

 

「どうしてこんな事を?」

 

「加持さんが心配だからですよ。」

 

「君たちが気にするような事じゃないさ。」

 

「でも、このままじゃ、殺されちゃいますよ?」

 

「どうして君たちがそう言い切れるのかな?」

 

「詳しくは話せませんが…。人類補完計画。これで、わかりますかね…。」

 

「なっ、君はもしかして全部知ってるのかい?」

 

「ご想像にお任せします。」

 

「なるほど。それなら、君たちが変わったのも納得がいく。つまり、このままいけば俺は近いうちに暗殺されるわけか。」

 

「そういうことです。」

 

「でもな、シンジ君。俺は殺される覚悟はとっくにできている。でなきゃ、こんな仕事はやってないさ。だから、この拘束を解いてくれないか?」

 

「加持さん。自分で覚悟が決まってるからって死んでいいわけではないですよ。」

 

「それはどういうことだい…?」

 

「加持さんが死ぬと、悲しむ人がいっぱいいます。特に、ミサトさんです。」

 

「…。そうかもしれないが、あいつも大人だ。割り切るだろう。」

 

「加持さんは、前に僕に言いましたよね。失ってから大切なものに気付くもんだって。後から、後悔しても遅いと。」

 

「言ったな…。」

 

「ミサトさんにも同じ思いをさせるんですか?」

 

「…。それは…。」

 

「ミサトさんは今でも加持さんのことを愛していますよ。だから、そんな簡単に死んでもいいとか言わないでください。」

 

「…。はぁ、こりゃ敵わんな。わかったよ。ここで、しばらく身を潜めることにしよう。」

 

「ありがとうございます。僕たちのわがままに付き合ってくれて。」

 

「あそこまで言われたら仕方ない。でも、葛城に危険が迫ったら教えてくれ。俺はあいつを守りたいんだ。」

 

「加持さんからそんなことが聞けるとは…。驚きです。」

 

「茶化さないでくれよ。これでも、本気なんだ。」

 

「わかりました。食事とか生活に必要なものは僕が定期的にもってきますね。」

 

「ああ、よろしく頼むよ。」

 

「それでは、アスカが待ってるので。」

 

「ちょっと、待ってくれ、シンジ君。」

 

「なんでしょうか?」

 

「こないだの質問の答えは出たかな?」

 

「…。まだ、答えをちゃんと見つけたわけではありません。でも、僕にとってアスカは大切な存在です。幸せになって欲しいと願ってます。でも、この感情がなんなのかはいまだにわかりません。」

 

「そうか。そこまで、わかってるならいいんだ。焦らず、見つければいい。アスカのことは任せたぞ。」

 

「…。自信はないですが、頑張ります、」

 

こうして、僕は自宅に戻った。

 

……

ミサト宅にて。

 

「加持さんどうだった?」

 

アスカがソワソワしながら僕に聞いてくる。

 

「納得してくれたと思うよ。しばらくはあそこに身を隠すってさ。」

 

「あんた、すごいわね。まあ、でも監視は怠ったちゃだめよ。」

 

「わかってるよ。あんまし、気が進まないけど…。今度、アスカもちゃんと謝りに行きなよ。手荒なマネしちゃったんだから。」

 

「そうね。今度、謝りに行っとくわ。」

 

そんな会話をしていると、ミサトさんが帰ってきた。

 

「たっだいまー。」

 

「お帰りなさい、ミサトさん。

 

「あれ?二人とも真剣な顔して?お取り込み中だった?」

 

「違いますよ。」

 

「あら、そう?遠慮しなくてもいいのよ?」

 

「しつこいと嫌われるわよ。」

 

「やーん。アスカが辛辣ー。あっ、そうだ。加持くんの姿が午後から見えないんだけど、あなたち知らない?」

 

「知らないわよ。」

 

「僕も知りませんね。でも、加持さんのことですし他の女の人のところに…。」

 

「…、それもそうね。よーし、ご飯にしましょー。」

 

ミサトはそう言うと、着替えをしに部屋に入っていった。

 

「アスカはすごいね、平然と嘘がつけて。」

 

「アンタもじゃない。しかも、余計なことまで。」

 

「…。謝ることが増えちゃったよ…。」

 

「ほんとに、バカね。」

 

こうして、加持さんの拉致監禁作戦は無事、成功(?)に終わったのであった。

 

 

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