The end of the journey 〜最果ての旅〜   作:カズめぐ

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これで最終話です!
今までありがとうございました!


Another Side 5

シンジの誕生日の翌朝。

私はシンジと顔が合わせづらかったので、シンジより早く起き、学校に向かっていた。

もちろん、学校についても誰もいない。

私は自分の席につき、呟いた。

 

「私のバカ…。」

 

 

……

一時間後。

教室内は徐々に生徒の数が増えてきた。

ちなみに、シンジは3バカで話している。

 

「なんや!?指輪なんてどないしたんや!?誰からもらったんや!?」

 

「トウジ!?声が大きいよ!!」

 

鈴原の声がデカすぎて、私はシンジたちが何を話しているのか知ってしまった。

どうやら、私があげた指輪のことを話しているらしい。

シンジはちゃんと付けてくれているみたいだ。

しかし、鈴原のせいで周りが少しざわつき始めた。

少し、嫌な予感がする。

シンジたちは先程よりも声のトーンを落として話しているため、何を話しているのかは私には聞こえない。

代わり、周りの人声がよく聞こえる。

 

「碇くん、指輪なんて持ってるんだって。誰かと付き合ってるのかしら?」

 

「えー、それショック…。私、碇くんのこと狙ってたのに…。」

 

「私もいいなと思ってたのにな…。」

 

とある女生徒二人がそんなことを話している。

私はそれを聞いて、とても気分が悪かった。

シンジは誰にも渡さない。

よっぽど、不機嫌な顔をしていたのか、心配してヒカリが話しかけてきた。

 

「アスカ、大丈夫?」

 

「大丈夫よ。」

 

私は無表情のまま答える。

そんな中、鈴原が私のことをニヤニヤしながら話しかけてきた。

 

「おう、惣流。お前、とうとうシンジと付き合うようになったんか?」

 

普段の私なら、こんな軽い挑発に乗らずに鈴原をけちょんけちょんに懲らしめていたはずだ。

しかし、今の私は先程の女生徒の話のせいで、冷静な判断が出来なくなっていた。

 

「そうよ?悪い?」

 

私はとんでもないことを口走っていた。

 

「えっ…。いや、別に…。悪くはないんやないか…?」

 

鈴原が私の発言に困惑している。

こっちも、動揺していたが、悟られるわけにはいかない。

 

「ならほっといてよ。」

 

「すまん…。」

 

なんとか、切り抜けることができた。

しかし、今度はシンジが私のところに来た。

 

「アスカ!」

 

シンジは私の名前を呼ぶと、手を引っ張り、私を屋上まで連れて行った。

シンジは怒っているのだろうか…。

私はとても不安になる。

しかし、それを悟られないように語気を強くした。

 

「ちょっと、急に何よ。痛いじゃない。」

 

「ご、ごめん。でも、どうしてあんな発言を?」

 

シンジが困った顔で聞いてくる。

 

「アンタがそれを学校に持ってきたからでしょ?他にどう言えば良かったのよ。」

 

「確かにそうだけど…。流石にあれはやりすぎじゃ…。」

 

「はぁ?全部私のせいにするわけ?」

 

「違うけど…。元はと言えば、アスカはどうして僕にこれを?」

 

私は聞かれたくないことを、シンジに聞かれた。

 

「…。なんとなくよ。」

 

私はお茶を濁すような回答をする。

 

「なんとなくってなんだよ。」

 

「そのままの意味よ。」

 

「…。じゃあ、あの彫ってある文字はなんなんだよ。」

 

「別に深い意味はないわ…。」

 

「アスカが何を考えているのかわからないよ…。」

 

シンジが悲しそうな顔をしている。

シンジにはそんな顔をしないでほしい。

シンジには笑っていてほしいのだ。

だから、もう嘘はつけない。

たとえ、私が私でなくなったとしても。

 

「そうね。私にもわからないわ。でも、これだけは言えるわ。」

 

「何さ…。」

 

「私はアンタが好きよ。」

 

「えっ…。」

 

とうとう、言葉にしてしまった。

今まで、頑なに認めなかったのに、言葉にしただけで、色々感情が溢れてくる。

あぁ。

やっぱり、私はシンジが好きだったんだ。

でも、それだけではない。

ちゃんと本当の気持ちを伝えなければ。

 

「でも、これは純粋なものじゃない。私はアンタが憎くてたまらないわ。でも、その中にアンタが好きっていう感情もある。お子ちゃまなアンタにこんな重い気持ちが受け止め切れるかしら?」

 

言った。

ちゃんと言った。

包み隠さず言えた。

でも、こんな重い気持ちをシンジが受け止めてくれるはずがない。

私はこの先のことを考えると泣きそうになった。

そんな私を見てシンジがゆっくりと口を開いた。

 

「アスカ。僕は確かにアスカのことを大切に思っているよ。でも、この気持ちがなんなのか分からなかった。」

 

嫌だ。

聞きたくない。

拒絶の言葉なんて聞きたくない。

 

「そっ。なら、この話は終わりね。教室に戻りましょ。」

 

私はシンジの話を聞きたくなかったので、足早に教室に戻ろうとする。

しかし、シンジが真剣な表情で私を呼び止めてきた。

 

「アスカ!でも、今はこの気持ちをちゃんと言葉にできるんだ!」

 

私は自分が言いたいことだけ言って、逃げようとしていた。

でも、それではダメだ。

ちゃんと、気持ちに決着をつけなければならない。

私はそう思い、シンジに聞く。

 

「何よ…。」

 

私に聞かれたシンジは深呼吸をした後に、ゆっくりと話し出した。

 

「僕はアスカのことが好きなんだ。好きって言葉じゃ、表現できないほど、君のことを想ってる。憎まれてたっていい。だから、アスカさえ良ければ、僕とずっと一緒にいてください。」

 

えっ…?

シンジが私を好きって言ってくれた…?

私を受け入れてくれた…?

 

「アンタ、それ本気で言ってんの…?」

 

私は震えた声でシンジに聞く。

 

「僕は本気だよ。」

 

「私はアンタのことが死ぬほど憎いのよ。」

 

「それでも僕はアスカと一緒にいたい。」

 

「バカじゃないの…。」

 

嬉しい…。

シンジが私を必要としてくれた。

一緒にいたいと言ってくれた。

 

「そうだね。バカかもしれない。でも、アスカが好きなんだ。」

 

「わかったわ。そこまで言うならいいわ。その指輪に書いてある通りにしてあげる。」

 

「それって…。」

 

「『I will never forgive you. But if you want, I give you all of me.』 私はアンタを許さない。でも、アンタが望むのであれば私はアンタに私の全てをあげるわ。好きよ、シンジ。」

 

私はそう言うと、シンジに抱き付いた。

すると、シンジは両腕で私を抱きしめて返してくれた。

そして、こう耳元で囁いてきた。

 

「ありがとう。アスカ。こんな僕を受け入れてくれて。」

 

私は生まれてから、1番幸せだったかもしれない。

きっと、これはこの先にあることの代わりに神様が用意してくれたプレゼントだろう。

だから、私は旅の果てまでの少しの時間、この幸せを噛み締めることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 




すいません。
エイプリルフールです。
ちゃんと続きますんで、許してくださいm(_ _)m
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