The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
7月28日。
第十六使徒が襲来した。
使徒はカヲル君の乗る3号機に侵食しようとしたが、カヲル君自身には侵食できず、3号機の自爆をもって殲滅された。
もちろんカヲル君は無事である。
そして、今は2人で更衣室にいる。
「カヲル君?本当に大丈夫なの?」
「シンジ君。僕は使徒に侵食はされないさ。だから、心配しないで。」
「でも、心配なものは心配で…。それに、3号機も…。」
「3号機は仕方ないさ。もともと無いに等しいものだからね。2号機があるから充分だよ。」
「2号機に乗るの?」
「そのときが来たらね。まあ、彼女は許してくれなさそうだけど。」
「アスカか…。」
「彼女の様子はどうだい?」
「まだ…。」
カヲル君に嘘をつくのは心苦しいが、仕方ない。
「そうか。あまり気を落とさないで欲しいな。彼女もきっとそれを望んではいない。」
「そうだね…。アスカが目覚めた時には全て終わらせられるようにするよ。」
「それがいいさ。」
「それより、確かもう使徒は来ないはずだよね?」
「そうだね。」
「僕まだ、S2機関取り込んでないよ。」
「そこは安心してくれたまえ。僕がなんとかするよ。」
「使徒がいないのに?」
「シンジ君は心配しなくて大丈夫だよ。僕がなんとかするから。」
カヲル君が僕にニコッと笑いかけてくる。
しかし、その笑みはこれ以上の追及を拒むような笑みだった。
「わかったよ…。でも、僕に手伝えることがあったらなんでも言ってね、」
「ありがとう、シンジ君。」
こうして僕はカヲル君と別れた。
……
自宅にて。
「今回の使徒は随分呆気なかったわね。」
「そうだね。僕も正直びっくりしたよ。」
「まあ、倒せたんならなんでもいいわよ。」
「これで、使徒は全部倒したから、あと少しだ。」
「全部?まだ…。そうね。あと少しね。」
「…?僕何か変なこと言ったかな?」
アスカの歯切れの悪さに僕は不安になる。
カヲル君もそうだったが、2人とも僕に何か隠してることがあるのではないか。
「いや、私はずっとあの状態だったから、この期間のことを詳しくは知らないのよ。」
「たしかにそうだね…。」
確かにそうだが、それだけじゃない気がする。
僕は何かを見落としている?
しかし、それがわからない。
「どうしたのよ?」
アスカが僕の顔を覗き込んでくる。
「アスカは僕に何か隠し事してる?」
僕はアスカの目を見て聞いた。
「…。なんにもないわよ…。」
アスカは目を逸らし、ボソッとそう言った。
確実に何かを隠している。
しかし、これ以上追及する勇気はない。
「そっか…。ならいいんだ…。」
この時、僕はアスカやカヲル君に追及しなかったことを後悔する日が来るなんて思ってもいなかった。
……
数日後。
とある場所にて。
「さあ行こうか。リリンが生み出し、アダムの化身よ。彼らの未来のために。」
その日。
僕は大切なものを失った。