The end of the journey 〜最果ての旅〜   作:カズめぐ

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第十八話

全てが終わる日まであと数日。

僕は自分にできる事をするために動いていた。

 

「お久しぶりです。加持さん。」

 

「おや、久しぶりだね、シンジ君。ちょっとやつれたかい?」

 

「まあ、色々あったので…。」

 

「そうか。まあ聞かないでおこう。で、なんのようだい?」

 

加持さんはいつもの軽い調子で聞いてくる。

それとは、対照的に僕は真面目な顔で答えた。

 

「加持さんを解放しにきました。」

 

「えっ…?」

 

あまりにも突然のことだったため加持さんは固まってしまった。

 

「こりゃまた、急にどうしたんだい?」

 

「もうすぐ、終わりが近づいてます。じきにここも危険になります。」

 

「そうか。とうとうなのか。」

 

「はい。それに、ミサトさんも危険に晒されると思います。ですから、ミサトさんを守ってあげてください。」

 

「わかった。ありがとう、シンジ君。」

 

「いえ、今まで自分たちの都合でこんなことしてすみませんでした。」

 

「いやいいんだよ。俺もやっと気づけたからね。だから、シンジ君もがんばりたまえよ。」

 

「はい。わかりました。」

 

その後、加持さんはどこかに行ってしまった。

 

 

……

自宅にて。

 

「加持さんは?」

 

「どこかに行っちゃったよ。」

 

「そっ。無理しないといいんだけどな。」

 

「今の加持さんなら自分の命を軽く扱うようなことはしないよ。まあ、ミサトさんを守るために多少の無理はするかもしれないけどね。」

 

「そうね。」

 

「うん。」

 

会話が終わり、沈黙が流れる、

しばらくすると、アスカがボソッとつぶやいた。

 

「もうすぐ終わるのね。」

 

「うん。あと少しだよ。」

 

「怖い?」

 

「怖いよ。逃げ出したいくらい怖い。」

 

「じゃあ、逃げちゃえばいいじゃん。」

 

アスカが真剣な顔で言ってくる。

それに対して、僕も真剣な顔で答えた。

 

「怖いけど。逃げちゃダメなんだ。僕は君を守りたいから。」

 

僕は本心を告げる。

今まで頑張って来れたのも全部アスカのおかげだ。

アスカを救いたい一心で頑張ってきた。

一度は裏切り、傷付けたのに、アスカは僕のことを好きと言ってくれた。

今度はその気持ちに僕が答える番だ。

だから、命に変えてでもアスカは守る。

 

「まあ、死なない程度に頑張りなさい。」

 

「うん。」

 

そして、再び沈黙が流れる。

昔は嫌だった沈黙も今では少し心地よさを感じる。

話さなくても分かり合える気がするからだ。

僕が心地よさに浸っていると、アスカが話しかけてきた。

 

「海に行きましょう。」

 

「へっ?」

 

アスカの突拍子もない発言に変な声が出る。

 

「海よ。海に行きましょう。」

 

「どうしてさ?」

 

「なんとなくよ。ほら支度して!」

 

「今から!?ていうか、アスカはいま外に出ちゃダメでしょ!?」

 

「別に問題ないでしょ。リツコにバレてるんだから。」

 

「えー…。でも…。」

 

「うじうじしてないでさっさと行くわよ!即断即決すぐ行動!」

 

結局、僕はアスカのわがままに付き合わされ海に行くのであった。

 

……

海岸にて。

 

「綺麗ね。」

 

「うん。」

 

目の前には大海原が広がっている。

時刻は午後3時。

真っ青な海に心が浄化されていくようだ。

 

「海ってこんなに青かったんだ。」

 

アスカがボソッとそんなことを呟いている。

 

「だね。久しぶりに見たからかな?」

 

「そうね。ちゃんと目に焼きつけとかなきゃ。」

 

「どうしてさ?」

 

「なんとなくよ。」

 

「ふーん?」

 

アスカが不思議なことを言っていたが、特に気にしなかった。

 

「ねぇ。シンジ。」

 

「なに?」

 

「アンタは全てが終わったら何するの?」

 

「全てが終わったらか…。考えたことなかったな。アスカはしたいことあるの?」

 

「私はアンタがいればなんでもいいかな。」

 

アスカが海を見ながらすごく恥ずかしいことを平然と言ってくる。

 

「そ、そっか…。僕もアスカがいたらなんでもできる気がするな。」

 

僕も勇気を振り絞って言ってみたが、アスカは特に反応しなかった。

 

「そっ。まあ、先のことはその時に考えればいいわよね。」

 

「そうだね。だから、ちゃんと終わらせよう。今度こそ。僕たちの手で。」

 

「頼りにしてるわよ。」

 

「うん。アスカは絶対に守ってみせる。」

 

「そろそろ、帰りましょうか。」

 

アスカはそう言うと、腰を上げ、歩き出した。

僕はその背中に無言でついていく。

 

「ねぇ。また、全てが終わったら来ようね。」

 

僕がアスカに問いかける。

 

「そうね。今度、海に来たら大事な話をしましょ。」

 

アスカは振り返らずにそう答えた。

 

「大事な話?」

 

「そう。大事な話。」

 

「今じゃダメなの?」

 

「全てが終わってからね。」

 

「そっか。わかった。その時にはちゃんと聞かせてね。」

 

「うん。」

 

こうして僕たちは帰路についた。

そして、とうとうその日を迎えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あと少しで終わらせられると思います。
長らくお待たせしてすいません。
あと少しだけ、お付き合いいただけると幸いです。
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