The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
決戦の日。
司令室にて。
「父さん。なんの用?」
「お前に聞きたいことがある。」
「なに?」
「お前は私の敵か?」
「わからない。でも、父さんのやろうとしていることを肯定することはできない。」
「やはり、全て知っているのか。なら、なおさら肯定できない理由がわからないな。」
「母さんのために人類全てを巻き込むことなんて肯定できないよ。」
「ふっ。シンジ。今のお前は私と同じだ。」
「父さんと?同じじゃないよ。違う。」
「いや。同じだ。お前もセカンドパイロットを失ったら同じことをするだろう。」
「…。それは…。」
「ふっ。まあ、いい。せいぜい足掻くといい。」
「父さんの好きにはさせない…。」
こうして、僕は司令室を出た。
もしかしたら、父さんと最後の会話かもしれない。
でも、いいんだ。
他に話すことはない。
しかし、僕は父さんと同じなのだろうか。
アスカのためなら世界を滅ぼすのだろうか。
わからない…。
もしかしたら…。
ダメだ。
こんなことを考えてる暇はない。
早く、初号機のところに行かなきゃ。
アスカはリツコさんの配慮もあり、すでに2号機に乗り込んでいる。
戦時が攻め込んでくるまで、あと30分もない。
できることをやっておかねば。
そして、そのまま僕は綾波のところに行った。
……
零号機の前にて。
「綾波。」
「碇君。どうしたの。」
「綾波と話がしたくて。」
「そう。」
「綾波は父さんのところに行くの。」
「命令だから。」
「綾波はそれでいいの?」
「…?命令だもの。」
「綾波はどうしたいの。」
「私は…。ごめんなさい、わからない。碇君はどうしたいの。」
「僕はアスカを守りたい。綾波を守りたい。ミサトさんを守りたい。他にもたくさんの人を守りたい。」
「そう。私も碇君を守りたい。でも、どうしたらいいかわからない。」
「ありがとう、綾波。一緒に戦おう。そして、僕たちの未来を掴もう。」
「それが碇君がやりたいこと?」
「うん。」
「わかった。私は碇君と一緒に戦う。」
「ありがとう。」
「こんな時は笑えばいいのかしら?」
「うん。笑えばいいと思うよ。」
こうして、僕と綾波は別れ、それぞれエヴァに乗り込んだ。
……
僕は初号機の中にいる。
遠くの方から爆発音が聞こえる。
とうとう、戦自が攻め込んできたのだろう。
ミサトさん達が心配だが、事前に対策は立てておいたので、信じるしかない。
僕はゆっくり深呼吸をする。
緊張のあまり、身体が小刻みに震えていた。
僕は気持ちを落ち着かせるため、心の中で母さんに話しかける。
『母さん。僕に力を貸してください。』
そう、願ったら少し気持ちが軽くなった。
僕は一人じゃないのだ。
母さんもいる。
綾波もいる。
それに、アスカもいるのだ。
大丈夫。
きっと、大丈夫。
そのために、今まで頑張ってきたのだ。
僕は覚悟を決め、目を開ける。
「エヴァ初号機発進!」
こうして、僕は最後の戦いに向かった。