The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
とある日。
リツコの部屋にて。
「ミサト。あなた知っているかしら?」
「なにをー?」
「アスカとシンジ君が付き合い始めたそうよ。」
「えっ、それどこ情報よ。」
「ネルフの諜報員よ。しかも、教室で大胆に宣言したそうよ。」
「なんで、あなたが諜報員から情報を聞き出してるのよ…。」
「パイロットの管理として当然よ。むしろ、あなたの方がお粗末じゃなくって?」
「私は、私生活には極力触れたくないのよ。あの子達にはパイロットの時以外は普通の子供として過ごしてほしいもの。」
「けれど、あの子達に何かあったら私たちのクビどころではすまないよよ。」
「確かにそうだけど…。」
「それに今はあの子達が変わった原因を突き止めてるところでしょ?」
「そうね…。確かに、あのアスカが…。」
「そうよ。人に寄り添おうとせず、自分の力でなんとかすることに拘ってきたアスカが人と一緒にいることを選んだのよ。」
「それは、単にシンジ君と会って変わったんじゃ…。」
「人はそう簡単には変われないわ。」
「はぁ。わかったわよ。私も少し監査の目を強化すればいいんでしょ?」
「ええ、そうしてちょうだい。」
……
同時刻。
ミサト宅にて。
「アスカー。夕飯何食べたい?」
「ハンバーグ。」
「わかったー。」
僕とアスカが付き合ってから数日経ったけど、特に僕たちの生活に変わりはなかった。
少し変わったことと言えば、今までは寝静まった頃に僕の布団に入って来ていたが、今はもう最初から入ってきている。
そのせいか、僕は少し寝不足である。
しかし、幸せなのでよしとしている。
「たっだいまー」
僕が夕飯の支度をしていると、ミサトさんが帰ってきた。
「お帰りなさい。ミサトさん。」
「おっ、今日はハンバーグね!エビチュがすすむわ!」
「ほどほどにしておいてくださいね…。」
「わかってますよ〜。」
夕飯が出来上がり、食卓につく。
「「「いただきます」」」
3人で夕飯を食べるのは久しぶりな気がする。
ここ最近ずっとミサトさんは忙しそうにしていた。
「みんなで揃って食べるのも久しぶりですね。」
「そうねー。最近、忙しかったからねー。」
「いつもお疲れ様です。」
「シンジ君たちは私がいなくて大丈夫だったー?」
「ガキじゃないんだから大丈夫に決まっているでしょ。」
先ほどまでなんともなかったのに、なぜか今は機嫌が悪そうに見える。
「アスカ?どうしたの?ハンバーグ美味しくなかった?」
僕は心配になり、アスカに聞く。
「いつも通り普通よ。」
「そっか?」
僕はますますアスカが不機嫌な理由がわからない。
すると、ミサトさんがアスカを揶揄い出した。
「ごめんねー、アスカ。シンちゃんとの二人きりの時間を取っちゃって〜。」
「別にそんなんじゃないわよ!?」
アスカが顔を真っ赤にして反抗した。
「私知ってるんだからね〜。二人がお付き合いしはじめたことー。」
初耳である。
一体どこで聞いたのだろうか…。
「どこ情報ですか?」
「女の勘よ。」
「はぁ。」
まあ、情報源はいくら聞いても答えないだろう。
僕は付き合ってることを公にしていいのかわからなかったため、アスカの方をチラリと見た。
すると、アスカは悪いかをしていた。
「付き合ってると思うなら、少しは気を利かせなさいよ。」
「えー。ここ一応、私の家なんだけど…。」
ミサトさんはしょぼんとしている。
「アスカ…。流石に言い過ぎだよ…。」
「いいのよシンちゃん。せっかくアスカが楽しそうにしてるんだから。こういう、普通の幸せも味わって欲しいのよ。」
「そういうものですかね…?」
「そういうものよ。あと、二人ともお付き合いするのは構わないけど、中学生なんだから、あまりハメを外しすぎないようにね。」
「そんなことわかってるわよ。」
アスカはとうとう否定しなくなった。
最近のアスカは受け入れるのが早い気がする。
人は案外変わるもんだ。
「ならいいわ。2人とも、幸せになりなさいよ。」
なぜか、ミサトさんはしみじみとしている。
そういえば、加持さんのことはどうなっているのだろう?
「ミサトさん。加持さんてどうしてます?」
「あー、加持君なら、こないだ手紙でしばらく遠方で仕事があるって来たわよー。」
手紙?
僕はそんなもの知らない。
アスカがだしたのだほうか?
しかし、今は確認できないので、話を合わせることにした。
「なら、無事だったんですね。よかったです。」
「そうね。シンジ君の言う通り、女のところに転がり込んでるのかも。」
「ははは…。」
僕はこの件をまだ加持さんに謝っていない。
今度、ちゃんと謝ろう…。
「じゃあ、私はお風呂入ってくるわね。2人はあんまし夜更かしせず寝るのよ?」
「わかりました。」
ミサトさんはこうして風呂に入りに行った。
リビングには僕とアスカの2人が残されている。
「アスカ。今日はミサトさんもいるし、自分の部屋で寝なね。」
「わかったわよ…。」
一時間後、僕が寝ようとすると、布団の中にはアスカがいた。
「アスカ…。」
「なによ。別にいいじゃない。悪いことしてるわけじゃないんだから。」
「わかったよ。」
こうして、僕らは眠りについたのだった。