The end of the journey 〜最果ての旅〜   作:カズめぐ

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Another Side 4

私は何をしているのだろうか。

自分で買ったリングを見つめながら思う。

しかも、文字まで彫っている。

たしかに、シンジに喜んで欲しかった。

でも、これはやりすぎだ。

加持さんのアドバイスは聞くべきではなかったのだ…。

 

……

シンジの誕生日の一週間前。

とあるマンションの一室にて。

 

「よっ、久しぶりだな、アスカ。」

 

加持さんがエプロン姿で出迎えてくれる。

家の中にずっといて暇だったのか、料理に目覚めてしまったのだ。

まあ、それは今は置いておこう。

 

「加持さんに相談があるんです。」

 

「なんでも聞いてくれ。」

 

「男の人って何をもらったら嬉しいですか?」

 

「それはシンジ君のことかい?」

 

「…。違いますよ…。」

 

「隠さなくていいんだよ。シンジ君は確か来週誕生日だったね。」

 

「はい…。」

 

私はあっさりバレてしまったので、ばつが悪い。

 

「まあ、シンジ君なら何をもらっても喜ぶんじゃないか?」

 

「そうですけど…。いざ、決めようとすると…。」

 

「んー。そうだな、リングなんてどうだ?」

 

「リングって指輪のことですか?」

 

「あぁ、そうだよ。シンプルなやつにして、中に文字でも彫ってみたらどうだ?そしたら、シンジ君の女除けにもなるぞ。」

 

「別に私は…。」

 

否定しようと思ったが、他の女がシンジ近づく想像をしただけで、虫酸が走ったので否定するのをやめた。

はぁ。

私はこんなにもシンジのことが…。

 

「どうしたんだ?」

 

一人で物思いに耽る私に加持さんが声をかける。

 

「どうすればいいのかわかんないです。」

 

「シンジ君とのことかい?」

 

「はい。たしかに私はアイツに特別な思いを抱いているかもしれません。でも、それを認めてはだめなんです。」

 

「どうしてだい?」

 

「…。それは言えません…。」

 

「そうか。なら言わなくてもいい。何か事情があるんだろう。」

 

「はい…。」

 

「まあ、気持ち云々は置いておこう。その代わり、自分がしたいことに素直に従ってみたらどうだ?」

 

「私のしたいこと…?」

 

「あぁ、そうだ。」

 

「わかりました…。頑張ってみます…。」

 

「あぁ。また、いつでも相談に来ていいからな。なんせ俺はずっと暇だからな。」

 

「わかりました。ありがとうございます。」

 

……

 

そして今に至る。

私は加持さんのアドバイス通り、リングを買い、素直な気持ちを文字にして彫ってしまった。

ほんとにバカである。

こんなの気持ちを認めてるのと同じだ。

それでも、私は心に嘘をつき続ける。

私には最後に果たさなくてはならない役目がある。

たとえ、シンジに嫌われようとも。

でも、その時までは今の気持ちを尊重してもいいのではないか。

そんな考えが頭をよぎる。

私は私の気持ちがわからない。

きっと、何もなければ私は素直に気持ちに従えるのだろう。

私はシンジに見てほしい。

シンジに触れてほしい。

シンジに…。

そんなことを思っても、一歩が踏み出せない。

きっと、恐れているのだ、失うことを。

はぁ、私はここまで弱い人間に成り下がったのか。

昔の私が見たらどう思うだろうか。

いろんなことを頭の中でぐちゃぐちゃと考える。

でも、答えは出ない。

結局私はそのままねてしまったのであった。

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